ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Dec 27, 2010
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カテゴリ: 映画、テレビ
「私はピアノ」

 ピアノ奏者グレン・グールドに関する映画をテレビで観た。このたびアカデミー賞ドキュメンタリー部門の最終候補に挙がってる作品だそうで、なんと某テレビ局(っつーか当然PBS←日本でいうところのNHK教育?)が太っ腹に全編テレビ放映すると発表したもんだから、僕の周りの音楽仲間/映画仲間のあいだで大騒ぎ。
 どーせ外は吹雪なんだし、家に引きこもってゆっくり鑑賞しましょ、とみんなしてネット上で勝手に合意。


予告編


 氏と親交のあったさまざまな人たち(愛人とか共演者)がカメラの前で語りまくる。彼のことを形容するのに eccentric という単語を使う人が何人もいた。
 はっきり言って、僕はもともとグールドのピアノのどこがどう凄いのか、あんまりよくわかってなくて、この映画を観て彼のことがいろいろわかった。とにかく神経質かつオレ様なお方。

 バッハの音楽をその無機性と有機性のはざまで禁欲的に解析しつつも、自分の感性が揺らぐことはない。そんな彼の弾きざまは、そのまま彼の生きざまでもある。偏ったレパートリー、共演者との確執、奇怪な性癖など、彼が自分らしさを発揮すればするほど、保守的な音楽界では異端児扱いされるに違いなく、でも彼の苦悩そのものは下界の人間にどのように評価されようがお構いなし。なぜならそれは自分の内側に向けられたものであるから。

 良質のドキュメンタリーだと思う。が、毒のある内容や映像でもって問題提起されるのを期待する向きにはもの足りないかもしれない。
 いろんな人がいろんなことをカメラの前でしゃべりまくってて、特に具体的な説明もないまま貴重なお宝映像や再現映像も次から次へと流れて、かなり混乱しながら鑑賞したけれども、題材としては非常に興味深かったから良しとする。






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最終更新日  Dec 28, 2010 01:47:21 PM
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