買書とつんどくの日々

買書とつんどくの日々

2010年02月07日
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・・・・・人にはなおこれという理由もなくてふらふらと山に入って行く癖のようなものがあった。(中略)自分がこの小さな書物で説いてみたいと思うのは主としてこうした方面の出来事である。
(柳田国男さん「山の人生」(「遠野物語」岩波文庫版)P101)

・・・・・なつかしい我々の大昔が、たいして小賢しい者の干渉を受けずに、ほぼうぶな形をもって今日までも続いてきた。例えば稚(わか)くして山に紛れ入った姉弟が、そのころの紋様のある四つ身の衣を着て、ふと親の家に還ってきたようなものである。
(柳田国男さん「山の人生」(「遠野物語」岩波文庫版)P266)

というわけで、柳田国男さんの「山の人生」を読みました。

上の引用は、とても抒情的で、まるで詩のようです。
そして、「遠野物語」のようでもあります。

ところが、その間に、男が山に入ったり、女が山に入ったり、また子どもが神隠しに遭う話が延々と続き、それでもってタヌキやキツネが人を化かす話になり、そのうち山の神、鬼、山姥、河童の話になったり、と、こう書くとやっぱり「遠野」のように思えるのではありますが、正直、僕にはとんと分かりませなんだ。

ちょっと、「トンデモ本」かも知れない、なんて失礼なことを思いました。

また、「山の人生」(大正15年)に収録されている「山人考」は、「山の人生」の10年ほど前(大正6年)の講演の記録ですが、「山の人生」のスケルトンのような趣きでした。

この後、昭和の初頭に入り、柳田さんは、「山人」に関する考察を放棄する道へと進んでいくことになるのだそうです。

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Last updated  2010年02月07日 07時46分44秒
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