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本日の名言: 「滅せぬものなど、この世にはない」(by織田信長)
恐れておいでなのですか、という初音の問いに、答えた信長のセリフが今週のメモリアルワード。
傍若無人のような態度を取りながら、自分の中に恐れを抱く。そして問う。
「天はこのオレにこのまま進めと言うておるのか。」
神仏を信じぬ一方で、天に問い続ける信長の心が面白く。
「滅せぬものなどない」と言う、その 人としての限界に触れることば
に、感銘。
いつもながら、信長のセリフは詩的です。
まずは、あらすじ。
前回
の続き。真の後継者たるべく、金蔵(遺産)のある本丸を押さえた景勝陣営と、景虎陣営との対立は決定的になった。
景虎陣営との争いを鎮めるべく、兼続、仙桃院のもとへ。景虎へのとりなしを頼んでいる最中、景虎に見つかり、切りかかられる。
「私がしでかした事にございます。主景勝に景虎様を疑う心など、微塵もございません。」
景虎の配下も本丸を奪おうとしたことを告げながら、景虎と争いたくないと兼続。
「どうか、景虎様のお力を以て、家臣達をお鎮めくださいませ。」「そして、主景勝に従うとご決心下さいませ。」
「これ以上、景勝殿に頭など下げられるか!」これ以上の屈辱は沢山じゃ、と景虎。「本丸は、必ずや取り戻す。景勝殿を打ち取ってでも。」
兼続を身を挺して守る仙桃院。
本丸に帰り着いた兼続は、景勝に報告。「景虎様を説き伏せることが出来ませんでした。」
夜明けと共に、必ずや景虎様は攻めて参りましょう。「どうか、どうか御支度を。」
景勝は「わかった。」と了解。早速景勝陣営は戦支度を始めた。
その頃、景虎のもとへ、北条高広を始め、景虎に味方する越後の諸将が参集していた。
感激する景虎に、遠山の言葉が響く。「思いを無にしてはなりませぬ。」
景虎の「共に戦おうぞ!」の言葉にまとまる諸将。
一方、景勝のところにも、吉江宗信と直江信綱が駆け付けて来た。もう一度仙桃院のとりなしをと望む兼続だったが、安部と泉沢に「今度こそ、殺されるぞ」と止められ。
お船も仙桃院のところへ向おうと。この戦は、母・妙椿尼の嘘から始まったもの。 「こたびの件、男たちだけのものではございません。」
景虎を必死に説得しようとする仙桃院。だが、景虎は、景勝殿を信じておったのに、裏切られたと。「兼続とともに、私を欺いたのでございます。」
「では私が景勝に会い、そなたの思いを伝えよう。」
「そう言いつつ、母上までも私のことをお見捨てになられるか。」「私は所詮、北条の子。」
猜疑心にとらわれた景虎には、仙桃院の言葉も、華姫の言葉も届かず。
「このままでは、実の兄と夫が刃を交えます。」華姫を励ましながら、板挟みにあった仙桃院のところに、お船が。
すぐに景勝様のところに御移りくださいませ、とのお船の言葉に、私がここを離れたら、景虎殿の心は凍りつき、二度と解けることはあるまい。戦は果てしなく続くだろうと。「私は諦めぬ。」「ここにとどまり、戦を避ける最後のよすがとなる覚悟じゃ。」「景勝も、景虎殿も、大事な私の息子ゆえ」
兼続に景勝のこと頼むと申し伝え、兼続に力を貸してやってくだされ、と仙桃院。
お船は、頷き、仙桃院からのことづてを知らせに本丸を訪れた。
「…私が、事を起こしたのでございます。」兼続の告白。
「殿の許しもなく、本丸を押さえたのは、この私でございます。」
「あの遺言を真とし、わが殿に春日山の主となっていただくために、私は、鬼にならねばならぬと…」その結果がこの事態。
黙って聞いていたお船は、 「そなたが鬼になるというのなら、私は夜叉になろう。」
「私がそなたの立場なら、同じことをしていた。」「そなたには、私がついておる。」
見つめあう二人を、訝しげに眺める、お船の夫・直江信綱。気にしておらぬと言いながら、あやしんで…。
景虎の陣営では、景虎が遠山を問いただしていた。やはり配下を本丸へ差し向けていたのは、遠山の指図。「どちらにせよ、春日山に二人の主はいらん。最初から取るべき道は一つだったのかも知れん。」景虎の決意にほくそえむ遠山。
そして夜明け。毘沙門堂に入ったままの景勝は、「この戦、真に我等に義があるのか。」
「わしが身を引けば、この戦、終わらせることができるのではないのか。」
兼続にもらした景勝の迷い。
「なりませぬ。」
「謙信公は信じておられたのでございます。殿ならば。義の志を受け継ぎ、清い国を築いてくれると。」殿に春日山とこの越後を託したのでございますと、兼続の熱弁。
「どうか春日山の主として、この諍いを鎮めてくださいませ…!」
事のなりゆきを、ただ神仏に祈るより他ない仙桃院。どちらも攻撃の合図がないまま、にらみあいの最中、景虎の鉄砲隊の一人が、鳥のざわめきに驚いて発砲。それをきっかけとして、
「先に裏切りしは、景勝。左様な卑怯者を、この春日山の主にしてはならん!」「行け!」
景虎の号令で、景虎陣営が攻め込み、戦が始まった。
景勝陣営に掲げられる「毘」の旗。景勝の一声。「出陣じゃあ!」
「御屋形様ただひとりに許される毘の旗を掲げるとは…!身の程を知れ!景勝!」景虎の怒りは頂点に。敵味方入り乱れての混戦。
謙信の死と、その後の二人の養子の争いは、瞬く間に諸国に知れ渡った。喜ぶ秀吉。
「なんと運の強きお方よ、わが殿は」「神仏を信じぬのに、天に愛されておられるかのようじゃ。」「悪運でござるかな…」と、明智光秀。
信長公は人の顔の下に、もう一つの顔をお持ちであると言う光秀。
その信長は、「義を貫いた謙信は、浄土とやらへ行ったのかの。」
「行ったのであろうな。あのような生き方、真似できるものではない。」
「だが、後には地獄を遺した。」
わからぬものですね、あれほど義の一字に纏まっていた上杉が、と初音。
「目に見えぬものほどもろいもの。義など所詮戯言にすぎん。」
「戦国最強の上杉が、内輪の争いで自滅しようとは。」
「天はこのオレに進めというておるのか。」
「謙信ならばこのオレを止めることも出来たであろうに。」
事のなりゆきに恐れを抱く信長を抱きしめる初音。 「鬼になりなされ。」「さすれば、恐れも消えましょう。」
春日山での2か月に及ぶ戦いは、本丸から攻撃する景勝側が有利に展開。景虎は、春日山での決戦を諦め、ひとまず春日山を離れることに。
華姫は、「好きにするがよい」と言い渡されたが、
妻として、子として、道満丸と一緒に、連れていって欲しいと訴えるのだった。
兄との縁は捨てるという華姫に。
「もう沢山じゃ。信じたものに裏切られるのは。」華姫をはじく景虎。自害を試みる華姫。
「殿に置き去りにされてまで、生きていとうはございません。」
華姫の覚悟は、景虎の心を動かし、「華、許せ、そなたの心を疑うなど。」「共に参ろうぞ。」
疑いが晴れ、抱きあう二人。
景虎は、華姫らと共に、春日山から僅か3キロ。直江津の港に近い、御館に陣を移したのでございます(ナレーション)。
仙桃院までが御館に移られたことで、殿をおいたわしく思う兼続・与七。「御屋形様、私は母に弓を引かねばならぬのでしょうか。」毘沙門堂での景勝の問い。
春日山の景勝陣営では、兵糧が尽きかけていた…。
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今週の感想。
今週は玉山鉄二さん、大車輪の活躍です。
冒頭から、怒りの形相で顔がゆがんでる~。おそろし、おそろし。
美形だけに顔がゆがむと、見るに耐えないお顔に変貌。でも、ちょっとオーバーかなあと。かえって、芝居がかって見えるんですけど(^^;
むしろ、端正な顔だちを、いずまいを保ったまま、怒りを静かに絶望的ににじませていたら、もっと迫力を感じたのではと残念無念。
でも、これは玉山さんの解釈というより、脚本、演出の責任かも。
背景に流れるドドンドン、ドドンドンの太鼓の音は、音楽担当の責任?こういう些細な点が演技をチャチに見せるのかもなあ。
事実、景虎のもとに駆けつけた諸将を前にして、「わしは、わしを信じる者を裏切りはせぬ。」の言葉。
景勝に裏切られた無念がにじんだいいセリフにじ~んときて。 玉鉄グッジョブ!と思えたり。
最後の「いっときのことございます。この御館で布陣を立て直し、必ずや春日山城を奪い返しますれば、この戦、必ず勝ってご覧に入れます。」というセリフも、 自分のことしか見えていない身勝手さが漂って 。 思わず、オイオイとツッコミ入れて観たりして。
とにかく、怒れるイカレタ貴公子景虎さま百態。堪能させていただきました。満腹。
それをサポートする仙桃院演じる高島礼子さんの活躍も目覚ましく。
シーン自体はベタだと思うけど、兼続を身を挺して守る姿も、
壊れゆく景虎さまを悲しげにみつめる姿も、華姫を励ます母親としての姿も、二人の息子の板挟みとなりながら、それでも諦めない強い姿も、
いろんなカットが、哀れと共感を誘っていい感じ。
この悲劇に満ちた跡目争いを、母親・仙桃院の立場から、盛り上げていて。
目からウロコ。こんなにいい女優さんだとは、いままで知りませんでした~。
そんな中、今週のツボは、信長公をたきつける女忍者初音でしょうか。
今日もコスプレ。そんでもって、
信長様の肩を抱き、 「鬼になりなされ。」「さすれば、恐れも消えましょう。」
今まで、ず~っと信長をそうやって操ってきたのは、初音だった?おお!
初音の存在意義が、初めて分かった気がします。(単なる狂言回しじゃなかったのね。)
もっと、欲をいうならば、
メソメソ信長を叱咤激励、初音チャン。 な構図だったらもっと面白いのにな、なんて。(笑)
来週は、御館の乱第2幕?もっと壊れる景虎様?復讐の鬼?
景勝陣営の奥の手? 次回、「命がけの使者」。
来週もこの調子なら、レビュー続けていけるかも。
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