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わたしの唯一のぜいたくは、ダンス(サルサ)のプライベートレッスン。自分の子どもよりも若いお兄さんに、ほぼ毎週、一時間、ひとりで習っている。別に高度なテクニックを教えてくれるわけではなく、基本的な姿勢や動きをなおしてもらい、インストラクターをパートナーにして踊る。サルサはパートナー、つまり男性のリードに女性がほぼ無条件にしたがって踊る、すごいマッチョ的なダンスだ。たとえリードがまちがっていても、女性はそれに従って動かなければならず、自分からフィギュア(振り)をはじめたりしてはいけないそう。でも、現実的には、パートナーがモタモタしていると、女性はつい自分から振りの動きをはじめてしまうのよね。それに、パートナー男性がどうリードしてよいか、次にどういう動きをしたいのか思いつかないこともたびたび。プライベートレッスンではこういう心配をしないで、ひたすら先生のリードのままに「踊りまくれる」ところがすばらしい。それと、微妙な動きから、相手(つまりはリードする先生)の意図を一瞬で理解して、それに対応する、その言葉を介さないコミュニケーションが、スリリングでおもしろい。しょっちゅう「こんな高い趣味は長くは続けられない」と思うのだけれど、レッスンに行って、体をぐるぐるターンさせ、足を動かし、腕を上げと、動き回る、踊るたびに「やっぱり続けよう」と思ってしまう。そういえば、再発しそうになっている「50肩」が、レッスンの間だけは治っていた。不思議。ダンスはそれ自体を楽しむ、ダンスをすること自体を楽しむ、まさに「内在的な価値」を楽しむ行為だ。内在的な価値とは、それ自体がもつ価値、他のものを得るために価値があるのではなく、それそのものにある価値。もちろん、ダンスにも、健康に良いとか、頭をぼけさせない、人と知り合える、ダンスがすごくうまくなって人に見せてお金をとる、などといった「道具的な価値」もあるけれど、まずはダンスをすることそのものが楽しくて、ダンス自体が目的で、人はダンスをするのだと思う。この内在的な価値、というのは人生でとても大事なのだと、以前に訳した「哲学者とオオカミ」や「哲学者が走る」の著者、マーク・ローランズは「哲学者が走る」の中で書いている。ランニングやジョギングは健康、若返り、友だちづくりなどの「道具的な価値」もあるにしても、究極的には人は走ること自体のため、つまり走りたくて走るのだと。(ちなみに、道具的な価値があるもの、というか道具的な価値しかない代表的なものは、金銭。これ自体には何の価値もなくて、これを使って何か別のものを手に入れたり、何かをすることができるからこそ、価値がある)内在的な価値をもつ代表的な行為は「遊び」だ。遊びが脳や体の発達に役立つのはたしかだけれど、人間や動物は第一義的には、遊びが楽しいから遊ぶのだから。今ではなんでも、「これをすれば寿命が延びるから」「これは健康によいから」「これはお金になるから」と、何でも何か別のことのために、何かをするようになって、何か別のことのためにならないことには価値がないように考える風潮がある。でも、短い人生だもの、内在的な価値だけのために、つまりそれをすること自体が目的のことをもっともっとすると良いと思う。花を育てる(飾るという目的だけでなく、花の成長を見ているだけで楽しい)、音楽を聞く、楽器を奏でる(別に演奏会に出るためでもなく、人に聞かせるためでもなく、脳のトレーニングのためでもなく、ひたすら自分で弾いて楽しむ)、パン焼き(食べるためよりも、焼きたくて焼く)はわたしにとっての内在的な価値をもつ行為だ。プライベートレッスンの若インストラクターの弟もサルサダンスのインストラクターで、この弟先生からもときどき習うことがある。彼はときどき、タイ、ベトナム、韓国、日本などを半年間ぐらい巡り歩いて、各国でダンスのインストラクターをしている。「どうやって、インストラクターの職を見つけるの?」と聞いたら、ある都市につくと、すぐにサルサが踊れる店に行くのだそう。彼は卓越した踊り手なので、おまけにヨーロッパ人だから目立つので、かならず声をかけられて、個人で、あるいはダンス教室で教えてくれないか、と頼まれるのだそう。そんなこと、ぜんぜん知らなかった。「ヨーロッパ人はアジアではやはり有利なのだ」と彼は言っていた。もうすぐ、この弟インストラクターはアジアに出かけるらしい。もしかして、日本のどこかの町で教えることもあるかも。以前に日本に行ったときには広島や神戸で教えたそうな。
2018/01/16
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Freiburg,Konviktstrasse posted by (C)solar08フライブルク市の中心部にある歩行者ゾーンの東端に、コンヴィクト通りという小さなブティック街があります。南北にたった三百メートルくらいつづく短い道ですから、通りというより横丁と呼ぶ方がぴったり。ここももちろん歩行者天国で、バスもトラムも通りません。ウインドショッピングや散歩をする人ばかり。この地区は百年余り前、フライブルクに建築ブームがおこったときに、職人さんが住んだいわゆる下町だそうです。私がフライブルクに住み始めたころには、馬車の車輪が塀に飾られた家など、当時をしのばせる古い家がまだいくつか残っていました。こうした古い時代の町並みを保存しつつ、老朽化した建物を改造して、この一画を新たにしようと、町の再開発計画が二十年ぐらい前に始まりました。市がいったん建物を買い上げて、建物の改修に投資したい人々に売ったのです。売るときの条件がおもしろいです。まず、外壁や屋根の形はそのまま残して古い町並みを保つこと。つまりモダンすぎる建物への改造はご法度。一方では、隣り合う建物は、同じ建設会社や建築家にデザインをさせてはならない。これは、町並みが画一化するのをふせぐため。伝統的な町並みという共通したベースは保ちながらも、それぞれの家が個性を発揮するように、という配慮からです。こうして再開発された結果が、上の写真のような横丁。通りの上にかかっている植物は藤です。市の音頭で植えられ、それぞれの店が手入れをしているそうです。春にはきれいな藤の花のアーチが楽しめます。通りには個性的なデザイナーの服を売る店、いかにもセレブなブランド物の店、ジュエリーの店、アンティークショップなどが並んでいます。石畳(ハイヒールには向きません)にコツコツと音をたてて、馬車が走ってきてもおかしくないような、ノスタルジックな雰囲気があるところがステキ。昨日は、日本からいらした視察客の方々といっしょに、この通りにあるカフェで、店の前にならべられたテーブルで、コーヒーを飲みました。「ここは静かですねー」「落ち着きますねー」「ここでトイレ休憩してよかった」という感想をいただきました。この通りと並行して、歩行者ゾーンを取り囲む環状道路があるのに、そこを走る車の音はまったく聞こえません。その秘密は、この通りと環状道路との間にある四、五階建てパーキングハウス。ハウスの分厚いコンクリート壁が防音の働きをしてくれるのです。「静かなだけじゃなくて、空気もいい。ガソリンの臭いがしないから、コーヒーを楽しめますよ。東京のオープンカフェは空気がくさくて」と一人のお客さんがおっしゃいました。私はこれまでそんなこと、ちっとも気付きませんでした。表参道のオープンカフェも好きなのですが、ガソリンの臭いを意識しなかったのは鈍感な証拠。コンヴィクト通りでの、お気に入りはレザー製の服の店。ここで売られるブルゾンやジャケットには二つとして同じものはありません。オーナーがレザーを買い入れ、オーナーの奥様がデザインして、近くの工房で縫われるのだそうです。デザインはシンプルシックあり、斬新なものありと、いろいろです。以前、ショウウインドウですっきりしたデザインのジャケットを見つけました。手触りはシープスキンのようになめらか。でも、これは牛カーフなのだそうです。なめし方でこんなになめらかになるのだとか。試着してみたら、案の定、袖が長すぎ、背幅もちょっと大きめ。ドイツでいつも経験することです(足だけじゃなくて、腕も短いから)。そうしたら、オーナーが「すべて無料で直させます」と言ってくれ、オーダー服のように体にフィットするジャケットを、ふつうの値段で買うことができました。友人たちからも、「大量生産のものとの質のちがいが一目でわかる」とほめられます。オーナーは「いいものを見せてあげる」と言って、工房に私を招き入れると、漆黒のビロードのような「生地」を棚から出しました。そっと触れると、絹のビロードのようです。「これはスエード、世界で一番美しい黒のスエードだよ。これだけ薄ければ、ドレスができる。どこ製だと思う?」「?」「日本、日本。こんな黒より黒いスエードをつくれるのは日本のメーカーしかないの」「知らなかったー!」「でもね、直接日本から買うことはできないんだ。100m単位じゃなくちゃ売ってくれない。十メートルだけ買いたいなんて言ったら、けんもほろろに扱われちゃう。卸業者を通して買うしかない」残念ながら、この世界一美しい黒のスエードをなめす日本の会社の名前は聞きだすことができませんでした。このスエードがきっかけなのか、オーナーと奥様はいつか日本に旅行したいのだそうです。「夢で終わっちゃうかなあ。日本語ができないと、迷子になってしまうようで、出かける勇気がないんだ」「そんなー、駅名は全部ローマ字で書いてあるから大丈夫。あとは英語をゆーっくり話せば、なんとか通じるわよ。円安のうちに行ってらっしゃいよ」「そうかなあ」オーナーたちが早く決断しないうちに、円は高くなってしまいました。このブティックは、シュヴァーベン門(Schwabentor)の側からコンヴィクト通りを入って、右側三軒目(いいかげんですまん!)ぐらいの店です。レザーの店は市内にたくさんありますが、質とデザインでこの店以上のはないと思っています。フライブルクにお出かけのときは、たとえ何も買わなくても、ぜひコンヴィクト通りをブラブラしてみてください。
2008/11/13
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クロワッサン posted by (C)solar08仕事のネタ探しでウロウロしているうちに、月日はどんどんたってしまいます。つまりは暇なんだね。暇だとついついパンのことを考えてしまいます。お若い方々(日本の女性たち、すごい)がバゲットでもクロワッサンでもどんどん上達しているというのに、いまだに同じところでとどまっている自分が情けない。とくにいまだにわからないのがクロワッサン。「失敗から学ぶレシピ」とか「おいしいクロワッサンができました」などというタイトルにひかれて、同じレシピで同じように焼いたつもりでも、うまくいきません。外見はそれなりのクロワッサンにはなっても、中を開ければ、つまりは切ってみれば、断面に現れるのは、期待していたような蜂の巣状の内層ではなくて、中心が詰まっていて、生っぽい層。ごまさばさんというブロガーさんがこれを「生八橋」のようと表現なさっています。この方のブログはユーモアいっぱいでとても面白いのですが、この表現にはほとほと感心しました。私もこの生焼けのような内層をどう言葉で表せるか、まごまごしていたんですが、生八橋とは言いえて妙!なぜレシピどおりにしているのにこうなってしまうのか。お裁縫だと、自分の不器用さがすぐに目の前に結果として出る(型紙どおりに布を切れない、印どおりにミシンで縫えない、編み物すればバケツみたいなソックスになるなどなど)から、納得できるのよね。料理なら、まあレシピに正確にしたがえば、それなりにできるでしょう?でも、パンという代物は酵母とかイーストという生き物が相手だから、温度や湿度、グルテンの調子などなど、うまくいくかいかないかを決める要因がたくさんありすぎて、どこが悪いのかを突き止めにくいんですね。つくれぼとかドイツの料理ブログを見ると、みなさん「おいしいクロワッサンが焼けた」と書いていますが、たいていは内層の写真がないので、本当にうまく焼けたのかとか、焼けない原因の突き止めにはあまり役にたちません。そりゃね、私の生八橋クロワッサンだって、焼けたてはフワフワしていておいしいわよ。バターが60パーセントも入ってるんだから、おいしくないわけがない。でも、時間がたってから、たとえば翌日にもおいしいかどうかで決定的になるのは、「生八橋」か「蜂の巣状」かの違いなのではないかと思うのです。色々なレシピで試してもうまく行かなかったので、生八橋になる原因は、バター折込の技術や温度でしかない、つまり折り込みのときにバターと生地がなじみすぎるに違いないとは思っています。ドイツのスーパーで売られている発酵バターの多くは、どういう加工がしてあるのかわかりませんが、冷蔵庫から取り出したてでも柔らかいので、知人が酪農農家から直接買っている、自家製のバターを使ってみました。混ぜ物ゼロです。農家の自家製バター posted by (C)solar08ほら、きれいでしょう?500gで3・50ユーロ、400円ぐらいです(市販のより20円ぐらい高いだけ)。今回は卵を入れず、粉300g、砂糖30g、牛乳+水160g、塩6g、粉イースト5g、混ぜ込みようバター14gをこねて(こねてはいけないと書いてあるレシピと、数分こねると書いてあるレシピがあって、ここでも迷います)、冷蔵庫で一晩ねかせて一次発酵しました。キッチンの暖房を前もって切って、涼しくしたつもりですが、室温は20度。石の家は冷えにくいんだ。200gのバターでシートを作って冷やしたものを生地に包み、伸ばしては三つ折りにしを三回くりかえします。まじめに、毎回、折り込みのたびに冷蔵庫で一時間ねかせました。折込では、Vivianさんのレシピどおりに、薄く延ばしましたよ。55cmx30cm成形前は55cmx20cm成形後のホイロももむずかしいです。暖かくしすぎると折込バターが融けるので、今度は暖房を入れて部屋全体をほんわり22度ぐらいにしようとしましたが、そうすぐに室温は反応しないですから。それに一回り大きくなるまでホイロ、といってもね。みきわめがむずかしいの。二時間近く発酵させて、我慢できなくなって焼きました。バターが流れ出ないようにオーヴンを300度に予熱して、生地を入れてから250度に下げて焼きましたが、やっぱり最初はバターが流れ出ました。ここでもう、今回も失敗とわかります。バターが流れ出ると、焼きあがったクロワッサンが油っぽくなって、おいしくないし、内層は「生八橋」のように固まるのです。温度を190度に下げて、全体として18分ぐらい焼いたクロワッサンの内層はクロワッサンの内層 posted by (C)solar08やっぱりなあ、の結果でした。なんで、どこがまちがっているのか、謎や疑問は消えません。これも職人仕事と同じく、数をこなして、いろいろ試すほかないと、心の内ではわかっているけれど、手っ取り早く原因を知りたいのよね。次は室温15度ぐらいにとどめてある居間(ふだん使わない)に移動して生地を伸ばそうかしら。でも、これでダメだったときの自分の落胆が怖い!いや、こんなことに悩んでないで、仕事のことで悩むべきなんですけど、これが解決しないことには、仕事に進めない。というのは自分への言い訳です。
2011/01/15
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どうせうまく焼けないから、もう焼くのはやめようと思っていたバゲット。仕事から気をそらせたいという「意識下の願望」が働いて、ついにまた挑んでしまったのが運のつき。今の願いはクープよりも、気泡。いつもそうなってしまう、クラムがムチムチで目のつまったバゲットは飽きた。クープがだめなら、せめて気泡だけでも、ぽっかり開いたバゲットになってほしい。それなら、みなさんがおっしゃるように、水分を増やしてみよう。そういう甘い考えで、300gの粉(フランスのT65しか手に入りません、ドイツでは)に対して水分70パーセント、つまり210gを入れました。いやいやべたつくこと。前に一度、ドイツの550で焼いたときはこれほどまでべたつきませんでした。65は粉自体の水分が多いのかもしれません。どうにかこうにか成形して、今回はバゲット型には入れず(これが失敗の原因)、分厚い布で畝をつくって、粉をはたいて、並べました。ここまではOK.。しっかり膨らんできました。20度ぐらいで一時間余り。オーブンが250度(バゲットを焼くときは、例のスチームコンビオーブンは熱風が強くて焦げるので使わず、19年前からあるビルトインの古典的な大型オーブンを使っています)になったところで、いよいよクープ。新しいかみそりで、入れようとしましたが、引きつるもなにも、生地がやわらかすぎて、切れない。顔と手を引きつらせながら、生地を引きつらせ。クープとは言えない「筋」をやっと入れました。ここまでは、まだオーケー。園芸用の大きなスプレー器で水をオーブンにスプレーし(これは強力、蒸気入れが簡単)、いよいよ細長いスパチェラで生地をオーブン内で予熱した天板に移そうとしました。でも、でも、生地の畝を広げたとたんに、生地がデレーっと横に広がったのです。とっても品の悪いたとえですが、コルセットで無理やり押さえていたお腹のたるみが、コルセットをとったとたんにデレッと広がるのに似ていなくもなくて・・・。おまけに、パンの生地が布の生地にくっついている部分があり、スパチェラにうまく乗ってくれません。もうだめ!かといって手で移すことも、クッキングペーパーに乗せることも無理。クープを入れたことで、生地が一挙に伸びたのです。これは水の入れすぎ?それとも過発酵(一時間だけですが)?どなたか教えてくださいませんか??あきらめかけたけれど、せっかくエネルギー使って熱くしたオーブンがもったいなくて、気をとりなおして、無理やりスパチェラに手でのせて、オーブンにまさに放り込みました。一本目はグニャっと曲がって、L字型に!二本目は、オーブンの端に斜めにすべりこんでいきました。まあ、形はなんにしろ、焼けたことは確か。230度、210度、合わせて25分。できあがったのは、バゲットというよりはチャバッタですな。あまりに恥ずかしいので、さすがに全体像は撮りませんでした。まあ、自分の不器用さはすでに白状しましたから、気取ってもしょうがないけれどね、最低限の慎みはまだあるので。半分に切った状態は下の写真。バゲットがチャバッタになった posted by (C)solar08でも、「怪我の功名」(っていう格言ありましたよね?)今回、はじめて気泡ができたのでーす。でも、この気泡のために払った代償は大きかった!こういう気泡ははじめて posted by (C)solar08味も焼きたてのときは、これまでのバゲットでは最高でしたよ。ということは、水分70%のデレデレ生地は正解なのでしょうか?これだけ水分を入れないと、気泡は開いてくれないっていうこと?いずれにしろ、まさに「焼け食い」で、一本の半分をたいらげてしまいました。バターだけでもおいしくて。そうそう、ネットでおもしろい記事(英語ですが、書いた人、ハンドル名theinversecookさんはドイツ人らしい)に出会いました。http://theinversecook.wordpress.com/2007/08/20/the-salt-yeast-method-and-demi-baguettes/彼女が、ドイツのネットで見つけた方法。イーストと塩を塩の十倍の水と混ぜて、23度以下で4時間から48時間置いてから、粉と混ぜるんだそうです。これを紹介した元のドイツ人(パンが趣味の男性らしい。einervonuns というハンドル名でwww.chefkoch.deでいろいろなパンを紹介しています)は、ドイツの粉で水分72%でつくって、気泡だらけのバゲットをつくったそうです(上の記事の断面の写真はそれの転載)。さらに、別のドイツ人はこれをフランスのT65でつくったら、クラムがキラキラ輝き、やはり気泡が入ったと紹介しています。今度はこの方法に挑戦しようかしら。今回のようなピンチを経験したあとでは、もう何も恐くないわよ。なんでもやっちゃろうじゃないか!
2009/06/05
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十年近く前から、毎週、継ぎ続け、毎週焼き続けているライ麦サワー種。混ぜるたびに、「ぬかみそに香りがそっくりだよな」と思っていた。ぬかみそについて読んでみたら、やっぱり案の定、ライ麦サワー種で働いている菌も、ぬかみそで活躍する菌も、乳酸菌なんだな。そんなら、ライ麦サワー種でも漬け物ができるはず。米ぬかはこちらでは手に入らないので、ライ麦サワーでできるのなら、うれしい。それで、物は試し、ライ麦サワーの元種を大さじ3杯分ぐらい取り出して、いつも継ぐときのように、ライ麦(全粒のあらびき)と水を足して、混ぜて一晩おいた。塩をまずは入れなかったので、発酵が急速に進んで、もう乳酸菌の香りがいっぱい。これに塩をどっと入れて(入れすぎた)、ためしにキュウリとダイコンのしっぽを入れておいた。日中、30℃という暑さのせいで、半日でキュウリはまるで古漬けのようにつかった。しょっぱーい。明らかに塩の入れ過ぎ。水で塩抜きをしたら、ちゃんと漬け物として食べられた。糠どこには、ライ麦全粒のあらびきを足して、塩は足さず、またまたキュウリを入れて、今回は冷蔵庫に一晩。言われなかったら、違いがわからないほど、ぬかみそ漬けにそっくりな漬け物ができた。サワー種がすでに「育っていた」(発酵していた)おかげで、すぐに漬けることができたのがラッキー。でもねえ、漬け物がを毎日食べるほどは、米を食べないので、糠どこの保存がむずかしそう。
2017/08/27
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イースター休暇で来た娘が教えてくれた。ココナッツオイルとシアバターと重曹を成分にしたデオドラントを買った人がいて、ちょっぴりだけ(高いからちょっぴりだけ)試させてもらったら、とても効くのだとか。「材料があれば、作れるよね」とつぶやいた娘の一言が忘れられなくて、さっそく検索したら、いくつものレシピがあった。さっそく、オーガニックショップでシーアバターとココナッツオイルを買ってきた。レシピはとても簡単、シーアバター、ココナッツオイル、重曹、コーンスターチ(固めにするための成分)を各大さじ3杯、準備して、湯煎でやわらかくしながら、よく混ぜるだけ。好みでこれにアロマオイルを加える。ココナッツオイルと重曹が殺菌効果をもつので、デオドラントに向いていると、解説には書かれていた。市販のふつうのデオドラントとくらべても、効果は劣らなかったと書いている人もいた。従来の市販のデオドラントスプレーなどには、アルミニウム塩が含まれていて、その安全性が懸念されている。近ごろではアルミフリーを宣言した商品が多くはなったけれど、強い効果を期待するなら、アルミニウム塩が30パーセントも含まれる商品を使うしかないそうな。この成分が発汗を抑えるんだって。アルミニウム塩成分が大きい商品だと、効果は24時間以上も続くのだそうな、、、。なんだか不健康そう。ダンスをするとすぐに汗をかくので、デオドラントは欠かせない。個人レッスンの先生(娘よりも若いお兄さん)と肌をつけて踊るときには、とくに気を遣う。このお兄さんも、この点には気をつけているらしくて、まだ一度も臭ったことがない。毎時間、ちがった女性と踊るわけだから、大変だろうな(なんて、わたしが心配することではないけど)。ココナッツオイルのデオが効きますように。
2018/04/07
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自家製柴漬け posted by (C)solar08もう夏が終わりそう。今年の夏は何もしなかった。ベルリンに行ったのと、2週間ぐらい続けてBFのフランスの田舎家にいって、両足と両脚をダニに刺されまくっただけ。それでも、広い庭の土の地面を歩き回るというのは体に良いみたいだ。フランスに行っている間は首の凝りも少なくて、腰もいたまなかった。家に戻ってパソコンの前にすわったとたんに、首の両側が痛み、10年以上前の50肩も再発しそう。家の中をちょっとウロウロしたり、町中のアスファルトの道路を1時間ぐらい歩き回る程度では、運動が足りないし、コンクリートやアスファルトの地面を歩くのは不自然なのかもしれない。今年は去年のようなプルーンや杏の梅干しも、プルーンの梅酒風も作らなかった。梅干しがすっかりまだ残っているから(それはそうだよな。米を食べる機会があまりないのだから)。ベランダの紫蘇(プランターに落ちた昨年の紫蘇の実から自生)は、いまや赤しそと青じその間みたいな色になってしまったが、それでももったいないので、収穫してゆかりだけを作った。収穫したのに、まだまだ葉が生えてきたので、柴漬けのようなものを作った。こちらのナスは米ナスみたいにでっかくて、皮が固い。だから皮をむいてから切って、塩水につけて灰汁抜き。キュウリもでっかくて長い。ナス、キュウリ、ショウガ(ミョウガはまだ咲かないのでなし)を塩と混ぜて、酢を足して、重しをして三日間。レシピどおりに発酵して、泡がたってきた。水をすて、野菜を搾ってから、酢とみりんと混ぜて、ビンに入れてできあがり。でもね、今回はちょっと塩辛くなってしまった。前回は塩少なめで混ぜて数時間だけ漬け、水気をしぼって酢とみりんと混ぜた。こちらの方が食べやすい。いずれにしろ、おいしいわ。自分で作った柴漬けの方が買ったものよりも、おいしいような気がする。
2016/09/01
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シンプルなテーブルセッティング posted by (C)solar08シュテッヘルさん夫婦のダイニングルームハンスアルベルト・シュテッヘルさんは、フライブルクやバーデン地方では「有名人」です。本業は弁護士なのですが、バーデン新聞に男性でも作れる料理や菓子のレシピを紹介したり、イベントで料理を実演したり、料理の本を出版したりして、ファンがたくさんいます。妻のレナーテさんも有名。本業は大学の学生部ですが、共著者といっしょに「フライブルク推理小説」のシリーズを書いて、成功しています。シュテッヘル夫妻が住むアパルトマンのある家には、私の旧友の一人も住んでいる関係で、かなり昔にシュテッヘル夫妻と知り合いました。10年ぐらい前に、ひょんなことから、シュテッヘル夫妻やこの旧友たちを我が家に招待して、日本のごくふつうの家庭料理を紹介して、みんなでいっしょに作り、食べたことがあります。作ったのは、ごま和え、鶏の唐揚げ、煮込みとか八宝菜などの簡単なものばかりです。その時、彼らが言った感想は「こんなに砂糖を入れるとは」でした。この時の「お礼」として、今度はシュテッヘルさんが私を彼のキッチンに招待してくれ、ドイツ料理をいっしょに作ることになっていたのですが、10年たってやっとその約束が実現しました。丸鶏をさばくシュテッヘルさん posted by (C)solar08献立は、スープ、サラダ、コック・オ・ヴァン(鶏の赤ワイン煮)ならぬコック・オ・リースリング(白ワインのリースリングで煮た鶏)、付け合わせはシュヴァーベン地方(南ドイツ、シュトゥットガルトを囲む地域)の名物、シュペッツレです。6時半にうかがって、みんなでがやがや喋りながら、エシャロットを刻んだり、シュペッツレ用の生地をこねたり。シュペッツレというのはいわばすいとんのような手作りヌードル、粉、卵、水のかなり流動的な生地をこねにこねて、空気を入れこみます。シュペッツェルの生地をこねる posted by (C)solar08シュテッヘルさんは、さばいた丸鶏2羽の表面をバターで焼きます。レ・クルゼの鍋でエシャロットをオリーヴ油、バターで炒めてから、リースリングワイン750ml、鶏ガラスープなどを入れて煮立て、鶏肉を加えてゆっくり煮込みます。鶏を煮ている間に、食事の開始。スープ(コンソメのクリアスープに、細切りにしたクレープを入れたもの)、季節のマーシュのサラダをいただきました。いいことを教わりました。コンソメスープにナッツメッグを少々削り入れると、すばらしい味になるのです。これらの前菜が終わってから、みんなでシュペッツレ作りに挑戦。これがむずかしいの。ドロドロの生地を少しずつ、専用の板(先が薄くなっている)に薄くのばしつけ、煮立った湯に板の先をつけて、専用の金属へら(スケッパーに似ている)で、生地を手早く、ひっかくようにして、ほそーくそぎ入れていくのです。沸騰した湯にシュペッツェル生地をそぎ入れるレナーテの手 posted by (C)solar08レナーテさんの手さばきは慣れたもの。見えないほどのスピード(1秒に2往復ぐらい)で、見えないほど細い生地が湯の中に入っていきます。私がすると、恐る恐る生地をそぐ私の手 posted by (C)solar08おっかなびっくり、ゆっくりひっかうと、一度にたくさんの生地が流れて、すいとんのような太いヌードルになってしまいます。お客さんも挑戦 posted by (C)solar08料理は苦手そうなお客の一人(建築家)も挑戦。太さが様々なシュペッツレができあがりました。生地は一度に全部茹でるのではなくて、各自が入れた分だけ、毎回2、3分茹で、網ですくいあげます。ゆであがったシュペッツェル posted by (C)solar08すべてゆで上がったら、フライパンでバターをからめるようにして、ざっと炒めます。みんながシュペッツレで騒いでいる間に、シュテッヘルさんは鶏肉をとりだしてオーヴンで保温し、ソースに生クリームを加えて少々煮詰めます。前菜を食べてから1時間たって、やっと主菜の出来上がり。コック・オ・リースリングとシュペッツェル posted by (C)solar08上等のリースリングが利いたソースをシュペッツレにからめると、それだけでおいしい。柔らかく煮えた鶏のモモも最高。ここまでで、時計はすでに10を過ぎていました。「デザートに焼きリンゴはどう?」というシュテッヘルさんの提案に、私はもちろん手を挙げました。お客さんたちが芯をとったリンゴに、シュテッヘルさんは、ジャム、マジパン、チョコレートを詰めたリンゴ posted by (C)solar08市販のマジパンの小片、チョコレート、ベリーのジャム、マルメロのジュレを詰めました。バターもシナモンも入れない焼きリンゴは私には初めて。リンゴが焼けるまでまたおしゃべり。11時すぎて、やっとできあがり。焼きリンゴにアイスクリームをのせて posted by (C)solar08チョコレートの甘みとリンゴの酸っぱさの組み合わせ。私にはなじめない味でしたが、こういう方法もあるというのは興味深いです。そのあと、エスプレッソもいただいて、「ごちそうさま、お休みなさい」とシュテッヘル夫妻においとまを告げたのは、夜中の12時すぎでした。こうやって、料理を次々と続けていただくのではなくて、間をおいていただくのも悪くないな、みんなで参加型のごちそうも悪くないなっと思いました。なによりの収穫は、やっぱりシュペッツレの実習でした。今までは乾麺シュペッツレを買ってましたから。左から二番目レナーテ、右から二番目シュテッヘルさん posted by (C)solar08
2011/12/17
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