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2013/02/24
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『CRONOUS』 ~黙示録~



「懐かしいですねぇ…」

門をくぐり孫が建物を見上げてつぶやいた

「ええ…当時は毎日が嫌だったのに卒業してみるとなぜかそんな気持ちになります」

孫の横でトゥイージーも建物を見上げてつぶやいた

「ほほほほほ…嫌だったんですか」

「毎日毎日同じような基礎の繰り返し…面白味がなくてね」

「魔法は基礎の積み重ねですからね」



「当時のトワさんにはそれが理解できなかったわけですね」

孫は小さくうなずきながら笑う

「生徒の間に上がる話題は最前線の戦士たちの活躍…ここに来ればそこに一番早く近づける…そんな期待をしてたんでしょうね…」

「まぁ…最前線で使われる魔法は派手ですからねw」

「ですね…そういった事を教えてもらえるものと思い込んでましたから」

「ところが…ふたを開けてみれば1に基礎…2に基礎…3、4も基礎で…5まで基礎…上級魔法に憧れを抱く少年にとっては苦痛の日々ですよw」

「確かに言えてますねぇ」

2人がそんな会話をしているとそこにいかにも魔導士という身なりの初老の男がやってきた

「私の教員史で最大の問題児が今日は何の用だ?」

初老の男はたくわえたあご髭をいじりながらトゥイージーにそう声をかけた

「ほほほほほほ…トワさんは問題児でしたかw」



「よく言うわ…実戦がしたいと封印された魔物を野に解き放つわ…基礎もろくに出来ないくせに上級魔法に手を出して校舎を吹き飛ばすわ…己が技量も見極めんと前線に潜り込んで死にかけてくるわ…ワシの教師生活で一番手がかかったわい」

初老の男はそう言いながらトゥイージーを睨み付ける

「細かい事ばっか覚えてやがって…いい加減ボケろよクソじじい」

「なんか言ったか?」

「いいえ…なんにも…」



「で…今日は何用じゃ?」

「ちょっと書庫を拝見したくてね」

「ほう…いかような書物をお探しかな?返答によっては承諾しかねるが…」

初老の男は眉間にシワを寄せる

「歴史…とでもいうのか…文化…とは違うか…とにかくそんなところかな」

「ふむ…まぁ良いだろう…ついてきたまえ」

初老の男はそういうと書庫のある建屋に向かって歩き出した
トゥイージーと孫が今日訪ねてきたここは「カノン魔法学校」と呼ばれるところである
クロノス大陸で最大にして最高ランクの学校である
「魔法学校」と称してはいるが戦士や騎士を育てる科もありそういった意味でも最高ランクと言える
これから向かおうとしてる書庫に収められている書物もかなりの量と質を維持していて
何かを調べるには適した場所と言える
ただし、その辺にある図書館とは違い誰もが気軽に訪れられる場所ではなく
卒業生や学校の関係者でないと立ち入る事すら許されない場所でもある

そして2人が書庫に向かってる頃のとある教室…

「デンキチさん!3年の先輩方が呼んでますよ!」

教室に駆け込んできた男子生徒が床で片手腕立て伏せをしてる男にそう声をかけた
デンキチと呼ばれた男は返事をする事無く黙々と腕立て伏せを続ける

「デンキチさん…あのぉ…」

男子生徒がまた声をかけると

「聞こえてる!…放っておけ…用があるならそのうち訪ねてくるさ」

デンキチはそう答えると何事もなかったかのように腕立て伏せを続ける

「そ、そうっすよね…あはははは…………はぁ…」

男子生徒は苦笑いを浮かべたのちため息をついてうなだれた
このデンキチという男はカノン魔法学校の戦士科の新入生…つまり1年である
名門と呼ばれるこの学校は授業料も決して安くはない
この学校を出た…というだけで将来が左右されるほどの権力を得られるため
最近では名門の家の子供たちで溢れかえっている
しかしデンキチの家はというと名門の家系…とはいかず
実力で特待生の座を手にしてこの学校に入ってきた
故に…名門だとか金持ちといった生徒をやたらと敵視し
上級生から目をつけられていたのだった

「それにしても…デンキチさんは凄いっすね…」

「何がだ?」

「いやぁ…暇さえあればトレーニングでしょ…模擬戦じゃすでに教師の上を行く勢いなのに…」

「ここの教師に勝ったとて前線にはもっとすげぇ奴がうじゃうじゃいるからな…」

デンキチは腕立て伏せを止める事無くそう答えた
その時…教室にもう1人の男子生徒が飛び込んでくる

「デンキつぁん!…3年生が連れて来いってうちのクラスの生徒を!」

それを聞いたデンキチが動きを止めた

「なんだと?」

「とにかく…連れて来いって…スンマセン…あっちは15人もいて俺じゃ手も足も出なくて」

男子生徒はそう言って口元から流れる血を手で拭った

「15人相手に向かうなんてお前も根性あるじゃねぇか!…案内しろ俺が奴らに強さってやつを教えてやる」

男子生徒はそれを聞いて無言でうなずくとデンキチを3年生のいる場所へと案内した
デンキチたちが3年がいるという校舎裏についた時

「デンギヂざん…デンギヂざーん…デンギヂざーーん」

そんな泣き声をあげて囚われていたクラスメイトが駆け寄ってきた
デンキチが訝しげな顔で辺りを見回すと
そこには15人の3年生がうめき声をあげて倒れていた

「な、なんだよ…これは…どうなってんだ?」

デンキチはそう言いながら近くにいた3年生の頭を掴んで引きずり起こす

「おい!人を呼び出しておいてどうゆう事だよ!」

「で、デンキチか…お、お前はとりあえずあと回しだ…あのクソ魔法使いを先にぶっ殺してやる…」

「お前なぁ…先も後もボロボロじゃねぇか…」

「ゆ、油断したんだよ…ま、魔法使いだってわかってりゃ…こんなにやられるわけねぇよ」

「はぁ…これだからお前らはダメなんだよ…戦場で『はい、私は魔法使いです!』なんて言ってくれる奴はいねぇんだよ!」

デンキチはそう言い放つと頭突きを食らわして引きずり起こした3年を放り投げた

「魔法使いねぇ…不意打ちしたにしてもこの人数を軽々と倒すなんてただ者じゃねぇな…」

デンキチがそうつぶやくと

「この前…編入してきた新入生っす…やたら目つきの悪い奴で…確か…悲魔とかって」

「あ!俺、そいつなら知ってますよ!…確か王宮の騎士団長とかってのが送り迎えをしてるとかって…」

「ケっ!1人で登校もできないボンボンもやしかよ…そういやぁ…俺はマジシャンとの模擬戦は経験ねぇなぁ…」

デンキチはそう言って薄ら笑みを浮かべた

「そう遠くには行ってねぇはずだ!探すぞ!白黒つけなきゃな…クラスメイトを助けてもらった礼もしなきゃいけないしなw」

そしてデンキチたちは悲魔とういう生徒を探しにその場を後にした


いっぽうその頃トゥイージーと孫はというと
書庫で本を読み漁り…読み終えた本で山を作っていた

「ないなぁ…」

「ないですねぇ…」

トゥイージーと孫はため息まじりにそうつぶやいた

「では…私はあっちの棚の本を調べてみますか…」

孫はそう言って別の本棚に向かった

「時に…あなたはもしかして孫さんでは?」

棚の本を物色してる孫に初老の男はそう声をかけてきた

「はて…私は名乗りましたかなぁ…」

「いや…まぁ…問題児だっただけにその後が気になってましてね…『黙示録』というギルドに入ったと聞いていたので…もしやと思いましてね」

「ほほほほほ、そうでしたか…手を焼く子ほどかわいいと言いますからねぇ…」

「お会いできて光栄です…」

初老の男はそういうと孫に深々と頭を下げた

「はて…どこにでもいる隠居の老兵ですがねぇ」

「いえいえ…私…いや、ここの教員のほぼ全てが今は封印されたあなたの論文を支持しておりますので」

「それはそれは…役に光栄の極みですなぁ」

「研究所の方も今は代が変わり…血の研究も始めてます…もしよろしければお戻りになられたら…いや、むしろ戻っていただきたい」

「ほほほほほほ…そのお言葉だけありがたく受け取っておきます」

「ダメですか?」

「ダメというか…今は彼らと共にいる方が楽しくてね…」

孫はそうつぶやきながらトゥイージーを見つめた

「そうですか…アレは迷惑かけてませんか?」

「迷惑だなんて…むしろ私が世話になってますからなぁ」

「安心しました…」

初老の男はそう言うと笑みを浮かべて何度もうなずいた



…『To Be Continued♪』





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Last updated  2013/02/25 02:06:15 AM
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