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とあるお客様から兵庫でカナダ製の樽型サウナを設置したいので見積等をして欲しいというご依頼を頂きました。写真は、デッキに置いたバレル・サウナですが、半球型のスモークレンズが付いていてサウナに入りながら景色も見られるなんて解放感があっていいですよね。直径182cm、長さ365cm、サウナの室内の長さは210cmありますから、家族や友人同士でも十分一緒に入れます。材質はレッド・シダーで出来ていますから、蒸気によってシダーからすごくいい香りが出ますから、フィットンチット効果で森林浴をしている感じになりますよ。カナダなどでは湖の近くに置いてBBQをやりながら、サウナ・パーティなんて趣向でバレル・サウナを楽しむこともやります。サウナで汗をかいて熱くなったら、そのまま外に飛び出して、湖に飛び込むのはほんと最高です。今回のお客様が、どんな楽しみ方をされるのかは分かりませんが、バレル・サウナで大自然を味わって頂きたいですねぇ。そして、サウナのヒーターは電気式ですから、カナダと同じ60Hzの地域の方でしたらそのままお使い頂けます。(Voltageが若干カナダと日本では違いますが、多少の出力差が出るだけで支障はありません。サウナ・メーカー曰く、ヒーターはヨーロッパ製だから50Hzの東日本でも使えるようになっているとのこと)また、ご心配な方には薪式のヒーターもありますよ。ホームメイドでは、家だけでなくこうした楽しみも輸入します。こうしたデザインのサウナや資材をご希望の方は、ご相談下さい。
2015年05月12日
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今回ご相談頂いた窓は、マーヴィン社製アルミクラッドのダブルハング・サッシ。上げ下げするタイプの窓ですが、その上側の建具(サッシュ)のコーナー部分が黒ずんで腐ってきているようです。また、建具に仕込まれている金具の一部が脱落して、建具自体が傾いてしまうようで、取り敢えず建具をロックして固定している状態だそうです。こういう場合考えられる原因は、屋外側のアルミ部分に何らかの隙間が生じて、そこから雨水が内部に侵入してしまい、木製枠を腐らせてしまったということでしょう。それ以外には、ガラスと建具枠とが接する部分の防水材が劣化して、そこから雨が侵入したということも考えられます。何れにしても、こういう場合は建具を新しいものに交換しなければいけません。幸い上側の建具(障子)だけしか不具合がないようですから、これだけを交換すれば元通りです。もしここまでひどいことにならず、サンドペーパーで汚れを落したり、防水コーキングを打ち直したりするくらいでOKなら、Paraのティンバー・ケアで補修(塗装)しては如何でしょうか。輸入サッシのメンテナンスでお困りの方は、お問い合わせ下さい。
2015年02月26日
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先日、知り合いの輸入建材屋さんが、私共の会社に営業をしにいらした。いろいろと新しい取扱いを始めていらっしゃるようですが、その中で紹介頂いたのが、ドイツの高性能木製サッシ、クネアズード フェンスター。どうでしょう、この分厚い木製のフレームと建具。パインの無垢材の寄せ木で出来ていますが、この重厚感は素敵です。下地に防腐処理が施してあるらしいので、耐久性もある程度見込めますが、湿気や台風の多い日本では、窓の上に庇を付けてあげるという気遣いが必要かも知れません。また、ダブルでLow-Eをコーティングしたトリプルガラスを使用。ガラスは4mm厚で、間の空気層は16mm。ですから、一番外のガラスから一番内側のガラスまでは、44mmもあるんですね。普通のペアガラスなら、17mm程度しかありませんからガラスもすごいですね。さて、この窓の断熱性能を熱貫流率(U値)で表すことが出来ますが、何と「0.90w/m2・k」。更にパッシブハウス仕様にすると「0.70w/m2・k」。レベルが低い国産サッシでは、到底太刀打ち出来ないくらいの性能です。因みに、私たちが北米から調達しているトリプルガラスの高性能な輸入樹脂サッシですら、最高で「1.07w/m2・k」なんです。さすがに、ベンツやポルシェを作る国、ドイツです。ただ、その分お値段もポルシェ級。性能にこだわりたいという方は、是非ご相談下さい。<関連記事>: これからのサッシは、ダブル断熱・トリプルガラスが主流か? (2012年12月9日)
2015年01月26日
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輸入の古い木製ドアに取り付けられたヒンジ(蝶番)。もうこの輸入住宅も築15年以上経ちました。このドアは、リビングの入口のドアなので、人の出入りも頻繁。だから、開け閉めでヒンジも徐々に消耗し、そろそろドアがフローリングに擦れそうな感じになってきました。特に、夏場などの湿気が多い季節には、木のドアが膨張する傾向にありますから、注意が必要です。この原因は、ヒンジの消耗だけでなく、ドアの重みでドアが倒れてきているということもありますので、ヒンジを新しいものに交換する際には、建て起しも調整するのが理想です。さて、皆さんの家では、ドアの調整をしていますか?調子が悪い状態でそのまま使い続けると、ドア調整だけでは終わらないことがありますから、早めに対処して下さいね。家のメンテナンスでお困りの方は、お問い合わせ下さい。窓やドアの修理・メンテナンスの概要は、リペア&メンテナンスのページをご覧下さい。
2014年12月12日
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輸入住宅の玄関ドアや勝手口ドアは、木製、グラスファイバー製、スチール製といろいろありますが、ドアの枠を飾るブリック・モールディング(飾り縁)も木やグラスファイバーのものがあるのをご存じですか?20年前くらいの輸入住宅ブームの際は、殆ど全てが木製でしたから、何もメンテナンスしないで10年くらい経ってくると、木に雨が染みてこのように塗装が剥げて、木も劣化してきます。こうなってくると、黒アリが侵入して中で巣くっているなんて状況にもなりますから、放っておいてはいけません。劣化がそれ程でもない場合は、割れた部分を木工パテで埋めて、その上から木部用防水塗料のパラペイント「ティンバー・ケア」を塗れば、美しく仕上がるはず。でも、木を指で押すとフカフカするような感じの場合は、モールディングの交換が必要となります。今後の手間を考えれば、新しく交換するブリック・モールディングは、グラスファイバー製のものがいいかも知れません。でも、永久的にメンテナンスが必要ないというものは存在しませんから、家の手入れや点検を怠らないで下さいね。私たち ホームメイドならこうした輸入資材も手に入りますので、輸入ドアのメンテナンスをご希望の方は、お問い合わせ下さい。
2014年12月03日
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これは、ウェンコ(サミット)社製のダブルハング・サッシ。上げ下げ窓の上窓(アッパー・サッシュ)の写真ですが、ボトム・フレーム(下枠)が全体的に黒ずんでいるのが分かりますでしょうか。ちょっと逆光で見にくいとは思いますが、室内の湿気による結露というよりは、屋外の雨水が侵入して木枠を徐々に劣化させたとみるのが、正しいと思います。アルミクラッドの輸入木製サッシですが、アルミ部分の納め方には2種類のものがあるようです。1つは、Roll-out タイプ。これは、木製サッシおよび窓枠の表面にアルミが巻き込んでいるタイプです。Roll-out タイプのアルミクラッドは、アルミ板が木部に直接張り付いた状態になっていますので、アルミ枠のつなぎ目や枠とガラスとが接する部分の防水コーキングが悪くなると、雨がアルミ内側に入り込んだり、結露したりします。その水分は表面張力によって内部に留まりますから、全て木のフレーム部分に吸収されてしまい、木製部分が腐ってしまいます。Wenco(Summit)を含めて問題のある多くの輸入サッシは、Roll-out タイプのアルミクラッドであるのと、防水処理である雨仕舞いが悪いので木製部分が腐るというクレームが大量に発生しています。そして、アルミクラッドのもう1つのタイプが、Extrusionタイプ。こちらは、アルミ部分を押し出し式に製造し、木製窓枠の外側にアルミの窓枠がもう1つ取り付いたようなデザインで窓が造られています。こちらの場合、アルミが木枠に接するという部分が少なく、水分は厚みのあるアルミ枠の部分を越えてこないと、木部に到達することがありませんから、比較的リスクは小さくなると言えます。勿論、こうしたアルミの納め方によってだけでなく、それ以外のサッシの構造的な部分も関係しますから、一概にExtrusionタイプなら安心という訳でもありません。こうした問題の多くは、雨の後に窓を全開したり、日頃窓の防水を気に掛けたりしていれば、コーキングなどで雨の侵入やそれによる劣化を食い止めることが可能です。ただ、そういうことを輸入住宅ビルダーの誰一人として教える人間がいなかったですし、そういう文化を理解していない日本人が、格好だけで闇雲に輸入サッシを取り入れたことに問題があったと言えます。木製の輸入サッシは、見た目も美しく国産サッシにはないデザイン性がありますが、何も手入れしなくていいという間違った理解では長持ちしないことを忘れないで下さい。窓の修理でお困りの方は、お問い合わせ下さい。
2014年10月19日
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サーマトゥルー(Therma-Tru)、ピーチツリー(Peachtree)、メソナイト(Masonite)、トリムライト(Trimlite)など、最近の輸入住宅の玄関ドアは、表面がファイバーグラス製のものが多くなってきました。以前は、木製のものこそ輸入住宅のステータスといった感じがあったのですが、日に焼けたり風雨に曝されたりして木の表面が劣化してしまうという問題で、劣化の少ないファイバーグラス製の玄関ドアが用いられるようになったという訳です。でも、ファイバーグラスって、実はFRPのパネルで出来ていて、何もしなければただのプラスチックにしか見えないのです。そこでアメリカ人たちは、木目の表情をパネルに付けて、そこにステインで塗装をするという方法を編み出しました。上の写真は、玄関ドアのパネルに塗装をしている途中ですが、塗装した所と未塗装の所とでは全然違いますよね。これだけ美しい木目だと、普通の人は全く木だと思ってしまいます。でも、こうした塗装を施すには、熟練した技術とノウハウ、十分な作業時間が必要となります。勿論、専用の塗装キットがないと、同じようには出来ません。ただ、木目と言っても塗装であることに変わりませんから、10年くらいで塗装の塗り直しやメンテナンスが必要となります。塗装が剥げた状態では、せっかくの輸入住宅の顔が台無しですからね。ファイバーグラス製ドアの塗装や塗り直しについては、ホームメイドにお問い合わせ下さい。玄関の木製ドアのメンテナンスについてもご相談に応じますよ。
2014年10月18日
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先日石川県の輸入住宅でアンダーセン社の上げ下げ窓(ダブルハング)のバランサー交換をしてきたという記事を書きました。バランサーを交換したサッシは、4つあったのですが、そのうち南側にあった1つの窓の建具(サッシュ)を外した時に撮った写真がこちら。繊細なAndersenのナローライン・シリーズですから、窓の枠材が余計に細く見えますが、その木の枠部分に雨が染みたような跡がありますね。この日は晴天でしたから、通常雨の影響はないのですが、外側に張られた樹脂枠のつなぎ目から長年雨水が侵入したのか、内側の木部にまで雨染みが出てきていました。まだ染み程度の状況ですから、木枠自体には問題ありませんが、このまま放置しておけば必ず木部は劣化してサッシの交換などの大ごとになることは必至です。まずは、外部の樹脂カバーのつなぎ目や樹脂とガラスとが接する部分をコーキングなどで防水して、その上で室内側の木部もパラペイントのティンバー・ケアなどの防水塗料を塗りましょう。ティンバー・ケアは、防水性能があるばかりか、木の割れをも抑える働きをしますから、木製ドアやサッシにはもってこいです。そうすれば、輸入のクラッド・サッシや純粋な木製サッシでも長く使っていけるはずです。素敵な木製サッシは、メンテナンスにも手を掛けてあげないとその美しさが失われてしまいますから、ご注意下さい。お困りの方は、お問い合わせ下さい。
2014年10月07日
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新潟の方から輸入サッシの修理・交換について、ご相談を頂いた。新築時の住宅ビルダーは、輸入住宅事業から撤退し、図面も仕様も品番も全く分からないらしい。築17年だからそんなに前のことじゃないし、輸入した際の状況を覚えている人間が一人でもいていいんじゃないかと思うのは、私だけ?窓は、木製フレームの外側を樹脂で覆ったPVCクラッド・サッシ。屋外の樹脂部分は耐候性もあり結露もしにくいはずで、木製窓にとっては劣化のリスクが低いように思うのだが、塩水を含んだ海風がこうしたことを引き起こしてしまったのだろうか。恐らくだが、こうした風や雨が止んだ翌日には窓を開けるという習慣もなかったのではないだろうか。樹脂と木部とが接する部分は、水分が入り込みやすくまたそこが乾燥する状態を作ることをしなければ、自然素材の木はどんどん劣化してしまう。こうなってしまったら、窓枠を残してサッシ・メーカーに建具部分だけを新しく作ってもらうことが一番だが、どこのメーカーかすら分からない状況では、私たちが木部を外して新しい木で同じフレームを作ってはめることしか出来ない。まあ、どんな構造になっているか分からないので、出来ない場合もあるだろうが、通常なら難しい話ではないと思う。だた、何故こうなったのかという原因をはっきりっせないと、新しくしても同じことが起るかも知れない。勿論、そうならないように素材や納まりを考え、対処をしていくのではあるが、原因を見極めないと他の窓も将来同じトラブルが起きることだってあるはずだ。普通の業者なら、安易な交換しか考えないのだろうが、もう一歩踏み込んで物事を考えないと長く住める輸入住宅とはならないことを私たちは知っています。こうしたことでお困りの方は、お問い合わせ下さい。
2014年08月04日
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最近、ダーク系のインテリア・デザインがトレンドとなっている住宅業界ですが、ナチュラル系が好きという方は、子供が小さな若い世代にはまだまだたくさんいらっしゃるようです。 ナチュラル系やカントリー系の木材の代表格は、やっぱりパイン(松)ですね。ただ、コストの問題もあってか、普通フローリングに使われるのは、パインではなく、ナチュラル・オークの合板フローリング。パインは木質が柔らかすぎて、薄くスライスすることが難しい。だから、安い合板の面材用に薄くパインを張るなんてことが出来ないんですね。そうかと言って、この写真の輸入住宅のように厚さ20mmもある無垢材のパイン・フローリングをふんだんに使うようなことは、大手住宅メーカーでは勧めてくれない。でもね、皆さんは家に何年住むつもりなんですか?最低でも50年。うまくすれば、子供たちを含めて100年以上住めるようにしたいと思っていませんか?表面の面材が0.1mm以下の安い合板フローリングだと、10年しないうちに剥がれてくるじゃないですか。そんなもので100年住めるはずがない・・・。真面目でうそのない家づくりをする住宅ビルダーなら、無垢材のフローリングは当たり前だと思います。パインは、ヒノキと同じ柔らかさを持っています。だから、オークの無垢フローリングと比べて傷付きやすいですが、足触りがソフトで長く暮らしていても疲れないんです。また、その香りは、脳を活性化させる刺激になるとも言われます。まだ、自然オイルの塗料の色も薄く感じられますが、何十年もしたら、もっともっと濃い色に変わってきて、アンティークなパインに変身することは間違いありません。いいものは、長く使える。それは、どんなものでも同じです。<関連記事>: Knotty Pine (パイン材)
2014年06月08日
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全てが真っ白という訳ではありませんが、白い階段って夢があると思いませんか?勿論、手摺も段板も白くしたいとおっしゃれば、白くするんですが、手摺は人が常に触りますし、段板は素足やスリッパで徐々に汚れてくることを考えると、この納まりが一番きれいな気がします。そして、段板の横に付けられた段飾り、Stair Bracketが階段にリズムを与えていますよね。せっかくの無垢のオーク材で出来たStair BracketやBaluster(子柱)を白く塗ってしまうのは、もったいないような気もするでしょうが、敢えてそれをやってしまうところがアメリカンなんですよねぇ。薄い緑のドライウォールの壁にもよく映えます。
2014年06月03日
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レッド・オーク (Red Oak) は、ブナ科コナラ属(オーク)の落葉広葉樹。全てアメリカ大陸産で、主に北米産と言われている。日本では、一般にナラ材として知られていますね。(ヨーロッパのものは、ホワイト・オークとして区別され、ウイスキーの樽にも使われる)心材が赤みがかっている為、レッド・オークと呼ばれるが、辺材はシルバー・グレイン(グレー)になることもあるという。木の目は荒々しく、男性的で力強さを感じさせる木肌を見せる為、輸入住宅に限らず、日本では主にフローリングとして用いられたり、机やイス、食器棚などの家具としても利用されてきた。20年前の輸入住宅であれば、ブルースやロビンスといったメーカーのオークの床材がもてはやされたが、今は殆ど見かけることはなくなりましたねぇ。また、非常に堅く強靭な性質があるところから、フローリング以外に玄関ドアやキッチン・洗面キャビネットの素材として輸入することが、しばしばあります。合板ではない、本物の無垢のオークは、輸入住宅のシンボル的な材料と言えるかも知れません。
2014年04月23日
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先日、NHKのEテレを見ていたら、バイオリンやチェロでその名を知らない人はいないストラディバリウスについて考察する番組がやっていた。ストラディバリウスは、18世紀前半のイタリアで活躍したバイオリン職人だが、アルプス寄りの森の木を使ってバイオリン製作をしていたらしい。寒い地域(森)で育った木は、木目が細かく柔らかな素材だったので、加工がしやすいばかりか、しなやかさを持ち合わせていたようだ。その木の名は、「スプルース(Spruce)」。何と、私たちが2x4工法で建てている輸入住宅の構造材と同じではないですか。勿論、私たちの木材は、イタリアで採ったものではなく、もっと寒いカナダの森林で育ったものですから、全く同じという訳ではないですが、300年もの間使われ続けている楽器と同じ材質というのには、ビックリしました。何故彼が、ダグラス・ファー(ベイマツ)やヘム・ファー(ベイツガ)のような別の針葉樹を使わなかったのかは定かではないですが、大事に使ってもらえれば、私たちの輸入住宅も300年以上持つかも知れないですもんね。但し、デザインや性能、素材やその美しさに至るまで、最高のおうちでなければ、絶対に長く愛されないと思います。そういう気概がない建築ビルダーにとっては、まさに遠い存在でしょうが、私たちはそれに勝るとも劣らない家づくりをしていく努力を続けていきたいと思います。私たちのレンガの家も、歴史的建築物になる日が来るかも知れませんよ。夢のある話ですね。<関連記事>: スプルース (SPF)
2014年04月22日
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小さな木のピースを組み合わせて作られる輸入の木製ドア。部分部分で使われる木が違いますから、木目の感じも微妙に違う。そうした本物の木を1つひとつ人間の手で組み上げたのが、この無垢の木のドア(ベイツガ製)。北米でも1本100ドル以下の安物のハローコア・ドア(中の芯が空っぽのフラッシュ・ドア)は存在します。でも、そういったドアは長持ちしません。いや、長持ちしないのを分かって、彼らは使っているのです。何故なら、こうしたドアはデザイン・寸法が何年経っても同じなんです。そして、それはどこのメーカーが作っても同じ。古ぼけたら、近くのホームセンターへ行って買ってくれば、いつでもすぐに交換出来るのです。そういう合理的なシステムがあります。それはそれでひとつの考え方でしょう。否定はしません。でも、北米の100年以上経った価値のある家では使いません。そう、そこには本物だけが持っている長い歴史が必要だからです。私たち ホームメイドで施工するものは、やはり本物でありたいと思います。木の肌の細かなざらつきや匂いが、そこに住む人の五感に訴えかけるのです。使えればいいというものではない、もっと他の何かが家には必要ではないでしょうか。
2014年03月21日
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愛知県豊川市で施工中のレンガの家、N邸。ここに取り付けた木製の玄関親子ドアをお見せします。パラペイントの屋外対応の木部用塗料、ティンバーケアを使って、ナチュラル・クリア色で仕上げてあります。この塗料は、オイル系の塗料と違って、新築時に2度塗りすれば約5年は塗り直しが必要ないというすぐれもの。木の材種は、美しい無垢のダグラスファー(米松)ですから、年々少し赤身を帯びたアメ色に変化してくると思います。そして、このドアにはめ込まれたステンドグラスは、小さな四角がいくつも重なり合ったような幾何学模様のデザインが採用されています。また、ドアは、このおうちの為にオーダーメイドで輸入しました。レンガ積みの外壁と幾何学模様のステンドグラスの組み合わせは、フランク・ロイド・ライトの建築に通じるものがありますね。これからドア・ハンドルやポーチの照明器具が取り付けられますが、アイアン・テイストの重厚なデザインのものを準備しました。完成すると、きっとレンガ建築の迫力を感じるはずですよ。
2014年03月20日
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内装(インテリア)に施工する枠材について、いろいろお話ししていますが、今回は廻り子(Crown)について書かせて頂きます。窓やドアの飾り枠として用いるのが、ケーシング(Casing)。そして、フローリングと壁との境に用いるのが、幅木(Baseboard)というお話はご理解頂けましたでしょうか。廻り子というのは、天井と壁との境に用いる飾り枠のことを言うんですね。最近、シンプル・モダンのおうちでは、この廻り子を付けないで納める施工も多く見受けられますね。それは、インテリアをシンプルに見せるという意図もありますが、廻り子を取り付ける手間を減らすというコスト・ダウンの目的の方が大きいのではないでしょうか。実際、ここに廻り子を回さない施工だと、家が自重で下がってきたり、地震で家が動いたりすると、クラック(割れ)が入るリスクが大きくなるのです。そういう割れが入っても、廻り子が回っていれば、見苦しい割れを隠してくれます。(構造的な損傷で割れが入った場合は問題ですが、この箇所では見た目だけの問題です)また、廻り子によって、部屋の輪郭がはっきりとしてくるので部屋全体のフレームもしっかりしてくるという効果も期待出来ます。ですから、納まりが悪い場合を除いて、廻り子は回すべきだと思います。そして、写真のように曲線を駆使した廻り子を取り付ければ、その部屋の豪華さが一層増してくると言えるでしょう。この廻り子のデザインですが、北米のモールディング・メーカーには数えきれないくらいの種類が存在します。ですから、インテリアをシンプルなデザインにしたいという場合でも全然大丈夫なんですよ。これらの枠材ですが、無垢の木製のもの、MDFのもの、国産のようにプラスチックのものやMDFに塩ビ・シートを被覆したものなどが存在しますが、やっぱり無垢の木で出来たものがいいですよね。
2014年03月17日
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フローリングと壁との接点となる部分に回される幅木。英語で「Baseboard」と呼ばれるように部屋の四方の壁の一番下(ベース)となる場所にグルリと施工する板材です。国産の幅木は、装飾が少ないものばかりで大きさも5cm以下。材質も、昨日ケーシングの記事に書いたように塩ビ・シート張りのMDF。どうして、無垢の木製のものを使わないんでしょうねぇ。さて、今回紹介する幅木は、日進市で建築中の輸入住宅 M邸で採用した北米製。材質は、パインの無垢材。これに予め白い塗装がされた状態のものを輸入しました。こうすることで、下塗りの施工を省き仕上げのセミグロスの塗装をするだけでOKとなります。大きさも手のひら一杯の高さがありますし、デザインも装飾的ですよね。まあ、アメリカやカナダでもこれくらい大きなものは、高級住宅でしか使われなくなっていますが、豪華ですよね。施工写真のように、壁の出隅コーナーの波型の曲線美は、うっとりするデザインです。これぞ、輸入住宅の極致と言えるかも知れません。輸入資材を扱う国内の資材屋さんから調達するのが、今の輸入住宅メーカーの主流ですが、どこの輸入住宅でも同じデザインの内装なんてことになってしまいます。でも、直輸入するとこんな楽しい材料も使えるんですよ。まあ、資材をわざわざ探してくる私たちは大変ですけどね(笑)
2014年03月12日
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住宅には、いろいろな内装材が使われます。写真に写っているものは、建築用語でケーシング(Casing)と呼ばれているものです。これは、窓に四方枠を入れた際に、その周りを飾り付ける為に使われます。ドアの場合は、フローリングがありますので下枠は付きませんね。ですから、三方枠の飾りにこのケーシングが使われるんです。通常、住宅メーカーさんや工務店さんでは、MDFという木の粉を接着剤で固めて成形した枠材を使います。MDFそのものを使う場合もありますが、一般的にはその表面に木目などを印刷した塩ビ・シートを張った枠材が使われます。でも、こうした材料は室内の湿気にやられて、シートが剥がれてきたり、MDF自体が水分で膨張してきたりするんですね。それに引き換え、私たち ホームメイドが使っているケーシングをご覧下さい。本物の木で出来ているのが分かりますか?私たちは、無垢のツガやパインの木で作られた枠材しか内装には使わないのです。勿論、写真のように表面に白い塗装をしてしまえば、中身が木なのかMDFなのかは分かりません。誤魔化そうとすれば、いくらでも誤魔化せるのが今の建築です。でも、10年後には、皆さんでもそれが何なのかが分かるはず。本物は、どんなことがあっても化けの皮が剥がれることはないからです。金額や取り付ける手間は、何倍も違うかも知れませんが、ここで手を抜く訳にはいかないのです。それが、私たちの良心だからです。
2014年03月11日
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リフォーム及びメンテナンスの相談を頂いてお邪魔した春日井市にある輸入住宅 H邸。こちらの輸入住宅を建てた住宅メーカーは、まだある会社なんですが、輸入住宅の事業そのものは今はやっていないといった状況で、輸入住宅の専門知識があるビルダーを探していたという。この家を建てたのは別の方で、築年数が浅い状況でその方から譲り受けたそうな。そのおうちも10年以上が経過し、至るところ補修等が必要になってきたのだが、まともに輸入資材のメンテナンスが出来る住宅メーカーがいないというので、NETでうちを見つけて相談に来られた。見ず知らずの小さな輸入住宅ビルダーですから、最初は半信半疑といったところだったでしょうが、私の輸入住宅に掛ける思いやメンテナンスの手法などをお話させて頂き、最後には心を許して頂けたのではないかと思います。そうした中、実際のおうちの状態を見せて頂く機会を頂き、お邪魔しました。きれいにお使い頂いているし、自分たちでも出来るメンテナンスはしてきて頂いている状況で、然程悪くなっている状況はありません。でも、アルミクラッドの窓だけは、ガラスと窓枠との防水処理が悪かったのか、交換や手直しを含めて対処する必要を感じました。さて、お邪魔した際に撮らせて頂いた写真のドアについて、少し解説してみましょう。赤身が多い部分に少し白太が入った部分が見受けられますね。このドアの木は、何だか分かりますか?これは、日本では通称「米松」と呼ばれるダグラスファーという木で作られています。(でも、本当は松ではないんですよ)10年以上経っているのにこの美しさがあるのは、やはり無垢材だからでしょうか。私たちは、こうしたダグラスファーの室内ドアも使いますが、最近はヘムファー(ベイツガ)で作られたドアを使うことが多くなっています。ダグラスファーのような赤身はあまりありませんが、木目が優しく価格も比較的お値打ちになるということから、ヘムファーを標準的に採用しています。でも、ダグラスファーも味がありますよね。このアメ色に変化してくるのがたまらないです。何れにしても、無垢の木製ドアは何年か経った時に本領を発揮します。塩化ビニールに木目を印刷した仕上げの国産ドアでも5万円以上はする時代です。もう数万円出して、本物の木製ドアを選んでもいいんじゃないでしょうかねぇ。
2014年02月24日
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昨日は、階段の踏み板等をご覧に入れましたが、今日は階段手摺に使われる栗棒(手摺用の柱)をお見せします。勿論、こちらも赤毛のアンの故郷、カナダのプリンス・エドワード島の階段屋さんに無垢のパイン材を削り出しして作ってもらいました。太い方は、親柱(ニューエル)と言って手摺のスタート位置や曲りの位置に取り付けられます。細いものは、子柱(バラスター)と呼ばれ、手摺全体を支える為に用いられます。通常、階段の手摺というものは強度が要求されますので、堅い広葉樹のオークやメープルといった木で作られますが、今回は柔らかな針葉樹であるパイン(松)で作ることに意義があります。ですから、こうした柱材は、広葉樹のものより若干太めにして強度を上げるという工夫がなされているんですね。このパイン材のナチュラル感は、子供さんが小さな明るいご家庭のイメージには持って来いの気がします。また、このナチュラルさを表現するのに、クリアの自然オイル塗装をすることもありますが、今回はチェスナットというブラウン系のオイルを塗ることにしています。そうすることで、軽快さのあるパインに落ち着きというエッセンスが足されるのです。また、このスピンドル・デザインの装飾には、ブラウン・カラーがよく似合うはずです。そして、スピンドルが刻まれた位置にもご注目下さい。親柱と子柱で揃っているでしょ。階段手摺を取り付けると、連続してリズミカルに見えるように作ってあるんです。まあ、これを文字で表現しても、皆さんにはよく分からないですよね。そのうち、また写真を撮りますから、ご期待下さい。
2014年02月23日
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愛知県豊川市で新築中のレンガ積み輸入住宅 N邸。さて、その内部に使うフローリングは、無垢のパイン材(松)。柔らかくて傷も付きやすいのですが、何よりその柔らかい肌触りや香りが家族を癒してくれるはずです。合板で作られた国産のフローリングとは、比べものになりませんね。同じように木で作られているとは言え、無垢材は製材された後も調温や吸放湿作用があって、生きていますからね。そんなおうちですから、床と連続性のある階段の素材を別のものに変える訳にはいきません。ですから、レンガを輸入するのに合わせて、赤毛のアンの故郷カナダのプリンス・エドワード島の階段屋さんに頼んで、パインの美しい階段材を作ってもらいました。写真は、その段板(踏み板)と蹴込み板たち。慎重にカンナ掛けされたベルベットのような表面の質感は、得も言われぬ素晴らしさでしょ。これ程美しいものは、この階段屋さんにしか作れないかも知れません。きっと、これをご覧頂いた皆さんには、私たちが本物にこだわって輸入住宅を造っている理由をお分かり頂けたはずです。本物には、本物でしか描き出せない質やデザインがあるんですね。そこにはストーリーや感動が存在します。
2014年02月22日
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カナダ大使館のランチ・レセプションに伺う2日前。プリンス・エドワード島(PEI)の輸入コンソリデーターをしている方が、名古屋に立ち寄るというのでお会いすることとなった。この方は、一昨年参加したバイヤーズ・ミッションの企画で中心的な役割をした人で、非常に物腰も柔らかく信頼出来る人柄なんだが、貿易の仕事では少し経験が浅いかも知れない。でも、こういう人の方が、ローカルの人脈に長けていたり、面白い素材を知っていたりするから侮れない。夕方のミーティングだったから、伏見の名古屋ヒルトンでビール片手にお話を聞いたのだが、ここで登場したのがこのフローリング。メープルやパインといった床材もあったのだが、一番面白いと感じたのが、写真のベイツガ(ヘムロック)。ダーク・ブラウンに着色されているが、その為か木目が一層際立って見えて、まるで米松(ダグラスファー)のようなの男性的な表情を持っている。普通、ヘムロックという木は、木目が少し薄く、メープル程ではないにしろ、女性的な優しい木目となることが多い。勿論、木はカットする場所や方向によってその表情を変えるので、全てが全てこんな感じではないだろうが、なかなか格好いい床材でしょ。購入する量や塗装の有無にも依りますが、19mm厚で幅133mmの大きな無垢のフローリングで、何と平米3,000円程度で日本に送れるというから、素晴らしい。こんな床材は、日本だったら平米15,000円は下らないだろう。輸入住宅以外に日本の古民家のイメージにもピッタリだし、フランク・ロイド・ライトが建てた西洋建築のダーク・トーンの内装にも十分合いそうだと思いませんか?色もいくつか指定出来るみたいだし、知り合いの建築仲間と共同購入するというのもいいかも知れない。どうですか、カナダにはこんな質のいい美しい建築資材はまだまだたくさんあるんですよ。中国製の安い床材を使わず、カナダの最高級のフローリングを使ってみたいと思いませんか。これこそ資産ですね。
2014年02月09日
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愛知県豊川市のレンガ積み輸入住宅 N邸で取り付ける予定の玄関ドア。サイドライトが付いた親子タイプのドア。国内の輸入資材を扱う商社では通常在庫にないタイプのドアですが、お客様からのリクエストに応じてアメリカから輸入します。米松と呼ばれるダグラスファーで出来た無垢の木製のフレームに赤いガラスをポイントに散りばめて作ったステンドグラスがはめ込まれています。(写真は、ベイツガと呼ばれるヘムファーですので、実際のものはもう少し木目がはっきりした赤みのあるものになると思います)フランク・ロイド・ライトが好みそうな幾何学的な模様というところが、通好みですよね。一般的には、こうした一品ものを入手する場合、相当高価なものになってしまうことが多いのですが、北米の製品の多くが受注後に生産されますから、標準品と然程変わらない価格で輸入することが可能です。ですから、自分の好みに合ったオリジナルなデザインのものを手に入れたいという方にとっては、ホームメイドはもってこいの住宅ビルダーかも知れません。普通のビルダーであれば、いつも使っている標準品の中で選んで欲しいと思うのでしょうが、個性的なものを手に入れるのに、私たちはワクワクしてしまうんですよね。まあ、そこが家づくりの楽しさなんですが・・・。
2013年10月08日
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私たちが、収納用によく使う木製ドアがこちらです。材質は、ヘムロック(米ツガ)の無垢材。元々は、白木の無塗装品なんですが、自然オイル等で着色するとこんな感じになるんですね。だから、もっと白木っぽくしたり、真っ白で塗装することも可能です。そして、2枚で1つとなっている折れ戸(バイフォールド・ドア)を、2組使って広い開口の収納を実現しています。勿論、そんなに大きな壁がないような場所では、この片側の1組だけでも使うことが可能です。このドアは、5フィートの幅がありますから、約1.5mの幅、高さは2mの開口の造り付け両開き収納となっています。また、折れ戸の特性上、コンパクトに開くことが可能ですからベッドや机が近い場所に設置したり、狭い廊下に施工したりするには持って来いという訳です。デザインは、片側1組をご覧頂くと分かりますが、ドアの框(かまち)が6つ付いていることから、6パネル・ドアとか、コロニアル・ドアとか言われています。框とは、ドアの表面に付けられた四角い凹みの部分のことです。コロニアルと呼ばれるのは、アメリカの植民地時代に一般化したデザインだからだと思われます。ですから、北米の家にあるものやホームセンターで売っているドアでは、このデザインを非常に多く見かけます。また、1組の折れ戸のデザインで、通常の洋間ドアもメーカーが作っていますから、これらを同時に施工すると全てのドアのデザインが統一されるのです。だから、インテリアが非常に美しく見えるんですね。私たち ホームメイドの輸入住宅をご覧頂く機会がありましたら是非そういった部分も見て下さいね。
2013年09月14日
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最近の安全志向で、あまりお目に掛かれなくなったステップフロア。土地の高低差などを利用して、同一階で高さの違う床をわざと作る仕掛けのことを言います。そういう手法は、建物に特別な印象を与えたり、広さや奥行き感を持たせることが可能となります。ここ愛知県半田市のK邸も、斜面の上に建っていますからその高低差を使って、玄関まわりとリビング・ダイニングとで高さの違う1階フロアを実現しています。ですから、玄関を入ってすぐのホールの天井の高さは、4m。そんなに広くない場所ですが、吹き抜けのように広さを感じさせてくれる空間を生み出しています。でも、こうしてステップ(階段)をいくつか作るということは段差が生じるということですから、お年寄りに優しくないという意見の方もいらっしゃるでしょう。しかしながら、私たちはこう考えます。わざと階段の上り下りをすることで、普段から足腰を鍛え、老化を防止するという習慣付けが出来るのではないでしょうか。勿論、既に足腰に問題を抱えてしまった方にそれを強制するつもりはありませんが、運動が不足するバリアフリーの弊害をちゃんと家づくりでも意識する必要があると思います。こんな美しいオークの階段手摺が付いたステップ・フロアなら、きっと上り下りも楽しんで頂けるはずです。そういう楽しさや愛着こそが、長く健康を保ち、家を長く維持して頂く仕掛けではないでしょうか。
2013年09月12日
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ホームメイドが施工する輸入住宅は、枠組み壁工法(通称:2x4工法)と呼ばれる木造構造で造られています。この構造は、「省令準耐火」に認定されたもので、通常の軸組工法の木造住宅と違って、火災に強い構造となっています。 ですから、場合によっては、通常の軸組工法の木造住宅と比べて、火災保険料が半分近くに抑えられている状況もあるのですが、保険屋さん曰く、記入間違いや皆さんの思い違いなどから、通常の木造住宅として火災保険に加入しているという事例が多く見受けられるそうです。(尚、保険料は各保険会社で異なりますので、ご注意下さい) 私共に相談頂いて、内容確認頂いているお客様では、こういった問題は起こらないと思いますが、念の為火災保険の内容をご確認下さいね。 もしかしたら、保険料が安くなるかも知れませんよ。
2013年07月27日
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2010年の日経ホームビルダーの記事で、「ムク材の割れをどう考えるか?」という特集記事があった。私たちが輸入住宅で扱うSPF(スプルース・パイン・ファー)の構造材も当然の如く無垢材な訳だが、自然な材木は自然と割れが入るのが普通なのだ。古い木造の寺社へ行っても、その割れはどこかかしかに存在しているのが見て取れる。その特集記事で、森林総合研究所加工技術研究領域長の黒田尚宏さんという方が登場して、「ひどい内部割れを見つけたら返品すること。但し、昔ながらの天然乾燥ではムク材の表面割れを防ぐのは難しく、かつてはムク材に表面割れが生じていることは普通だった」と話す。また、最近行われている人工乾燥の高温セット法で乾燥スケジュールをきちんと守った場合でも、内部割れを完全になくすのは難しいようだ。(私たちが使うSPFは、カナダで人工乾燥されてきます)割れによる強度低下は気になるが、「これまでの実験結果では、表面割れも内部割れも、極端でなければ強度に無関係だ」(黒田さん)という。割れを防ぐ方法として、わざと切れ込みを入れて、割れを作る「背割れ」という方法を昔の大工は取ったのだが、それは強度の保全というよりも、木材の化粧側が割れて美しさが損なわれるのを防ぐ意味合いが強かったと思われる。特集記事にコメントを寄せている方の言う通り、現状は住宅メーカーや消費者が極端に割れを悪者扱いした結果であり、スーパーで規格に合わない大きさや傷のある野菜を排除するという間違った商習慣が日本に蔓延したのと同じ状況である気がする。割れをクレーム扱いするなら、無垢材に代えて接着剤を使った集成材を使わざるを得ない。それでも、接着面の剥離のリスクを完全には排除出来ないのである。勿論、耐震性能を上げる為に使う構造用合板も接着剤で強度を出している訳だから、同様のリスクが存在するが、出来るだけ自然の素材で家づくりをしたいという理想は、私たちを無垢材へと向かわせるのである。(集成材や構造用合板の剥離についても、部分的な(限定的な)ものであれば、大きな問題にはならないので、こちらも極端に恐れる必要はないですよ)皆さんは、集成材や鉄骨で家を建てたいですか、それとも無垢材を使って自然に近い家を建てたいでしょうか。それは、皆さんが何を優先するか、ものの長所・短所をどのように評価するかで決まります。
2013年04月19日
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以前の記事で私たちが施工する土台の木は、木曽ヒノキやヒバですという話を書きましたが、その実物比較をやってみましょう。まずは、写真左の木曽ヒノキ。全体的に薄っすらピンクがかっていますね。木の中心部である心材は固くて赤みが強く、そのまわり(辺材)は柔らかくて白い。ですから、この赤いヒノキは、土台には持って来いってことですね。(写真は、以前当社の現場で使ったものですから、土台をつなぎ合わせる為の加工が施してあります)写真右のヒバ(通称:アスナロ)は、北米ではCedar(杉)の一種と思われています。ヒノキと比較するとよく分かりますが、全体的に白く、Blue Stainと呼ばれる青い素地が入っているのが特徴的です。この表情は、ポプラにも見られますが、ポプラには匂いがありません。そして、固さは、ヒノキもヒバも同じと考えられていますが、私たちが半田市K邸で施工中のヒバ(写真)は、寒い場所に生えていたのか、年輪が細かく比較的固い印象を受けます。ヒノキは、檜風呂に代表される通り、ヒットンチッド効果で人間を癒してくれる。でも、虫たちはこの匂いが嫌いらしい。ヒバは、ヒノキよりも強い匂いがある。日本人の多くにとってはいい匂いと感じる人が多いのだが、ヒノキチオールという油分の匂いなのだ。ヒノキに由来する成分だが、実はヒバの方が数段多く含んでいる。木材としては大変優秀な木で、「ヒバ普請」はシロアリ・ダニ・ゴキブリを寄せつけず、3年間は蚊が入ってこないと昔から言われているくらいなのだ。また、この木材はよく水湿に耐える。耐朽・保存性は高く、地中・水中での耐性はヒノキに優るとも言われている。私たちが、どうしてヒノキやヒバを土台に用いるか、お分かりになりましたか?防虫・防蟻の薬物を使わなくてもこうした自然のものがその役目を十分果たしてくれるのです。また、土に近い分、湿気に曝されるリスクもありますので、こうした木材は最適という訳です。こうした自然の摂理をうまく利用出来る住宅ビルダーは、そんなに多くはいないかも知れません。
2013年03月20日
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私たちが手掛ける輸入住宅でも、和室を造ることはよくあります。家族にお年寄りがいらっしゃる場合や、奥様がお茶をたしなむといった場合、子供が小さくてお昼に添い寝をしなければいけないなどその用途は様々です。私たちは、ドアやフローリング、廻り子や幅木といった内装の枠材に至るまで自然素材にこだわりますから、無垢の木製のものを使います。そういったものは、無塗装の白木ですから、塗装しない状態では白木で出来た和室の雰囲気が少しだけありますね。でも、洋間でそのままという訳にはいきませんから、ダーク色やナチュラル色などのカラーで塗装するのですが、通常無塗装仕上げの和室と接する部分をどう処理するかが、問題となったりします。写真の場合は、ドアの枠材をセンターで塗り分けして、ドアを閉めた時にどちら側から見ても納まりがいいように仕上げています。でも、この場合、ドアを開けた状態の時は、このように半分塗り残しているような印象を持つ人もいるでしょう。ですから、場合によっては、塗り分けせずに、枠の部分を全て塗ってしまったり、全て塗らずに残したりもします。どちらの場合でも、洋間側のケーシングと呼ばれる飾り縁は塗装をします。ただ、枠材を塗らない場合には、ドアを閉めた時にほんの少しだけ無塗装の部分が洋間側から見えてしまいますし、逆の場合は和室側から枠の塗装が覗きます。どれが正解ということはありませんが、どれが自分に一番合うかはよ~くビルダーと相談しましょうね。勿論、そんなことあまり気にならないということなら、お任せでも構いませんよ。こういうディテールを気にしてこそ、プロのビルダーです。
2013年02月10日
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私たち ホームメイドでは、木造2x4工法の耐震構造を形成する為に構造用耐震合板を床や建物周囲の壁、屋根に施工します。(行政の指示で、一部別の防火認定材を使う場合もあります)そうすることで、在来工法の筋交いとは比較にならない程の高い耐震強度を達成することができるのです。ただ、そこで気になるのが、1.合板の接着剤の健康被害、2.吸水による合板の接着性能の劣化の2つ。私たちは、耐震性には欠かせないこうした構造用合板にもこだわります。よく使うのが、カナダのCANPLY(カナダ合板)。勿論、そういったカナダ製のものだけでなく、国産でもいいものであれば使うようにしています。私たちが使う針葉樹構造用合板には、すべてアルカリフェノール樹脂接着剤が使用されています。この接着剤はホルムアルデヒドの放散量が少ないだけでなく生物劣化や化学変化が少なく、耐久性、耐水性に優れるという極めて重要な特性を持っています。この接着剤は硬化する過程で有害なホルムアルデヒドを共縮合する形で取り込み、合板表面から空気中にホルムアルデヒドが放散するのを防ぐ特性を持っています。この為、この合板はホルムアルデヒドの放散量が極めて低く、JAS規格に定めるホルムアルデヒド放散の最上位等級である特類を取得しています。(F ☆☆☆☆、フォースターは当たり前ですね)だから、CANPLYでは「ゼロホルマリン」と広告宣伝しているんです。この写真にある構造用合板は、被災地 石巻の会社です。施工したのは震災前のことですが、いいものを作る会社であれば今後も被災地に貢献できるように、応援していきたいですね。そうそう、2x4工法に張る構造用合板ですが、通常のメーカーだと床には12mm、壁には9mmの厚さを使いますが、ホームメイドでは床には15mm、壁には12mmを使います。構造にまで健康・安全を求めるのって、マニアック過ぎますかねぇ?参考サイト: CANPLY カナダ針葉樹合板 石巻合板工業 構造用合板
2012年11月11日
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今日、明日と岐阜市N邸にてOPEN HOUSEを開催する為に現場に常駐しております。午前中は、打ち合わせを兼ねて1組のお客様に来て頂きました。この方は、私共が建てた家をご覧頂くのは2つ目ですが、この輸入住宅のデザインの方がお気に召して頂けたようです。おおよそのプランも決まり、いよいよ見積もりを実施するという段取りになってきました。2世帯のレンガ積みの家ですから相当見栄えのするものになると思います。その話は、またの機会にさせて頂きますね。さて、今回のOPEN HOUSEをさせて頂いたおうちですが、レンガ積みばかりが見どころではありません。クリスタルのノブが付いたホワイトキッチンや、ジェットバス、ダブルボウルの洗面や輸入の照明器具など、凝りに凝ったアイテムがご覧頂けますが、その中のひとつに廻り階段を忘れてはいけません。スターティング・ボリュートと呼ばれるカタツムリの貝殻のような螺旋の手すり。そこから伸びる緩やかな曲線のハンドレール。整然と並ぶバラスターと呼ばれる白い栗棒(手すりの子柱)。これらは、全て無垢のカナディアン・メープル材で出来ています。だから、木目もやさしくて女性的。赤毛のアンで有名な、プリンスエドワード島の階段屋さんに特注して作ってもらったというのも、わくわくしますよね。多くの専門職人が集まって、初めてこんな美しい輸入住宅が出来るのです。ご覧になりたい方は、本日中にご予約下さいね。
2012年11月03日
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岐阜市の輸入住宅、N邸の工事もいよいよ大詰め。現場では、最後の仕上げが行われていますが、今回カナダから輸入したものの一つをご紹介します。それが、このオーナメントと呼ばれる飾り。普通日本で出回っているものは、ウレタンやプラスチックのものが殆どですが、これは正真正銘の木製なのです。贅沢ですよねぇ~。幅は40cmくらいなのですが、どこに使われると思いますか?実は、これを子供部屋等の壁や天井部分にワンポイントの飾りとして使う予定です。華やかな感じがお好きなお客様ですから、こうした遊びを採用することになりました。こうした飾りは、ドア上枠の上に載せたり、ドア本体のパネルの部分に貼ったりします。場合によっては、キャビネットや家具のドア飾りにしたりも出来ますね。ちょっとしたものですが、これを付けるのとそうでないのとでは豪華さも違ってきます。カナダの輸入建材には、いろいろ面白いものがありますねぇ。
2012年10月16日
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私たち ホームメイドは、内装ドアに無垢の木製を使用します。本物の木は、調温・調湿作用がありますし、丈夫で長持ち。更にキズが付いたりしても、サンドペーパーを当てればすぐに元通りに戻ってくれます。だから、一般の住宅メーカーが使う塩ビシート張りの木目調ドアと比べて品質も値段も格段にいいですよね。ただ、そんな木製ドアにも欠点が存在します。それは、むくったり、反ったりするということです。木は、材木となってからも生きていますから、動くんですね。その動きは、温度や湿度といった環境で異なりますが、それをよしと考える人にしか向きません。だって、無機質な木目調ドアと違って、動けばメンテナンスが必要となりますから、これをクレームや不具合と考える人だとお互い精神衛生上よくありません。この写真のようなポケットドアの場合は、壁の中にドアが滑り込むといった構造ですから、ドアが反ってドア枠に当たってくると、動きが堅くなるばかりかドアの表面もキズが付いてしまいます。ただ、無垢のドアというものは、しっかりしている分、そう簡単には元に戻すということは難しいですから、枠の方を調整してドアの曲りに合せる工夫が必要となります。まあ、アメ車のようなクセがある分、可愛くもあるんですが・・・。こういう日々のメンテナンスが、輸入住宅を長持ちさせる秘訣です。
2012年09月21日
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カナダやアメリカの輸入サッシメーカーでは、ドアも製造しているという会社はよくあります。この窓メーカーも、こんなに美しい4枚開きの木製テラスドアを作っています。国産のサッシメーカーでもこうしたテラスドア(パティオドア)を作っているところもありますが、アルミ主体のフレームですからこんなに重厚なデザインではないですよね。このドアは、特別にショールーム用に作ったのでしょう。高さは7.5フィート(2.3m)、幅は、10.4フィート(3.2.m)もありました。このメーカー曰く、「オーダーだからどんなサイズでも作れる」そうな。木製ですから、本当に開ける際にずっしりしたものを感じましたし、防犯性を考えて強化ガラスにしてありますから、安心感がありますね。勿論、開閉用のレールや金物もヘビーです。こんなドアを全開にして、遠くの山を眺めたり、潮風を感じながら海が見えたら、何て幸せなんでしょうねぇ。まだこれをご注文頂いた方はいらっしゃいませんが、私たちがいいなぁと思っていれば、そのうちお願いしたいという人が出てくるんでしょうね。本物を見たいという方は、一緒にトロントに行って下さい(笑)
2012年08月20日
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大量の雨や湿気の吸い込み、高温による膨張、風による砂の巻き上げ、乾燥や低温による収縮、外気の汚染、強い紫外線など、屋外の木製品は辛い環境に耐えて私たちの暮らしを支えてくれています。でも、そのまま放っておいても大丈夫というものではありません。常にいい状態に保っておく為には、定期的なメンテナンスが大切です。木の組織には、水分を上の方に持っていく為の導管と呼ばれるパイプがいくつも走っています。人間で言えば、血管のようなものですね。木を製品に加工する際に、この導管は表面に露出してしまうので雨や湿気、汚れなどが木の内部に入り込んでしまいますからそれらが木製品の劣化を早めることとなるんですね。ですから、これを食い止める為に、表面に塗装をしてやるんですね。でも、自然オイルの塗料は、屋外での耐久性は十分とは言い難いですし、油性の塗料は木の呼吸作用を止めてしまうばかりか、作業者の健康にもよくありません。そこで、私たちは屋外用の水性アクリル塗料である「PARA ティンバーケア」という輸入塗料を推奨しています。耐久性は、二度塗りすれば5年以上塗る必要はありません(環境によっては、その寿命は変化しますが・・)。アクリルの塗膜は、木の繊維に入り込んで表面を保護するばかりか塗膜に明いたミクロの穴が、木の呼吸を促し、大きな分子の水はその穴からは入り込めません。勿論、有害物質を含まないカナダ製の水性塗料ですから、作業者の健康を害することもありません。色落ちや割れ、表面のザラツキが見受けられたら、雑巾などの柔らかな布で土や砂の汚れを拭き取ってあげて、丁寧に塗料を塗り込んであげて下さい。その愛情が、必ずやガレージドアなどの木を蘇えらせてくれるはずです。
2012年08月08日
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火曜に岐阜市の現場に廻り階段を仮付けしました。円を描きながら90度ひねっていく姿は、芸術的でもあります。でも、1カ月以上も湿気の多い船底にあった為か、メープルの木が動いていましたから、据え付けするのは大変でした。生き物相手の輸入住宅は、自然素材の特性にも対応出来るかが重要な課題ですし、それをちゃんと理解して頂けないお客様にはこうしたものは不向きかも知れないですね。親柱や小柱、階段手摺も付けていない状況ですから、まだまだ完成形からは程遠いですが、仕上がったらカッコいいですよ!湾曲したドライウォールの壁にも映えて美しいと思います。レンガを積むようなデザインで横張りされた石膏ボードもこのサーキュラー階段には必修ですね。北米のデザイン・素材・施工でどこまでも忠実に仕上げることは情熱と技術が必要です。
2012年07月26日
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6月初めにプリンスエドワード島の階段屋さんから出荷されハリファックス港から船積みされた廻り階段がようやくコンテナで到着しました。パナマ運河経由ですから、随分遠回りしてやってきたもんです。どうですか、この真っ白な無塗装のメープル製の階段は・・・?サーキュラー階段って、美しいでしょ。まあ、遠くから写した写真ですからあまり分からないですね(笑)階段の横に写っている枠材は、幅木や廻り子、ケーシングといった内装用のモールディング材です。色も全て真っ白にしました。こちらも全てプリンスエドワード島製です。中国製品が多くなった建材市場ですが、品質の高いカナダ製の輸入材を使える私たちやお客さんは、幸せものです。今日、この階段が現場に搬入されて、大工さんやうちのスタッフが据え付け施工を行っています。さて、どんなふうに取り付けられたかは、またのお楽しみです。
2012年07月24日
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今回は、階段のデザイン及び部材の選定・施工についてお話しましょう。輸入住宅にとって階段周りは大きな見せ場であると言っても過言ではありませんが、そのやり方はビルダーによって様々です。北米の階段材メーカーは、推奨すべき納まり(納め方)を明示しているところもありますが、それ通りに施工するかどうかは、工事をする工務店の裁量に任せているというのが現状でしょう。ということで、他社で実際に施工された階段とホームメイドが施工した階段とでどう違うのかをお見せしたいと思います。この写真の他社さんは、名古屋でも有名な輸入住宅ビルダーですがこうしたミスを犯してしまうんです。私たちは、北米で通常行われる施工方法を取っていますが、材料を間違えたり、費用を安くしようとしたりすると、このようにデザインや施工が変わってしまいます。階段の美しさには、リズムと秩序が要求されます。より美しいデザイン、完成された美しさを目指すのであれば、それ相応の知識とセンス、そして少しの手間と費用が必要なんですね。他社さんのこうした施工が絶対的にいけないということはありませんがどちらが好きか、どちらが美しいかは、住み手の価値観だと思います。ただ、ビルダーは常に勉強し、常にデザインを追究する姿勢を忘れてはいけませんね。手間を惜しんだら負けですから。
2012年07月21日
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室内をきれいに施工する為に、日本でも飾りの枠材が使われます。一般的には、床と壁とが接するラインには幅木(Baseboard)を、壁と天井とが接するラインには廻り子(Crown)を、そして窓枠やドア枠の周囲にはケーシング(Casing)を回します。ただ、最近はインテリアをシンプルに仕上げるという意識から廻り子を入れないで施工する場合も多々見受けられるようになりました。実は、こうした飾り枠の材料は、室内の美しさを演出する為に意図的に入れられているものなのです。つまり、何かと何かが接する場合、どうしても接する部分の仕上げ(専門用語で「納まり」)が難しくなる。そこで、その粗を隠したり、将来の不具合が出ないようにする意味合いで、こうした飾り枠を取り付けるようにしているのです。ですから、敢えてこうしたものを付けないというのは、将来のリスクを見越していない施工と言わざるを得ないですね。まあ、施工上どうしても付けられない場合もありますが・・・・。さて、欧米では、こうした枠材を専門で作っているモールディング屋さんが存在します。私が先日のカナダツアーの際に伺ったここもそういう小さなメーカーでした。見て下さい、この種類。一つひとつの形が写真で分からないといけないと思い、棚の一部だけをお見せしていますが、それでもこんなに多くのデザインや大きさが存在します。それも全て木製です。日本では、木くずを固めたものを芯にして、その表面にビニールを張って木目を印刷した枠材をどの住宅メーカーも採用していますね。これを使って、100年住宅なんて言っているのは何かちょっと滑稽ですが・・・。こうした枠材を数種類組み合わせて、インテリアをデザインすることも欧米ではしばしばやるんですが、日本では本当にチープな感じのものしかないのが実態です。住まいや建築に対する文化に違いがあるということを、こういうところからも感じますし、豊かな住まいをもっと日本でも啓蒙していかなければいけないと私は思っています。
2012年06月21日
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今日は、カナダ建材視察ツアーで見たものを紹介する第2弾。国産のドアに限らず、輸入住宅のドアも最近は画一化してきております。その原因の多くは、輸入住宅ブームが去って輸入建材屋さんの販売量が減った為、商品のバリエーションを少なくしたこと。また、多少品質が落ちても素人目には区別が付かないので、北米よりも中国で作らせた方が安くて利益率もいい。だから、今の輸入住宅の家は、どこも同じで楽しくありません。私たちもコストを考えた戦略はとっていますが、それを最優先させるのは、私たちの理念に反します。まずは、品質、そしてデザイン。今回の旅はそれを再認識させられたと思います。お客さんは、安さを求めているのではない。感動や満足感を求めているし、その過程での家づくりは、エンターテイメントでなければ楽しくない。と、私は思っています。どうですか、この玄関ドア。両サイドにサイドライト(子扉)が配されたフルサイズのダブルドア。そこに美しい曲線を描くトランザム(国産で言う欄間)。素敵ですよねぇ。外側のドアは、表面の凹凸をなくし、家具のような鏡面塗装で紫がかったグレーに仕上げられています。いや~、カッコいい!そして、その裏側である内側は、一転して男性的な木目のオークを全面に出してクラシックで豪華なインテリアにもマッチするように仕上げられています。勿論、国産のようなプリント印刷でなく、本物の木製ですよ。ここまでやれるデザイン性と豊富な材料は、カナダだからこそ。まあ、相当高価なドアでしょうが、きっとその金額を出しても惜しくないと感じさせる逸品だと思います。まあ、こんなドアや建材を紹介出来るのは、ホームメイドくらいでしょうね。
2012年06月10日
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現在、レンガ積みをしている岐阜市のN邸。ここの廻り階段をプリンスエドワード島の小さな階段屋さんで作ってもらいました。プリンスエドワード島のシャーロットタウンにある結構有名なグレート・ジョージ・インというホテルの美しい階段もここの階段屋さんの作品なんです。きっと、赤毛のアンのファンでこの地に行ったことのある人は泊まったことがあるかも知れませんね。私がこの階段屋さんを訪問したのが土曜ですが、既に火曜に船積みの為にハリファクスに向けて出荷しているはずです。パナマ運河を通ってきますので、到着まで1か月ちょっと掛かりますが、設置するのが楽しみですね。それから、中国やロシアのソフトメープルとは違い、こちらはハードメープルで作られていますから、より傷に強く耐久性や強度もバッチリです。勿論、木目の美しさも素晴らしいの一言です。施工が完了しましたら、また写真でご紹介させて頂きますね。
2012年06月03日
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現在製作中のサーキュラー階段、いわゆる廻り階段ですね。如何でしょうか、この美しさ。優美な曲線を描いて90度の角度で上がっていくのは、まさにお城の雰囲気ですよね。こちらの階段は、無垢のメープル(カエデ)で作られています。まだ無塗装の状態ですから、白ぼけた感じを受けるかも知れませんが真っ白な手摺が付いて塗装をすれば、ほんと豪華になりますよ。また、メープルの木目は、繊細で優しいのも特徴です。階段幅は、1m。半径は、2.6m。6帖分の階段室がないとはまりませんね。こちらの階段は、岐阜市の輸入住宅 N邸に施工される予定ですが、こういう仕事をさせて頂けるのもご縁ですねぇ。取り付けまでは、まだまだ時間が掛かりますが、出来上がりましたら、またお見せします。
2012年04月26日
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建方工事がほぼ終了し、いよいよ屋根伏せに取り掛かる岐阜市N邸。今週の火曜に花見ランチを兼ねて、社員全員で現場を訪れました。あったかで、近くの公園で桜を見るには、ほんと素晴らしい日でした。その後、現場にお客さんがいらしたので、プチ打ち合わせをやってきましたが、その際に撮った写真がこの柱の写真。普通の家は四角く出来ていますから、柱(スタッド)も直角に成形されたものを使います。でも、台形状に床が張り出したような家の場合、四角い柱だと納まりが悪い。そこで、こんなふうに柱材を台形に合う形で仕上げてあるんです。いや~、芸が細かいでしょ~。多分、普通はこんなことはやってくれません。最近ずっとお願いしている構造材屋さんは、ほんといい仕事をしてくれます。家づくりという仕事は、契約の見積に入っていないことの方がどれだけ多いことでしょう。プラン図が素敵なこと、素材の品質やデザインが素晴らしいこと、施工する多くの職人の技術や気遣いが素晴らしいこと、こうした様々なことが合わさって成し遂げられる総合芸術が、家づくりなのです。ホームメイドの周りに素晴らしいものや人が集まってくれているというのは、お金に代えがたい大きな財産です。
2012年04月12日
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輸入住宅でよく見かける白い内装用ドア。木目があってなかなかお洒落な雰囲気を醸し出すアイテムですよね。こうしたドアは、非常に安いので、北米でも一般家庭によく使われています。その価格は、私たち ホームメイドで施工している無垢の木製ドアの3分の1~4分の1程度。お洒落でお値打ちなら、こちらの方でいいんじゃないの?と思われるでしょうが、これを孫の代まで使っていこうという訳にはいきません。まあ、国産の住宅メーカーのドアもあまり変わりはないのでこれが普通と言えば、お仕舞ですが・・・・。では、何故これが長持ちしないかについて、お話ししましょう。多くの皆さんは、木目があるので木で出来ていると考えますが実は木で出来ているのは、ドアの外周であるフレームだけなのです。木目の板は、木くずを接着剤で固めてパネル状にしたMDFと呼ばれるものに樹脂をコーティングして仕上げてあります。ですから、ドアの内部はカラッポの状態で木のような強度はありません。何かをぶつけてしまうとすぐに穴が開いてしまうのですね。また、カラッポの状態では、ドアが歪んだりしてしまうので補強としてダンボールが詰められています。(ハローコアのHollowは英語で「カラッポ」という意味です)芯の部分までちゃんと木で出来た木製ドアは、確かに材料費も掛かりますし、なめらかな表面にする為の仕上げなど手間も必要です。北米のようにドアの大きさが統一されていて、いつどこのホームセンターへ行っても既存のドアと同じものが買えるシステムなら、使い捨てのハローコア・ドア(ホローコアと呼ぶ人もいますが、発音の間違い)でも十分いいと思います。でも、自分でドア一つ交換する習慣のない日本では、将来家をみすぼらしく見せる素材となってしまうのは、火を見るよりも明らかです。どの工務店を選ぶかは皆さんの自由ですが、価格よりも造り手の精神が大事だというのは、こういうことからも分かりますね。だって、こんなことまで素人の皆さんは分かりませんからね(笑)
2012年04月07日
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今週からいよいよスタートした岐阜市 N邸の建方工事。今日は、工務の三上と営業の松葉が、現場へ伺いましたがいい天気だったので、気持ちよかったでしょうねぇ。ここは、岐阜城のある金華山から然程離れていない場所で高い場所からは本当に景色がいいです。2階の床組みを施工しましたが、更に2階の天井が出来るともっと遠くまで見通せるでしょうね。スプルース・パイン・ファー(SPF)の白木がまぶしい現場にはSPF独特のいい匂いが漂っています。レンガの外壁や内装のドライウォールを施工してしまうと構造は見えなくなってしまいますから、この美しさを楽しめるのはこの時期だけです。おうちの全容は、もうすぐ姿を現しますが、その時はお施主もビックリするでしょうね。
2012年03月29日
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先日より岐阜市のN邸の地盤補強工事や立体模型などをWEBにアップさせて頂いておりますが、今回はこのおうちで採用する廻り階段のイメージ写真をお見せします。現在、カナダからこうしたサーキュラー階段を輸入する予定をしていますが、ウェーブの曲線が本当に美しいですよね。やはり、輸入住宅はこうじゃなくっちゃ。Riserと呼ばれる蹴込み部分まで白で塗装するかどうかは未定ですが、Balusterと呼ばれる小柱(栗棒)は、写真のように白く塗るつもりです。何で蹴込みを白くしないかって?ご推測の通り、つま先が当たる蹴込みは、やはり汚れ易いという問題があります。まあ、そのうち塗料を塗ればいいと気楽に考えて頂ける方でしたらいいですが、皆さんはどっちでしょうか。木目のある段板と手摺、そして親柱と白い子柱とのコントラストは、クラシックでエレガントですよね。でも、この階段を取り付ける為には、階段吹き抜けを8帖分のスペースは確保しないと格好が付かないですのでおうちの広さにも注意が必要です。
2012年02月27日
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昨日、大府市のお客様の家のムービー撮影を行いました。今までは、写真とコメントをスライドショーでお見せするタイプのムービーでしたが、今回は全くの動画という新しい試みです。朝早くから夜まで掛かって撮影させて頂きましたので、お施主様には本当にご協力を感謝申し上げます。それにしても、やっぱりホームメイドの家はいいですねぇ。「どうだぁ~!写してみぃ!」みたいな主張をおうちから感じます。どの家も住まい手の個性がちゃんと出ていますし、どこも美しい。そんなおうちの撮影ですから、結構時間を忘れて楽しく撮影させて頂いた訳ですが、奥様からこんな一言がありました。「最近、モップとかで床を掃除すると、モップが引っ掛かるのよ」それを聞いて私は、「やっぱり生きてるなぁ」と思いました。私たちは常に無垢の木材を相手に仕事をしていますから、当たり前に思っていることですが、木をカットするとそのカットした面は、柾目(まさめ)か板目かになります。柾目とは、年輪の線がまっすぐ平行に並んでいるデザインで、板目は年輪が楕円を描いて連続しているデザインです。で、板目の場合は、温度や湿度の変化によって、その年輪がめくれてくるような現象が生じます。それが、モップの糸やストッキングに引っ掛かったりする訳です。合板やウレタン塗装された床材なら、木目が浮いてくるなんてことはまずないですが、オイルで仕上げた本物の無垢材は常に動いているんですねぇ。まあ、手の掛かる駄々っ子のようなものです。だからこそ、調温・調湿作用がいつまでも持続するのです。
2011年12月12日
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木造住宅を支える木の柱。木造よりも鉄骨やコンクリートで造られた建物の方がはるかに強いと思われる方も多いと思います。果たしてそうか?実験で野ざらしにしていたのでグレーに変色していますが、写真に写っているのは、在来工法で使う3.5寸角(約9cm角)と呼ばれる木材。私たち2x4工法の輸入住宅で使う2x4材を2枚合わせたものとほぼ同じ断面積になります。0.09m × 0.09m = 0.0081平方メートルしかない3.5寸角の断面に上から重しを載せて、どのくらい耐えられると思いますか?何と、25トン。材種によっての違いもありますが、すごいですよね。実は、木材は、このような圧縮の力に対するよりも引っ張りの力に対する方が更に強く耐えるのです。知ってましたか?在来工法の木造住宅は、地震の際にホゾと呼ばれる接合部が抜けてしまったり、よじれてそこがバラバラになったりする為に倒壊をするのですが、2x4工法はそれが起こらないように構造用耐力合板を外壁部分の2x4の柱材全てに張り付けて壁を1枚のパネルにしてしまいます。(在来工法でもこれに習って、合板等を張る場合もあるようです)そして、その柱の間隔は、在来工法の910mmに対して、日本の2x4工法では455mm、北米では406mm。つまり、壁となる部分に細かく均等に材木を入れるのが2x4工法の特徴でもあります。在来工法でもそうなのですが、窓のような開口部を少なくして壁を多く取れば2x4の家は強くなるのです。また、2x4工法では、力が加わる部分に、2x4材を2~4枚合わせて使うことも多いので、材積は、在来工法より15%程度増えるとも言われています。ですから、木造の2x4輸入住宅は頑強な構造と言えるのではないでしょうか。木材は、地震の揺れに対して柔軟ですから、更に素晴らしいと私は思いますよ。
2011年11月14日
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最近、大手住宅メーカーの現場でよく見かける集成材。太い柱を使うより安価で強度も出るという理由で施工されることが多くなったのだが、小さな木材を接着剤で貼り合わせて作る材木の為、接着面の経年剥離の問題も指摘されている。私たちも強度が必要な部分には、構造用合板や集成材の梁を2x4工法に使ったりする訳だから、接着剤を否定する訳ではないが、全部が全部これにする必要はないような気がする。また、小さな木材で大きな柱などを作るのだから、集成材はエコロジーとも言われるしね。私たち ホームメイドでは、土台の木には木曽檜の芯材を使うことは以前にもお話したと思うが、それは檜の匂いを虫が嫌がるということと、木の中心部である芯材は比較的堅くてシロアリも食べにくいという理由からである。でも、集成材は柔らかくて加工しやすい辺材(芯材の外側の部分の木)を使って作られるし、加工段階で木に含まれる防虫成分等も抜けてしまっているので、あまり土台には向かないというのが一般的だ。要は、ヤニといった樹脂などの油分が木にとっては大切なのだが、それが加工する際に溶け出してしまうんだな。こうして防蟻処理剤を塗って対策を施しているとは言え、他に食べるものがない場合はシロアリには対抗出来ない。(そういう場合は、檜でも同じように食べられますよ)結局、食べる物が他にある場合には、他に行ってもらうという効果しかないのだから、防蟻処理剤による人間への健康被害の方が問題だと思うのである。効率や低価格、工業製品化を目指すハウスメーカーと手間やお金の掛かるアナログなホームメイドとどちらを選ぶか?これは、皆さん次第ですね。
2011年09月04日
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マホガニーと言えば、ヨーロッパで古くからお金持ちの家具などに使われた高級木材。赤みのある中に、黄金の輝きを感じる、まさに木材の帝王とも言える素材ですが、既にヨーロッパではその数も減ってしまい、あまりお目に掛かれなくなりました。そこで、西アフリカで取れるこのアフリカンマホガニーが、珍重されるようになったのですが、こちらも今では相当減ってしまっているようです。日本では、「カヤ(Khaya)」と呼ばれたり、センノキとも呼ばれます。木質は、やや堅めで、木目が荒い部分もありますが、黄金に輝くような美しさは、こちらも健在。高価な為、あまり日本には輸入されませんが、この木で玄関ドアを作ってくれるドアメーカーも知っています。こんな木で出来た玄関ドアなら、家宝ものですよね。でも、木の性質がおとなしくないので、狂いが生じやすいのも気難しいところです。気位の高い人は、扱いが大変です(笑)あと、長く使いたいなら、キクイムシの虫害にも注意しなければいけません。オルガンやギーターなどの楽器のツキ板などにもこの木は使われていますね。
2011年06月09日
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