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昨日の続きである。


昨夕、米をとぎながら、NHKに電話をした。
ぬかみそをかきまぜながら、日本テレビに電話をした。
銀杏入りのがんもどきを煮ながら、フジテレビに電話をした。
唐揚の下ごしらえをしながら、テレビ東京に電話をした。

各局のカラーが出て、まことにおもしろかった。
それらを本日、咀嚼して、日記にまとめることにする。
テレビ局の内部には不案内なので、もしも誤りがあったら、教えていただきたい。

テレビの字幕についての見解も、お聞かせいただけると幸いである。

どこの視聴者センターも、用件を伝えると、「一筋縄ではいかなそう」と、かわいい声のオペレーターから、上司らしき男性にかわってくれた。
まずNHK。会話を始めてすぐ、ここに電話をしたのがムダだったことを悟った。心の中で舌打ちし、米のとぎ汁を流す。
まず、いわゆる「バラエティー番組」がない。テロップが少ない。「これでも、昔より増えたんですがね、あまり増やすと視聴者からお叱りを受けることもあるんですよ。ごちゃごちゃしすぎるって。」との弁。
ただ、国からの潤沢な予算で(?)着々と字幕放送の開発は進めており、通常の字幕より一歩進んだ「なま字幕」を試行中とのこと。
野球や大相撲中継で、普通にアナウンサーが実況をし、要点を字幕専門のアナウンサーが読み、それを高速ワープロか音声入力によって、数秒のタイムラグで電波に乗せる試みをしているとのこと。聴覚障害者の方のためにも一生懸命開発してます、と視聴者センターの方は誇り高くお話ししてくださった。
いずれにせよ、処理に携わる人数、報道番組の正確性その他、いろいろ鑑みても、どうも他局よりもクレームが少なそうである。
そうだろう。NHKは、時間の流れが民放と、まるで違う。テロップが完成するまでにチェックに入る人の数も多そうだ。
NHKは、TV局の王道ではあるが、世間ではない。そう感じた電話であった。

次が日テレ。しばしの保留音の後、女性の声で、なぜか「字幕に関することは、局内のことですので、お話しする内容ではありません。お答えできません」との答え。
まあよい。昨日触れた、「藤井総裁の恋々」の日記中にあるアドレスに行けば、日テレの字幕づくりにかける情熱はわかる。ぬかみその手を洗いたくもあったので、早々に切り上げる。


「テレビのテロップを作成するのは、特に報道番組の場合、相当経験を積んだ人間が担当するようになっています」
「クレームがあった場合には、そのままにせずに、事故報告を必ずあげます」などなど。
なぜか。この局には株価情報の番組があるからである。
株価を扱う番組で、画面の数字が1つ間違えば、どんな結果を引き起こすか。彼らはそれをよく知っている。
視聴者に対する文字情報をおろそかにしてはいけない。在京民放の中で、それを一番わかっているのはこの局かもしれない。

私は、鶏肉の下味をもみこみながら、深くうなずくのであった。

フジテレビ。煮物だから時間はたっぷり。腰を据えて話を聞く。
局の体質、出る出る。

「テロップは、担当者が原稿をワープロないし手書きでつくり、それをテロップ作成の専門が画面におさまるようにつくります」、ここまでは、普通に納得。

ところが、「速報性が大事ですからね。遅れて出しても、意味ないですし」。・・・じゃあ、内容は精査されないのか。
「いや、テロップをつくったら、それを専門がチェックします」
「それは、校閲担当の方なんですか」
「いえ、その方面の知識に優れているとかですね、知識人ですね」
「必ず、字幕をつくるときには、そういう方がチェックなさっているんですか」
「そうです」
「どんな番組もですか」
「そうだと思います。番組によって違いますからね、何ともいえませんが」・・ちょっと逃げ腰。

煮物の落とし蓋をちょっと持ち上げて、中身をのぞく。

「字幕のクレームは、他にもたくさん電話が来ることと思いますが」
「それは、担当の番組に伝えています」
「たくさん来ているにもかかわらず、各番組に伝えるだけで、まとめて局全体で対策を考えるとか、そういうことはなさらないんですか」
「それは、してないです。一応、字幕は正しいということが前提ですから」
「でも、こうして単純なミスがたくさんあるでしょう?」

少々いらつく私。換気扇「強」のスイッチを押す。

「・・・ただ、遅れて字幕を出しても意味ないですし」
「ということは、速報性を重視するあまり、字幕の正確性はどうでもいいということですか」
「どうでもいいというわけではありませんが、全部が全部間違えているわけでもありませんし、局の性格もありますしねえ・・・」
バラエティー中心の局は、字幕の正確性なんか、どうでもいいってことか。

よほど、担当者の名前を聞こうかと思ったが、やめた。一個人による興味本位の質問である。
告発するものでもないし。たかが、日記だし。

まとめてみるに、
今回の、TBSの字幕違い、それは、おそらく担当者のテープの聞き取り間違いが発端だったのだろう。
ただ、それが、校閲担当もいない、携わる人数も少ない、携わった人たちの、字幕に対する意識も低かった、それで、すべての網の目をくぐりぬけて、電波に乗っていった。

昨日、思いっきり罵倒したが、所詮人間。間違えることはだれにでもある。私だって、完璧に反訳してるわけじゃない。
ただ、電波に乗せる以上、正確性は期してほしい。できるだけ、言葉について高い意識を持った、節穴でない目をたくさん通してほしい。
新聞のように校閲を置くというのは時間的に難しいのか。
テロップ作成者をもっと教育すれば、何とかなるんじゃないのか。
字幕専門という意識を持った人が、電波に乗せる前にぜひぜひ、目を通してほしい。
そうでなくても、もう少し、たくさんの目を通しておけば防げたと思われる同音異義語の字幕の誤りは、ほんとうにたくさんある。

テレビは、公器である。

時間にゆとりのあるバラエティー番組などは、ビデオテープを反訳の会社に外注し、その反訳から字幕をつくっていることもあるらしい。
実際に会社で反訳していたのを知っている。予算にゆとりがあるならば、そのほうが絶対に誤字や聞き取り違いは少ない。反訳会社は文字のプロであるから。
バラエティーのほうが誤りがなく、報道番組の字幕がおそろかになる。矛盾しているが、それが、時間に追われたTV局の現実なのだ。

しつこいようだが、最後にもう一度言う。
人間の得る情報は、8割以上が視覚から入る。
視聴率1%は16万3千世帯。(ビデオリサーチ社HPより、関東地区の場合)
テレビは、公器である。文化の担い手である。
それでも、あなた方は、精度の低い字幕を、これからも垂れ流しつづけるのか。





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Last updated  2003年11月17日 15時12分54秒
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