ミステリの部屋

ミステリの部屋

2007年06月01日
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僕の名は有馬次郎。

怪盗と呼ばれた過去もあったが、縁あって慈悲深い住職に拾われ、表の世界の住人となった。
厄介なのは、寺に奇妙な事件ばかりが持ち込まれること。
持ち前の身軽さと裏の人脈を駆使、住職の智恵をお借りして、解決にひた走る毎日だ。
京の風情と垂涎の料理の数々も楽しい、本格推理の傑作登場。

(「BOOK」データベースより)

裏(うら、ではなくマイナー)京都ミステリーの短編集。



主人公は元広域窃盗犯で、現在は大悲閣千光寺の寺男として働く有馬次郎。過去の人脈や技術を駆使して事件を解決していきます。

たびたび厄介ごとを持ち込んで来るのは、みやこ新聞自称エ-スの折原けい。

話を聞いただけで謎解きの糸口を示してくれる住職。

京都府警の税金泥棒と言われる碇屋警部。

登場人物はみな楽しく、キャラクターが立っています。


コメディータッチですが、登場する犯罪は笑えない凶悪なものばかりです。

大日本バカミス作家協会賞受賞者のミステリ作家、ムンちゃんこと水森堅が出てきてからはよりコミカルで楽しくなります。ムンちゃんは作者自身がモデルなのでしょうか?となるとムンちゃんの野望も…?ああ、北森さんのイメージがガタガタと……。


京都人でないとわからないような、京都ならではの伝統や習慣や食べ物が謎ときのポイントなっているのです。
九州育ちの私は知らない事ばかりだったので、全く見当がつきませんでした。(言いわけに聞こえますか?)

もちろん京都のおいしい食べ物も出てきます。西の京・十兵衛というお店。
そこで一番食べたくなったのがこれ。

『昆布を水に浸し一晩置いたものに、厚切りの混合節を入れて15分ほど煮出す。
仕上げにどっさりと花鰹節を投入して追い鰹にした濃厚で官能的なだし汁。
このお出汁に塩とお酒を利かせ、色付けに白しょうゆ少々。
このつゆに京菜と油揚げ、お豆腐少々。
揚げも京菜もすぐに煮えるので、食べたはしから継ぎ足し継ぎ足し、アツアツシャキシャキを頂く。』

身体にもやさしそうでいくらでも食べれそうですね。

食べ物もそうですが、いつの間にか京都の情景も頭に沁みこんでいて、すぐにでも京都に行きたくなっていました。



パノラマ写真を見ることができるサイトを見つけました。  ここです。
下にスクロールしていくと「京都観光:京都の寺社・文化遺産」という項目があります。上から七番目が大悲閣 千光寺。色あざやかです。


支那そば館の謎 : 北森鴻



続編、はこれです。

ぶぶ漬け伝説の謎: 北森鴻









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最終更新日  2007年06月05日 11時30分44秒
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