あたしはあたしの道をいく

2009.12.11
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カテゴリ: 本@浅田次郎

プリズンホテル(1(夏))

このシリーズ、図書館で読んでいたので手元に無く、

やっと、1・3・4巻を見つけたので再読。


プリズンホテル(3(冬))


プリズンホテル(4(春))



一言一句ゆるがせにできぬ、と渾身の気魄で書かれた後書きを読みたかったのだけど、

残念ながら入手できなかった2巻にあるみたいで、読めなかった・・・・・・。

一番読みたかったのは、アレなんだけどなー。

頑張って2巻を探そう。


プリズンホテル(2(秋))

ストーリーは、再読なのでしっかり頭に残っている通り。

人気極道作家のオジ(本職の極道)が山奥に構えたリゾートホテルにおける、騒動。

もんのすごく個性の強い(個性が強いの一言で済むのか?)が集まって繰り広げられる、



たくさんの男たちの抱える、それぞれの心意気。

今更語ることではないのだが。



こうして読み返してみると、初期の作品なのだなあ、と思う。

照れなのか衒いなのか、随所にベタなギャグが散りばめられている。

憂愁のカルボナーラ、の続刊がペスカトーレ&ペペロンチーノ(笑

どーかと思う・・・・・・。



でも、 前に読んだときには 、まだ浅田次郎作品も数読んでなかったし、

エッセイは殆ど読んでいなかったから、分からなかったんだけど、

大半の作品を制覇した今になってみると、この作品の存在って重いな、と思う。



浅田次郎には『きんぴか』シリーズという、ピカレスク小説があるの。



全く目も当てられぬ若書きなんだけどさ。

同じピカレスク物って括りで見ても、『プリズン・ホテル』とは比較にならぬ、

とっても稚拙な感じの作品。



そんな浅田次郎がバケたのは『プリズン・ホテル』なのよね。

同時進行で、『鉄道員』があり、『蒼穹の昴』があり、『メトロに乗って』があり、





先日の『勇気凛凛 四十肩と恋愛』のエッセイの中で、

どれだけ浅田次郎が作家になる努力をしてきたのか、書かれていた。

いや、その努力について触れられているのは、他のエッセイにもある。



けど、そういう著者本人の苦節を知って読む、ターニングポイントの作品は、

軽いくせに、なんて重くて、なんて面白いんだろう。



最終巻の後書きに、『プリズン・ホテル』執筆中の状況が書かれている。

このシリーズにかかったとき、ちょうど四十歳だったのだそうだ。



四十歳。



ああ、浅田次郎もか。



と、思う。



三十にして立つ。

四十にして惑わず。

五十にして命を知る。


而立。不惑。知命。

大昔の人なのに、孔子様ってのは、偉いものだよね。






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Last updated  2009.12.11 13:23:03
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