January 25, 2010
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カテゴリ: そのほか
日本語概説

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この本には現代に話されている日本語の一般について書かれています。

「声楽」、つまりクラシックの歌を学び始める初学者は、
最初にイタリア語で歌うことになります。
そこから、ドイツ語、ラテン語、フランス語、英語、スペイン語、、
と、何を目指すかによって個々、発展して行くことになるわけです。

その中でも専門家を目指す場合は何らかの「フィールドワーク」
を積み重ねて行く事によって日本の日常一般から離れた
外国語の音声の発音、発声を習得して行きます。

留学は「フィールドワーク」の最も重要で有効なあり方です。

日本に留まりながらどうやったらそれに匹敵する「フィールドワーク」が行えるか?
不可能を承知はしていましたが、その事を試行錯誤してきました。

その過程で何度か、ある視点の重要性を教えられました。
自分の現在地点をまず客観的に把握する必要があるということ。
特に日本に居ながらにして異国の音楽に取り組んで来た「専門家」
を謳う以上はこれをしていない限りは進んで行く方向を割り出せない。
という事です。

さて、日常的にも一般的にもこの国で「音楽」
と呼ばれるものが西洋音楽を基本とするもの、
と広く一般的に認識されているのが現状です。

しかし、「日本の一般」と「西洋音楽の一般」

でも決して融合出来る様な性質のものではありません。

それを果たすには「専門家」としてやって行くしかありません。
おそらく一生分の時間と労力をそこにかけたとしても、
「果たせる」ものでは無いかもしれません。

アイルランドに行って、アイルランドの人たちと会い、一緒に歌って、

踊るため、音楽するための楽器である事を実際に見て知りました。
彼らの一般の中にこそアイルランド音楽の楽器がありました。

ボリビアの子供たちと一緒に音楽を共有し、
彼らの土地や歴史や文化、そして言語の中に、
彼らの一般の中にこそ、スペインの伝統的な音楽を継承し、
フォルクローレを育んできた楽器がそこにある事を知りました。

また、ボリビアとアイルランドから日本を顧みて、
歴史の経緯や経済的豊かさがそれらの楽器を使いこなすための技術を
担い、育む為の糧であるということも教えられました。

また、ボリビアでは日系一世の人たちが大切にしてきた
二世や三世の人たちが忘れつつあるもの、
日本の伝統、ここで言う「楽器」の存在を逆に教えてもらいました。
また、日本の声楽家としての使命もこの南米で気付かされ、
課せられた、と考えています。
この過程で民族音楽研究の第一人者 Dr.Olsenさん
と行動を共に出来た事は大きな幸運でしたし、
その事により具体的で客観的な材料を多く示して貰えました。

そして、日本では何があるのか?
を、それらの体験の前後に模索する、
というフィールドワークも一応程度に行ってきました。


で、、話を戻しますと、
言語は歌にとっても音楽にとっても、最も重要な楽器です。
その我々日本が持つ最も一般的な楽器「日本語」。

イタリア語やドイツ語の発音記号は知っていても、
自国の言語の発音の種類や方法を知らない。。
最も使っている音声にも関わらず、
自分が何処にいるのか知らない。。
それで果たして専門家なのか?
それでは素人ではないのか?
という自問自答を繰り返し、
今日に至っています。

どの国の人でも一般の人たちは知らないですし、
知らなくてもちゃんと歌は歌えます。

でも、洋の東西をテーマに掲げる「専門家」
ならば是非とも先ずは自分の立ち位置を正確に把握する事につとめたいです。。

道に迷えば、現在地点をそこにある木の年輪から方位を読む様に、、。

『日本語概説』は専門家ならば素通り出来ない本です。

残念ながら絶版になっていますが、
「日本の古本屋」
または 「Amazon.co.jp」 で古書が購入可能です。








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Last updated  January 26, 2010 04:28:53 PM
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