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カテゴリ: 映画
今朝TVをつけたら、WOWOWで吉永小百合主演の「愛と死をみつめて」をやっていたので、懐かしくて思わず最後まで見てしまった。

この映画は1964年に封切られ、大ブレークした純愛モノ。当時まだ小学生だった私は、愛だの恋だのなんてよくわからなかったけれど、この映画が話題になって、主題歌を周囲の人たちが口ずさんでいたのを覚えている。
言ってみれば40年前の「せかちゅう(世界の中心で愛を叫ぶ)」だ。
映画はヒロインの日記朗読の形式で進む。実在の人物の話だそうだ。

ヒロインは顔にできた軟骨肉腫というガンに侵され、顔の半分を手術でえぐりとられてしまう。
浜田光夫扮する恋人の大学生はそんな姿になってもなお、「君がどんな姿になっても僕の愛は変わらない」と彼女を最後まで愛し続ける。
その愛に支えられてヒロインは自殺を思いとどまり、最後の瞬間まで命を全うしてあの世に旅立っていった。

家族や恋人の愛情に包まれながらも、病と闘うヒロインの心の葛藤がよく描かれており、私は涙を止めることができなかった。
・・・というのも、吉永小百合扮するヒロイン小島美智子の姿が、ガンで20代の命を終わった友人Mさんの姿に重なってしまったから。。。。




もう1人、彼女と親しかった友人Rさんと一緒に。。。。
Mさんは2ヶ月前に、ガンの再発で若い命を閉じてしまった。

彼女のお母さんが家で迎えてくれた。お母さんは私とほとんど同世代。
それだけに、娘を亡くした母親の気持ちが痛いほど分かる。
生前の、親の知らない娘の姿を少しでも伝えることができたら、そしてその心の苦しみを少しでも和らげられたら、という思いで、何時間もお母さんと語り合った。

お母さんの口から出る言葉はやはり、「もっと娘に○○してあげていれば良かった」という後悔。。。
その気持ち、私が夫の父親を亡くした時と同じものだった。

余命いくばくもない病人を抱え、かけがえのない人の死を待つだけの日々。。。
何の希望もなく、気持ちが重く、何もできない自分の無力さをただ悔しいと思う日々。。。
そして亡くなった後の喪失感。。。毎日、仏壇の前で涙を流す日々だった。

ほんの数時間の短い時間だったけれど、お母さんの悲しみを共有する時間が持ててほんとに良かった。



ガンに侵され、自分の命がいつまで続くかも分からない日々を生きる映画のヒロインの心の葛藤を見て、私は果たしてMさんの苦しみをどこまで理解できていたのだろうかと思った。
自分では彼女の気持ちを受け止めているつもりでいたけれど、本当には分かっていなかったのだと思う。
病の苦しみ、そして死の恐怖、、、、どれだけ想像力を凝らしても、健康な身体を持つ私には所詮、理解できるはずはないのだろう。
誰にも理解されない苦しみを1人で背負わなければならなかった彼女の心を想うと、何の力にもなれなかった自分が悔しい。そして彼女に申し訳ない。

彼女の最後の時をお母さんは語る。

家で1人でいる時に倒れ、電話まではいずって行き、自分で救急車を呼んで近くの病院に入院。
そして2日後に、誰もいない病室で1人息をひきとったそうだ。

最後に1人で息をひきとる時に、彼女は何を想って逝ったのだろう。。。と思うと、涙があふれてしまう。

実家に飾られていたMさんの写真。
最初に家に入ったとき見たら、とても暗くて悲しそうな顔だった。
そしてお母さんと話をしている時に、チラッと写真を見ると、何だか怒って私たちを睨みつけているようだった。「誰も私を分かってくれない!」と言っているかのように・・・・。
家をおいとまする時にもう一度写真の前に座ると、心なしか写真のMさんはちょっと微笑んでいるようだった。
私は彼女に話しかけてみた。「あなたの事は一生忘れないからね」と約束した。

Mさんは昨年2月、乳がんの手術をした時に、母親に「お母さんも健康診断に行ったら?」と言ったそうだ。
その言葉でお母さんが健康診断を受けたら、何と初期の胃がんが見つかったと言う。
発見が初期だったので完全に治ると言われ、お母さんは胃を3分の2を切除したが、今は元気に仕事をしている。
まさに娘の病が母親を救ったのではないだろうか。
それだけでも彼女の死は決して無駄ではなかったと思う。
お母さんの中に、今でも彼女は生き続けている・・・・、そう信じたい。

「お母さん、Mさんの分まで長生きしてくださいね」と私は言った。



死んだ人は、生きている人の中で生き続ける。。。。生きている人がその人を忘れない限り。
だから、私はMさんを忘れないようにしよう。
そして、命について考えていこう。

命の尊さ、命の不思議、命の重さ、、、、

この世のすべての命が大切であることを、Mさんの命が教えてくれた。

命あるが故の葛藤、、、これもMさんが残してくれたもの。

人は生きていくことの苦しさから、愛する人を苦しめてしまうこともある。

頭では分かっているのに、心が許さないこともある。

心が許さないことを頭が分かろうとすると、身体が苦しくなる。。。。

身体の苦しみから逃れようとして、人は心の救いを求めて彷徨うのかもしれない。。。。。

心の救い・・・・・、それは人類が求めてやまない欲求。

その救いがあるところに、人類がたどり着くのはいつのことなのだろう・・・・














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Last updated  2005.08.21 12:49:50
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