眠れない夜のおつまみ

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2005/11/29
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カテゴリ: 小説
日曜の朝を迎えた。体調は悪くない。

俺自身、本当に行けるのか分からなかったし、当日の体調次第で行き先を変えればいいだろうと思っていた。

これなら行けるだろうか?

自分に問いかけてみても結果は分からない。
朝はすこぶる快調だと思っていたのに、急に激痛にやられた事も過去にはあった。
そんな事を考えると、伊勢にしようか、生駒にしようか決めかねた。
最悪、内海くらいでもいいと思っっているのも確かだ。
もし途中で症状が出たらどう言えばいいのだろう。誤魔化せれるのだろうか?見破られるのだろうか?

行き先の決まらぬまま、待ち合わせの名古屋駅へ向かった。
タクシー乗り場のロータリーに入るとすぐかおるが見つかった。
かおるはまだ気付いていないようだったのでクラクションを鳴らして手を振ると、俺の車まで小走りに寄って
「おはよう」
と言うと素早く助手席に乗った。
「おはよう」
俺も言葉を返した。
「どこに連れて行ってくれるのかしら?」
かおるの瞳は期待に満ちていたが、赤く充血していた。
やはり昨日何かあって泣いていたのだろう。
しかし、それ以上追求する事は止めた。

そんなかおるを目の前にして俺は生駒に行く事に決めた。
「俺のお勧めの場所に連れて行くよ。」
そう言うと
「まだ内緒なの?」
とやや不貞腐れたようにかおるは言った。

「鹿?」
「そう。鹿って言ったら?」
「な、奈良?」
「そうそう。」
かおるはじっと俺を見て
「大仏?」
と言ったので笑いながら
「違うよ。」
と俺は言った。
「奈良って修学旅行くらいでしか行った事ないわ。吉野の桜は一度見に行きたいと思っているけれど、今は夏だし・・・。よく行くの?」
「たまにね。」
「でも、遠いよね。奈良って。」
「ちょっと遠いかな。行けるかどうかわからないかも。」
と言うとかおるは不安げな顔になった。
「数年前に行ったきりだから、道ちゃんと覚えてないんだよ。途中で地図を見るかも。」
と付け足すと納得したようだった。
「この曲サザンだね。夏っぽい。」
そう言えば車の中にはサザンしか入れてなかった。
「かおるさんはどんなの聴くの?」
「私?・・・どっちかって言うと洋楽派なんですよ。哲哉さんは洋楽は聴きますか?」
「聴かない事ないけど、あんまり詳しくないよ。FMにする?」
「ううん。このままでいい。」
ずっとサザンの曲をBGMにいろいろ話は続いていった。
三重県に入った所で適当な店で昼食をとることを提案するとかおるも賛成した。
店も分からないのでファミレスに入ることにした。
かおるはカルボナーラを、俺は冷やしうどんを注文した。
健康な人は羨ましいと思う。
カルボナーラもご無沙汰だった。普段なら自分が食べたくても食べれないものを食べているのを見ていると、とても苦痛に思うのだが、かおるは美味しそうに食べていたので、見ているだけ満足してしまった。
俺もゆっくりとうどんを食べた。少し残したのをかおるが見て
「哲哉さんって少食なんですね。」
と言うのに少しビクっとなったが、
「最近、夏ばてしててね。」
と言い返すとかおるは
「私、夏ばてってしたこと無いんですよ。だから太っちゃうんだぁ。」
と悔しそうに言った。
「夏ばてなんてしない方がいい。健康なのが一番だよ。それに、かおるさんは太ってなんかないしね。」
と俺が言うと少し顔を赤らませて
「ありがとう。」
と言ったのがかわいかった。

トイレに行くから先に車に行っていて、と言って車のキーをかおるに渡した。
食後からどうも腹の調子が変なのだ。
シクシクとする痛みを感じる。
今ここで症状が出たらやばいな・・・。
暫く席を立たずにポケットの鎮痛剤を右手で確かめて、まだ早いかもしれないけど飲む事にした。

かおるは行儀よく助手席にちょこんと座っていた。
「待たせてごめん。じゃ、行こうか。」
とエンジンをかけた。


                              <つづく>



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Last updated  2005/11/30 02:02:08 AM
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