朝日新聞「患者を生きる」2014年10月15日の記事です。
去年10月の元宮城県知事浅野史郎さんの血液がん闘病記です。
私が3クール目の抗癌剤治療を終えた頃の連載です。
元宮城県知事の浅野史郎(あさのしろう)さん(66)は毎朝、午前5時半に起きて、まずベッドで体温を測る。
午前6時すぎ、自宅を出て17分ほどかけて1・5キロ離れた横浜市神奈川区の公園へ。本拠地が仙台で、ファンの楽天イーグルスの2013年優勝キャップをかぶり、公園でラジオ体操をする。終えると、17分ほどかけ帰宅する。その後、午前7時から朝食を取る。
血液がんの成人T細胞白血病(ATL)を発症し、骨髄移植を受けてから12月で丸5年になる。「一番の再発予防策は、節制と規則正しい生活」。堅くそう信じて日々を過ごす。
1993年、23年間勤めた厚生省(現・厚生労働省)を辞めて、宮城県知事選に立候補した。前知事が収賄容疑で逮捕され、突然の「出直し選挙」。出身地の宮城を立て直そうと決意した。「勝手連」の活躍もあり、ライバル候補の元副知事を破って当選した。
ATLの原因となるウイルス(HTLV―1)に感染しているとわかったのは知事3期目、05年のことだった。献血をきっかけに、偶然見つかった。そのときの医師は「ウイルス感染者のうちで、ATLを発症するのは5%」と説明した。
浅野さんは振り返る。
「5%ですよ。まあ、自分は絶対大丈夫だと信じましたね。言い換えれば、95%は発症しないという、究極の早期発見なんですから」
一方で、こんな説明も受けた。ATLは治療が難しく、完治するには基本的に骨髄移植しかない。HTLV―1の感染経路のほとんどは授乳で、日本でATLによる年間死亡者数は約1千人いる。「たぶん母親からの授乳だろうな」と考えたが、それほど真剣に取り合わなかった。
知事を退任後、慶応大総合政策学部で教え始めた。知事時代の地方自治に関する体験を、若者に伝えようと考えたからだ。途中、07年4月に東京都知事選に立候補して落選。ブランクがあったものの、障害福祉がテーマのゼミも受け持ち、自由に自分の時間が使える生活を満喫していた。
そんな充実した日々のなか、発症の日は、突然やって来た。
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