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2026.07.27
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カテゴリ: マンガ

『スーパーの裏でヤニ吸う二人』(著:地主)は、疲れた日常にそっと寄り添うような温かさと、絶妙な「すれ違い」が生み出す甘酸っぱい空気感が魅力のラブコメディ漫画です。

単行本化される前、著者のX(旧Twitter)上で『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』として公開されるやいなさや爆発的な話題となり、「次にくるマンガ大賞 2022」Webマンガ部門で第1位を獲得するなど、多くの読者の心を掴んで離さない大ヒット作品となっています。

本文では、本作のあらすじ、魅力的な登場人物、物語を引き込む見どころ、そして本作が与えてくれる独自の癒やしについて、約2500文字で詳しくご紹介します。

1. あらすじ:社畜サラリーマンとタバコ部屋の秘密

主人公の佐々木は、過酷な勤務環境で働く中年サラリーマン。毎日仕事に追われ、精神的にも肉体的にも疲弊しきった彼の唯一の癒やしは、近所のスーパー「サクラ」のレジ担当店員・山田さんの接客を受けることでした。元気いっぱいで行き届いた山田さんの笑顔と明るい接客は、佐々木にとって暗闇の中の光であり、まさに「生きがい」そのものでした。

ある日、いつも以上に仕事で惨めな思いをし、ボロボロになった佐々木は、山田さんの笑顔に癒やされようとスーパーへ向かいます。しかし、あいにく山田さんはシフトに入っておらず不在。意気消沈した佐々木は、せめて煙草でも吸って気を紛らわせようとしますが、近隣の喫煙所が次々と閉鎖されている現実に直面します。

途方に暮れる佐々木に、スーパーの裏口から声がかかります。そこにいたのは、耳にピアスを開け、奇抜な服装をした煙草を吸う謎の女性——田山(たやま)でした。

「ここ、吸えるよ」

彼女に誘われるがまま、スーパーの裏手にあるバックヤード(喫煙スペース)で共に煙草をくゆらせることになった佐々木。初めは彼女のガラの悪そうな雰囲気に気おされていたものの、言葉を交わすうちに、不思議と居心地の良さを感じるようになります。

しかし、佐々木はまだ気づいていませんでした。

この破天荒で少し生意気な喫煙仲間「田山」の正体が、自分が毎日癒ややされている理想の店員「山田さん」その人であるということに——。

2. 登場人物:二つの顔を持つ二人

本作の最大の面白さは、主人公二人のキャラクター性と、互いに対する「認識のズレ」にあります。

佐々木(ささき)

人物像: 40代手前のくたびれた社畜サラリーマン。根が真面目で誠実、そして少々気弱な性格。

特徴: 自分の苦労をあまり表に出さず、一人で抱え込みがちですが、他人に対してはどこまでも温かい目を向けます。

関係性: 山田さんを「神接客の癒やしの天使」として崇拝する一方、田山に対しては「ちょっと生意気だけど根はいい煙草仲間」として、歳の離れた友人や後輩のように接します。田山=山田であることには全く気づいていません。

山田 / 田山(やまだ / たやま)

人物像: スーパー「サクラ」の店員。

山田(表の顔): エプロン姿に黒髪のお団子ヘア。丁寧で明るく元気な完璧な接客で、店のアイドル的存在。

田山(裏の顔): 私服に身を包み、髪を下ろして多数のピアスを着用。少し口が悪くサバサバしていますが、情に厚い性格。

関係性: 佐々木が自分(山田)を日常の支えにしていることを知り、最初はからかい半分で「田山」として接し始めます。しかし、自分に対して嘘偽りのない誠実さや優しさを見せる佐々木に、次第に特別な感情を抱くようになっていきます。

3. 本作のここが面白い!魅力を徹底解剖

① 勘違いから生まれる「すれ違いのキュン」

本作の核となるのは、「佐々木が田山の正体に気づいていない」という設定です。

佐々木は田山の前で、「山田さんの笑顔にいつも救われている」「山田さんは自分にとってのヒーローだ」と照れることなく熱弁します。目の前にいる田山本人に向かって山田さんへの愛(リスペクト)を語るため、田山は赤面したり、動揺を隠すのに必死になったりします。

一方で、田山(山田)もまた「自分が山田であること」を明かすタイミングを完全に失ってしまっています。正体を明かしたら今のこの関係性が壊れてしまうのではないかという不安や、佐々木をからかう楽しさ、そして何より「田山」として佐々木と過ごす密やかな時間の愛おしさから、秘密を持ち続けることを選びます。

この「知っている側」と「知らない側」の温度差と、そこから生じるクスッと笑えて胸がキュンとするやり取りが、読者の心を掴んで離しません。

② 煙草(ヤニ)がつなぐ、大人ならではの静寂と距離感

タイトルの通り、物語の多くはスーパーの裏手という地味で静かな場所で展開されます。

華やかなカフェや賑やかな街中ではなく、段ボールが積まれた物陰、街灯の光が薄暗く届く路地裏。そこに漂う紫煙と、ライターのカチッという音。この静かなロケーションが、作品全体に哀愁と落ち着いた大人の情緒を与えています。

煙草を吸うほんの数分間という短い時間だからこそ、互いに肩肘を張らず、日々の愚痴やふとした本音をこぼすことができる。恋人でもなく、ただの客と店員でもない、「スーパーの裏で煙草を吸う仲間」という絶妙で曖昧な距離感が、現代人の疲れた心に心地よく響きます。

③ 画力と表情描写が織りなす空気感

作者の地主先生による繊細で魅力的なイラストも大きな見どころです。

特に「山田」としての弾けるような笑顔と、「田山」としてのどこかアンニュイで少し意悪そうな表情のギャップが見事に描き分けられています。言葉数が少ないシーンでも、キャラクターの目線の動きやちょっとした仕草、煙草の煙のなびき方によって、二人の間の緊張感や甘やかな雰囲気が饒舌に表現されています。

4. なぜこれほどまでに愛されるのか?(作品が与える癒やし)

現代社会において、多くの人々が仕事や人間関係でストレスを抱えながら生きています。佐々木が抱える「報われない徒労感」や「日々の孤独」は、私たちが日常で感じるリアルな疲れそのものです。

本作は単なる恋愛漫画にとどまらず、「頑張る大人のための救済の物語」になっています。

佐々木にとって山田(田山)の存在が救いであると同時に、実は田山にとっても、自分をひとりの人間として心から尊重し、気遣ってくれる佐々木の存在が大きな支えとなっています。互いが互いの存在によって日常の疲れを癒やし、明日を生きる活力を得ている関係性。

特別なイベントや大事件が起きるわけではないのに、読後はまるで温かい飲みものを飲んだあとのように、心がほっこりと温まります。

まとめ:日常に疲れたあなたに贈る、極上の「煙草×すれ違い」ラブコメディ

『スーパーの裏でヤニ吸う二人』は、日常の隙間にあるような小さな優しさと、もどかしくも愛おしい距離感を描いた傑作です。

疲れた心を癒やしたい方

大人の落ち着いた、でも甘酸っぱい恋愛模様を楽しみたい方

ギャップ萌えや「すれ違い」の構造が好きな方

ひとつでも当てはまるなら、間違いなく心に刺さる作品です。スーパーの裏手で繰り広げられる、二人だけの愛おしい「ヤニタイム」を、ぜひ見守ってみてください。







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最終更新日  2026.07.27 08:43:08
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