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2005年04月22日
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カテゴリ: 言葉
ここのところ、外出が多く、抱えている仕事が押せ押せになっていました。


本日は、講演録の限界というか、可能性について。
以前、さくさく堂さんの日記で書かれていたことを読んで、ずっと考えていたことです。なかなかまとまらないんですが、一たんアップしてみましょう。

特定の方や、特定の仕事を想定して話しているのではありません。あくまで、自分の仕事の延長で考えてみたことを書いてみます。
批判でも何でもありませんので、くれぐれも誤解のなきようお願いいたしますね。

**********

よく、セミナーを行なった後のビデオやCDの販売は見かけますが、後日、冊子にして販売しているものはまだまだ少ないです。
映像や音声の記録のほうが人気が高い。



少し前に、講演仲介業者のようなところに、電話で問い合わせをしたことがありました。
「講演録の作成のご用命はありますか?」
営業というよりも、素朴な疑問で尋ねてみたのです。

担当の方は、いきなりの電話にも迷惑な様子も見せず、ありがたいことに丁寧に答えてくださいました。大幅に要約すると、その「場」が大事なのだと。
ほんとうは、さらに突っ込んでお尋ねしたかったのですが、電話で食い下がることではないのでやめました。

ここで1つ、また考えました。
「これ、おもしろいなあ!」という講演録には、なかなか出会わないのは、なんでかな。
(これ、面白いよ!というオススメがあったら、ぜひ教えてください)

私なりに考えてみるに、記録性と、読み物と、両方を取り入れようとする結果、中途半端になってしまうからなのだと思います。

その人の講演は、なぜおもしろいか。

内容はさておくと、

・リズムがある。
・言いたいことが伝わってくる。
・声に抑揚をつけて、飽きさせない。
・表情が豊かである。

これらの要素が考えられるのですが、文字に直すといろんな意味で限界を感じます。


(あっ、ここで、私は何かひっかかったぞ。いっそ、絵文字を多用した講演録はアリかしら!?)←すみません、備忘録なので読み流してください。

リズムがある語りというのは、同じフレーズが頻出します。そうやって、話者が自分のリズムをつくっているのです。
それは、文字に起こした場合に却って目障り。どうしても削らざるを得ない部分です。
録音してみると、口癖は、普通の方でもよくあります。
以前、「口癖大魔王」という日記に書いたことがありましたね。みなさん知らず知らずのうちに、そうやってリズムをつくっているのです。

また、話術が巧みで引き込まれる場合というのは、言いたいことをまず持ってくる。結局、副詞が飛んだり、倒置が多かったり。
滑らかに読めるようにするためには、順番を入れ替えざるを得ません。

結局、こうやって、読み物として整理していくうちに、その方の語り口はどんどん失われていってしまうのです。
だから、講演録になると、どうしてもつまらなくなってしまうんですね。

では、堺屋太一の「東大講義録」田原総一朗「早大講義録」があるじゃないかという反論もあるでしょう。(「京大講義録」はないんですが、該当するのは池澤夏樹の「世界文学を読みほどく」新潮選書)

それは、有名人で、既に皆さんが声を知っている、語りを知ってる方だから、成り立っているのではないでしょうか。
そして、当然、編集者の手も加わっている。

ある程度整理されたものを読んでも、その端々に当人の顔や口調が浮かんでくれば、読みながらイメージが補えるわけで。
落語や口承文芸が、文字として書き残されても読まれる理由は、読みながら、高座を思い浮かべたり、語りの場を想起できるからなのではないかなあと思っています。

つまるところ、書き言葉にし得ない部分を追求すれば、語りの巧さに到達するんじゃないだろか。

はなしことばを書き言葉に直すことは、ことほどさように奥が深いものでありますね。

いつまでたっても、ネタは尽きませんけど、今週は、この辺で。






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Last updated  2005年04月26日 14時45分38秒
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