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立石 敬之

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2006/04/04
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カテゴリ: カテゴリ未分類
現在、私の所属しているヘラス・ヴェローナは103年(1903年)の歴史を持ち、イタリアの中でも熱狂的なサポーターを持つクラブとして知られており、1984-85シーズンに
一度スクデットも獲得している。その後、セリエAの中位に位置しながら多くのスター選手をビッグクラブに送り込んできた。ジラルディーノ(パルマ→ミラン)、オッド(ラツィオ)、カモラネージ(ユーべ)、ムトゥ(ユーべ)トンマージ(ローマ)など、常勝という名のプレッシャーからは無縁の環境でのびのびとプレーし、その才能を伸ばすことに成功してきた。また、近年ではブランデッリなどの優秀な監督も輩出している。
 しかし、セリエB降格してからのここ数年は経営不振から完全にセリエBの中堅クラブとなっている。そういった状況の中、昨年就任したアレナトーレ(監督)マッシモ・フィカデンテは、若手選手を鍛え上げセリエA昇格まであと1ポイントというところまでこのチームを引き上げた。しかしながら、今季のシーズン前のマーケットにおいても資金確保のため主力4名をセリエAに放出せざるをえなかった。そんな中、開幕した今シーズンはさらに若返った選手達を、38歳の青年監督はさらに鍛え上げ現在22チーム中10位につけている。ボローニャ、アタランタ、ブレッシア、トリノなどが所属するセリエBは容易ではなく、上位の5、6チームはスペイン、イングランド以外の国なら間違いなく1部の中位クラスの力を持っている。
 とここまで説明したところで、そんなクラブ内での私の役割はまず当然であるがトレーニング中の監督のサポート。練習メニューは全て監督が決めるので、そのトレーニングが効果的に行われるように細かい部分をサポートしていく。2つ目にはゲーム分析。自チームの分析(反省/課題)は監督が行うが、それを選手に説明する際により解りやすくするために映像や図を編集する担当。また、先週からは次節の対戦相手の事前のゲーム分析を担当するようになった。3つ目は空いた時間を使って、セリエA、B、C1やC2、またはプリマヴェーラ(ユース)の試合を見に行く。つまりスカウト活動で来期の準備である。勿論、テクニカルディレクターが他にいるので決定権はないが情報を集めリストを作るまでを行う。すでに、イタリアに来て3ヶ月が過ぎようとしているが徐々に仕事にも慣れ自分のペースで仕事ができるようになって来た。
 さて、イタリアのサッカーと聞いて直ぐに日本のサッカーファンなら思いつくイメージはやはり「カテナチオ」だろう。では現実はどうかというと「Si/はい」となる。これはあくまでも私の見解であるが、イタリア人はかなりの負けず嫌いだ。とにかく負けることを嫌う。それは、普段の会話の中でも生活の中からも感じられる。つまり優位に立ちたいというより「やられたくない」というほうが強いように感じられる。私のクラブのコーチ陣も他クラブの友人のコーチも必ず揃えたかのように口にするのは「しっかりとした守備はよい攻撃を生む」、「リーグ戦は失点の少ないほうが上にいける」など何だか中学時代にコーチから言われたような言葉が出てくる。また、リーグのほとんどのクラブがオーソドックスな4-4-2を使い選手の質と層で相手クラブに差をつける。戦術的な部分においても全てがまったく同じではないが大きく決定的な違いもない。
ここまで言うと何だかイタリアのサッカーがすでに遅れてしまったつまらないリーグのように伝わってしまったかもしれないが、逆に最も効率的で最もシンプルな戦い方をするチームが多いリーグともいえる。もし「勝点3」を取ることがサッカーの真髄だと考える人ならこれほど参考になるリーグは他にないだろう。たしかに、応援しているクラブが負けるのは観たくない。できればいつも勝ってもらいたい。でも観ていて楽しいサッカーもして欲しい。と、サポーターの心理は複雑だ。また、実際に指揮を取る監督にしても、リスクを犯しても攻撃的に行きノンタイトルでも2部に降格しても見ていて楽しいサッカーを追及するか、つまらなくても必ずタイトルが欲しい、あるいは降格したくないなどの心理に対し忠実に自分の「任務」を全うするか。そうではなく、両方共存させればいいじゃないかという人もいるだろう。勿論、楽しく勝つことは全てのクラブ、監督の理想だがこの現実と理想の間で今までいったい何人監督がそしてクラブがもがき苦しんだかわからない。
そこにまた、クラブの予算規模や選手の質などといった複雑な要素が絡み合う。
この答えをいかにもシンプルにイタリアという国は解いていく。「負けたくない」「勝点3が全て」そして、それを成せる者を最大限にリスペクトする。これは偶然かもしれないが人材的(ポジション)にもイタリアはストライカーとゴールキーパーそしてセンターバックに常に恵まれてきた。ここ最近こそ若手のセンターバックの不足が危惧されているが、それでも可能性を秘めた選手は多く今後次第であろう。つまり何が言いたいかというと、安定感抜群のGK、強い鉄壁のセンターバックそして決定力のあるストライカー、これがイタリア的なサッカーをするための条件であることは間違いない。
 ここまで「イタリア的」という言葉を多く使ってきたが、近代サッカー界においてもはや戦術的なあるいはスタイルといった部類の住み分けは存在しなくなってきた。現にチェルシーだってしっかりした守備から速攻を仕掛けるし、他にもそんなチームは数え切れないほど存在する。しかし、私が驚いているのは、ここイタリアではセリエAは勿論、セリエBでも、セリエC1、C2でも同じように戦う。まるでコピーを観ているようにきっちりとシステムを確立し、(フォーメーションは4-4-2、4-3-1-2、4-2-3-1)戦っている。勿論選手の質は落ちるが・・・

この先どんなにサッカーが進化し戦術が複雑化されたとしても、この国は「サッカーの(試合で勝つための)本質は何も変らないよ」と頑固に言い放ってみせるだろう。





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Last updated  2006/04/05 01:02:21 AM
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イタリア仕込み  
ゆず さん
そのうち、イタリアレストランに修行した
シェフのようなサッカーコーチが日本に
溢れてくるんでしょうね。その魁としての
楽しい話期待しています。頑張ってください。 (2006/04/16 10:08:50 PM)

「勝ちたい」と「負けたくない」  
はじめまして。サッカーライターの清水と申します。

「引き分け」という選択肢が存在するサッカーでは、「勝ちたい」と「負けたくない」は似て非なるメンタリティーを持っていると思っています。

僕が住んでいるドイツのサッカーは、とにかく1vs1の競り合いで勝つことが求められます。しかしそのメンタリティーはイタリアとはやや違い、「勝ちたい」の方かなと個人的には感じます。
そして、人間心理のそんな深い所までゲームスタイルに現れてしまうサッカーの奥深さ、いつまで経っても驚かされるばかりです。

ところで素朴な疑問なのですが、イタリアに渡って3ヶ月ということで、言葉の不自由はないのですか? コーチならば、選手以上に言葉が大事になるでしょうし。その辺りいかがなのでしょうか? (2006/05/19 11:19:30 AM)

12年振りッス  
創価DF江沢 さん
スッゲー仕事してるんスね。思っていたとうりでした。とりあえず頑張ってください。 (2006/11/15 07:07:29 PM)

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