脱ケミカルで健康になろう


 石油由来成分を主体とした石鹸と、天然植物油を主体とした石鹸が店頭に並んでいるとします。
 汚れを落とす効果がほぼ同じだとしたら、あなたならどちらを選ぶでしょうか?

 恐らく、原料を見て天然植物油主体の石鹸の方に心が動くのではないでしょうか。  しかし、実際にお値段の方を確認してみると、何と天然植物油主体の石鹸の価格が石油由来成分を主体とした石鹸の何と 7 倍になっていたら、どちらを購入するか本気で悩み始めることでしょう。

 石鹸は私たちにとっては日用品。
 家計を圧迫する日用品はとても買えない。
 だから価格優先で石油由来成分の石鹸で妥協するしかないと考えても不思議ではありません。

 幸か不幸か、私たちの日常はそういった安価で安全性の不確かな製品に日々晒されているのが現状です。その最たるものがテレビ CM やネット広告によるメディアの影響です。

 比較的肌の美しい女優さんが、チューブから洗顔フォームをたっぷりと手に取り、清潔でスタイリッシュな洗面台で顔を洗った後に自分の頬に触れ、突っ張らない、なんてセリフを呟いているのを見たことはないでしょうか?

 洗剤の素は油です。
 油は油を引き寄せる性質を利用し、肌の表面の油と埃を浮かせて汚れを落とします。
 人体の油は洗剤に含まれる油分に引っ張られることになるため、洗剤を付けてマッサージした後に水で洗い流せば、肌の表面は砂漠状態となります。
 つまり、洗剤を使えば肌が突っ張って当然なのです。

 それは固形石鹸であっても、液体石鹸であっても同じことです。

 ただ、液体石鹸には、合成界面活性剤という成分を利用することで、クリーム状、液体状の洗浄剤になるように仕上げられています。
 安価で大量生産できるという理由から、石油由来の合成界面活性剤が市販の洗浄剤や化粧品に使用されています。

 洗顔料をすべて天然の原料で作ったとしたら、材料費が高価になるため、加工賃、利益を上乗せすると、一個千円を超える値段になってしまうのは仕方のないことなのです。
 しかも安全性の面から保存料を入れないとなると、製造してから短期間の間に使い切らないと変質が始まってしまいます。

 一個千円以上もする石鹸を短期間で使い切らないといけないなんて、コストパフォーマンスが悪すぎるため、どんなに成分が素晴らしくてもヒット商品にはならないでしょう。

 これに対し、石油由来成分の石鹸なら、原料や肌への残留物質に多々疑問が残るものの、安いものだと一個 100円くらいで手に入ります。汚れも良く落ちます。

website statistics  誰でも手の届く価格であれば、当然売れ行きは伸びます。
 パッケージがおしゃれだったり、最近話題のモデルや女優・男優がお勧めする商品ならヒット商品になる可能性が高くなります。

 ヒット商品になったからと言って、それが人体にとって本当に安全なものなのか、というのは全く別の話です。

 ただ、一個数百円で手に入る商品の製造コスト、そしてその製品をプロモーションするためにかかっている莫大な宣伝広告費を考えると、製品そのものの品質がすべて価格に反映されているわけではないのは容易に想像できるでしょう。

 安く大量に出回っている商品にはそれなりの理由があるのです。
 また、製造コストや原料費の関係上、割高にならざるを得ない製品になってしまうのにも、きちんとした理由があるのです。

 ここでおすすめしたいのが、脱ケミカルという考え方です。
 少々聞き慣れない言葉かもしれませんが、人体にできるだけ良いものを取り入れるようにしようという取り組みです。

 上記では石鹸(洗剤)について述べましたが、極端な話、顔ならぬるま湯で肌を柔らかくして指先で優しく撫でるだけで、肌表面の汚れをあらかた落とすことができます。
 多少のべたつき感が残りますが、それがあなたの肌本来が持っている油分、つまり天然のクリーム成分なので、落としてしまっては勿体ないのです。
 必要なな油分を自分の油分で補っておくことで、肌の老化が無駄に進むことがないため、アンチエイジングにも繋がります。

 こうした洗顔方法を暫く続けていると、肌が本来の抵抗力を取り戻し、きめがだんだんと整ってきます。
 これがお金を使わない脱ケミカルの一例です。

 ちょっと視点を変えるだけで、家計に優しく、そして健康になれる。
 それが正しい脱ケミカルのあり方だと私は思っています。

脱ケミカル特集記事

【茶のしずく石鹸】高級石鹸の落とし穴(2011.07.15)
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参考資料(外部リンク)

合成界面活性剤について Pure Skin Club
界面活性剤とはどういうものですか? ケミカルデイズ
脱ケミカルデイズ 8つの提案  2010年版 ケミカルデイズ
あなたの化粧品は大丈夫? ネット通販リアルビジョン
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