医師が病気になったとき-特発性大腿骨頭壊死-

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貯血について


 最近、献血の血液が不足していることが問題になっています。献血は、献血者の貴重な血液でまかなわれていますが、日本では、人工の高齢化と若年者の献血離れにより、献血者人口は減少傾向にあります。日本内科学会誌に掲載されていた資料を掲載します(平成19年2月20日の日記参照)。平成5年から14年までの10年間で献血者は徐々の減少しています。一方、医療の進歩により輸血の需要が増大しています。日赤の血液供給単位数は増加しています。今後、団塊の世代といわれる人々が献血する側からされる側に回ることも、血液製剤の需要に拍車をかけるのではないかともいわれています。このような状態のなか、献血の血液が不足しがちの状態なわけです。貴重な献血を無駄に使わないためには、「自分の血液は自分で供給する」のがよいわけです。そのため最近では、若い人に手術をする場合は、貯血が多く行なわれるようになっているようです。
 輸血で、感染する病原体は多くあります。代表的なものとしてB型肝炎ウィルス、C型肝炎ウィルス、AIDSウィルスなどです。これらは、日赤で検査され、陽性の血液は輸血しないようになってはいます。しかし、これらのウィルスも過去、存在がわからないまま輸血されていたわけで、今後もあらたな病原ウィルスが血液の中に入っていることがわかるかもしれません。そう、まだ未知の病原体が輸血により他の人に感染しないとはかぎらないのです。だから、貯血ですまして、なるべく他人の血液を輸血しない方がよいのです。これが最近の流れなのです。

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