道の駅常総ボランティア日誌と、
伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道
お盆休み最後の日曜日。朝の空気に少しだけ秋の気配を感じながら、
今日も道の駅常総でアンケートの声集めに立ちました。
来場の顔ぶれは実に多彩です。概算で、茨城県内から約五割。埼玉・千葉の二県でおよそ三五%。栃木・群馬・東京方面からも一二%ほど。数字を並べると事務的に見えますが、
私の目には、遠く近くから集まった “
物語の束 ”
として映ります。誰もがそれぞれの帰省やレジャーの終章を、この場所で静かに綴っているのです。
この日の主役は、なんと言ってもメロンパンの大行列でした。
炎天下、じっと順番を待つ背中に声をかける ——
アンケートは、
伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道でいえば “
稽古 ”
です。
質問は短く、笑顔は大きく、相手の言葉を最後まで聴く。すると、「こういう活動、ありがたいね」「常総は人が温かい」と、こちらが勇気づけられる言葉が返ってくる。
極めつきは、ご夫婦からのペットボトルの差し入れでした。「喉、渇くでしょう?」その一言に、胸の奥で何かがほどけました。おもてなしは一方通行ではありません。受け取る側が、いつの間にか “
与える人 ”
に変わっていく ——
これが、私のいう「笑売(しょうばい)から笑倍(しょうばい)へ」の瞬間です。
夕方、常総市役所の職員さんが歩み寄り、こう声をかけてくださいました。
「羽富さん、いつも常総市のために、本当にありがとうございます」
短い言葉でしたが、行政という “
公 ”
からの承認は、地域活動にとって強い追い風になります。
私が拾い集める一枚一枚のアンケートは、単なる意見の集積ではなく、
地域の “
未来図 ”
の下絵です。
観光の導線、混雑の時間帯、トイレや日陰の不足、
子ども連れの困りごと ——
小さな声の点が、やがて改善の線になり、魅力づくりの面へと広がっていく。
市役所の後押しは、その線と面を公の計画につなげる力です。
伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道の核心は、「最悪を想定し、最善を尽くし、中庸を行く」。
現場での私は、熱中症の不安を想定して声がけのテンポを整え、最善の準備として予備の筆記具や日よけを用意し、列の流れを乱さぬ “
中庸 ”
の距離で立ちます。
技と心の均衡がとれたとき、会話は滑らかに回り、笑顔が連鎖する。こうして得られたデータは、次の現場づくりの「型」となり、また稽古が始まります。芸は、続けるほどに深まるのです。
商いと暮らしが溶け合う道の駅で、私は今日も “
一笑賢明 ”
。
いただいた言葉と差し入れの冷たさを忘れず、毎週出来だけキッチンカー前に立ちます。
常 総の声を、常総の力に。小さなボランティアが、
地域の “
劇的変化 ”
を呼ぶ序章になると信じています。
小さな小さな活動ですが、
出来るだけ、これからも、
実践していきます。
