ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Jul 3, 2006
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「どんどこどんどん。」

 今日はカルテットの練習をした(第一バイオリン:僕、第二:マイク、ビオラ:ジェーン、チェロ:ケーティー)。

 今回とりあげたのは、ケーティーの強い希望でモーツァルトのイ長調。順番的には「狩り」と「不協和音」という名曲たちに挟まれてるわりに、あまり脚光を浴びてない不運な曲。
 自分にとっても、六曲あるモーツァルトの「ハイドンセット」のなかで一番馴染みがない。だからこそ、今回の練習では何かを感じとれるかもと思って期待して臨んだ。

 初めて合わせてみたが、この曲が一般ウケしない理由が何となくわかった。モーツァルトにしてはあまりに 渋すぎ 。明るくもなく暗くもなく、中途ハンパなのだ。
 1楽章からいきなり三拍子っていうのも意表を突かれる。アレグロとは指定されているものの、しっとり弾いたほうがいいのかも。

 この曲のハイライトは、たぶん緩徐楽章のアンダンテだと思う。かなり凝っている変奏曲。
 最初の聞かせどころは、第二変奏の第二バイオリン。32分音符攻撃。うねうね。ぐるぐる。難しそうに聞こえるけど実はそうでもなかったりして。(おいしい。)

 唯一の短調もの(第四変奏)も印象的だが、なにより第六変奏のチェロの「太鼓叩き(どんどこどんどん)」が唐突で笑える。ちょっとだけ 大和魂 をくすぐられる。

 この曲、全体にわたって強い印象が残りにくく、なんともコメントしにくい微妙な音楽だと思う。ひと通り弾いてみた後で四人で途方に暮れてしまった。でも、きちんと研究して練習して弾き込めば、とてつもない名曲と感じ得るような何かがある(ような気がする)。
 こういう曲は無理して手を出さないほうがいいのかな、と感じた。

 ちなみに、僕らの使ったパート譜は2楽章と3楽章が入れ替わってて、2楽章がアンダンテ、3楽章がメヌエットだった。ほんとは2楽章にメヌエットが来るらしい(スコアもCDもそうだった)。
 やっぱり風変わりな曲だと思う。





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最終更新日  Jul 4, 2006 08:14:52 PM
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