ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Nov 12, 2006
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「田園と断崖」

 今日のワークショップの後半はベートーベンの弦楽四重奏曲3番を弾いた。(第1バイオリン:僕、第2:ベアトリス、ビオラ:ケン、チェロ:ルイーズ、講師:スザンヌ先生)

 来月のオーケストラの本番に向けて、ちょうどブラームスの交響曲2番を最近練習していて、この交響曲の「田園」的な癒し効果にどっぷり浸かっているところだったが、このベートーベンの第3カルテットも、ずばり田園系で癒し系。しかもブラ2と同じニ長調。

 この四重奏曲、表向きは第3番となっているけど、ベートーベンの書いた最初の四重奏曲らしい。ファーストが独りで勝手に弾き始める冒頭ほか、いろいろと斬新なことが各所に見られ、カルテットデビュー作とは思えない。

 今日は1楽章を中心に練習した。聴くのと弾くのでは大違い。難しすぎて、いちいち癒されてる暇なんてない。アンサンブルも高度だし、音程もとりにくい。
 でも、せっかくファーストを弾かせていただくからには楽しまないと勿体ない。自分としては、密かに以下の箇所に賭けていた。

18-3

 これって、えーと、嬰ハ長調? ほかの三人は同じ音をジャカジャカ弾き続けるなか、ファーストだけが段々の崖を駆け上がっていって、超高音の#ドに到達するとこが実にかっこよい。

 はるか真下にいる最低音のチェロの#ドとの差、なんと五オクターブ。この曲で一番気に入ってる瞬間。田園のなかに突如として現れる断崖絶壁というか。

 スザンヌ先生(プロのビオラ奏者)のご指導は、メリハリがあって飽きない。譜面上では厳密には指定されていない微妙なテンポの揺らし方とか、強弱の加減についてまで、いろいろと教えていただいた。






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最終更新日  Nov 17, 2006 08:36:46 PM
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