2002年02月15日
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テーマ: 中国旅行記(62)
カテゴリ: カテゴリ未分類
昼1時半から農業局が管理している柑橘園芸場の視察に出かける。車に乗って北東に20分くらい走った山の中にあった。3階建ての建物があり、農場を管理している家族がそこで生活している。藍副場長、生産部長に会い、農場の見学と栽培上の問題点を質問する。農場には温州ミカンもたくさん栽培されていたが、木が立ち上がって密植栽培だった。また樹勢の弱った木も多く見かけた。この地方のポンカンは黄龍病にかかっているものが多いのだそうだ。私にはトリステザ・ウイルスの一種のように思えたが、趙さんは黄龍病の対策についていろいろ研究をしているそうで、ウイルス説は否定した。

去年のみかんが安かったので生産意欲が低下しているとのことで管理の不十分な園も見受けられた。園内にはトラックが通れるくらいの幹線道路がつけられている。また、防除に何を使うのかと質問したところ、倉庫に保管してある10馬力位のジーゼルエンジン付き動力噴霧器を見せてくれた。さすがに政府のモデル農場だけあって、ハード面では日本と遜色がないようだ。道路の脇には生ゴミが盛り上げられて、異常な臭気を発していた。都市の生ゴミを選別して有機物として園内に入れているという。しかし、ビニールやらプラスチック、金属までごちゃごちゃに混じっているゴミを園内に入れるのは環境汚染が心配だとも説明してくれた。

農場の面積は全部で20ha。オレンジが主品種で、雪柑(地元のオレンジ)やポンカン、温州みかんもある。それを13人で分けて耕作しているそうだ。一人200株~3000株と規模はまちまち。請負期間は最近ようやく15年間になったが、その前はもっと短期で園を交換していたそうだ。そのために土地に有機物を入れ始めたのはようやく最近になってからのことらしい。一生懸命に土を肥やして、やっと良い畑になったら交換しなければならないのでは誰だって土地に投資はしないだろう。「土地は国のもの」という制度には思わぬ弱点があることを発見した。

ここ数年間はミカンの価格低迷の影響で生産意欲をなくした農家が出ているそうだ。園芸場の去年の生産量は200t。反収は1tと極端に少ない。藍副所長は労力2人で雪柑と温州みかんの半分以上を作っているそうだ。栽培は1本の木当たり肥料何グラム、農薬何リットルと決めるようで、日本とは管理の単位が違っている(日本では10アール単位で計算する)。

ミカンの花の満開日は4月5日だそうで、日本より1ヶ月以上早い。もう花の蕾が見えている木もあった。ミカンの収穫は早生品種で10月中旬から11月。品種は宮川早生と興津早生が混ざっていて、宮本、市文もあるそうだ。ミカンの糖度は可容性固形物が10~11%だというので、どんな肥料を使っているのかと聞くと、成分比率N-P-K=10:6:8のものを年間チッソ成分で0.6㎏/1樹の量でやるそうだ。ざっと計算しても日本に比べて3倍から5倍の多肥栽培。ポンカンなら問題ないだろうが、これではミカンの品質は悪いだろう。






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最終更新日  2002年02月15日 23時42分35秒
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