ワルディーの京都案内

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2026/06/09
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テーマ: 鉄道(27240)
カテゴリ: 京都市の鉄道史
京都市の鉄道史
~その5~


8.電車の時代(続き)
4)京都電気鉄道(京電)の延伸

 その後京電は順調に路線延伸を進め、開業10年で約50kmの路線を敷設した。(下の路線図参照)







 京電の路線図を見ると、高瀬川沿い(木屋町通)、堀川沿い(堀川通)など水路や川沿いを走る区間が多い。木屋町通を通さず、幅の広い河原町通を通せばいいのにと思うかもしれない。しかし、当時の河原町通は木屋町通同様、狭い通りであった。
 両側に人家があると、電車を走らせるには、道路幅4間(7.3m)が必要だったが、人家が片側だけなら三間(5.5m)で足りたという。そこで道路拡幅の必要の少ない水路沿い、川沿いが選ばれたのである。










 堀川通を通る京電は、四条通以南は、四条通を経由して西洞院通を走っていた。何故、堀川通りをストレートに南下しなかったのだろうか。当時の地形図を読み解くと見えてくる。堀川通は万寿寺通り以南は道らしき道がなかった(筆者推定では本國寺境内)。一方で、西洞院通は中央に西洞院川が流れていた。この川を暗渠にして、道幅を広げ電車を走らせたのである。


5)告知人制度
 京電運行当初、日本初の路面電車であることから、慣れない通行人や人力車との接触事故が絶えなかった。そこで、京電開業直後の明治28年6月に府庁第67号電気鉄道取締規制が公布され、電車には「告知人」と呼ばれる人を同乗させることが義務付けられた。「告知人」とは、雑踏、交差点、橋上などで電車の先五間(約9メートル)以内を先行し、昼は旗、夜は提灯を持ち「電車がきまっせえ。あぶのおっせえ」と叫びながら線路を走る、いわば交通整理要員である。告知人は、12歳から15歳の少年で構成されていて、「先走り」と呼ばれた。しかし、告知が終わると走っている電車に飛び乗ったりと危険なうえに、汗とほこりにまみれての重労働で、少年が電車にひかれる事故も相次いだため、この制度は明治37年に廃止された。京都では長らく、子供を叱るときに「電車の先走りにするで」という言葉が使われていたといわれる。



6)京電時代の数々のエピソード
・京電は琵琶湖疏水の蹴上水力発電所で発電される電気を使っていた。琵琶湖疏水では、毎月1日と15日に通水を止めての「藻刈り」があり、発電所が停止するため、その日は 京電の定休日となった。また発電所の保守点検のため年に数日の送電停止が行われ、電車も 運休していた。これを解消するため、明治32年に東九条村(後の京都市南区東九条東山王町)に自社の火力発電所が設置され、運休もなくなった。

・京都の夏は暑く、よくオーバーヒートした。炎暑の日は作業員がウチワでモーターに通風をし
 た。
・当初はT字型レールではなく溝型レールであった。未舗装の道路を走るところは、石がレールに
 転がりこむことも多く、竹の先で石を頻繁に掃除しなければならなかった。
・停留所はあったが、それ以外のところでも、手を上げればどこでも止まってくれて、乗車でき
 た。
・当時の電車の写真を見れば分かるように、運転台はむき出しであった。運転手は雨の日はミノ
 をまとって運転した。
・京電は、停車時は1回、発車時は2回、ポール(集電装置)外れ時など緊急停車時は3回、車
 掌が鈴を鳴らすという規則を決めた。これから「チンチン電車」という愛称が生まれた。しか
 し、いつ頃からか規則にはない4回鈴を鳴らす運転手が増えたそうだ。4回の鈴は「通りを美
 人が歩いていますよ」という合図だったらしい。まだ電車のスピードも遅く、道幅も狭く歩行
 者との距離感も近く、バスやトラックも走っておらず見通しがきいた古きよき時代のエピソー
 ドである。
・人力車の車夫にとって路面電車は商売がたき。人力車による電車への嫌がらせ走行も多く、そ
 れによる車夫の死傷者も多かった。電車の脱線事故があると「車夫の嫌がらせ」という噂も飛
 び交った。
・汽車を動かす人は機関手と呼ばれていた。では電車を動かす人を何と呼ぼうかと京電が考えた
 のが「運転手」であった。「運転手」という呼称は京電が考え出したものだった。

7)今も道路幅に残る京電の痕跡
 京の街中には、京電が電車を通したり、停留所を設置したりするのに道路を拡幅したため、部分的に道路が幅広くなっている箇所が多く残っている。いくつかの例を下記に示す。








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最終更新日  2026/06/12 05:29:01 PM
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