買書とつんどくの日々

買書とつんどくの日々

2010年12月11日
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「この男なのか」と一方が言った。
「十字架で死んだあの方にかけて、
非道な弓で罪もないアホウドリを
どうと射落としたのはこの男か。

霧と雪に閉ざされた国に
ただ一人棲むあの霊が
愛した鳥はこの男を愛したのに
それをこの男は弓で射たのだ」

(「古老の舟乗り」(「コウルリッジ詩集」所収)P255)

というわけで、コウルリッジ「古老の舟乗り」を読みました。

従前から、「老水夫行」というタイトルで親しまれてきた詩ですが、これもロマン主義というかゴシックというか怪奇・幻想というかの源泉として有名なものです。

あらすじ(?)は、

 老水夫が結婚式に向かう三人の客のひとりを呼び止め、自分の辿ってきた航海のことを語るというのが、このバラッド詩の内容である。
 港を出た船は嵐で南極へと流され、老水夫は霧の中で船に慕い寄ってきたアホウドリを射殺し呪いを受ける。船は太平洋へ入り赤道へと近づくが、呪いのために全く進まなくなってしまう。老水夫は罪のしるしとして、首にアホウドリの死骸を架けられる。
 船は「死」と「死中の生」と出会い、老水夫以外の乗組員は次々と死んでいく。ただひとり残された老水夫は、目にした水蛇の美しさを称えたことで、呪いから解放される。
 船はやがて港へと戻り、老水夫は自らの経験をもとにすべての生き物を愛し敬うことを説いてまわる。
有里(ありさと)さんのサイト より) 多謝!!

そういうことですよね。
また、「老水夫」が、その体験を否応なく人に話して回らねばならないという「呪い」(?)、「祝福」(?)を受けていることも重要なことではないのかな、と思いました。

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Last updated  2010年12月11日 08時55分54秒
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