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ワールドカップで戦うことは、エネルギーを消耗する。2カ月程度の休養では回復が難しい。闘莉王や中沢などのベテラン勢は、体調不良のために試合に出れない状態だった。これに監督選びの混乱で、原ジャパンが生まれている。最大の特色は、ワールドカップに出れなかったメンバー中心に構成されていることだろう。レギュラークラスから、サブ中心にメンバーが入れ替わると、大幅に戦力が変化する。普通ならばマイナスに作用するはずの大幅入れ替えが、原ジャパンではプラスに作用した。 岡田監督はメンバーを固定することにこだわった。センターバックは闘莉王と中沢の二人だけで済ませていた。そのために交代メンバーの力が未知数という不安定な状況が生まれた。ベテランの岩政ですら、ほとんど試合に出たことのないという徹底した序列が存在した。それゆえに、遠藤や阿部に匹敵するメンバーがいるかさえも、不鮮明だった。原監督代行は迷うことなく、若手主体のメンバーで構成した。結局、その判断が効果を上げて、攻撃型のサッカーが誕生した。森本、香川、細貝などが通用することを発見した意味は大きい。 ザッケローニ監督は3トップを基調とするサッカーを得意にしている。そうなれば新チームの中心には森本が来ても不思議ではないが、イタリア・カターニアではいまだにレギュラーを取れていない。出場する試合数が少なすぎて、FWとしての経験が不足している。それを補うために原代行はあえて2試合使ってみたというが、試合に慣れてくれば爆発する要素を持っている。森本を生かすも殺すも、カターニアの使い方次第というのが難しい。 香川はドイツでも認知されているという。もっとの才能に恵まれたMFになる。調節攻撃に出るだけでなく、周囲を使う技を心得ている。確かに香川が一枚いるといないでは、攻撃の質が変化する。3トップの3枚目に数えられているのが本田になるが、ワールドカップの疲れが残っている。これだけ動きに切れがない本田というのも珍しい。相手側も用心しているから、本来のサッカーができない。ロシアでレギュラー出ない理由もそこにある。 ボランチが細貝の活躍で守備陣の穴が埋まった。センターバックも恐れるほどの崩壊には至らなかった。それでも、新しい守備陣が機能するようになるには、かなりの時間がかかるだろう。代表選手としての出場経験のないグループでDF陣を構成することはリスクを伴う。橋本のミスから失点したのを見ても、国際試合ではミスが許されない。どうやって守備陣を構築していくかが課題になる。
2010.09.08
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FIAの判断は慎重だった。F1チーム13番目の枠に対しては、いくつかのチームが名乗りを上げている。しかし、どこも参戦費用が足らずに、FIAの認可を得ることは不可能だった。新規参戦を始めた3チームも、資金不足に陥っていて、スポンサーの確保もままならない。資金不足のチームが加わっても、F1レースそのものが面白くなるわけでもなく、トップチームと新参チームの技術格差の大きさを考えると、無理に13番目のチームを参入させることはないと考えても当然だろう。 景気さえ回復し、乗用車の世界販売が上昇すれば、新たなワークスが参入する可能性がある。資金力や技術力を保有した組織の参入を待ったほうが賢い。F1チームの数を増やすことよりも、今あるチームの資金力を向上させ、設計技術を習熟させたほうが好ましい。こういうバランスのとれた発想をするのが、ジャントッド会長の指導力かもしれない。韓国サーキットの建設遅れに対しても、柔軟な対応をとって、開催を可能にしている。 F1新規参入をするには、初期投資が必要になる。200人近い技術者の確保、マシンを開発する工場の建設、マシンのパーツダイヤ従業員の人件費を支払える資金力が最低限必要になる。その額は、初年度で100億円近くもかかる。年間総費用を50億円に節約しようと思えば、戦闘力のあるマシン開発は不可能であり、レースのグリッドに就くことで満足しなくてはならない。そういう不完全な組織を認めようとしなかったFIAの方針は正しいだろう。いずれ、世界景気が回復して、新たなワークスがF1参戦に乗り出すのを待つしかない。
2010.09.07
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スペインの北方に住むバスク民族は独立心が旺盛な人々で構成されている。フランコ時代に徹底したバスク弾圧がおこなわれてことも、独立願望に結びついているかもしれない。独立運動とスペイン政府の弾圧は、バスク人たちを過激にしていった。これまでのテロ事件で800人もの人命が失われている。武力闘争を主張する過激派の行動を止められる組織はなかった。 バスク地方はスペインの中でも裕福な地域であり、これほど長期間にわたって武力紛争が続いてきたかがなかなか理解できない。スペイン政府は徹底した取り締まりでバスクの独立を押さえつけてきた。分離主義や自治権の拡大が独立につながることを恐れている。欧州には小国が多いので、単一のバスク民族で構成されるバスク自治州が、将来独立しても不思議ではない。しかし、スペイン政府は限定された自治を認めても、独立は許さないことで一貫している。 バスクの人々も多くは武力紛争にうんざりしている。過激派への支持が失われたのも自然の成り行きだろう。しかし、バスクの民族主義者や政治家たちは独立の夢を捨てることができない。バスク共和国が誕生しても、政治的経済的な影響はほとんど及ぼすことができない。EU圏内に小国が誕生しても、それがどういう意味を持つかさえはっきりしない。独立によって民族の誇りを取り戻すことができても、新たな価値が生まれないとバスクはむしろ困窮に追い込まれてしまう。どうやって、憎悪と対立の歴史を終わらせることができるかを考えられるスペインの政治家はいないらしい。
2010.09.06
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ヘルマン・ティルケの設計した韓国サーキットの建設が遅れている。FIAの規定に従えば、3か月前に査察を受けねばならない。その段階では、工事ははかどっていなかったので、中止の方向に動かざるを得ない。しかし、この段階になってグランプリを中止することは、莫大な損失を生み出す。それは韓国側だけでなく、レースを主催するFOMにも甚大な負担を与える。そこで、何が何でもグランプリを実行することに覚悟を決めたらしい。 F1サーキットの多くは、ヘルマン・ティルケが設計を行い、工事や建設にはエクレストンが深くかかわっているという。F1参戦しようという国は、サーキット建設の段階で手足を縛られている。これで工事が間に合わなかったら、設計や施工関係者に批判が集まってしまう。あらゆる知恵を絞って、F1開催から利益を得ようとするエクレストンにしてみれば、工事が間に合わないことで中止になることだけは、避けねばならない。 FIAが査察を2カ月も遅らせたことも、この流れの中にある。FIAの規約を文章通りに解釈すれば、開催できない。中止は韓国側とFOMに多大な損害を生み出す。査察を遅らせても、FIAに影響が出るわけではない。韓国GP開催を救済することを優先して、すべての決定が出された。微妙な問題の調整をうまくやるだけで、中止になるべきグランプリ開催が実現すれば、F1世界にとってプラスは大きい。それは最終的にFIAに利益をもたらすことになる。ジャントッドも知恵を絞ったことは間違いないだろう。
2010.09.05
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パキスタン軍の将校を怒らせる事件が起きている。アメリカ軍との定期協議のために、フロリダ州タンバに向かう予定だった。しかし、乗客からの通報を受けた航空会社は、パキスタン軍の将校たちを航空機から降ろし、事情聴取を行っている。この段階で、この集団がテロリストではなく、パキスタン軍の将校であることは判明したはずだが、一度セキュリティが発動すると解除するのは容易ではない。 パキスタン人の集団であり、イスラム教徒であるという事実は、アメリカ人に誤解を抱かせる要素になる。乗客からテロリストの疑いがあるという通報を受けると、事態を放置することは避けられない。アメリカの航空会社の要注意リストに載せられているのは、イスラム教徒であることや、殺気立った様子になる。パキスタン軍の将校ならば、普通の乗客と異なる雰囲気が存在したことはやむを得ないだろう。乗務員が将校たちのことを事前に知らされていなかったことも不幸だった。 一度セキュリティシステムが起動すると、徹底した取り調べが行われる。拘束された軍人たちにしてみると、このような屈辱を許す気にはならないだろう。怒りや反論は、むしろ事態を悪化させる。この処遇に腹を立てた将校たちは、アメリカ軍との協議を注視して、即座に帰国を決めている。テロに悩むアメリカ人にとって、高速や取り調べは当然の処置でも、テロリスト扱いされた軍人たちの怒りを鎮めることはできない。異なる文化の国同士が友好関係を深めるのは本当に難しい。
2010.09.04
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韓国では10月にグランプリが開催される予定になっている。すべての準備が整っているにもかかわらず、サーキットだけが完成しておらず、FIAの認可が下りていない。いまだに工事中であり、多くの建築物やコースの舗装が遅れているという。計画性に長けている韓国人が予定を見誤ったというには、事態が切迫しすぎている。エクレストンは開催に自信満々と言うが、サーキットが完成していないとF1開催は絵にかいたモチになる。 主催者側は突貫工事で舗装などを完成させると主張しているが、FIA関係者もサーキットの完成に疑いを抱き始めている。と言って、この段階で中止すると莫大な損害が発生して、主催者側が破たんに追い込まれてしまう。こうなったら、何が何でも工事を完成させ、グランプリを実現するしかない。サーキットの完成までに残された時間は限られている。短期間のうちに残された建築物を完成させ、コースの舗装をやり遂げるしかない。 主催者側は90%の施設がすでに完成しているというが、公開された写真は、埃だらけの建設現場をとらえている。コースの舗装はこれから始まる予定らしい。道路建設現場と同じで、10月までの短期間に突貫工事でどこまでやり遂げられるかが問われてくる。設計者のティルケは必ず完成すると豪語しているけれど、FIAの審査に間に合うかは語られていない。FIAは事前審査の日程を動かして、サーキットの工事を急がせている。万が一間に合わないと、主催者団体だけでなく、機材などを運搬するFOMやF1チームにも影響を及ぼす。 最終段階においては、政府や自治体なども支援に乗り出す可能性がある。ここまで投資しておいて、中止することは信頼性を揺るがしてしまう。残された建築物をしあげて、コースの舗装をやり遂げるには、大規模な人員の投入が必要になる。主催者団体にそれだけの経済力はないので、なかなか遅れを埋めることができないのだろう。となれば、あらゆる知恵を出し合って、未完成のサーキットを仕上げるしかない。中止はあらゆる部門の莫大な損失を生み出すのだから。
2010.09.02
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節約路線を掲げて、じり貧に追い込まれていたACミランが、突然目覚めて、大補強に乗り出してきたことが衝撃を与えている。バルセロナを追放されたイブラヒモビッチとシティから戦力外通告を受けているロビーニョの二人を獲得したのである。移籍金は二人合わせてかなりの額に達するはずのに、ケチケチ路線のACミランが大枚をはたいたのだから、驚くのも当然だろう。もちろん、イブラヒモビッチとロビーニョ獲得に、本来支払うべき移籍金に比較すれば、ミランは相当安く買えたことになる。 ACミランが移籍戦略を変更したのは、あまりに弱体化した戦力に尽きる。誰も優勝候補にあげない現状にクラブ内からも危機感が持ち上がっていたことは間違いない。イブラヒモビッチとロビーニョは自己主張の強い選手になる。ロナウジーニョやパトと同調できるかには疑問が残る。さらに、FWフンテラールとFWボリエッロを放出しているから、戦力面でのプラスは限られている。それでも、ロビーニョ、ロナウジーニョ、パトのブラジル人トリオとイブラヒモビッチの4トップの破壊力はセリエAで群を抜いている。 ライバルのインテルは、ほとんど戦力を補強をしていない。昨年度のメンバーを温存しての戦いになる。監督がスペイン人のベニテスに代わったことも大きな影響が出るだろう。インテルを欧州無敵のクラブと考える人間は減少している。その隙を突くことができれば、セリエAでの大逆転も不可能ではなくなる。今回の大補強の特色は、冬眠していたミランが突然に目覚めて、強力なFWを二人も獲得したことにある。攻撃力ではイタリア随一になったミランが、インテルを崩すことができるかが課題になる。それでも、優勝が絶望的だった昨シーズンに比較すれば飛躍の年になるだろう。
2010.09.01
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日本のサッカー界には、代表監督に大物を呼びたいという夢があった。Jリーグ関係者に頼るしかなかった狭い監督選びをやめて、候補者を世界に広げようという信念があった。ところが、世界的な監督を勧誘した経験がないので、原委員長が世界中を行脚して交渉するかしかなかった。交渉はうまくいかずに、これを察知したマスコミ陣が就任の遅れを叩き始めて監督騒動が勃発した。 冷静に考えてみれば、監督の就任時期など問題ではない。むしろ、焦って不適当な人物と契約することのほうが危険になる。代表チームの監督は、今後の日本サッカーの方向を大きく左右する。原委員長が「攻撃型サッカー」を標榜する人材にこだわった理由も理解できる。このままの日本風スタイルを続けると、強国に成長することは難しい。 築き上げてきた日本風のスタイルを捨てるには、勇気がいる。岡田ジャパンが獲得した成果を顧みずに、新たなサッカースタイルを取り入れることを執念深く求め続けたことに驚かされる。日本に足らないのは攻撃力と叫んでみても、点を取れるストライカーもいないし、敵陣に斬り込む精神が希薄では、いつまでも進化しない。長年続いてきたスタイルを変化させるには、それなりの大物を呼び、反対論を抑えつけねばならない。 イタリア人のアルベルト・ザッケローニは、ACミランでリーグ優勝している。その他に、インテルやユヴェントスを指揮している。これだけの百戦錬磨の監督が、日本代表監督に心を動かした意味は大きい。日本は南アフリカ大会で敗北したけれど、選手たちはサッカーの世界にインパクトを残したらしい。その強い印象がザッケーロの心をうごかしたことは間違いない。 いずれにしても、日本サッカー界の流れは変化せざるを得ない。それが成功するかどうかは、現時点で予測できない。ザッケローニ監督就任によって、何が始まるかには興味があるけれど、イタリア人の信念は固いことも知られている。日本人に染み付いている日本風のサッカーはどこにいくだろう。
2010.08.30
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山岳地帯に建設されたスパは、天候が激変しやすい。山岳地帯特有の気流がレースの邪魔をする。晴れていても、突然に降雨になるサーキットのレースは、対応が難しい。腕と度胸と運がないと到底勝てない。マクラーレンのハミルトンの運動神経は、こういう激変する環境に向いている。路面の水滴を恐れない心臓がスパには必要になる。ハミルトンはスタートに成功して、序盤からリードを保つことができた。 降雨があるとスパのレースは混乱する。水滴で視界が遮られて、リスクが異常に高まる。1周目にバリチェロとアロンソ、3位のベッテルと2位のバトンが接触して混乱に輪をかけた。セイフティカー出動とレインタイヤの選択と雨を計算して、最適のピットタイミングを狙うことが生き残りの絶対条件になる。冷静なアロンソさえも、コースアウトしてリタイヤに追い込まれるほど過酷な条件が続いた。 トップを走ることで落ち着きを見せていたハミルトンに比較すると、ベッテルは熱すぎる。バトンに仕掛けてリタイヤに追い込んでしまう。この判断は未熟すぎて話にならない。王者になる資格を疑われても仕方がないだろう。危険行為のペナルティまでくらって、周回遅れにされてしまった。ドライブの才能やマシンの性能だけでは、選手権を勝ち抜けないことを立証させてくれた。これだけ速いマシンと腕を持ちながら、ベッテルがなかなか勝てないのは、やはり明白な理由があると考えられる。 勝負に勝ったハミルトンがポイント1位に復活した。2位は執念の走りを続けたウェバーになった。バトンは2位を脱落させられたから、さぞや怒っているだろう。勝者に25ポイントも与える制度は、終盤での大逆転を可能にする。自分がレースに勝ち、ライバルが脱落すると、なんと25ポイント差がひっくり返ってしまう。フェラーリのアロンソも、王座獲得をあきらめてはいないだろう。次回のイタリアGPで、何が起きるかを予測することは難しい。
2010.08.30
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イブラヒモビッチがイタリアに戻る。マネージャーの個人攻撃で爆発寸前にまで迫っていたバルセロナの危機は回避できた。スペインに残れば、どんな事態が起きるかはわからなかった。そういう混乱がバルセロナの崩壊につながるという指摘がされていたので、経営陣も損失覚悟の移籍を認めるしかなかった。得をしたのは、強力なFWを獲得できたACミランだろう。本来ならば多額になる移籍金を減額され、報酬も下げることができた。イブラヒモビッチの腕のほうは間違いないと来れば、喜んで受け入れるしかない。 対立が激化していたバルセロナの内部崩壊を防ぐには、イタリアへの追放しかなかったというのが真相になる。指揮を執るグアルディオラ監督と使ってもらえないイブラヒモビッチの感情的対立は、組織内で相当に深刻化していた。さらにライバルの加入でほとんど出番がないとすれば、出ていくしかない。それを受け入れてくれるクラブを探すことが、バルセロナ首脳の役割になった。交渉するチャンスは一度しかなく、一気に決めないと危険を残す。 イブラヒモビッチと監督が会話を交わしたのが2回だけということに、二人の対立感情が露骨に表れている。独裁者としての地位を獲得したグアルディオラにしてみれば、反乱者であるイブラヒモビッチをベンチに置くことさえも許せなかったことは間違いない。対立の原因がどこから発生したかは、実のところはっきりしないけれど、指揮を執る監督側から解消する意志がないとすれば、追放しかない。 問題は、移籍金と報酬の高さにあった。そんな大金を支払えるのはビッグクラブしかなく、欧州でも数が限られる。ストライカーがほしかったACミランが名乗りを上げたことで、バルセロナは救われた。多少の金銭的な損失は問題にならないだろう。「邪魔者は消せ」というグアルディオラの執念は驚くべきものがある。ロナウジーニョ、エトー、イブラヒモビッチを追放するまで執念を燃やす性格は執念深い。この追放劇で、バルセロナに安定と平和がもたらされる。余計なことを考えずに勝負に専念できる。それが大きい。
2010.08.29
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マクラーレンを傘下に置いていたダイムラー社が、独立したF1チームを設立させたことは、世論を驚かせた。なにゆえに成功してきたプロジェクトを解消させるかの真意が伝わらずに疑問が残されていた。そして、マクラーレンが独自のスポーツカー生産に執念を燃やしていたことが、マクラーレン分離独立の理由だったことは意義深い。マクラーレン・メルセデスでは満足できないことを声高に主張したことが始まりだった。 国際経済の現状からみれば、高性能スポーツカーの生産開始の時期としてふさわしくない。2500万円以上するスポーツカーが本当に必要かを吟味すれば、ダイムラーの主張することが理解できる。危険な投資を現時点で行うことはないだろうというのが経済の論理になる。しかし、マクラーレンは設計を完了させ、生産開始に向かって走り始めていた。夢を実現させようというグループと現実派の対立は、マクラーレン独立という方向で決着した。 スポーツカーを生産するには投資が必要になる。少量生産のスポーツカーといえども、工場の建物や多数の従業員を雇用しなくてはならない。さらに世界的な販売網の設立と修理などのサービス網を作り上げるには資金が湯水のように必要になる。数百億円の資金は中東の金融機関から手に入れたという。マクラーレンのブランドと信用力を担保にして金を貸し、成功報酬を得るのが中東流になる。フェラーリの成功例があっても、計算高い銀行にはできない話だろう。 スポーツカーメーカーは危険を恐れて、自動車会社のグループ企業として運営されている。フェラーリはフィアット、ランボルギーニはVWグループに属することでリスクを軽減している。マクラーレンはダイムラーグループを飛び出して孤独の旅に出る。どこの支援も期待できないのに、多額の投資の引き金を引く。危険を恐れないことがマクラーレン首脳陣の性格なので、どうにもならない。マクラーレンF1は数少ない優良企業だったのに、あえて嵐の中に出る。なにも言葉が出てこない。
2010.08.28
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信じがたい数字ということが起こりうる。スペインは一応先進地域であり、生活も安定していた。ところが、リーマンショック以来、失業率は高止まりしている。その数字が20%を超えるとなると、政府の経済政策に疑惑が浮かび上がる。老若男女5人に一人が失業中というのは、とうてい先進国とは呼べない。ある部分のシステムが機能していないことを物語っている。 スペインはグラナダに象徴される夕景色の美しい国だった。イベリア半島には牧歌的な雰囲気が残されており、不動産業者はドイツなどの先進地域の人々に格安の不動産物件を売り出した。土地や住宅価格はドイツの数分の一以下であり、温暖地のスペインに別荘を持つという夢はたやすく実現できた。 不動産ブームは、スペイン人の不動産業者と建設業者を喜ばせ、ドイツ人たちに夢を与えてきた。ところが、不動産物語は突然に停止されてしまう。金融危機の発生で、すべての海外融資が止まってしまった。スペインには、数万件の売れ残り別荘が並んでいたのに、ローンがつかないと売れない。スペイン国内の不動産部門が急成長していたために、金融危機への即座の対応が不可能になっていた。売れ残った別荘は、今でも格安で並んでいるが、スペイン人には高価すぎて手を出せないという。 先進国と途上国の差は、単なる貧富の差ではない。貧しくても、工場などの投資が続く地域もあれば、まったく投資が機能していない地域もある。その国にどれくらいの生産力があり、先進的な工場群があるかは、判別の材料になる。先進国でも投資の行われない地域は即座に廃れるし、貧しくても工場地帯が建設される地域は、さらに成長できる。そこには政府による経済政策が大きな影響を与える。すべての方策に失敗したスペインは、世界不況の回復を待つしかないところが悲しい。グラナダの別荘は夢にすぎなかったのだろうか。
2010.08.03
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道路爆弾のことをIEDと呼ぶ。要するに手製爆弾のことであり、正規軍の装甲車などを道路端で爆破する兵器になる。イラクで製造が始まった当初は、自家製の火薬や起爆装置を用いた原始的な兵器だった。それでも、道路爆弾は味方の損害が少ないゆえに重用され、中東地域に広がり始めた。黒色火薬などの材料ではなく、地雷や砲弾などを改造して、電子起爆装置を取り付けた本格的なIEDが完成したのは最近のことになる。 IED製造工場は、地雷や砲弾などが自由に手に入るイラクやパキスタンにあり、世界各地に輸出されている。アフガニスタンなどの爆破映像を見ると威力はすさまじい。高原の道路などに仕掛けてあると、誰も探知することはできない。米軍の装甲車などは一発で吹き飛ばされてしまう。IEDは簡単に移動でき、即座に設置できる。無線や携帯などでNATO軍の移動情報が伝わると、通過予測地点に何か所も仕掛けられる。そして、道路を通過するのを辛抱強く待つ。海外の派遣軍が、網のように張り巡らされたIED包囲網を破ることは難しい。 アフガニスタンで米軍と戦っていたのはタリバンだったが、パキスタン政府の弾圧もあり、勢力は減退している。そこで、タリバンはゲリラ戦を挑むことをやめ、IEDに切り替えている。これならば、自軍の損害を出さずにNATO軍を攻撃できる。米軍と戦っているのはタリバンだけではなく、アフガニスタンをキリスト教徒から救うために、世界中からムジャヒディンが集結している。タリバンはアフガニスタン南部、ムジャヒディンは北部に砦を構えて米軍と戦っている。タリバンは原理主義者であり、政治的な思惑の違いからイスラム義勇軍とは協調できないらしい。 アフガニスタンは治安が悪く、山賊なども出没するので、村人は自警団を組織している。本来は、この組織が治安の中核になるべきだろうが、アメリカ軍は反乱を恐れて自警団を認めない。多くの村人たちも、カブールの中央政府を信頼していないから、武装集団は争いの種になる。さらに、米軍やNATO軍は、タリバンとムジャヒディンと自警団の区別がつかない。そこで、武装集団を発見すると即座に空爆を行ってしまう。空爆の被害の出る各地の村人の米軍への反感は強い。村人がIEDの犠牲者になることはほとんどないのを見ても、何らかの情報は伝わっているはずだが、IEDの真相は闇の中にある。
2010.08.01
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この数日間、叩かれ続けたのがフェリッペ・マッサだった。ブラジルでは操り人形扱いされて、F1ドライバーとしての敬意を失ってしまった。本人にしてみれば、納得のいかない指令に従ったに過ぎないのに、人格さえも無視されて、F1ドライバー失格の烙印を押されてしまった。この不名誉を挽回するには、ハンガリーで勝つしかない。人間がこういう状況に落ち込むと、むしろファイトがわき上がってくる。大逆転の狼煙を上げようと覚悟を決めるのが普通だろう。 マッサがF1世界で生き残ろうとするならば、ハンガリーで数字を残すしかない。フェラーリのマシンは調子がよいし、レッドブルにタイム的に劣る部分はない。ハンガリーは低速の抜きにくいコースだから、予選結果がものをいう。現状でレッドブルを上回るタイムを出せるマシンはフェラーリしかない。マッサはその一台を持っているのだから、チャンスはある。 今年のブリヂストンは、特殊なタイヤの組み合わせをしている。耐久性のあるハードタイヤと10周程度しか持たないソフトタイヤの組み合わせになる。あまりに極端な特性を持っているので、ほとんどのチームは最適セットアップができない。どのようにセットするかでドライバー同士も喧嘩腰になってきた。最適解を手に入れていたのは、事実上レッドブルしかなかったのに、フェラーリが割り込んで、互角の戦いが始まっている。 マッサは命をかけたドライブをすべきだろう。予選1位を取れば、ハンガリーでは圧倒的な有利になる。2位以下は行列になるから、ベッテルだけをマークすればよい。ウェバーが出てきたら、ベッテルと喧嘩させればよい。なかなか勝てないレッドブルは、相当焦ってきているので、マッサにチャンスは転がっている。ベッテルやウェバーを弾き飛ばすくらいの覚悟で1コーナーに飛び込めるかで勝負は決まる。マッサに怖いものなんてないのだから。
2010.07.31
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海底油田は、最盛期に大儲けの対象になる。それゆえに、メキシコ湾岸には、大小様々な海底油田が存在して稼働している。しかし、原油が掘り尽くされると油田は放置され、廃墟として存在し続ける。これまでは、環境対応したルールが存在しなかったらしく、まさに海中に放置されていた。そこに、航行中の船舶が衝突して、噴出口から石油と天然ガスが噴き出し、大騒ぎになっている。石油会社の人間は、廃墟に船をぶつける人間などいないと考えていたらしい。 掘り尽くされた油田なので、噴出量は限られる。それでも原油の汚染は広がり、流出を止めるまでは広がり続ける。採掘会社はとっくに操業を停止していたので、衝突事件に驚いているという。噴出孔をふさぐ工事などを行うには、それなりの費用がかかるから頭が痛い。一度廃棄した油田が環境汚染をもたらしたのでは、たしかにたまらないだろう。アメリカは世界有数の石油産出国ではあるが、環境汚染に有効な手立てを持っていないことが理解できる。 海底油田は、利益をもたらしてくれる福の神ではない。制御を誤ると地獄の門を開くことになる。日本は原油資源に無縁の状態が続いていたから、石油を金儲けとしてしか考えていない。メキシコ湾の爆破事故や今回の衝突事故を見ると、そんなに甘い話でないことが理解できる。といって、輸入できる石油がないと日本は破たんさせられる。太平洋のどこかに海底油田が眠っていても、それを掘ることは、危険と隣り合わせになる。 ロシアやサウジ、中国などの大規模油田地帯が枯渇し始めている。その減少分を埋め合わせるために、石油メジャーは世界中の海底を試掘してきた。おかげで30年分くらいの資源を見つけることができたけれど、石油の需要の伸びには届かない。石油に代わるエネルギーは世界中で模索されているけれど、決定的なものは見つかっていない。石油の枯渇が始まるまでに、人類は代替手段を発見できるだろうか。
2010.07.30
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メキシコ湾の海底油田リグが爆発炎上してから、BPは環境対策に莫大な資金を投入させられた。わずか3カ月程度で軽く2兆円を超え、優良企業だったBPを地獄に引きづり込んでいる。いくら資金に余裕のある石油企業でも、2兆円以上の損失を出すと、資金繰りが厳しくなる。使われているのは、石油回収費用や環境対策費や漁業の休業保証金などになる。一つ一つはわずかな額でも、合計すると2兆円を超えるのが石油事故の恐ろしいところだろう。もちろん、これで終わりではなく、さらに数カ月損失は続くから、いったい何兆円の現金が消耗するかさえもわからない。 BPは資金を確保するために、世界中の石油施設を売り急いでいる。保有しておけば、将来にわたって石油が出てくる油田も、二束三文で売り払わないと資金が足らなくなる。といって、BPの基幹油田は売り払うわけにもいかず、アメリカ政府は厳しい対応に出ているから、補償金を支払わないわけにもいかない。世界有数の石油企業BPも、メキシコ湾騒動が終わるころには、世界企業の枠から外れて、小さな勢力に転落させられてしまう。 こうなった原因ははっきりしている。海底1600メートルで石油を採掘する権利だけを強欲に欲しがり、採掘する技術開発をなおざりにしてきたことに原因がある。石油会社は数々の石油利権を保有しているけれど、ほとんどは政治がらみのものになる。無名の企業に海底を採掘する権利を与える政府はない。実績と技術を優先して採掘権を与えると、そこには石油メジャーが並んでしまう。 海底石油の採掘技術を持つ企業は政治力がないから、メジャーの下請けに入るしかない。石油メジャーが海底石油の採掘技術を持つわけではなく、専門メーカーに採掘を委託することになる。専門メーカーは石油リグを設計し、建造してメキシコ湾まで牽引する。最先端の採掘技術が詰まった石油リグは、企業秘密の塊であり、外部の人間が技術を審査することなどできない。 BPは採掘会社に丸投げして、利益だけをむさぼろうとした。1600メートルの深海で何が起きているかなど探ることもできない。採掘現場はロボット操作で行われるから、設計図通りに施工されているかなどは、誰も知らない。石油噴出孔にはふたが付いていて、万が一の時には閉鎖される設計になってても、現実には石油があふれ出てくる。やっと石油の流出を止めた時には、信じがたいほどの原油が海底を汚染させている。これらの汚染物質を除去する費用は天文学的になってくる。海底石油を採掘する企業など地球から消えると叫ばれるのは、至極もっともなことだろうな。
2010.07.29
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サッカー界の実力評価では、戦力的に見て、ブラジル1位とアルゼンチン2位は堅いところだろう。この二つの国に匹敵する戦力を持つ国は存在しない。それでも、あっさりと敗北するのがサッカーという競技の厳しさになる。強い戦力を持っていても、それを生かせる戦術や作戦が機能しないと、まともに戦うことさえできない現実がある。われわれは、その事実を南アで痛感させられている。 ブラジルのドゥンガ監督が解任されたのは、当然だろう。ブラジルらしい華やかな動きが消えていたことは事実であり、それが守備重視の配置と作戦によるものであることははっきりしている。責任を取らせるのは、カカやファビアーノではなく、指揮官そのものになる。 アルゼンチン敗北の責任追及は難しい。守備が弱いといっても、最初から守備重視の配置や戦術を目指していない。インテルでチャンピオンズリーグを制したサネティやカンビアッソなどは、代表チームに呼ばれてすらいない。ほとんど無防御で、ドイツのカウンター攻撃に撃破されてしまった。この原因を分析して、適切な対策を取れる知恵のある指揮官をアルゼンチンは求めている。 それに対して、マラドーナはサッカーを好きなようにやらせてくれと言うばかりなので、話し合いが進展しない。アルゼンチン協会は、一定の枠をはめたうえで、マラドーナの継投を狙っていたけれど、規制できないのであれば辞めさせるしかないと判断したらしい。もともと人材は豊富なのだから。 ドゥンガにもこだわりがあり、マラドーナにもこだわりがある。しかし、サッカーの歴史は、勝者だけが評価され、敗者は一顧だにされない。メッシがどうして機能しなかったのかを論議してもはじまらない。他の国はメッシを抑えるために、万全の対策を準備していた。それを乗り越えるだけの戦術をマラドーナがとれなかったから、メッシは得点できず、アルゼンチンは敗北するしかなかった。ドイツとの戦いは、それほど過酷なものであり、甘い見込みと戦術で乗り切れるものではなかった。それを認識できずに、自分好みのコーチ陣の人選を主張するマラドーナは、アルゼンチンに無用の存在になってしまった。
2010.07.28
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ドイツGPで起きたチームオーダー問題によって、フェラーリは嘲笑の対象になっている。他のチームは怒るというよりも、フェラーリの間抜けさ加減に驚いている。アロンソに抜かせるならば、マッサではなく、アロンソに追い越せと指示すれば済む。マッサもそれを邪魔したりはしないだろう。大騒動になったチームオーダー騒動の陰になって、すっかり忘れ去られているのが、フェラーリの速さの復活だった。 金曜日から、フェラーリの速さにレッドブルは腰を抜かしていた。マクラーレンと異なって、開幕からレッドブルに対抗できる速さを持っていなかったからになる。突然にレッドブルと互角以上のタイムを出すのだから、改良部分に注目が集まったのは当然になる。レッドブルの秘密は、フェラーリによって完全に解き放たれてしまったのに、マクラーレンとメルセデスはまったく探知していない。これからの数戦は、フェラーリとレッドブルの一騎討ちになる。アロンソの腕前は一番であり、ベッテルのようなミスを犯さない。 マシンの改良には様々な規制があり、改良に大金をかけることのないように、FIAによってさまざまな仕掛けがしてある。そのために、大掛かりなアップデートは、一時期にまとめてやるしかない。一つ一つの技術によるタイムアップは限られていて、複数の技術を組み合わせて、一気に合計タイムを上げるしかない。フェラーリの復活の秘密はここにある。 重要なことは、わずか一回限りの改良で、レッドブルを上回るタイムを記録できるようにマシンを進化させたことにある。何をどう組み合わせると、こういう魔術が可能になるかはわからない。それでも、シーズン途中で立場が逆転されるアップデートは少ない。その技術革新をフェラーリは取り入れることができ、メルセデスは全然気が付いていない。マクラーレンは別の方法を探っている。フェラーリの技術の組み合わせは、さほど驚くような進化ではなくとも、組み合わせによって効くという筋のものだろう。 茶番劇によって屈辱を受けたアロンソとマッサは、ハンガリー以降は予選1位と2位を狙いに行くだろう。逆転を狙えるマシンにフェラーリは進化している。決勝も当然ながら速くなる。フェラーリを止めることのできるのは、事実上ベッテルしかないから、これまでの流れは大きく変化する。フェラーリを見ても、外観上の変更点は少ないにもかかわらず、これだけのタイムを向上させている。アロンソが今回の限られたチャンスを生かして、茶番劇の屈辱を晴らす動きに出てくることは間違いない。
2010.07.27
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フェラーリがホッケンハイムで速さを取り戻したことは、大きな出来事だった。今シーズンに関して言えば、レッドブルよりも速いマシンは存在していなかったから、この順位が逆転させた技術力に注目が集まるべきだった。ところが、フェラーリのエンジニアが発した言葉が波紋を投げかけていく。「アロンソのほうが速い。何をすべきかわかっているな」という言葉の意味が問われている。これをチームオーダーを指す言葉だとして、厳しく罰すべきだという意見がある。チームオーダーは出されていないけれど、マッサがこの指示に素直に従ったように、順位を入れ替えることを狙った強い命令だと指摘することはできる。 スチュワードには、この事件を裁く能力も権力も与えられていなかったので、FIAモータースポーツ評議会に持ち込まれることになった。チームオーダーの禁止は、シューマッハとバリチェロの入れ替え事件を出発点にしている。フェラーリには、明確な序列と権限があり、ドライバーは上層部の指示に従わねばならない。無線の指令を無視することはできても、無事では済まない。エンジニアが自分の判断で順位の入れ替えを暗示できるはずはなく、上層部の指示に従っていると考えるべきだろう。これはフェラーリ組織内の方法論であり、FIAが関与するべきものとは違う。 フェラーリは、今シーズンに何回かスチュワードの判断を批判している。適正な判断が適正な時間内に下せない場合が多く、トラブルの要因になっている。しかし、今回の事件は、専門家や弁護士の話し合いが必要な深刻な出来事であり、簡単にはFIAも判断を下せないだろう。FIA会長がフェラーリ出身のジャン・トッドならばなおさらになる。FIAがフェラーリを裁いたり、さらなる罰則を与えることは、F1に危険を招く。地下に隠されている政治的な騒動を揺り動かすからになる。そもそもスポーツ評議会の役員は、そんな政治的判断を下せない。 F1チーム側にとって重大なのは、チームオーダーの禁止条項により、レース中に必要な指示が出しにくくなっている現状にある。同じチームのドライバーを追い越してはいけないという法はない。同僚を追い越すことが不法ではなく、順位を意識的に操作することが禁止されている。そして、マッサは自分の判断で道を譲ったと発言しているので、法律論的には問題にならない。しかし、フェラーリのとった行動はあまりに愚かすぎて批判されている。もちろん、FIAはフェラーリの扱い方を心得ているから、そんなに大ごとにはならないだろう。この愚かな行動に対して、10万ドルの罰金ですめば本当に安い。
2010.07.26
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旧ソ連海軍は、アメリカ空母群の攻撃力を封じるために、さまざまな兵器を用意していた。その中でも単純明快なのが核魚雷になる。これは普通の魚雷の弾頭に水爆を取り付けただけという構成になる。魚雷の射程は数千メートルなので、その位置から発射すると、魚雷は米空母に接近する。空母に命中させることは難しくても、近辺で核爆発を起こせば、相当のダメージを与えられるという発想の兵器だった。うっかりすると、自分にも被害が及んでくるほどの単純明快な兵器であり、ソ連以外が核魚雷を装備したという話は聞かないのも無理はない。 原子力潜水艦には、ポラリス型と攻撃型の2種類がある。ポラリス型はICBMを搭載して、敵の基地や都市を破壊することが最終目的になる。水中にミサイル発射基地があるのと同じであり、発見しにくく、攻撃するのが難しい。ミサイルには複数の核弾頭が搭載されるから、1隻の潜水艦の破壊力は甚大になる。このポラリス型潜水艦を攻撃することを目的としたのが、攻撃型原子力潜水艦になる。しかし、どういう兵器を搭載すれば効果的かは議論があって、アメリカ軍は巡航ミサイル中心に切り替えている。潜水艦の魚雷そのものは射程も短く、あまり役に立たない兵器に分類されている。 魚雷の命中率を高めるために発明されたのが有線魚雷だった。これまでの打ちっぱなしではなく、数千メートルのワイヤーを使って、魚雷を電子制御する。敵の位置を正しく計測できれば、まず100発100中で命中させることができる。海上艦の位置はレーダーなどで正確に探知できても、潜水艦の位置を探知することは難しいから、潜水艦を発見した時には、すでに攻撃されている危険が高い。冷戦が終わってほっとしているのは、やはりロシア海軍首脳だろう。 どんな大型艦艇も、近くで水爆を爆発させられたら無事では済まない。冷戦当時のソ連首脳がどれくらい追いつめられていたかは、核魚雷の配備を見ればわかる。数発の核魚雷を米艦隊に向けて発射すれば、何が起きるかを察知できる。そこからは世界の破壊しか生まれない。それを覚悟して、ソ連艦隊は訓練に励んでいたというから、危険な時代だった。こんな野蛮な兵器を本気で開発して装備していた旧ソ連艦隊は、やはり恐ろしげな存在だったのである。
2010.07.24
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浦和レッズ発展の功績を評価されてサッカー協会の会長に就任したのが犬飼基昭だった。Jリーグを葉転させられるという期待が込められていたのだろう。しかし、就任してからの2年間は、批判の連続であり、肝心のJリーグ側から不適格の烙印を押されて、会長交代が決まった。秋春制を強く主張して、雪国や北海道のクラブから批判を受けたことも痛かった。これほど批判に無頓着な指導者も少なくないだろう。もっと民主的な会長がほしいという声に押されて、会長を辞めさせられることになった。 この2年間のJリーグは厳しい状態が続いている。大分やヴェルディのように経営破たんするクラブが続いている。日本国内に40ものプロクラブが必要か、存在できるかという議論を無視して、各地にサッカークラブを濫造してきた。どこも経営不振であり、特に地方都市のクラブが困窮している。それにもかかわらず、無定見にクラブ数を増やすというのは驚きなのだが、経営の実態もお粗末なものに終始している。40ものサッカークラブが狭い国内に存立できるなどと考えないほうが賢明だろう。 サッカー人気を凋落させた責任も大きい。地上波でサッカー番組を流すことも激減している。ローカル局による地方試合の中継も激減して、ほとんどサッカーの試合を見ることができない。多くのサッカーファンはスペインやイングランドの試合をBSなどで見ているにすぎない。この2年間に失ったエネルギーは大きく、これを取り戻ることは難しい。成功したサッカーくじも報酬がサッカー界に戻されないという憂き目を見ている。これからの数年間はJリーグ淘汰の時代になる。生き残れたクラブは次の世代に移行できるが、経営不振のクラブは滅亡するしかない。数億円を調達できずに消滅させられるというのも残酷すぎる話なのだけれど。
2010.07.23
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FIAは、どうして13番目のチームにこだわり続けるのだろう。これまでの歴史的な経過を見ても、ろくな戦いしかできないF1チームが次々に誕生している。ほとんど戦闘力のないマシンを使っているのに、すでに独裁者や内部対立があり、正しい発展の方向性を示せない。新たに参戦枠を獲得するチームが、ゼロに近い戦闘力と資金不足を解消できないならば、無理をして13番目のチームを認めることはない。 新参チームの中には、まじめに資金調達計画を持っている組織もあるけれど、ほとんどは誇大妄想計画にすぎない。理想と現実のギャップの大きさを認識していれば、大口をたたくこともないのに、誇大妄想ゆえの資金難に伴うトラブルが絶えない。FIAの審査の時には、どのチームも銀行預金が数十億円ある。毎月支出される金額は10億円近いから、新規のスポンサーを見つけないと、いずれ金庫が空になる。1年間は耐えられても、次の年の参戦費用があるかは誰も知らない。 新参チームがまともに勝負できるマシンを開発できるかが鍵になると考えられていた。しかし、過去のトヨタやBMWの結果を見れば、戦闘力のあるマシンを開発することは、ワークスでも難しい。いわんや、新規参入チームには開発予算がないので、壊れたパーツを補修する程度のアップデートでごまかさねばならない。自主開発もだめ、ダラーラのような専門メーカー開発もだめとなると、競争力を得る方法はフェラーリなどのマシンを買うしかないだろう。新参F1チームが予選をまともに戦える方法論はこれしかない。 ウィリアムズなどの開発能力のあるプライベートチームは、新規チームがフェラーリやマクラーレンを購入できると立場を失う。そのために、独自開発のマシンを製造することを義務付けさせている。この規約をやめさせることができるかどうかが、新規参入チームの運命を分ける。フェラーリやマクラーレンもマシン商売ができるから、これで利益を上げられる。5秒も遅いマシンを同じF1規格で走らせることの矛盾をそろそろ解決しないと。
2010.07.21
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CIAの諜報活動は、非合法すれすれの行動を信念にしている。情報を得るためには資金を惜しまず、賄賂や工作資金をふんだんに使う。あらゆる手段を駆使して情報を集めないと、なかなか信ぴょう性のある話にはならない。CIAにとって、イランの核開発の実態は、なんとしても獲得したい情報だった。そこで、イラン人科学者が選ばれて、サウジアラビアから米国に連れてこられた。これによって、イラン核開発疑惑が明らかになるという筋立てだった。 そこで、メッカ巡礼に出かけた科学者をCIAはとらえて米国につれてかえった。イラン核開発の真相が暴露されると期待されていた。それゆえに、CIA側の尋問は厳しいものになった。イラン人科学者の本音がどこにあるかを知ることは難しいけれど、何のために米国につれてこられたかを察知した科学者が真相を話さなかったことは当然だろう。 問題は、イラン人科学者に米国行きの意志があったのか、機密情報を売り渡す密約をしていたかが分岐点になる。この科学者が核開発の真相を暴露すれば、イランの核開発の謎を解くことができると考えてCIAが行動したことは間違いない。それでも、米国にまで連れていかれ、拷問に近い取り調べを受けたことが心を変えてしまったことは確かだろう。どうやら、CIAが期待していたような内容を科学者は話さなかったらしい。 5億円の報奨金が与えられるとCIAは持ちかけていたという。ところが、イラン人科学者の話した内容は平凡なものであり、核開発疑惑を解明できるような内容ではなかった。不満を感じたCIA捜査官は、さらに徹底した取り調べを続けた。拷問に近いやり方だったらしい。必然的に捜査官の姿勢が反発を呼び、機密情報を暴露するという流れを変化させてしまった。イラン人科学者は裏切り行為に手を貸すことをやめて、帰国の動きを強めた。 これほどの大事件が、こんな結末になることを予測した人は少ないだろう。イラン人にとって、米国社会は住みにくい場所であり、心が休まらないらしい。イラン核開発疑惑が解明されると期待されていたのに、大騒動ネズミ一匹になってしまった。イスラム教徒にとって、米国での亡命生活はつらいものであり、5億円を手に入れても楽しくはない。そこで、家族の待つイランに帰国することを決めたという。何が核開発の真相なのかは解明できずに終わっている。
2010.07.19
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小泉改革の一環として、金融の自由化が断行され、数多くの新銀行が設立されてきた。ネット銀行のような手軽なものから、為替取引や投資に重きを置く金融機関が生まれている。いずれもが小規模であり、本格的な金融機関業務を行うというよりも、自由化の旗に踊らされて設立されたというのが実態だろう。これだけ金融機関が存在する中で、独自性を打ち出すのは容易ではない。 企業に資金を貸し出して、利子を儲けるという過去の銀行の姿が絶対視されなくなった。莫大な資金を集めて安定した方法で資金を運用するというよりも、投資業務などで収益を上げるという欧米の手法に習うようになった。どこに投資するかは、銀行家の腕次第と見られていたが、自由化の旗だけでは収益を上げられない厳しい競争に直面している。 日本の場合、信用を第一にする金融機関でなければ存続できない。世界規模のメガバンクが多数あり、それらと互角に戦わねばならない。金融の美味しい部分は、とっくに分割されて、手の届かないところに祭り上げられてしまった。設立された新銀行が利益を上げていくかは難しい。中小企業は資金難に直面しているから、高利貸路線でも通用するという論理は甘かった。 設立されたばかりの日本振興銀行には、そもそも顧客がいない。にもかかわらず、赤字運営を認めないというのが金融庁の方針なので、あらゆる手段を練って黒字化を達成する必要があった。そこで、融資先を探す代わりに、債権を買い取りすることが始まった。自分たちで融資先を探すのではなく、商工ローンなどの債権を安く買い取って、そこから利益を生み出すという手法になる。 ところが、買い取った債権の中に危ない債権が多数混ざっていた。1000億円もの資金で買収したのに火傷するしかない。この事態が公開されると、多額の損失が生まれ、銀行経営が挫折する。そこで、徹底した隠ぺい工作が行われるようになったらしい。木村ワンマン体制だったことも、銀行内の批判の声を打ち消してきた。 金融機関が金を貸して利子を取り、営業を成立させるには信用が必要になる。信頼関係を築くには、長い期間が必要になる。高利貸しのような戦略で突き進んでも、世の中には受け入れられない。何のために閉ざされていた門を開き、特定の人物たちに利権を与えたかが追求されるだろう。今回の事件は政府の金融方針を複雑に絡み合っている。どうして木村グループに銀行免許が与えられたかが解明のカギになる。
2010.07.16
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卓越した能力を持つ選手が、すべての組織に受け入れられるとは限らない。南ア・ワールドカップで期待されたストライカーの多くが、多大な失望感を味あわせて敗退している。ルーニー、Cロナウド、メッシの3人は、ほとんど力を発揮できずに破れてしまった。目立たなかったビジャやスナイデルが得点の上位に名前を並べるという現象さえも起きている。ストライカーにとって、1か月の短期間勝負で確実な結果を出すことはむずかしい。 ポルトガル国内では、Cロナウドに対する厳しい批判が巻き起こっているという。ポルトガルが敗退したのも、ポルトガルが実力を発揮できなかったのも、Cロナウドの責任であるという論調が続いている。これに、私生活上のスキャンダルがからんで、Cロナウドは四面楚歌の立場にある。このバッシングがポルトガル人のメンタリティと言うのならば、優勝候補にのし上がる時代は、なかなか来ないかもしれない。 サッカーは、卓越した一人のプレーヤーがいても戦えない。組織力が背景にないと、トーナメントは勝ち抜けない。Cロナウドとメッシは、常に比較の対象になるけれど、独立独歩でゴールに突き進むCロナウドとバランスを計算できるメッシのサッカーに対する姿勢はかなり違う。Cロナウドは自分でゴールを奪うことに命を燃やす。メッシはバルセロナ流の組織プレイを愛する。 ワールドカップになると、どのチームも失点を恐れて堅い守備陣を形成する。アルゼンチン代表のメッシは、相手側の徹底マークにあって、ほとんど力を発揮できずに終わった。組織から孤立していたCロナウドは、孤軍奮闘するばかりで、チャンスにさえめぐりあわずに空回りで終わった。 マドリードのモウリーニョ監督は、Cロナウドの特質に合致させた攻撃戦術を組み立ていると語っている。ポルトガルのように組織の一員としての存在では、その能力が発揮できないことを察知している。遠慮せずに好きなように突進することが、Cロナウドの力を発揮できる方法論だと熟知している。派手な遊び人と呼ばれるCロナウドが、実はマドリードの練習時に最初にやってきて、最後まで練習することを知って、Cロナウド中心の戦い方を進めていくことを決めたらしい。確かに組織の中に埋没しているCロナウドは魅力がないし、その能力も発揮できない。マドリードの新戦術が気になる。
2010.07.15
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FOMを運営するバーニー・エクレストンは、F1をネタにして金儲けに専念している。F1からあがる収益は1000億円以上であり、スポーツイベントとしては最大の利益を上げている。収益の多くはTV放映権とサーキットに課せられるF1開催権料になる。そのほかに広告やイベントをこなしている。このありさまを見て、F1に投資すれば大もうけできると考える人物や組織が出てきても不思議ではない。 ドバイの建設業者がFOMと手を握って、F1テーマパークを建設するという計画を打ち出した時には、誰もが驚かされた。鈴鹿やシルバーストーンならば、世界から観光客が押し寄せる可能性がある。しかし、F1に無縁のドバイにテーマパークを建設しても、入場者が限られる。裕福な海外旅行者というのがターゲットだと大失敗する危険性が高い。 ドバイの人口は120万人と呼ばれる。しかし、80%は出稼ぎ外国人であり、経済力のあるドバイ人の数は限られる。そんな小国のドバイにF1テーマパークを建設しても、開園すれば赤字は免れない。建設予算は500億円だったというが、半分まで進んだところでドバイショックに見舞われ、すべての工事は中断されている。実は、F1以外にも数百のプロジェクトが中断されているというから、再建は絶望的だろう。 ドバイ政府の首脳は、あらゆる投資の口実を祭り上げて、欧米の銀行から多額の資金を借り入れてきた。四兆円のGNPに比較して、七十兆円の建設計画を練っていたというから、やはり経済の実態を顧みない愚か者の集団というしかない。 人口の大部分を占めるインドやバングラの出稼ぎ労働者は貧しく、F1テーマパークの客にさえなれない。豊かなドバイ人だって、F1に関心があるものは限られてしまう。そんな地域で五百億円もの投資をして、F1テーマパークを建設してしまったというのは悲劇になる。 工事途中で放置されているF1テーマパークを再建することは難しく、投資家の目にも入らない雑な計画だと理解できる。ドバイのほとんどの事業が誇大妄想に取りつかれて、規模の拡大と資金を浪費してきた。どうやって、収拾策を取り繕うかさえも見えておらず、砂漠の巨大な廃墟として風化していくのを見るだけになるかもしれない。投資家も、銀行家も、政府首脳も、砂漠の廃墟を予見できなかったことに驚かされる。
2010.07.14
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レッドブルのドライバー同士が微妙な関係にあることは間違いない。新型のフロントウィングをウェバーから外し、ベッテルに装着したという話は、一つの結論を導き出している。レッドブルにとって、NO1はベッテルであり、NO2がウェバーになることは当然の話だった。ただし、さまざまな組織内のルールにより、そのことは鮮明にされてこなかった。それがレッドブル同士のバトルという危険な様相を生み出している。 レッドブルの二人の戦いを見れば、きわめて危険な関係に追い込まれていることが理解できる。圧倒的な速さを持つマシンをドライブする二人が、功を争って接触覚悟のバトルを試みる。前にも事故が一度起きているから、二人の闘争心には限界はない。互いに譲る気持ちが全くないことも、レッドブルの特色になる。ウェバーは遠慮せずにベッテルを攻略する覚悟ができている。二度とやってくるかわからないチャンスを迎えているからになる。 ウェバーがレッドブルとの契約を1年間延長した時、喧嘩腰のウェバーと来年度も契約することは不思議だった、王座を狙う野心家ベッテルと今年が最初で最後のチャンスであるウェバーは互いに相容れない心境にある。友人とはとても言えない冷めた関係にあり、何とかしてライバルを蹴落として勝とうと考えている。もし、レッドブル首脳がベッテルを優遇するつもりならば、ウェバーに向かって宣言する必要がある。 このまま、ベッテル優遇を続けるならば、ウェバーがどんな行動をとるかが見えてこない。ウェバーにベッテルをサポートする気持ちがないとすれば、同一チーム内での激しい戦いになる。シルバーストーン1コーナーのせめぎあいを見れば、二人の内輪もめは広がる。もっともすぐれているマシンを持っているのに、チャンピオンを獲得できない可能性が出てきた。
2010.07.12
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レッドブルの採用した下方排気システムを技術的に熟成させることは容易ではないらしい。すでにメルセデスGPは排気ガスの熱対策に失敗して、見直しを始めている。フェラーリは耐熱部品を組み込んだミッションケースを開発することで乗り越えようとしている。狭い空間の中で、800馬力のエンジンが発する熱を下方に流すのは冷却設計が必要になる。それでも、レッドブルの圧倒的な速さを目の前にしては、開発するしかない。 メルセデスは下方排気システムそのものに疑いを抱き始めている。効果が薄いどころか、操縦性にマイナス面が出ているという。レッドブルにしてみれば、ライバルチームのマシン開発を混乱させたことで、第一の目的は達成されたのかもしれない。ウィリアムズも遅ればせながら、下方排気のシステムを取り入れている。バリチェロの急上昇ぶりを見ると、設計次第によっては効果が出ることも確かめられている。 マクラーレンは英国GPにおいて、最新型アップデートを行い、レッドブル追撃ののろしを上げるつもりだった。計算上では、0・5秒ものタイム向上が可能とされていた。しかし、マクラーレンの排気システムは空力に悪影響を与えて、操縦性を悪化させるという結末をもたらせている。下方排気によるメリットよりも、コースアウトなどによる危険が高いと判断して、元のパッケージに戻すことにしてしまた。これを見ると、ニューイの陰謀は功を奏したのである。 マクラーレンは元のパッケージに戻して、シルバーストーンを戦うことになってしまったが、バトンはうまく対応できずにQ2予選落ちしている。ハミルトンは何とか予選4位に滑り込み、決勝でも2位につけている。レッドブルと互角に戦えるのがマクラーレンだけという現状で、開発に失敗したダメージは大きい。とはいっても、あきらめるつもりはなく、新たなパッケージをドイツGPに持ち込むという。大したことのない技術なのか、本物の技術かの判断はつかない。
2010.07.11
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米国に潜入して、諜報活動を行っていたロシア人組織が逮捕された。その中で目立っていたのは、美人スパイの存在だった。これほど露骨にロシア諜報活動の狙いが鮮明だった事件もない。米国のような自由主義の国では、ほとんどの情報は手に入れられる。しかし、国防省や国務省の機密情報を手に入れることは難しく、何重もの壁に閉ざされている。そこで、ロシア美人スパイの登場になる。肉体の美しさを武器にして、国家機密情報を手に入れるという諜報機関の常とう手段だろう。 ロシアの情報機関は、冷戦が消滅した時代になると、組織の存在価値を証明しなくてはならないなった。自由に入手できる情報を分析しているのでは、研究機関と変わりない。諜報員を米国や欧州に送り込み、普通の方法では手に入らない機密を手に入れることが、ロシア諜報機関の存在価値を高める。プーチン首相などにしても、ロシア外務省から手に入れられない情報を知ることができるのならば、諜報機関の予算を認めるだろう。プーチンはKGBのボスだった時代もあるのだから、諜報活動の意味を熟知している。 米国政府がせっかく捕らえた10人のスパイを追放処分にしたことは、政治的思惑からの行動だろう。冷戦時代に逆戻りする愚かさは避けねばならない。といって、FBIが探知してスパイ組織を放置できない。危険の芽は摘み取らねばならないが、ロシアとの外交関係が悪化することは避けたい。そこで、スパイ交換に踏み切ることになった。機密情報を海外に流して逮捕されている人間は多数存在する。そのなかで、米国政府に有用な者のリストを提出する。スパイ罪や反逆罪は重罪なので、交換によって救出できるならば安い。 諜報活動を行って逮捕されたものの救出を行うことは国家の義務になる。逮捕されたスパイを見殺しにすると、すべてを自白してしまう。そうなる前に、救出しなくてはならない。ロシア人が米国に出張して、どれだけの機密情報を集められるかには疑問が残る。昔風のやり方で現金の受け渡しをしたり、暗号で指示したりするなど時代錯誤的なロシア諜報組織は滅亡した。そういう時代錯誤的な方法論が認められるのも、クレムリンの特色だろう。
2010.07.09
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オバマ大統領の最大の課題は、いつどのようにしてアフガニスタンから撤退するかに尽きる。このまま戦いを続けることは、次回の大統領選挙の敗北を意味する。4年の任期の前にアフガニスタンから撤退を始めないとならない。ベトナム戦争との違いは、交渉相手が政府ではなく、反政府ゲリラという厄介な存在にある。アフガニスタンで、反政府ゲリラを掃討することほど難しいものはない。南部の部族は、現在のカルザイ政権に批判的であり、政権の奪取を狙っている。 徹底抗戦を叫ぶタリバン勢力も南部に存在して、NATO軍にゲリラ戦を続けている。反政府勢力の中では、すでにタリバンは少数派になっていると思われるが、実態は不明になっている。タリバンの支配している地域でも、タリバンを信頼している村人は少数派であり、武器で村人を支配しているのが実態だろう。カブールの中央政府があまりに堕落しているので、南部の人々はカルザイ政権に反感を抱いている。民主制度が機能していない現状では、不満のはけ口はテロに向かってしまう。 アメリカ軍が撤退するとタリバンが復活するというのは、正確な情報でない。武器を保有している勢力がタリバンであり、普通の村人は自動小銃や弾薬を手に入れることが難しい。それゆえに、タリバンの強権政治に屈している村も多い。本音でタリバンの政治を支持している人々は少ないというのが現実になる。カルザイ政権を支持するNATO軍とまともに戦えるのは、タリバンしかいないので目立つだけになる。 アフガニスタンを支配しているもう一つの勢力が麻薬マフィアになる。世界最大のケシ栽培地域であるアフガニスタンの麻薬を手に入れるために、世界中からマフィアと運び屋が集まって勢力を形成している。彼らが欲しいのは麻薬とドルであり、政治的な思惑はない。金さえ儲けられれば、政府首脳やタリバンとさえも結び付く。戦争には大金がかかるから、軍閥やゲリラ兵士もヘロインの交易に携わる。わずか数百円のヘロインが、国境を超えると数百倍の価値を持つようになるから、運び屋は危険を冒して密輸が続ける。 アフガニスタンの貧しさによる生産コストの低さから、世界中のケシ栽培地域を廃れさせ、アフガニスタンだけが急成長を続けている。農民にとって、数少ない商品作物であり、ケシ栽培なしに生活することは不可能になっている。NATO軍とタリバンの戦闘の裏では、激烈な麻薬ルートを巡る戦いが続いている。このままアメリカ軍が撤退すると、アフガニスタンは麻薬取引を独占する国家になってしまう。アメリカ軍が撤退した後にアフガニスタンを支配するのはタリバンではなく、麻薬マフィアというのが真相に近いだろう。
2010.07.06
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レッドブルの始めたエンジン排気ガスの下方排気システムは、序盤は黙殺されていた。レッドブルの速さの秘密は、サスペンションシステムにあると思われていたからになる。エンジニアなどが排気ガスの下方排気システムの優位性に気がつくのは遅れてしまった。下方排気システムのデメリットがいくつか見えていたからだろう。 上方に排気ガスを排出するシステムの設計は、エンジニアも慣れている。空力分析や温度に関する問題もほとんどない。ところが、下方排気システムは熱がボディーの下を通過する。そこには、サスペンションアームやディフィーザーなどのパーツが並んでいる。ボディの下はトンネルのような状態になり、熱の逃げ場がない。最初から耐熱パーツを組み込んでいるレッドブルには無縁な話でも、あわてて改造されたマシンは、多くの下部パーツが排熱の影響を受ける。 カーボンは強度と耐熱性に優れた物資だが、プラスチックと多層構造になっているパーツは熱で変形しやすい。それを防ぐには、パーツを外から断熱材で覆うしかない。排気ガスにさらされるパーツをすべて設計し直すことは難しいので、周りを断熱材で覆うのだが、その。重さと空力への影響が災いして、下方排気のメリットを生かすことができないらしい。あえて、マクラーレンやフェラーリが実戦投入を決めたのは、その効果を確認するためだろう。 そろそろ、各チームは来年度のマシンの仕様を決めねばならない。下方排気システムの効果が歴然ならば、来年度のマシン設計に取り入れる必要がある。たいして役に立たなければ、経験を蓄積している従来の設計に戻したほうが賢い。それを判断するには、F1マシンに搭載して、実戦での経過を見ないと話にならない。せっかく搭載してみても、メルセデスのようにむしろマイナスの効果を発揮する場合も出てくる。上方排気のウィリアムズに負けるようでは、下方排気を採用する意味がない。名人ロス・ブランでさえも、下方排気システムの選択に悩まされそうな時期に来ている。
2010.07.05
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マラドーナ流のサッカーは、気分を第一に考えるもので、戦術面の工夫はほとんどない。強豪イングランドを破ったドイツの速攻を計算しておけば、こういう形で戦うことはありえない。もちろん、過剰な自信家のマラドーナが戦術を守り第一に切り替えることはあり得ない。ドイツ側の厳しいマークにあったメッシは、前線で動きがとれずに、下がるケースが多くなった。攻撃の要のメッシが機能しなくては、アルゼンチンの得点力が激減する。テベスやイグアインも為す所なく終わっている。メッシに頼りきった戦術の甘さを批判されても仕方がない。 アルゼンチン側に全然チャンスがなかったわけではない。欧州CLで優勝したインテルには、アルゼンチン人のレギュラーが4人もいる。しかし、DFサネッティも、MFカンビアッソも員数外に置かれて、代表に参戦できなかった。インテル優勝の原動力になったミリートも、本番ではほとんど使われずに終わっている。マラドーナ監督は、インテル式の守備重視サッカーを嫌っていたのかもしれない。守りにサネッティやカンビアッソがいれば、インテルの戦い方を吸収できたはずであり、これほどの惨敗を喫することもなかっただろう。 スペインリーグで得点王のメッシは34点、イグアインは27得点している。二人で61点なのだから、綿密な攻撃戦術を練れば、アルゼンチンは大爆発していたはずである。しかし、メッシは決定力不足に悩み、本来の力を発揮できなかった。テベスやイグアインも部分的にしか活躍できていない。これでは、ドイツの運動量と速さに太刀打ちできない。それがわかった時には、どうにもならないほど大敗していた。 バルセロナのメッシとアルゼンチンのメッシとでは何が違うのだろう。同じ人間なのに、まったく得点シーンに見放されていた。リーグ戦の疲れやプレッシャーが原因という見方もあるが、原因は攻守の中核になる選手の不在にあるだろう。スナイデルやビジャのような攻撃の起点をつくれる選手がいない。仕方がないので、メッシが下がってボールを受け、攻撃の起点になろうとした。しかし、この動きはドイツ側の計算済みであり、前戦とはほとんど結びつかないで終わった。メッシが悔しがるのも無理はないが、技術だけでは勝つことは難しい。分析と戦術と連携がないとアルゼンチンでも惨敗するという教訓だろう。
2010.07.04
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赤いモミジの葉と緑の葉のコントラストの美しさにひかれた。造園する人は、色彩の妙を計算して樹木を植えるのだろう。庭の美しさを感じるには、成長した樹木の姿と草花の彩りを組み合わせねばならない。名前を知られていない数多くの人々が、この地味な造園の仕事に携わっている。それでも、技や洞察力の差が造形美を極め、逆に凡庸な庭にもする。古典的な庭ほど難しい。
2010.07.03
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世界一強いと呼ばれていたブラジル・サッカーの最後は、あっけないものだった。ルイス・ファビアーノ、カカ、ロビーニョの3トップは快進撃を続けていた。前半だけを見ていたら、ブラジルが敗れるとはだれも思わなかっただろう。序盤のロビーニョの先制点を見ると、いったいブラジルが何得点するかという期待を抱かせていた。オランダは防御一辺倒になり、良さが消されていた。しかし、忍耐は後半に報われる。スナイデルの蹴ったFKをMFメロがなんとオウンゴールを演じて、台無しにしてしまった。目測を誤ったのである。 同点になるとにわかに活気づく。ブラジルに圧倒されていたはずのオランダが反撃に出る。オランダはさまざまな作戦を練っていた。ブラジルの高さを恐れて、コーナーキックを低い弾道で蹴る。それをカイトが頭で流してスナイデルにつなげる。こういうプレイは偶然には起きないから、何度も練習を重ねていたのだろう。ブラジルのDFは、背の低いスナイデルの存在を忘れていた。 ブラジルの技術と組織力は高い。普通に戦うと、攻撃陣にかき回されて終わる。しかし、スナイデルはインテルに所属していることも忘れてはならない。弱体のチームが強豪に勝つ戦略をモウリーニョから学んでいる。相手の選手を徹底分析しておけば、ブラジルさえも怖くないことを証明した。むしろ、焦ってレッドカードをくらったのはブラジルになった。ロッベンを止めることはブラジル人にとっても、やっかいなことを実証している。どうして、あの瞬間にふんづけたかは、メロにしかわからない。 世界サッカーのレベルは高く、日本はとても太刀打ちできないと考えられていた。ところが、戦術や作戦次第では、世界と互角に戦うことができることが日本人に理解できた意味は大きい。日本に足らないのは攻撃力であり、この点に関しては、アルゼンチンやブラジルに見劣りするけれども、オランダのような戦いをすれば、勝ち抜くこともできる。残念なのは、PK戦になる前にどうしてFW森本を起用しなかったかだろう。得点できる素材をう盛らせておいたことが悔やまれてならない。
2010.07.03
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米国テキサス州オースティンでアメリカGPが行われるという契約が発表されてから、約1カ月が経過した。ところが、主催者側にまったくの動きがないことに驚かされる。市長はF1歓迎の談話を発表したけれど、公的資金の投入には言及していない。サーキットの建設には、土地買収と建設費の確保が必要になるのに、主催者側は沈黙を続けている。土地の買収よりもF1開催発表が先行したので、買収交渉に難儀していることは予想できる。 サーキットの建設に絶対に必要な土地となれば、土地の所有者は莫大な請求をしてくる。いくら吹っかけても、要求をのんで買わざるを得ない立場にある。サーキットを建設できる土地は限られている。砂漠や交通機関が不便なところに建設するわけにもいかない。土地の買収が決まらないと、サーキットの設計や構想も始めることができない。F1開催が秘密のうちに土地だけは手を打っておくべきだったと後悔しても遅すぎる。 アメリカGPの主催者側にとって最大の難問は、建設資金にある。アラブ諸国のように石油資金援助が期待できないとなると、頼みの綱は公的資金しかない。しかし、プロモーター側は公的資金を頼みにしないと公言している。それゆえに、知事や市長もF1開催を歓迎している。サーキットの建設費用は道路部分だけでも200億円近くかかる。それにピットやスタンドを建設すると莫大な資金が必要になる。その金をどうやって工面するかが鮮明ではない。投資ファンドが金を貸してくれても、利子は20%近いものになる。300億円借りると利子だけで数十億円むしり取られる。 不思議なのは、オースティンから何の情報も入ってこない現実にある。これだけ盛り上げておいて、夜逃げをされてはたまらない。アメリカのマスコミも突撃取材を繰り返しているようだが、何も手に入れていない。2012年開催とすれば、すでにサーキットの建設に入らないと難しくなる。それなのに、どこに建設するかを市長も、議員も知らない。ファンドを設立して、各層から資金集めをするという手もあるが、これから金を集めるのでは、期限に間に合わない。契約を守らないとエクレストンは骨の髄まで絞り取るだろう。先が読めない。
2010.07.02
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紫陽花は成長すると数メートルの大きさになる。自然増殖するらしく、紫陽花の株がずらりと並んでいる。紫陽花の花の色は微妙に変化するので同じものはない。同じ株でも、土地の地質によって変化するという。紫陽花の色彩の謎はいまだ解明されていないそうだが、梅雨の時期の花としては美しい。
2010.07.01
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南アワールドカップの記憶に残る事件の一つは、イングランドの惨敗になる。南米のブラジルやアルゼンチンに対抗できる国は、事実上イングランドしかないと思われてきたのに、あっさりとドイツに敗北している。実に情けない戦いぶりで、本領をほとんど発揮できていない。自信満々だったカペッロ監督の首も、風前のともしびになっている。敗因はさまざまから語られているけれど、はっきりしているのは、主力選手が年をとって、走りまわれなくなっていることに尽きる。ドイツのカウンター攻撃を二度も食らうなどは、テリーはどうしたかと疑うしかない。 イングランドの弱点は情報収集にある。ドイツのサッカーをあまり研究していないことが露骨に出ている。ドイツのサッカーはめっぽう速い。攻撃も守備も、惜しむことなく動く。このサッカーを確認していたならば、鈍足のMFを起用することは危険を招く。実際に試合の中では、オジルとミューラーのカウンターの速さに誰もついていけない。これでは簡単に守備網を破られてしまう。スタミナを持たないベテランを重用すると、こういう弊害が避けられない。 カウンター攻撃の新戦法を見せたのがドイツだった。こういう新戦法を見ると全員攻撃は失点の原因になる。点を取ろうとして、前に出れば出るほどカウンターが決まる。ドイツは何度もシュミレーションを繰り返して、決定機を生み出すように仕掛けた。ボールを奪い取ると、素早くパスを出す。どこの地点に出すかを事前に決めてあるので、ドイツ側は全く迷わない。快速二人組の速さは群を抜いていて、イングランドのDFはミューラーのシュートを見守るしかなかった。 ワールドカップを勝ち抜くことは難しく、実績や名前はほとんど役に立たないことも証明された。あらゆる知恵を絞って勝つしかなく、情報の収集によって、細かな対策を立てておくことが必須になる。不調の選手は、たとえルーニーであっても使わないという判断を下さねばならない。それができて、ようやく五分に戦える。アルゼンチンは遠かった。
2010.07.01
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ブラジルやアルゼンチンに代表される南米サッカーほど厄介なものはない。個人の技量や戦術がアジアと違うだけでなく、予想外の展開が待っている。シュートを打つにも、パスを通すにも、きわどい側を選択することに生きがいを感じるらしい。それはチリやウルグアイでも徹底されているから、ほかの大陸の人間が闘う段になると苦労させられる。南米を抑えられるのは、イタリアやイングランドだと思われていたのに、さっさと敗退させられた。オランダやスペインは攻撃型サッカーなので、南米と試合をやるのはつらいだろう。ドイツがアルゼンチン、オランダがブラジルと対戦することになったが、勝つ自信はなく、選手の足が震えていることだろう。 アジア諸国は、地理的に南米と対戦する機会が少ない。それゆえに、実戦になると、個人技の強さと突破力に手を焼く。ドリブルやきわどいパスをつないで切り崩すことを生きがいにしている選手たちを止めることは難しい。さらに予測がつかない動きをするから厄介になる。マイコンが北朝鮮GKの右を抜くシュートを打つ決断力が、いったいどこから来るかを検証することは不可能だろう。動きが予測できないと、効果的な対策も生まれない。あとを追いかけるような守備だと、ドイツ大会のブラジル戦のようにボコボコにされてしまう。 南米のチリは、そのサッカースタイルをワールドカップで高く評価されていた。ところが、ブラジルはチリにサッカーをさせなかった。チリ特有の鋭い攻撃がブラジルDFに簡単につぶされてしまう。ブラジルDFは普段のんびりしているように見えるが、危機の時には全力でつぶしにかかる。まさに野獣の獰猛さを発揮する。あれほど切れ味のよかったチリの攻撃が簡単に止められるとなると、ブラジルから得点を奪うのは難しい仕事になる。 メキシコの小技の効いた遊び心満点のサッカーは面白かった。日本や韓国は途上国なので、正統派のサッカーをしたがる。パスの途中でドリブル遊びをしたりしない。メキシコ人は自分を表現するためにボールを転がし、保持力も強い。それゆえにほかの大陸の人間がメキシコと対戦すると、動かされて疲れてしまう。動きが鈍った隙をつかれて失点する。こういう小技サッカーをアルゼンチンはどう料理するかと思ったら、あっさりと封印してしまった。慣れているのである。 パラグアイのサッカーは読み解きがたい。前後左右に動きまわるのを早めに抑えつけるしかない。アルゼンチンやブラジルのDFの動きが参考になってくる。パラグアイの選手にフリーでボールを持たせると危険だが、パスを切ってしまえば怖さはなくなる。ボールを奪ったならば、DFラインの裏へ通すのが賢い。南米のDFラインは崩されると弱い。正面から攻めてもはじき返されてしまうのに、横や裏側を使って崩していけば、日本側にもチャンスが生まれる。岡田作戦本部はブラジルとアルゼンチンンの戦い方を分析しているだろう。そこから何かをつかめれば、パラグアイは怖くない。スペインやポルトガルと戦うよりも、ずっと楽な相手なのだから。
2010.06.29
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緑のモミジもなかなかよい。夏の間は、ほとんど黙殺されているのだけれど、姿かたちの美しいモミジの樹は存在する。最近、さまざまな葉の形をしたモミジに人気があるけれど、こういう単純なカエル手の形が一番美しい。
2010.06.28
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バレンシアは市街地コースなので、追い越しがしにくい。予選の順位の通りの行列レースになりやすい。その退屈さを破ったのは、またしてもレッドブルだったことに驚かされる。レッドブルが独走できないのは宿命かもしれない。 予選2位のウェバーはスタートに失敗して、渋滞の中に囲まれてしまった。この囲みを解くには、知恵を絞らねばならない。そこで、早めのタイヤ交換を行って、渋滞から抜け出る作戦をとる。この作戦をとったのは、摩耗の速いソフトタイヤとなかなか摩耗しないハードタイヤの極端な組み合わせが根底にある。タイヤ交換すると一気に順位が下がり、新参グループに出会うことになる。同一周回で青旗は出ないから、実力で追い越さねばならない。 二つ目の深刻な問題が露呈された。レッドブルとロータスでは、あまりに空力性能が違う。高速でコースを抜けられるレッドブルと違い、ロータスはブレーキを使って速度を落とす必要がある。コバライネンに接近したウェバーは、ロータスの早めのブレーキポイントを予測できなかった。ロータスの急激な減速に対応できずに接触してしまう。大きな速度差のレーシングマシンが接触すると、莫大なエネルギーが発生する。ウェバーは弾き飛ばされてクラッシュした。 この事故により、セイフティカーが出動した。2位のハミルトンは前を塞がれてベッテルに逃げられることを恐れた。セイフティーカ―を追い越しすることはご法度なのだが、追撃だけを考えていたハミルトンは、ペナルティ覚悟の追い越しを断行する。これに驚いたのが、フェラーリの常識人アロンソだった。アロンソの選択肢は二つあった。ハミルトンのようにルールを破ってベッテルを追撃する方法と、順法精神を優先してセイフティカーに従う方法だった。優等生のアロンソはじっとこらえてルールに従った。 多くのチームはスタート時にソフトタイヤを選択していた。ピットインしてタイヤ交換を行う機会が与えられる。ところが、ザウバーの小林だけはハードタイヤを装着していたから、交換する必要がなかった。その作戦のおかげで、予選18位から3位への急上昇が可能になった。ザウバーのマシンがトップグループで走るのは珍しい光景だろう。すぐにバトンに追い越されると思っていたのに、なかなか抜かせない。なんと53周までタイヤ交換を引っ張って、9位で復帰することになる。10周しか持たないソフトタイヤと50周も走れてしまうハードタイヤの組み合わせが、予想外の結果を生み出した。 ベッテルの速さは別次元だった。トップを快走する時のベッテルと止めることができるのは、降雨とマシン・トラブルしかない。ハミルトンはペナルティを科せられたが、うまくすり抜けて2位にもぐりこんだ。闘争心を抑えて走ったバトンが3位を獲得する。レース最後の見せ場は、小林のファイトだった。フェラーリとトロ・ロッソをごぼう抜きして、数少ないチャンスをものにした。こういう場面に得意技を発揮しておかないと。この厳しい世界では生き残れない。落ち目だったザウバーを引き立たせただけでも、効果は大きい。小林はF1世界で生き残れるかもしれない。
2010.06.28
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メキシコ湾の海底油田事故は、太平洋を隔てた日本人に無縁と思われてきたのに、三井石油開発が採掘事業に深くかかわっていることが明らかになり、損害を賠償せざるを得ない立場に立たされている。米国社会では、原油流出事故を起こしたBPの責任が徹底的に追及され、環境汚染や漁業などの損害を全額賠償することになっている。被害総額は1兆円とも、2兆円ともいわれて、はっきりしない。原油の流出が続いている現状からみると、損害額は増加するばかりである。 三井石油開発がメキシコ湾海底油田にかかわることになったのは、資源獲得競争の激化だろう。石油が産出できる地域は限られていて、すでに利権も確立している。日本人が後から出かけて行っても、新たな石油地帯を発見することは難しい。そこで、BPとの共同開発に喜んで乗ったのだが、メキシコ湾の事故ですべては失われてしまった。多額の賠償金が待ち構えている。メキシコ湾地域で石油を継続して採掘できる保証はなく、すべての海底油田開発はオバマ政権に凍結させられている。何の利益も上げていないのに、巨額な賠償金だけがのしかかる立場に追い込まれている。 メキシコ湾の海底油田事故の原因は分かっていない。1600メートルの海底において、想定外の強い圧力が石油噴出孔にかかり、施設が大爆発したと考えられている。BPは爆発に対して有効な対策を打てず、流出する原油を船に吸い上げる作業を続けているにすぎない。あふれだす原油の量に対して、救いあげられる量が限られているから、湾岸地域の汚染は拡大を続けている。噴出圧力の高さが原因とすれば、下がるまで待つしかない。 オバマ政権はすべての汚染損害に対して、BPが賠償することを命じている。それゆえに、石油メジャーのBPといえども、将来を楽観視できない。BPのお粗末さは、事故が起きた時の対応がほとんどされていない状況にある。今まで海底の爆発事故はなかったから、対応策を練っておく必要がないというのは無責任すぎる。事故が起きてから、さまざまな実験を重ねて、解決策を探るというのもお粗末すぎる。有効な解決策が発見されたころには、メキシコ湾の漁業が壊滅する可能性すらある。
2010.06.26
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桜の花に早咲きと遅咲きがあるように、モミジにも早く紅葉する種がある。高山では、秋の到来が早いので、モミジも早めに紅葉する。真っ赤に紅葉したモミジよりも、ほのかに葉の先だけが赤くなっているモミジのほうが、ずっと色気がある。6月に、こういう風情を描き出すモミジというのは、めったに目にすることはないから、貴重な品種だろう。
2010.06.25
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イタリアは、4年前の王座に就いている。イタリアのサッカーが世界一に上り詰めてから、わずか4年で予選落ちの憂き目を見るとは思わなかった。予選脱落の原因は、深刻なものであり、すべてを改善するには大胆な改革を打ち出せる指導者が求められる。リッピ監督は、あまりに自分のスタイルにこだわりすぎた。マスコミに迎合する必要はないけれど、サッカー理論を進化させないと、世界で勝ち続けることができないことを認識すべきだった。 どういうサッカーをするかは、監督の判断にゆだねられる。リッピは4年前のサッカーで南アでも勝てると信じていたようだが、あまりに甘すぎる。そもそも予選段階からイタリア代表に厳しい批判が集まっていた。これほど攻撃力のないやわなサッカーをしていたら勝てない。攻撃陣の得点力を鍛えておかないと、いざという時に役に立たない。守備重視では、攻撃力のない国には勝てても、ブラジルやアルゼンチンと互角には戦えない。 サッカー戦術は柔軟性が要求される。リッピのように、一つの方針をかたくなに守ろうとすると、時代の変化についていけずに敗北させられる。ワールドカップでは、露骨に結果に出るからたまらない。過剰な自負心と狭小な戦術論がイタリアを敗北に追い込んだ。まさか、カンナバーロとザンブロッタとガットゥーゾがピッチに並ぶとは思わなかった。よほど4年前の栄光に酔いしれているらしい。ベテラン勢の動きは鈍く、ニュージーランドにさえ足元をすくわれる。カンナバーロ世代に代わる人材を育てていなかったことは痛かった。 イタリア人が「かんぬきサッカー」を忘却する時代が来るとは思えない。強烈なFWが存在せず、高さを生かすサッカーができないイタリアは、極力失点を抑えて生き残るしかない。それには、絶対防御の戦術が求められるし、それを実現する人材が必要になる。カンナバーロの衰えは誰の目にもはっきりしているのに、世代交代を遅らせた指導層の責任は大きい。これはイタリアサッカーが衰退したというよりも、戦術や育成の方針を誤ったと言ったほうがふさわしいだろう。リッピの責任はあまりに大きい。
2010.06.24
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旧ソ連構成国であったベラルーシは、ロシアから西欧に天然ガスを供給するパイプラインが通過している。ロシアの天然ガス価格には、国際価格と国内価格の二つがあり、ウクライナとベラルーシは旧ソ連構成国なので、ロシア国内向けと同等の安い価格で天然ガスを入手していた。ウクライナやベラルーシがロシア経済圏から離脱し、EUに接近するようになってから、天然ガス価格がもめるようになっている。ガスブロムは、ベラルーシにEUと同等の国際価格を受け入れるように主張する。しかし、天然ガス価格が値上がりすると、インフレ圧力が強まり、国民の不満が高まる。そこで、ウクライナとベラルーシは、値上げ分の支払いを遅らせて、ガスブロムと対立していた。 プーチン政権になってから、ロシアの国益を第一にする政策を打ち出している。天然ガスの値上げ分を支払わないウクライナやベラルーシに供給削減を行って、資源対立の火種になってきた。欧州に輸出する天然ガスはベラルーシを通過するから、ベラルーシ政府がパイプラインを切断すると、ロシアの輸出も不可能になる。天然ガスの輸出を円滑に行うには、ベラルーシ政府の協力が欠かせず、政治的な妥協が重ねられてきた。 石油価格と天然ガス価格は、ロシアの戦略的な輸出品になる。ロシアと敵対する政府に対しては、制裁的な政策を断行する。ベラルーシが値上げ分を支払わないのであれば、ガスの量を削減すると警告していた。ベラルーシはロシアの主張する価格を受け入れるつもりはなく、ガス供給の削減に対して、パイプラインそのものを停止させている。欧州側には天然ガスが流れなくなり、ロシアに対する反発が生まれることを利用して、天然ガスの価格交渉を行うつもりらしい。 政治的な不安定状態にある中東の産油国に比較すると、ロシアは安定している。しかし、旧ソ連構成国であったウクライナやベラルーシとの対立が起こり、何度もパイプラインが切断されてきた。長大なパイプラインの代わりは存在しないから、ロシアとベラルーシの政治的な交渉を黙ってみているしかない。そもそも、ロシアに天然ガスを頼ることが正しいのかという声が起きるのも無理はない。しかし、石油や天然ガスの産出地は限定されていて、ロシアを失うことは、経済的なダメージを受ける。そこで、調停工作が裏側で行われるのだが、何度も繰り返されるパイプラインのトラブルにうんざりしているというのが実情かもしれないなあ。
2010.06.23
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モミジは秋に紅葉すると思われているが、山野にある自然種はさまざまな形態を持つ。野村や赤しだれのように、赤い葉を持つ種も多い。モミジ本来の色素が赤いので、夏の間は葉緑体に抑えつけられて緑の葉をしている。それでも、赤い色素が強い種は、1年中赤い葉をしている。この姿を「紅葉」と呼ぶかは疑問だけれど、夏の木立の間にあると鮮やかな色彩を見せてくれる。
2010.06.22
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ワールドカップは、歴史的に欧州や南米の強豪国が強く、アジアやアフリカは弱者という状況が続いていた。過去の実績の違いから、欧州各国が優遇されることが当たり前になっている。この流れを崩したのが、南アワールドカップになる。欧州の強豪と呼ばれた国々が苦戦し、次々に脱落していく。圧倒的な強さを発揮すると思われていたスペインやイングランドさえも強さを発揮できない。王者イタリアさえも、かったるいサッカーを続けている。 強い国はアルゼンチンとブラジルに絞られつつある。南米に対抗できるのは、オランダと爆発したポルトガルに程度だろう。豊富な戦力を持つコートジボワールでさえも、ブラジルに軽くあしらわれて終わったのは驚きになる。アルゼンチンのメッシを止めることのできるDFを見ていないことからも、南米勢を止めることは難しい。ドイツ大会では、その役割をイタリアとフランスが果たしたけれど、今回は両国とも世代交代に失敗して絶不調であり、トーナメントに進出できるかさえも疑われている。 戦力だけからいえば、アジア勢は不利になる。守備的なサッカーを展開すると、それなりの強さを発揮できるけれど、前に出て攻撃を仕掛けると、カウンターをくらいやすい。アルゼンチンのような攻撃型サッカーを90分続けることは、今の段階では望めない。攻撃を仕掛けるとカウンターをくらいやすくなるし、息切れした瞬間に猛攻撃を仕掛けられてしまう。攻守のバランスを取るには、世界レベルのストライカーがアジア地域に生まれるまで待たねばならない。 南アでは、日本や韓国のサッカーが注目を集めた。それは欧州や南米とは異なるスタイルをしているからだろう。アジアのサッカーは途上段階にあり、一つのスタイルを形成するまで熟達していない。そこで、さまざまな戦法を取り入れて、アジア式スタイルを形成する段階にある。アジアサッカーの正解がどこにあるかは鮮明ではないけれど、高さを生かせない以上、別の方法論を追求するしかない。背の低いアルゼンチンやイタリアに解決策があることは間違いないのだが、紆余曲折を重ねるだろうな。
2010.06.22
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ドメニク監督とアネルカが口論をし、それがマスコミに暴露されたことで、アネルカは強制送還の処分を受けることになっている。このフランス協会の処分に対して、選手団は反発して、全員一致で公開練習をボイコットした。窮地に立たされたドメニク監督は選手たちを説得したようだが、彼らが意志を変えることはなかった。フランスは予選リーグ脱落の危機に立たされているけれど、その元凶が監督と選手団との確執にあることが鮮明になってきた。 フランスのドメニクも、イタリアのリッピも、前回大会で決勝を戦っている。それゆえに名将だという通説が流れている。そのために古いスタイルのサッカーを脱却できず、固執する。そのスタイルに対する反発が強いことが根底にある。フランスが準優勝したのは、必ずしも監督の采配ではなく、選手たちの血と汗の結晶だったからになる。そのことを指揮官が理解していないと、万骨枯るを察知する選手たちの信頼を失う。 アネルカはドメニクとの口論の後に謝罪を拒否している。アネルカの発言が、単なる罵詈雑言ではないことを暗示している。指揮官に対する作戦上の批判だった可能性が高い。周囲にいた選手たちはそれを聞いているので、アネルカの追放が誤りであることを知っていた。ともに苦労して南アにやってきたのに、そんなことで強制帰国させられてたまるかという反発もある。冷静沈着なアンリでさえも、ボイコットに賛同している点からも、功罪ははっきりしている。 サッカーの世界ではさまざまな処分が行われる。それは恣意的なものが多いのに、反論は許されず、選手が汚名を着ることが多い。監督と口論して強制送還では、誰もがアネルカの態度を批判する。しかし、実情を熟知している同僚たちは、その結論が誤りであることを訴えたかったのである。本当に批判されるべきはアネルカでなく、ドメニクであることが公然となって、フランス協会は面目を失墜するだろう。現場で何が起きているかを調査もせずに、残酷な結論を下す愚かさを批判されても仕方がない。第3戦でフランスは復活するだろうか。
2010.06.21
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モミジにはさまざまな種類がある。基本的には秋に紅葉する種が多い。モミジを愛する日本人の趣味が高じて、山野にある珍しいモミジを発掘してきた。青しだれは縮れた緑の葉を持っている種になる。植木屋さんでもなかなか見かけない。モミジの苗は植木鉢でも育つので、青しだれをみかけたら手に入れておくことをおすすめする。
2010.06.20
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スナイデルは苦労人だろう。レアル・マドリードを追放されて、インテル・ミラノに移籍してきた。この段階では、落ち武者の扱いを受けていた。マドリードはサッカー選手にとって頂点であり、オランダを離れて戦ってきたスナイデルにとって晴れの舞台だった。しかし、新戦力の補強によって、スナイデルは無用の存在になった。体制変革による移籍は、つらいものだったに違いない。Cロナウドやカカなどのスター選手を大金で集めて、世界を制するという方針に未練はないけれど、腹が立ったことは間違いない。 ミラノに移籍した当時のインテルは、とても名門と呼べるような戦力を有してはいなかった。戦力不足の原因は、イタリアサッカー界の貧しさにある。資金不足に陥って、カカを売却せざるを得ないACミランの苦しさをイタリア中が共有していた。王者インテルも補強資金が不足していた。モウリーニョの求める戦力を集めるには、唯一の金になるイブラヒモビッチを売却して、移籍金稼ぎをするしかない。バルセロナがエトーとイブラヒモビッチの交換を申し込んできたことは幸いだったろう。数十億円の補強資金を手にすることができた。 インテルの戦力補強は地味なものに終始した。バルセロナを追放されたFWエトーと安かったFWミリート、資金稼ぎのために売却されたMFスナイデルとバイエルンからやってきたDFルシオ、どこに所属していたかも知らなかったモッタとムンタリが呼び寄せられた。このメンバーを見たとき、インテルが欧州を制覇することを予見できた人間はいなかっただろう。地味で格安の選手たちが活躍できるかは、まさにモウリーニョの鑑識眼にかかっていた。 最初の難関は、CL予選リーグのバルセロナだった。この試合に、スナイデルは10番をつけて出場している。しかし、バルセロナのパスサッカーに翻弄されて、全く抵抗できなかった。それどころか、予選落ちの可能性すらあった。幸運が味方して、予選リーグを乗り切ったインテルを待っていたのが強豪チェルシーだった。チェルシーはFWドログバ、アネルカ、カルー、MFバラック、ミケル、ランパード、DFテリー、マルダ、カルヴァーリョ、イヴァノビッチという豪華メンバーが並んでいる。 インテルの守備陣は変動していない。DFルシオだけが新参であり、サネッテイ、マイコン、サムエルが守備に就く。MFスタンコビッチ、カンビアッソ、モッタが中盤を構成する。FWはエトーとミリートにスナイデルが加わって3トップになる。チェルシーとの戦力の落差にがくぜんとしたものだったが、双方の違いはスナイデルの存在にある。モウリーニョの戦術をピッチの上で再現する役割がスナイデルの本領であり、ピッチ上の知恵袋だった。チェルシーの良さを消し、弱点を突くには、スナイデルのような戦術家が必要になる。。 チェルシーとCSKAモスクワを倒したインテルの前に、再びバルセロナが登場する。誰もが予選リーグの再現を予感していた。メッシを中心とするバルセロナは全盛期にあり、FWイブラヒモビッチさえもいる。そこで、演じられたのが後世に残る守備戦術だった。メッシの動きを止めることは難しい。そこで、パスコースを消して、メッシの進入路をふさぐ作戦に徹した。 メッシを封殺すれば、失点の可能性が減る。バルセロナの戦い方を分析して、それを封じる戦法を研究してから戦かうしかない。FWの二人が最終ラインに入って、DFを補強するなどは、バルセロナ相手でないと思いつかないだろう。この段階では、スナイデルは世界有数のMFとして認知されていた。スナイデルから眼を離した日本代表が一発くらったのは仕方ない。勝利への執念が違う。デンマークのFWベントナーを止められるかにかかってくるけれど、すでにオランダは成功していることがヒントになってくる。
2010.06.20
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F1マシンの排気システムは上方に排気される方式が使われている。高熱の排気をどう処理するかは、エンジニアを悩ませる種になる。レッドブルがこの常識に挑戦して、下方から排気ガスを排出していることが知られている。空力的に効果があるとされているが、排気ガスの排出口の位置を変化させるのは難しい。高熱のガスが通る部分を耐熱仕様にしなくてはならない。さらに、後方の空力設計が変化するので、システムを変更するのは勇気が必要になる。 フェラーリは研究開発の上でメリットを認め、下方排気システムを採用することにしたらしい。来年度のマシン設計を行う上で、新システムが効果的であるかを確かめねばならない。実戦に投入して効果があれば来年度のマシンに採用する。効果がなければ捨てるという考えだろう。どちらに転ぶかはレースで使ってみないとはっきりしない。 レッドブルの優位を各チームが研究していたことは間違いない。ひとつはサスペンションシステムであり、もう一つが排気システムを考えられている。マクラーレンはすでにレッドブルに追い付いている。メルセデスは開発費用がかかりすぎるのであきらめている。フェラーリは排気システムを変更して、空力効果を確かめることになる。本当に有効な手段であるかは不透明であり、レッドブルの安定性が下方排気システムだけによるものとは考えにくい。 序盤には、レッドブルとの間に1秒近いタイム差が生まれていたのに、マクラーレンはそん色ないタイムを刻めるようになっている。フェラーリはカナダで同等のタイムを出して見せた。細かい改良でタイム差を詰めてきたが、レッドブルを上回るには、大幅にタイムを向上させる技術を導入させる必要がある。資金力のあるフェラーリに可能な方法論であり、予算に制限のあるチームは実験をあきらめざるを得ない。搭載されるスペイン向けモデルでの効果が期待される。
2010.06.16
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