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<ギリシャ国旗:WIKIPEDIA>
ギリシャが欧州債務危機の顕在化を炙り出したのは、
2009年10月に明らかになった同国の財政赤字の過小評価であった。
財政赤字/GDPの実際値は、2008年が5.0%→ 9.8%、
2009年が3.7%見込み→15.6%と修正して発表された。
市場は国債利回りの急上昇で反応した。
//////
市場からの資金調達が困難となった同国を救済するために、
EU,IMFは2010年5月に1,100億ユーロを貸し付けた。
同国以外にも不審の目が拡がり、欧州全体に債務危機問題が拡大した。
このことは、ユーロ圏加入の国々が、優秀な独並の待遇を受けたために、
身の丈を越えた資金調達を安易に行うことが出来たという矛盾が
一挙に現れ始めたのである。
・・・
つまり、ギリシャ、ポルトガル、アイルランド、伊などの国は、2001年~
2008年迄の間は、独並の5%程度の長期国債利回りで容易に
資金調達できたが、2009年からは再び調達金利の乖離が発生している。
利回りが低下傾向にある独とは正反対に、
これらの国では資金調達のためには長期国債利回りは上昇せざるを
えなくなったのである。
・・・
それまでの、低金利下では経済成長が見られたことから、
「年金改革・徴税などの構造改革」が等閑にされてきた。
また、労働コストは大きく上昇し、国際競争力が低下したが、
資金導入のみが容易で対外債務が膨らんだ。ために、
対外債務/GDP比は2003年93.9%から
2007年には
・・・
2011年3月、ユーロ圏のギリシャ支援額は約1,300億ユーロが拠出され、
これによって、同国の資金繰りは何とか埋められた。
また、既往債務の減免や、世界の民間金融機関の9割超が、
保有するギリシャ国債2,060億ユーロの元本削減に応じた。
当時は、スペイン、イタリアなどの国債も売られ、世界に動揺が拡大した。
・・・
本来、資金繰り改善には債務返済能力の増強が伴なわないといけないが、
IMF,EUなどの金融支援で補うばかりが目立っている。
財政再建、経済構造改革などが十分に取られた形跡は
あまり見られないようである。
・・・
ユーロ圏では危機対応の枠組みを今後、7,000億ユーロ備えており、
すでにギリシャ支援した実績に加えての累積資金総額は約9,500億ユーロ
となる見込みである。
今回のIMF返済滞納で事実上の デフォルト に陥り、
ギリシャは金融支援を失い、予定していた約180億ユーロを受け取れなかった。
現在は、ギリシャ債務の6割をユーロ各国が、
16%強をIMF,ECBが保有している。
ギリシャの命運はユーロ諸国= EU親 が掌握しており、
いわば「 だだをこねて、少しでも生活のゆとりを得ようとする 」
程度かも知れない。
しかし、だだっ子が、親同士で互いに反目している人物(= 露 )に
色目を使ったり、だだっ子仲間の投票で親の指示の内容を変更したり、
指示自体を受けるかどうか、を決めるまで待つように迫ると、
EU親 は、まず、その
だだっ子仲間は自分の「資本規制」で預金を銀行から必要なだけ引き出せない。
さらには、EUの支援が失効したため、181億ユーロの融資(銀行救済資金を含む)
を受け取れなくなった。預金引き出し以外にも、8月20日までの大口返済は
142億ユーロあり、いずれは、国内銀行自体の資金が底を突いてしまうことになる。
・・・
ただ、ECBの約891億ユーロの供給枠が残されており、資本規制で資金流出が
抑制されているため、なんとか繰り回しできている。
EUは、 きかん坊 の聞く耳は持たずとも、だだっ子仲間から代表を出し直して、
親の指示に従うのをじっと待つことにした、みたいだ。・・・めいていの感触
★
・ギリシャ債務(=総額約3,200億ユーロ、約44兆円)先の内訳
| 支援団 |
借入先の内容 |
債務構成比 |
|---|---|---|
| 支援債権団1 |
ユーロ圏各国 |
60%(EFSFなど融資41%) |
| 支援債権団2 |
IMF |
10% |
| 支援債権団3 |
ECB |
6.2% |
| <支援債権団小計> |
< 76.2%> |
|
| ギリシャ中央銀行 |
1.3% |
|
| 国内銀行 |
3.4% |
|
| 国外銀行 |
0.8% |
|
| 債券その他 |
15.1% |
|
| 融資その他 |
3.3% |
|
| <その他小計> |
< 23.9%> |
| 当面の日程 |
期限・予定など |
|---|---|
| 6.30 |
ギリシャ支援終了。IMF<15億ユーロ>返済期限 → 一部デフォルト |
| 7.5 |
EU改革案への 国民投票実施 (首相・議会決断) |
| 7.10 |
短期国債償還20億ユーロ <大半は国内民間銀行保有> |
| 7.13 |
IMF償還4.7億ユーロ |
| 7.14 |
円建て債券(サムライ債)償還約117億円=約0.9億ユーロ <日本の内外投資家保有> |
| 7.17 |
短期国債償還 10億ユーロ |
| 7.20 |
ECBへの国債償還 約35億ユーロ |
| 8.7 |
短期国債償還 10億ユーロ |
| 8.14 |
短期国債償還 14億ユーロ |
| 8.20 |
ECBへの国債償還 約32億ユーロ |
| ここまでの小計 |
以上の償還額の 約142億ユーロ |



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