MITメディアラボが6月に発表した「Your Brain on ChatGPT: Accumulation of Cognitive Debt」という実験だと、道具なしで自力でエッセイを書くグループ、検索エンジンを使ってエッセイを書くグループ、ChatGPTを使ってエッセイを書くグループに分けたところ、ChatGPTを使ってエッセイを書いた人たちは自分のエッセイを所有している感覚がなくて引用できなかったそうな。つまりはAIを使って文章を出力したら自分で考えたわけではないので認知機能が働いていなくて内容を覚えていないのである。エッセイの内容を覚えていないだけならたいした問題ではないけれど、AIに頼ると批判的思考力や記憶の定着や判断力が低下して、意欲低下が起きて自分で考える力が長期間落ち続けたままになっていて回復に時間がかかるのが問題である。
インターネットと記憶に関連する論文だと、2013年の「Supernormal: How the Internet Is Changing Our Memories and Our Minds」や「How Google Is Changing Your Brain」で検索エンジンでいつでも調べられる情報を記憶しなくなる現象を報告していて、これは「Google効果(デジタル健忘症)」として知られるようになった。そんでGoogleを使ってクイズを解かせる実験をしたところ、被験者はGoogleなしでもクイズを解けると過信して認知能力の自己評価レベルが高くなっていて、自分が知っている内的知識と検索結果にある外的知識の境界があいまいになる傾向があるようである。