長崎街道 宿場の人々

長崎街道 宿場の人々

2021.05.17
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どうしたらいい?土曜日、医院の駐車場で倒れ死んでいたと警察から連絡があったの」。       
 姪は母側に育てられたが、血の繋がった子で、離婚後も義兄と交流もあった。「父の
遺体が戻って来たらどうするの」と動揺し妻に泣きつく。「え!兄が死んだ。3日前、
孫の写真を嬉しそうにスマホで送ってきたばかりよ。一人住まいだから、死ぬ時は人前
で分かるようにしといてと冗談で返したのに」と福岡に住む妻は絶句した。       
 妻は思った「92歳の母は少し認知が入っている。手助けしなくては」新幹線に飛び乗       
った。「兄ちゃんが死んだ!」母は「なんで、なんで」と大声で繰り返し泣き叫んだ。親
が先に逝くはずなのに、息子が先に亡くなるのは残酷な悲しみだろう。       

ません」と言う。葬儀屋に訊くと「家族葬で70万円。僧侶は別途代金で自分で探して」
と割高だった。しかし妻は自分で払ってもいいと家族葬で予約、お経のテープを流し終り
にしようと決めた。妻から私に「毎朝、読経している般若心経などを家族葬で唱えて」と
依頼があった。       
 私は菩提寺の住職に相談すると「葬儀でお経を読むのは僧侶の仕事です」と岡山の禅寺       
を紹介してくれた。通夜と葬儀は岡山の安禅寺でお願いすることになった。僧侶と出入の
葬儀屋で厳かな中、心込もった弔いとなった。       
 私は葬儀で亡き義兄に伝えた。私の父は生前「死んだら何も無くなってしまう」とよく
嘆いていた。私は「DNAが私や子供に残って居るよ」と慰めた。 親がいるから私がいる。       
 赤子は親の育児なしには生きられない。成長し、自立し、自分の人生を楽しむ。親の恩       
は忘れてはいけないと思う。人には寿命があり、義兄さんも生ける年月には楽しみ、悲し

 好きな将棋を指している姿を想う。天国で安らかにお眠りください。





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Last updated  2021.05.17 11:38:06
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