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2026.01.14
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カテゴリ: 発達障がい

『イラスト図解 発達障害の子どもの心と行動がわかる本 「困らせる子ども」は、「困っている子ども」です。』は、発達障害の子どもを「問題行動のある子」ではなく、「困っている子」として理解し直す視点をわかりやすいイラストと図解で示した入門〜実践書です。保護者や教師、支援職が「なぜこの子はこう動くのか」を具体的な場面から学び、日常場面で活かせる対応のコツまで一冊で押さえられる構成になっています。

本の基本情報とねらい

著者は、子どものこころの臨床に長年携わってきた田中康雄氏で、発達障害や思春期の心の問題に関する著作を多く持つ専門家です。

本書のねらいは、「困らせる子ども」というラベルを外し、「その行動の裏にある困りごとを理解し、支える」視点を、専門用語に偏らず親しみやすいイラストと事例で伝えることにあります。

発達障害の子どもに関わるとき、大人側は「どうすれば言うことを聞いてくれるか」という視点に立ちがちですが、本書は「どうすればこの子の困り感が減るか」「どう環境を整えれば、この子が力を発揮しやすくなるか」という、支援・環境調整の視点に軸足を移すよう促します。

構成と章立て

出版社の紹介によれば、本書は発達障害の基礎理解から具体的支援まで、段階的に読み進められる全8章構成です。

第1章「発達障害とは?」では、発達障害という概念や、脳の特性として捉える考え方、診断名だけで子どもを見ない視点などが、図とイラストで解説されています。

第2章「こんなようすが気になったら」では、園や学校、家庭でよく見られる「気になる行動」を入口に、どのような特性が背景にあるのかを説明していきます。

続く第3〜5章では、自閉症スペクトラム、ADHD、LD(学習障害)といった主要な発達障害ごとに、典型的な特徴・つまずきやすい場面・誤解されがちな点を整理します。これにより、単にラベルとしての診断名ではなく、「その子がどんなところで困っているのか」を具体的にイメージしやすくなっています。

第6章以降では、診断から療育・ケアへの流れ、そして家庭・園・学校での具体的な支援方法が扱われ、読み手が実際の場面で何をどう変えていけばよいかを学べる構成です。

イラスト図解でわかる「子どもの世界」

本書の大きな特徴は、文章中心ではなく、豊富なイラストと図解で「子どもの感じている世界」を視覚的に伝えている点です。

たとえば、自閉スペクトラムの子が「音や光、人の気配」にどう圧倒されているのか、ADHDの子の「頭の中の忙しさ」などを、絵で見せることで、読者が「この子はわざとやっているのではない」と直感的に理解できる構成になっています。

「こんなとき、この子の頭の中では何が起きている?」という形で、同じ場面を子ども側と大人側の両方の視点から描き、ズレを可視化する工夫もされていると紹介されています。

こうした図解は、発達障害の専門用語に馴染みの薄い保護者や、忙しい現場の先生でも、短い時間で「なるほど」と腹落ちしやすい作りです。文章だけではイメージしにくい「感覚過敏」「情報処理のしづらさ」「切り替えの難しさ」なども、イラストによって共感的に理解できるようになっています。

家庭・園・学校での具体的支援

後半の章では、「理解」で終わらず、「では実際にどう支えるか?」という具体策がテーマになります。

第6章では、気づきから受診・診断・療育につながるプロセスを整理し、「いつ・どこに相談すればよいか」「診断名をどう受け止めるか」といった保護者の不安に応える内容が紹介されています。

第7章「家庭での支援」では、声かけの工夫、見通しの立て方、生活リズムの整え方など、家庭で今日から使えるアイデアが多数例示されているとされています。

また、第8章「保育所・幼稚園、小学校での支援」では、集団生活の中で起こりがちなトラブル場面を取り上げ、環境調整や支援のポイントを示しています。教師や保育者にとっては、「叱る前にできるひと工夫」「この子の力を生かす配置や役割の工夫」など、現場で実践しやすい視点が得られる構成です。

同じ出版社の関連書籍レビューでは、田中氏の本について「行動の背景説明だけで終わらず、『ではどう関わるか』まで丁寧に書かれている」「読んで終わりではなく、実践してこそ意味がある本」と評価されており、本書もその系譜にあると考えられます。

読み手にとっての意義

本書は、次のような人に特に有用な一冊です。

「クラスや家庭に『困った行動』をする子がいて戸惑っている」教師・保護者。

発達障害の概念は知っているが、「診断名と、その子の日常の困りごと」がまだ結びついていない支援者。

支援の専門書はハードルが高いが、現場感のある具体策を知りたい人。

「困らせる子ども」は「困っている子ども」という副題の通り、本書は子どもの行動を「問題」として矯正する視点ではなく、「その子の困り感を和らげ、安心して暮らせる環境を一緒に作る」という関係性の転換を促す本です。イラスト図解という形式によって、発達障害の専門知識を、現場や家庭での対話・協力の土台へと翻訳してくれる一冊と言えます。







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最終更新日  2026.01.14 09:07:03
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