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かにゃかにゃバーバさん
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himekyonさんコメント新着
昨日は精神的に疲れた。ここ3ヶ月ほど殆ど治療を拒否している患者様宅への訪問。2週間前の記録を見ると、「首をつって死にたい」との発言があったとある。自分も希死念慮が続いたことがあるのでどんな風に接したらよいか自転車を漕ぎながら考えた。考えても良いアイディァはない。
60台後半の男性。要介護1。糖尿病のためインシュリンをご自分で打っているはずだが去年の暮頃よりインシュリンの減りが少なくなっていた。血糖値は300~500と非常に高い。腰痛もあり30分とは座っていられず寝たり起きたりの生活。その上高血糖のため頻尿も続いている。頭痛は消炎鎮痛剤を服用しても効果が無い。週3回ディサービスで入浴しているので体の清潔は保たれている。1Kのアパートで一人暮らし。肉親との交流は全く無い。糖尿病の合併症で脳梗塞になり、退職をせざるを得なかったという。
この方の状態や生活状況を考えると、もし自分だったらどんな風に生きられるだろうかと思う。確かな答えは無い。家具は電動ベッドで和式のテーブルにテレビ。テーブルの上にはインシュリンの針が数か月分残っている。インシュリンを打っていないのは確か。暖房がついているのに何か寒々しいものを感じる。
本人にはもう闘病意欲といったものは無いようにも思える。幸い朝の薬は何とか飲めているので血圧は安定している。訪問看護の仕事は病状観察と内服薬のセット。30分間の仕事なのであっという間に時間が過ぎる。
高血糖が続いているので、血糖コントロールや頭痛の精密検査のため再入院が決まった。本人は「血糖が落ち着いて、リハビリをして歩けるようになりたい。歩けなくなったらもうおしまいだ」と仰る。まだ、医療に何かしらの期待を持っておられることがわかって少し安心した。思い切って、「何かしてほしいことはあるますか」と尋ねてみると「首を絞めてほしい」と真剣に答えられる。思わず、「それだけは勘弁してほしいです。いくらお金を積んでいただいてもそれだけはできないですよ」と答えると、どういうわけが本人は笑い出して「変なことを言ってごめんね」という。
笑いを誘うために尋ねたわけではないが、ご本人が追い詰められている状況が分かり、この方にはもっと違うサービスの内容が必要かもしれないかとも思った。でも笑顔を見られ少しほっとした。ユーモアのセンスがほしいとこんなとき思う。一時でも楽しい会話ができゆったりとした気分になってもらえる力がほしい。
来週はもう入院なのでしばらくこの方の訪問は無いが、なんとなく気分がブルーになってしまった。若い職員はこの方のところに行く意味は無い、とまで言い切る。自分にはそうは思えない。もっと別のアプローチがあるように思うが、その答えは無い。今まで何を勉強してきたんだか、とちょっと自嘲的になる。
坂をあがりきったところに「ちくばの野菜」のお店がある。何かほかの事をしないと気分転換できないような気がして、その店に入ってみる。ワックスがかかっていない伊予柑が4個、300円。同僚の分も買ってお店の方とちょっと会話して気分が少し変わった。事務所に帰りみんなに伊予柑を配り自分も食べる。さわやかな柑橘類の香りで少し気分が変わる。
このまま元気に連休を過ごせると思っていたが、今朝目が覚めてみると体が重い。今日は休養するしかないと観念する。一日寝たり起きたりして夕方になってやっと元気になる。レメロンを飲み始めてついいつもより根をつめたのかもしれない。今日一日の休養で明日は元気に過ごせますように。