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2024.01.01
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あけまして今夜もパーリーナイツフゥワフゥワ。最近はホストクラブの売掛金が問題になっていて、警察庁の露木康浩長官が歌舞伎町を視察して「卑劣な営業手法をあらゆる法令を駆使して取り締まる」と語ったように、ホストクラブを取り締まる流れになっている。というわけで徒然なるままにホストクラブについて考えることにした。

●ホストクラブとは何か

ホスト(host)とは本来はパーティーなどで客をもてなす主人役や、旅館の宿主や、寄生虫の宿主の事を指して、女性の場合はホステスという。銀座とかのクラブとかだとママがいてホステスが男性客に対して接客するけれど、雇用機会均等法ができてからは女性も働いて金を稼いで夜遊びする需要が出たので、クラブの男性版のホストクラブができてホストが女性客を接客するようになった。
2000年代のホストは茶髪の長髪をフゥワフゥワに盛って日焼けサロンで肌を焼いているギャル男や、狩野英孝みたいなイケメンを気取ったキザな感じや、入れ墨を入れているオラオラ系だったけれど、最近のホストの写真を見てみたらマッシュのアイドルっぽいかわいい容姿をしていた。その時代の女性の好みに合わせてホストの服装も変わるのだろう。
ホストクラブのメニューとしては酒のほかにつまみや料理や果物があるけれど、料理は近所の飲食店から出前をとったりしているので別にたいしたものではない。メインのサービスはホストの接客である。ホストクラブは大勢で独自のシャンパンコールをしたりマイクパフォーマンスをしたり売り上げが一番高いホストがラストソングを歌ったりして場を盛り上げる独特の文化がある。原価が安い酒に数倍の値段をつけるのはぼったくりだとしばしば言われるけれど、パフォーマンス料や人件費込みの料金としてみれば高すぎるというほどでもないだろう。酒の値段というより、推しホストのスーパーレア確定演出を見るための値段のようなものである。
2015年に風営法が改正されて、風俗営業者は午前0時から午前6時までの深夜に営業してはならない、18歳未満の者を客として店舗に立ち入らせてはならない、暴力団排除特別地域でみかじめ料の支払いを行ってはならない等の規制があるけれど、だからといってクリーンなビジネスというわけでもないのでいろいろ問題になっている。

・ホストの文化的考察

ホストはシャンパンコールで「飲んで」(飲んで)みたいにコール&レスポンスをするのが特徴的である。モロッコの伝統音楽のgnawa musicとかではコール&レスポンスが取り入れられてイスラム教スーフィズムのトランス状態になるために音楽が使われているので、それと同様にホストクラブでもコール&レスポンスで客を平常時とは違うトランス状態にする効果があると思われる。
ホストの服装も独特で、長髪をフゥワフゥワに盛ったりシャツの襟を立てたりつま先が尖った靴を履いたりするのはライオンのたてがみと同様に男らしさの誇張表現である。ROLANDみたいにホストがやたらとサングラスをかけるのはたぶん目線で嘘がばれないようにするためかもしれない。目をそらしたり目が泳いだりするのは至近距離で見るとよくわかるので、目を見せないミステリアスで人間味がない感じのほうが焦りや不安を見せない完璧なホスト像を装えるのだろう。

●ホストクラブの問題

・ホスト同士が売り上げを競うシステム

ホストは店に雇われている従業員というわけではなくて、店から営業場所を借りている自営業者という扱いになる。それゆえに店によっては永久指名制度があって、いったん客に指名されたホストはずっとその客を担当して、他のホストが客を奪ってはいけないことになっている。
普通の飲食店なら誰が接客しようが店の売上として勘定して従業員に給料を配分するけれど、ホストクラブの場合は個人の売上のマージンがそのまま個人の収入になるので、店単位でなくて個人単位で売り上げを競うことになる。それゆえに客のツケ(売掛)で売り上げを上げてホストが店への支払いをいったん肩代わりして、後でホストが客から未払いの代金を徴収するようになる。代金を払えない客を風俗で働かせて代金を徴収をする女衒のようなことをして若い女性に高額の借金を負わせるのが最近問題視されて売掛を規制する流れになっているし、ROLANDが自分が運営するホストクラブで売掛を禁止したように行政に規制される前に自主規制する店も出てきた。
ホストは酒で肝臓を壊しやすいし、不健康な生活やストレスのせいで老化が早くて歳をとると人気も衰えるので長く続けられる仕事ではないし、独立資金を貯めたりパトロンを見つけたりして自分の店を持てるホストはごく一部である。それゆえにホストたちは若いうちに短期で大金を稼ごうとして、客の支払限度を超えた売上を出そうとして売掛をするのだろう。しかし客に無理をさせてナンバーワンになったところで社会に何か良い影響があるわけでもないし、アイドルみたいに何か作品があるわけでもないし、スポーツのように記録に残るわけでもないし、世間にとっては誰がナンバーワンだろうがどうでもいい存在でしかない。海援隊の「えらい!あんたが大将」の歌詞に「泣かせた女の数ばかり威張ってみても男の値打ちあがるもんじゃないんです」とあるように、ナンバーワンホストが必ずしもいい男というわけでもない。

・客同士がホストの時間を奪い合うシステム

ホストは客の指名が多かったらあちこちの席に行かないといけないし、売り上げを増やすためには必然的に大金を使う太い客といる時間が長くなる。そうすると指名がかぶって他の客に担当ホストを横取りされた客は代わりのどうでもいいホストに接客されてもうれしくないので、担当ホストを奪い返そうとして無理をしてでも高い酒を頼むようになる。こうして客同士が人気ホストを奪い合って自分のものにしようとすることで売り上げが増える仕組みになっている。ホストの誕生日とかの客が大勢来る日だと何万円も使ったのに数分しか席に着かなかったとかで不満を貯める客もいる。予約制にするほうが客の満足度は上がるだろうけれど、客同士にホストの奪い合いをさせるほうが店が儲かるので予約制にしないのだろう。

・拝金主義

半グレが違法行為で稼いだりビッグモーターが保険金水増し請求で稼いだりしたようにモラルに反することをやれば利益が出るので利益を出すこと自体はべつにすごいことではないけれど、ホスト業界に限らずたいていのビジネスではどれだけ客を満足させたかよりもどれだけ売上があるのかが話題になる。ホストは稼げることを売りにしているので、儲けるために他人を利用して踏み台にするサイコパスを集めやすい。そういうホストは客の容姿や職業を見ていくら収入があるのか、風俗に沈めたらいくら稼げるかと人の価値を金に換算して、頭が悪い女性や上京したばかりで世間知らずな若い女性をカモにしてだまして嵌め込んで金づるにしようとして客を不幸にする。最終的に客をフゥワフゥワに幸福にしていればよいビジネスだけれど、客を不幸にしているのなら合法であっても社会に不要なビジネスだし、規制されて当然である。どれだけ客を幸福にしているのかは店やホストによって違うのでホスト業界自体が良いか悪いかという一般化はできないけれど、ホストが客に恨まれて刺される事件がたびたび起きているように客を不幸にするホストはそれなりにいる。
11月5日に歌舞伎町でホストがカッターで切り付けられた殺人未遂事件について​ 文春オンライン ​が特集しているけれど、このホストも問題があるようである。

・酔った状態での高額の注文

居酒屋なら日本酒とかの高い酒のボトルの取り置きをしている店もあるけれど、ホストクラブの代名詞ともいえるドンペリとかのシャンパンは炭酸が抜けるので取り置きできないし、ボトルを全部飲むわけではなくてグラスに継いでちょっと飲んで残った酒は流しに捨てたり、ヘルプのホストを大勢呼んで飲ませて盛り上げたりする。そうして短時間にシャンパンをどしどし注文することで売り上げを増やすことができるようになっている。
キャバクラのように焼酎やウイスキーとかのアルコール度数が高い酒を割ってちびちび飲むやり方だと量をたくさん飲むわけではなくて高額にならないのでキャバクラでは売掛は問題になっていないけれど、ホストクラブの場合は客が高いシャンパンをどしどし頼んでシャンパンタワーを作ったりして払いきれないほどの高額な注文をして売掛が発生するのが問題になる。酔った状態でイケメン集団に囲まれておだてられて頭がフゥワフゥワした状態で調子に乗って酒を頼むことを自己責任ととらえるか、判断力が落ちているところをカモにされているととらえるかは判断が分かれる。

・色恋営業

ホストは自営業者なのでただ店の勤務時間だけ働けばいいわけではなくて、営業時間外も営業活動をしている。同伴出勤として客と待ち合わせて一緒に出勤したり、アフターとして閉店後に店の外でデートをしたりして、客と一緒にいる時間を増やすことで次の指名につなげている。他にも客に営業メールを送ったり、チャットでナンパしたりして新規の客を見つけたりもする。ホストクラブ自体の深夜営業を禁止したところで結局は個々のホストがアフターで店の外で営業活動をしているし、そうすると店での仕事とプライベートの境目が曖昧になる。ホストと客が店外のデートを金で買った疑似恋愛と割り切っているならよいけれど、結婚を匂わせて金を借りて返さないのが結婚詐欺になるように、付き合えることを匂わせてフゥワフゥワと金を貢がせて結局付き合わないのは詐欺になりうる。

・男社会のしがらみが大変

ホストクラブにはナンバーワンになりたがる上昇志向の人が集まって客を奪い合うし、上記のように拝金主義のモラルが欠如したサイコパスも呼び寄せるので、ホスト同士の衝突もある。2010年には八王子のホストクラブ経営者の土田正道が殺害されて鍋で溶かされた事件が起きた。FRYDAYの『​ 「西東京の帝王」と呼ばれたカリスマホストが殺害されるまで ​』という記事に特集されているけれど、土田は暴君的なやり方で脅してホストを従わせたことが原因で殺害されたようである。

・感情労働が大変

夜遊びに慣れた女性は初回の割安の料金でホストクラブを値踏みして無理難題をふっかけて憂さ晴らしをしたりするけれど、ホストはそういうスレたわがままな女性の相手もしないといけない。酔った状態でも客の名前を忘れたり間違えたりできないし、客の機嫌を損ねたら指名や売上が減るし、ホストラブという掲示板では客から誹謗中傷されるし、楽して大金を稼げるような仕事ではない。毎日酒を飲んで夜更かしをする不規則な生活なうえに接客業ならではの対人ストレスを抱えて精神を病んでフゥワフゥワしている場合じゃなくなるホストもいる。

・男性弱者の嵌め込み

ホストクラブは寮があって、地方から上京してきたり実家を追い出されたりして住む家や就職先がない若者の受け皿になることで金を稼ぎたい人を集めている。しかし店によっては接客数や売上のノルマや遅刻とかに対していろいろな罰金があって、人気がないホストは金を稼ぐどころか罰金で借金を負わされる。高卒とかで他の仕事をした経験がないフゥワフゥワした若者はホスト業界はそういうものだと思って罰金があることに違和感を持たなくて、罰金まみれで稼げなくて寮を抜け出せなくなって店に雑用係として搾取されるようになってしまう。

・女性弱者の嵌め込み

日常生活で恋人や夫がいて満足している女性はわざわざホストクラブに行かないので、ホストクラブに行く女性客は容姿が悪くて恋愛が成就していなかったり親子関係が悪くて愛情不足だったりして、親からの愛情不足をホストからのフゥワフゥワした優しい言葉で補おうとしてホストに見捨てられることが不安で依存して貢ぎ続ける人とか、発達障害で自尊心が低くてホストにおだてられるとお世辞だと気づかずにうれしくなってほいほい大金を出す人とかがいる。発達障害者が子供のうちは親が忘れ物とかをフォローするけれど、大人になって家を出てからの稼いだ金の使い方や恋愛の仕方とかは親が教えきれないので、収入以上にホストに貢ぐ人が出てきたり、悪人を悪人と見抜けずに悪いホストに騙される人が出てくる。倫理観があるホストは儲かるからと言って相手が生活できなくなるほど金をとろうとしないけれど、サイコパスなホストは金づるとして相手を破滅に追い込んでいく。坂口杏里がホストにはまって散財して芸能人から風俗嬢に転落したような事が一般人でも起きている。名古屋のホストの和田圭祐容疑者(33)が500万円の売掛がある19歳の女性に千葉市のデリヘルを紹介して職業安定法違反の容疑で逮捕されたけれど、普通の19歳には払えない金額なのをわかったうえで風俗に沈めているので悪質である。

・脱税

現金で取引していて明細を出さない水商売は脱税が多くて、国税庁の「​ 事業所得を有する個人の1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な上位10業種 ​」で上位に位置している。脱税が多いことが水商売が世間で健全なビジネスとしてみなされない一因だと思う。

●ホスト業界の健全化の問題

ホストクラブを健全化するために、普通の飲食店のように従業員として雇用してホスト同士を競わせずに店全体の売り上げから給料を払ったり、指名料一時間いくらという予約制にして客の指名がかぶらないようにしたり、会員制にして収入が低い人は店に入れないようにしたり、売掛を禁止してクレジットカードの支払いにして明細を明らかにしたりして、やろうと思えば自主的に健全化できるだろうになぜやらないのかというと、高収入が欲しいホストにとっては現行の荒稼ぎできるシステムのほうが都合が良いし、1店舗だけ健全化したところで在籍ホストが高収入の他の店にフゥワフゥワと移籍してしまったら意味がないので変えられないのだろう。もともと長く続けられる仕事ではないうえにあまり稼げないのではホストをやるメリットがなくなる。
あるいは自治体が強制的に健全化する場合は、酔った状態での高額な取引を規制する条例や、ホームページに料金を明示していなくて明細がない高額の請求する場合は契約が無効になる条例とかを作ればホストクラブだけでなくてぼったくりバーの被害や脱税も減らせると思うし、水商売全体の健全化になると思う。
女性弱者が被害者にならないように権利を制限するパターナリズムの考え方もある。しかし知的障害者や発達障害者でも自由に行動する権利はあるので、本人が借金してでもホストに貢ぎたいと思ってやっていることを他人がよかれと思って規制するのは人権侵害になりかねない問題がある。

●私のホストクラブの思い出

私はホストクラブに客として行ったことはないけれど、高校の同級生がホストクラブの雇われ店長になったときに開店と閉店を手伝ったことがある。開店のときにはシャンパンコールに使う音楽をちょうどいい長さに編集したり、経理で使うパソコンを選ぶのを手伝ったりして、閉店の時には売れ残った鏡月やスミノフやプリングルズをもらったり、寮を引き払う時にいらなくなった電子レンジをもらったりした。
オーナーはキャバクラを経営していた人で、ホストクラブも儲かると思って始めてみたそうだけれど、こんなに金がかかるとは思わなかったということで半年で閉店した。半年の営業にもかかわらず、やくざがみかじめを払えと脅してきて警察を呼んで逮捕したり、体験入店したホストが辞めた後に強盗殺人事件を起こして警察に事情聴取されたりといったトラブルも起きていた。ホスト業界に伝手がない人がやると売れそうなホストを集めたり勤怠管理したりするのが大変そうで、普通に居酒屋とかをやるほうがましじゃないかと思った。
1955年に芝木好子が『洲崎パラダイス』という小説で東京の赤線地帯を書いたけれど、1958年の売春防止法で須崎の遊郭はなくなって住宅街になっていて、今では赤線地帯の様子は資料からでしか知ることができない。歌舞伎町のホストクラブとかもいずれ規制されて50年後とかにはなくなっているのかもしれないし、現代のホストクラブの有様をちゃんと記録して考察して後世に残すのも文化的な意義があることじゃなかろうか。

*日常生活でフゥワフゥワと合いの手を入れる機会がなかなかないので文章にたくさんフゥワフゥワを入れてみたけれど、文章として使うには無理があるようである。






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最終更新日  2024.01.03 12:59:50
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