やっぱり“大谷翔平は持ってない”？──ワールドシリーズ成績に隠された“もうひとつの真実

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2025.10.29

やっぱり“大谷翔平は持ってない”？──ワールドシリーズ成績に隠された“もうひとつの真実

テーマ：大谷翔平(205)

カテゴリ：スポーツニュース・話題

2025年のワールドシリーズ第4戦。私はその瞬間を、リビングのテレビの前で正座するような気持ちで見ていました。

大谷翔平が、初回のマウンドに立ったときの空気。

その静けさと期待の入り混じった感覚は、言葉では言い表せないものでした。

でも、試合が進むにつれて、少しずつ不安がよぎる展開に。

6回1/3で4失点。バットでも快音は聞かれず、敗戦投手に。

SNSには「やっぱりダメかも」「持ってないよね」という声も増えてきました。

でも、私はその声に、素直に頷けませんでした。

むしろ、「ちょっと待って」と叫びたくなる気持ちでいっぱいでした。

ここでは、大谷翔平のワールドシリーズにおける真の姿を、成績、影響力、感情という3つの視点から紐解いていきます。

その上で、「彼はもう終わったのか？」という問いに、はっきりと答えます。

■数字だけでは見えない“大谷翔平の戦い”

まずは、最も議論されがちな「成績」から見ていきましょう。

2025年ワールドシリーズ・第4戦終了時点での成績はこうです。

– 打率：約.148（4安打）
– 本塁打：1本
– 打点：2
– 出塁率：.421

一見、華やかな成績とは言えません。

でも、この数字だけで「ダメだった」と言い切れるでしょうか？

例えば、出塁率。

これは「打てなくても、勝負を避けられている」ということの裏返しです。

事実、第2戦では1試合4敬遠というポストシーズン史上初の記録を打ち立てました。

相手投手陣が「まともに勝負することすら避ける」存在。

それが、ワールドシリーズにおける大谷翔平の姿です。

■「打てなかった」だけじゃない──彼が恐れられる理由

野球において、「数字に残らない価値」がどれだけ重要か。

これは私自身、野球観戦歴15年の中で痛感していることです。

たとえば、2023年のWBC準決勝。

日本は劣勢の中で、あの大谷翔平が「ベンチでの声かけ」や「マウンド間のタイミング調整」をしていたことでチーム全体が落ち着きを取り戻し、逆転への布石が生まれました。

試合に直接貢献した打撃や投球ではなく、存在自体が“空気を変える”。

これこそが、大谷翔平の持つ“もう一つの武器”です。

ワールドシリーズでも同じ。

彼の打順が回るだけで、観客がざわつく。

相手ベンチが動く。

たとえヒットが出なくても、彼の存在が試合を動かしているのです。

■過去のスターたちとの比較──本当に“大谷は劣っている”のか？

ワールドシリーズのスターたちと比較されることも多い大谷翔平。

確かに、ベーブ・ルースは10度の出場で圧巻の成績を残しています。

バリー・ボンズも、1度の出場で打率.471・4本塁打というインパクトを与えました。

でも、ここで気づいてほしいことがあります。

大谷翔平だけが、二刀流としてこの舞台に立っている ということです。

打者に専念できる選手たちと異なり、彼は投手としての調整も背負ってこの舞台に立っています。

そして、その二刀流のパフォーマンスは、現代野球の中で誰一人として真似できないものであることは、誰の目にも明らかです。

だからこそ、単純な打率や本塁打数だけで“評価のモノサシ”を揃えるのは、あまりに乱暴なのです。

■「プレッシャーに弱い」？その声への違和感

私も正直、SNSで「持ってない」とか「またダメだった」とか、そういう投稿を見ると、なんだか心がざわつきます。

もちろん、ファンの期待が大きいからこそ、その落差に失望する人もいるのだと思います。

でも、実際に試合を見ていたらわかるんです。

彼がどれほど真剣に、ひと球ひと球と向き合っているか。

たとえ三振しても、その表情に「負けてたまるか」という気迫が宿っている。
1球1球が、彼にとって「命を削る勝負」だと、見ていれば伝わってくるんです。

これって、数値では表せない“感情の波”です。

だから私は、数字だけで彼の価値を決めつけることに、どうしても抵抗があります。

■本当の戦いは、ここから始まる

現在、シリーズは2勝2敗のタイ。第5戦、第6戦…どんな展開が待っているかは、誰にもわかりません。

ただひとつ言えるのは、 「ここからが大谷翔平の本領発揮」だということ です。

過去にも、彼は“崖っぷち”の場面で奇跡を起こしてきました。

WBC決勝、エンゼルス時代の劇的なサヨナラヒット…。

彼のドラマは、いつも「絶望の先」にあるんです。

だから、私たちはまだ信じていい。
いや、信じなきゃいけないんです。

この続きを見届けることこそ、ファンの特権だから。

■“応援し続ける価値”──その理由が、ここにある

野球は勝敗のスポーツだけど、私はそれだけじゃないと思っています。

「勝つか負けるか」ではなく、
「誰と、どんな物語を一緒に追うか」

それが、ファンとしての喜びであり、醍醐味なんじゃないでしょうか。

大谷翔平という選手は、まさに“その物語の中心”にいる存在です。

打てなくてもいい。勝てなくてもいい。
でも、彼がその場に立ち続けるかぎり、私たちは希望を持てます。

この舞台で、二刀流として戦い続ける彼を見届けられるという事実。
それが、私たちファンにとっての、何よりの幸せなのです。

■最後に：まだ終わっていない、いや“ここからが始まり”

数字だけでは見えない価値。敗戦の裏に隠された情熱。そして、プレッシャーに打ち勝とうとする姿勢。

そのすべてが、大谷翔平という選手の“真の価値”だと私は思います。

次の打席、次の登板。
そこに何が待っているか、誰にもわかりません。

でも、ひとつ確かなのは──
私たちは今、歴史のど真ん中にいるということです。

これからも、大谷翔平を応援し続けましょう。
だって、彼の物語はまだ終わっていないんですから。