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めいてい君 @ 日本の純資産~過去最大の純資産で円建てでは世界最大 [東京 28日 ロイター] - 財務省は2…

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Oct 20, 2020
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​​​ 宇治見氏の特別寄稿(翻訳): ​​


補論「III」(その1) 

Třešť (発音はチェシュチュ) における​

産業革命とシュンペーター家について



、19世紀、産業が発達するにつれ、​

資本を生産面にいかに投入するかが重要になってきた。

 生産は諸産業によって支えられている。

 特に冶金、鉄道、織物業が重要な産業である。

 当時の経済学者、A.Smith, R.Malthus,  J.S.Mill 

といった著名な学者は、18世紀の技術および経済の状況

から見て、労働力が経済成長にとって最も重要な要素だ

と考えた。

 利用可能な土地が十分にあれば、人口の増加は、

そのまま生産の増加につながる。

 しかし、労働力の増加が土地の不足によって制約を受け

ると、生産の増加は頭打ちになる。

 この結果、古典派の経済理論は人類の将来を不安視する。

 そして経済理論の中で、好景気と不景気の循環が

最も多
く研究されるに至るのである。

 しかし、J.M.Keynes 、A.A. Hansen, C.Clark,  

R.F.Harrod,と言った経済学者は、この悲観的な理論を離れ、

楽観的な理論を展開した。

その1人がJosef Schumpeterである。

 彼は、経済停滞の理論に真っ向から反対した。

 彼によれば、人間の欲望は決して満たされることはなく、

新技術が生まれても、投資の量は減らないと考えた。

 そして、貧困に対し戦うことは、経済成長を保証する

ことであると思った。

 Schumpeterは、技術進歩を革命的に変える

Entrepreneurshipの役割について、非常に興味を示した。

 彼は、経営にとって、利益だけを目標にするのではなく、

より良い投資の機会を見つけることが重要であると説いた。

 Schumpeter の理論は極めて直感に基づく理論だが、

経験的研究方法の力も借り、1つの答えを導きだそうと

した。

 そして、新しい技術を学び、これを実現させれば、

貧しい国々も豊かな国々に追いつくことが出来ると、

彼は確信していたのである。

、Schumpeterは、自分の論点や理論を構築するに

当た​
り、先祖が何代にも亘って経験し積み上げてきた

実績が、
自分に大きく影響していると思った。

 何世紀にも亘り、Schumpeter一族はEntrepreneurs

軍団(一群)を育ててきた。

 彼らの経済的経験は、後に、多くの経済学者が理論構築

をする際、大きな根拠を与えてきたことになる。

 Třešťの織物業の実績と経験は、

すばらしい生きた材料な
のだ。

 数百年間、Třešť は織物業の中心地であった。

 しかし機織機の音が聞かれたのは昔のことで、

今はその
面影はほとんどない。

 時の経過とともに、消え去ろうとしている。

 当時、糸をつむぎ、機を織り、染色し、裁断する

といった
織物業の仕事は、何百人もの人々の生活の

糧となっていた。


 Lihlava地方では、15世紀、銀山が衰退した後、

織物業が、
主要な産業となっていた。

 他の町、Třebíč , Telč等でも織物業をはじめた。

 地域の利益を優先させるためには、企業活動の

規制が
必要であり、生産はギルドの中で、

しかも工場内に限定
された。

、Třešť に於ける生地ギルドの歴史については、

かなり​
しっかりした記録が残っている。

 1727年、Moravia裁判所は、BohemiaのCourt Office

から、織物工業の状況につき、報告を求められた。

 そこで、同裁判所は下部機関(市町村等)に資料の提出

を求めた。

 これが、その後、織物工業に関する国家統計資料を作成

するための基礎となったのである。

 Lihlavaからの統計報告によれば、織物業がこの地域の

どこで行われているか、すべての場所が明記されている。

 ギルドの親方の数、職人数、織物機械の数だけではなく、

年間の布地生産量も記されている。

 これを読めば、地方当局は、布地ギルドの組織の詳細、

使用されている織物機械の数を容易に把握することができる。

 ギルドは会員全員のリストを公表し、数字の信憑性を疑う

余地はなかった。

 しかし、布地の生産量に関しては信頼性がなかった。

 これは、徴税を恐れたからで、地域当局への報告には、

生産量を意図的に過少に報告する傾向が当時あった。

 1727年のこの報告は、税金とは直接関係がなかったが、

やはり徴税のことを心配し、生産量に関しては信頼性が薄い。

 この調査は国により、Charles 4世統治の時代から行われ、

外国から輸入する織物に防衛的関税を掛ける目的を持っていた。

 提出された資料には、それなりに、貴重な価値があった。

 と言うのも、Třešťにおける布地生産の発展傾向をつかみ、

個々の生産者の貢献の度合いを理解するためには、

これが基礎数字となったからである。

 1727年、Třešťには70人の親方と67の機織機があった。

 この数字はLihlava地区で3番目にランクされる。

 1番目はLihlavaで461人の親方、2番目Třebíč は143人

であった。

 他の町は、はるかに少ない。

 たとえばTelčは34人である。

 続く数十年間、様相は経済発展とともに大きく

変わること
になる。

 1759年、ギルドの親方の数を示す新たな地域の報告が

あった。

 それの扱いだが、販売を兼業している親方を外数にする

か否か、以前の報告とは異なる点もあった。

 1727-1759年の間、Lihlava地域では工場はお互い近所

に集まっていた。

 離れると不経済的になるからだ。しかしTřešťおよび

Schumpeter家では違った。

 1727年、Třešťでの生産量は驚くべき豊かな数字、

2900Bales であった。

​ 同時期、 Jihlava(発音はイフラヴァ) の生産量は

11,000Bales​
​、 Třebíč (発音はトシェビーチ) 900、

Telč(発音はテルチ) 187 Bales であった。​

1727年の統計では、織物は、3種類の布地(普通、中位、

生地が硬く粗い)で区分されていた。

 当時、良質の毛織物はまだほとんど生産されていなかった。

 生産者は、「中位」と「生地が硬く粗い」の2種類の生産

に特化していた。

 Lihlava、Třebíč  Třešťでは、軍隊に納めるための「生地

が硬く粗い」生地生産が中心だった。

 F・X・ Schumpeterはかなり経営に長けた経営者で、

生産量を4分の1引き上げた。

 1730年中期から生産は極端に増加し始めた。

 1732年 1,305 Bales、 1735年 3,596 Bales、

1738年 3,650 Bales、 1739年 3,417 Bales、

1746年 3,210 Bales、 1745年 2,997 Bales。 

 Třešť はJihlavaについで第2位に躍進した。

 比較してわかることだが、他の地域では生産量は

数百Bales程度であった。

 Třešťの繁栄にとって、織物業の貢献が大であることに

気づいた町当局は、1721年、池の近くに、布地のための

染色工場を建設した。

 同じ時期、ギルドハウス(No.108)も建設された。

 これは不幸にも1824年消失したが。


、Třešťの織物業者の納品先は陸軍であった。​

 数十年の間、オーストリア軍の軍服はTřešť製であった。

 17世紀、18世紀の間に、スペイン継承戦争、

オーストリア継承戦争、対トルコ戦争といった長期に亘る

戦争が続いたが、チェコ・モラビア高原の織物業者は、

そのおかげで繁栄を極めた。

 織物に対する軍隊からの需要は非常に多かったので、

Třešťの織物ギルドだけではまかないきれなかった。

 当時18世紀の末、このギルドは、F.Xaver Schumpeter

によって統括されていた。

 実は、Třešťの製品が全部軍隊に納品されたかといえば

そうでもない。

 数千Balesの織物はモラビアのまちまち、あるいは帝国の

他の地域(オーストリア、チロル、あるいはハンガリー)

の市場で販売された。

 南ドイツ、ニュルンベルグやAugsburg、バーゼルには

布地を買ってくれるお得意がいた。

 また、チェコ・モラビア高地の布地はポーランドや

ロシアといった東の地域でも販売に成功して来た。

 1747年のLihlava地域高等弁務官からの短い報告に拠る

と、Třešťの織物業者はウイーン(1,800 Bales)、

プラハ
(449 Bales)でも販売していた。

 特筆すべきは、Sumpetre家は Cracow Councilと

非常に良好な契約を結んでいた(129 Bales)。

 18世紀中頃の統計資料からは、手づくりと工場生産の

各々の製品に増産傾向のあることが概略わかる。

 これらの報告は、いわゆる「Factory Tables」に基づ

き作られている。

 当時、地方の当局は、何百という零細工場の生産内容を

理解することは出来なかった。

 なぜなら、当時の地方当局は、「Factory Tables」を

欠いた資料を収集するに留まっていたからである。

 「Factory Tables」があれば、零細工場の内容を把握

することが出来るのだが。

 従って、当局はギルド(Town Council経由)から提供

される報告に頼らざるを得なかった。

 ここで、Lihlava 地域の織物業に従事する労働者の数

およびか機織機の数を見てみよう。

 1769年、Třešť には79人の機織親方がいた。

 この年の機織機械の数は不明である。

 1791年には稼動している親方数は170人、機織機械は

110台だった。

 1799年には、親方 177人、機械 172台、1803年には

親方 182人、機械 172台であった。

 この数字から織物業が成長し栄えていることが解る。

 1791年、Schumpeter工場では 8台の機械が使用され、

数十人の土地の織物業者と提携関係を結んでいた。

 Schumpeterは彼らに羊毛を供給し、織物としての

仕上げは自分が費用を負担して行った。

 これは家内工業の始まりである。

 1795年同工場は25台の機械を設置した。

 3年後には、3人のギルド親方、20人の職人、6人の手伝

いが雇われ、30台の機械が稼動した。

 染色工場、糊つけ工場とは別に、漂白工場が建設された。

 1803年には、工場は、28台の機械が稼動し、3人の親方、

47人の職人、15人の徒弟、28人の手伝い、350人の紡績工

が働いていた。

 この時代の基準からすれば、この工場の規模は中型規模と

いえる。

 たとえば Brno(発音はブルノ) では、すでに数百の機械

を使い数千人の労働者
を使う織物業者が存在していたが

これは例外である。


 Lihlava地域の工場の生産量は、当時まだ最小限の水準に

留まっていたが、後に、Lihlava地域は織物業で最も進んだ

中心地域になる。


 補論「III」(その2)に続く





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Last updated  Oct 20, 2020 12:00:14 AM
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