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Jan 10, 2020

Tsunami氏の特別寄稿：牧野元次郎の「ニコニコ貯金」について　+α：「一言引用」

カテゴリ： Tsunami氏寄稿、SCRAP記事、写経・感想など

＜Tsunami氏から＞

　日経朝刊読書欄コラム「書物（ホン）の身の上」に、

協和銀行（現・りそな銀行）の前身「不動貯金銀行」

を設立した実業家：牧野元次郎

（ﾏｷﾉﾓﾄｼﾞﾛｳ：明7～昭18）が紹介されていました。

　牧野は、東京高等商業学校（現・一橋大学）に

入学するも

猛勉強のため病気になり明治28年に中途退学。

　やがて病も癒えて、

（地元の）成田銀行に勤め、

明治33年「不動貯金銀行」を設立した。

　翌年「３年貯金」

（のちに「ニコニコ貯金」の名称で普及）

を考案、現在の定期積金のさきがけとなった。

　彼はニコニコ主義をモットーに、

ニコニコ主義で暮らせば労働意欲がわき、

おのずと金がたまるので

それを「ニコニコ貯金」に回せと、

外務員を通じ預金者に積立を奨励する一方、

雑誌「ニコニコ」を刊行し、

巻頭グラビア写真に当時の軍人・政治家・皇族・

財界人・学者・芸能人・文化人など様々な分野の

知名人のニコニコ顔写真を掲載したとのこと。

　現代のＳＮＳに通ずる牧野の卓抜なアイデアだった

のではなかろうかと思う次第。

<読み辛いので下記の「めいてい君の欄」
　の４．では電子版の大きな文字に変換
　してあります。PCやスマホでの操作が
　出来ない方は下記をご覧ください。>

・＋α：「一言引用」

　　　讀賣新聞 2020/1/6から引用

１．「Ｕｎｉｔｅｄ　Ｓｔａｔｅｓ」の翻訳語：
アメリカが独立性の高い５０の州
（Ｓｔａｔｅ）
からなる連邦国家にも拘わらず、
「合州国」と訳されず「合衆国」
と訳される所以。

２．ＪＲ国立駅旧三角屋根駅舎：
復元中の赤い三角屋根の旧・国立駅舎が
４月４日（土）にオープン

☆
・
☆

 ＜めいてい君の欄＞ 

１．寄稿者のファイルは「PDF形式」
　　なので
　　Tracker社のPDFXCViewerなどで
　「JPG形式」に変換してあります。

　　
　
２．＊文字が見辛い方は、

（１）．PCでは
　　　「CTRL」＋「＋」を押して拡大
　　　　できます。
　　　　3回で十分です。
　　　　あとで、「CTRL」＋「０（数字）」を
　　　　１回押して、元に戻してください。
（２）．スマートフォンでは、
　　　　二本指で拡大できます。
（３）．「HAZUKI ルーペ」なら問題なし。

３．牧野元次郎(WIKIPEDIA)

経歴

　千葉県君津郡久留里町（現君津市）出身。
　旧久留里藩士・牧野治の長男。
　父・牧野治は明治維新後は警察官吏となり、
　牧野が小学校に入学する頃には千葉県内の各地に赴任、
　警察署長も務めた人物。

　1886年、印幡郡土室村の北総英漢義塾に入学。
　病気のため高等商業学校（のちの一橋大学）中退。
　過度の勉学への意志が牧野の精神を侵した。
　病も癒えた1894年、21歳の牧野は成田町に創立さ
れた成田銀行に勤めた。

　1900年、不動貯金銀行設立。
　資金を提供したのは岳父の小堀清であり、
　頭取も小堀が務めた。
　1904年、頭取就任。
　1941年、相談役となる。1943年、死去。

☆

・・・・・・・・・・・・・
＊読み辛いので電子版から＊
・・・・・・・・・・・・・

4.＜書物の身の上　出久根達郎＞

「ニコニコ主義の唱道者

銀行家が説く笑顔の効用」

日本経済新聞　朝刊

2020/1/4

笑顔を売りにした、型破りの雑誌である。

　誌名を『ニコニコ』という

（表紙の題号は縦書きでは、

くの字点を用いている＊ ）。

　明治四十四（一九一一）年二月創刊。

巻頭グラビアは、軍人や政治家、皇族、財界人、学者、

芸能人、文化人など、

あらゆる分野のかたがたのニコニコ顔の写真である。

　大隈重信の笑っている写真は貴重ではなかろうか。

　渋沢栄一も笑っている。

　福々しい顔が、いっそう福徳円満に見える。

　文豪・夏目漱石先生も、経机に手を置き、

こちらを見てニヤリと唇の端を歪ませている。

　先生、唯一の笑顔の写真である。

　笑わないといけないのか、

とニコニコの記者に聞いたら、

　当たり前の表情で構わないと答えた。

　それなのに、約束ではありますが、

どうか少し笑って下さい、と頼む。

　漱石は取りあわなかったが、

後日送られた写真を見ると、

皮肉っぽい笑顔を浮かべている、

と「硝子戸の中」で記している。

　『ニコニコ』の笑顔写真は、

男ばかりではない。

　西郷隆盛の妹や弟従道夫人など著名人の母堂や妻、

令嬢がふんだんに写っている。

　家庭婦人の笑い顔は、珍しいだろう。

　緊張した面持ちで（特に女性は）写真を撮った時代で

ある。

　男爵九条武子夫人（美人の歌人で高名）他、

白い歯を見せて明朗に笑っている。

『ニコニコ』は写真ばかりではない、

読み物も満載である。

　大正六（一九一七）年新年号を見てみる。

　「新年の追憶」が特集で、大隈や渋沢、

シベリア単騎横断の福島安正、救世軍の山室軍平、

弁護士の花井卓蔵、教育家の棚橋絢子（あやこ）、

俳人の高浜虚子、歌人の与謝野晶子他が、

正月の思い出を語っている。

　渋沢が語る十二歳の元日が面白い。

　母に命じられて年始の回礼に出た。

　読書欲旺盛の年頃だった。

　渋沢の師の尾高惇忠（あつただ）は、本は乱読すべし、

小説でも何でも手当たり次第読め、と勧めた。

　それで暇さえあると読む癖がついた。

　回礼の途中でも、二宮尊徳よろしく歩きながら読んだ。

　夢中になりすぎ道ばたのドブに転がり落ちた。

　折角の晴れ着は泥だらけ、年始どころではない。

　正月早々、母にお年玉ならぬお目玉を食ってしまった。

　歴史小説あり、柳家小さんの落語あり、巌谷小波の

お伽話あり、エッセイあり、正月号らしく「年賀状の

いろいろ」のページもある。

　編集部に届いた名士の賀状百枚を紹介している。

　社会主義者・堺枯川（利彦）の文言はこう。

　「新年も平日の通り労働と怠惰と不平と満足との生活

を送り居候間別段御祝詞（ヽヽヽ）申上げず候」。

　作家・正宗白鳥は、「謹賀新年、ニコニコ毎号有がた

く候田舎の家族は皆々愛読いたし居り候」。

　巻末は読書文通希望欄の「ニコニコポスト」で、

切手や絵葉書の交換、

お便り下さいの投書でひしめいている。　　

　現代のSNSである。

　この月刊誌の発行人は、牧野（まきの）元次郎。

　毎号、巻頭言を掲げている。

　それを一冊にまとめたのが、

昭和二（一九二七）年に弘学館書店から

発行された『ニコニコ全集』である。

　牧野は「ニコニコ主義」を唱えた。どんな主義か、

というと、まず「今日一日の記」を朝夕三唱する。

「今日一日三つの恩を忘れず、不足の思いをなさぬ事」。

　三つの恩とは師の恩、君の恩、父母の恩である。

　「今日一日腹を立てぬ事」

　「今日一日嘘を言はず無理を為さぬこと」

　「今日一日人の悪を云はず己れの善を云はざる事」

　「今日一日の存命を喜び稼業を大切に勤むべき事」。

　最後に「右は今日一日の慎にて候」と言う。

　この五カ条を毎日実行していけば、

「ニコニコの人は体もすこやかで家庭円満商売繁盛」と

なる。

　そして、「あら不思議笑う門にはよけてゆく貧乏神の

後ろ姿よ」。

　ニコニコ主義で暮らせば、労働意欲がわき、

おのずと金がたまる。

　それは「ニコニコ貯金」に回せ。

　牧野は明治三十四年二十七歳の時に、

「石の上にも三年貯金」を案出した。

　余ったら貯金するという心がけでは、

金はまずたまらない。

　牧野は毎日強制的に集金し、三年間は払い戻さぬ

貯金を広めた。

　三年積立で一万円コースは毎月いくら積む。

一日にするといくら、

と計算し一覧表にして各戸に配った。

　月末には集金人が訪れた。

　貯金の名称は、やがて「ニコニコ貯金」に変わった。

　この定期積金は大ヒットした。

　牧野が創業した銀行を、「不動貯金銀行」という。

　牧野は頭取になり、かたわら「ニコニコ倶楽部」を

設立。

　『ニコニコ日記』を出版し、月刊誌『ニコニコ』を

主宰した。

　牧野は一八七四年、千葉県に生まれた。警察官の長男

である。

　成田山新勝寺住職に才気を認められ遊学、

東京高等商業学校（一橋大学の前身）に学ぶも、

猛勉のため病気になり中退した。

　一九四三年死去。

　作家・武者小路実篤がニコニコ主義に共鳴し、

伝記を刊行している。

　　　（作家）

<ふりがなを省略>

＊「く」とは、縦書きの「くりかえし」の記号。

☆

5.合衆国

呆け頭からすると、
「がっしゅうこく」は単なる、
州の合体の国家ではなく、
「小国」の寄せ集めのような気がする。
　州（）の「勢い・色」を州（小国）ごとの
選挙人名簿数で見るから各州（小国）の色が先ず

決まり、次に、州の色数で全体が決まる。
　州が一つの国家なのである。
　まず、衆の勢いを強めてその州（一つの国家）
の色を取ることが大事であるから、「衆」が
優先する。
　結果として、「州の色の数」で全体が決まる。
　まずは、民主主義の選挙の結果
（衆による州の色の選挙結果）が反映される
→全体（大統領）は州の色の数なのだろう。
　クリントン女史は∑「選挙人数」では勝ったが
トランプ氏は∑「州の色」で勝ったのであり、
歪な米国 合衆国 大統領選挙制度を示している。
　米国は国が沢山集まった構造なのだ。

☆

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