ダイデスハイムから歩いてフォルストForstの村に入りました。
小さい集落なので醸造所の場所はすぐわかると思いましたが若干迷ってから Georg osbacher
を発見しました。

ここは試飲会の時の印象で、グローセスケヴェックスは他のところに比べて秀でていると感じなかったけれどGG以外で良さそうなワインがある気がしたので醸造所を訪れました。ドイツに来る前から、ほとんど飲んだことはなかったけれど興味のあった醸造所ということもありました。

他の何カ所かでけっこう買うつもりだったので、ここでは自分で持って帰れる1,2本と決めていたので、少ししか買わない旨を告げて興味があるワインだけを遠慮気味に試飲させてもらいました。
辛口は2008年のGG2種類と09のおすすめのシュペートレーゼ・トロッケンと同クラスのものの4種類を試飲しました。
08のGGは09と同じように購入したいと思うほどではありませんでした。
その後に飲んだ Bsalt
がとても印象に残りました。このワインはGGをリリースしているUngeheuerの別の区画からの収穫だそうです。GGが25ユーロなのに対し(09年はもう少し値下げしたみたいです)これは14ユーロなのに劣っているという感覚を全く感じなかったのです。値段といい味わいといいこちらのほうをとても気にいって購入しました。
緑家さん
のこの醸造所を訪れた時のところを読んでみると、同様にこのBasaltを気に入り購入したようです。その年は違う畑からこのワインは造られていて、Basalt玄武岩土壌を意識したものになるように毎年このワインは造られているようです。
飲んだ印象として2年後くらいがベストかなーと直感で感じたのですが、緑家さんも醸造所の人にこのワインは2年くらい寝かせるべきだと言われたみたいで、この土壌の質は違う畑でも同じころに飲み頃になるという興味深い発見をすることができました。
この醸造所では09年産はもう売り切れになっていましたがBuntsandstein雑色砂岩という名のワインも同じ14ユーロでリリースされていました。どちらもQbAですが畑名のシュペートレーゼトロッケンよりはほんの少し高い価格です。
畑ではなく土壌をクローズアップさせてワインを造るというのは、畑と同様に味わいの個性がはっきりわかってなおかつわかりやすさも備えているので面白い視点だと思いました。
緑家さんの記事をみたらレープホルツにも同じ名前のワインがあり(Wehrheimにもありました)、土壌の名前がつけらているワインもけっこう多いのです。
モーゼルでも畑名の後に土壌の特徴を付け足して同じ畑の同等級で何種類かリリースしている所もありますし、土壌の違いがワインに大きく影響を与える場所では畑だけではないこの土壌の区別、という流れも大きくなっているように感じたのでした。
ただ畑名がないとQMPが名乗れなかったりもして消費者を混乱させてしまう問題もあると思いますが、GGなどと同様辛口を中心としたエチケット表示の法改正の流れに重要な要素を持っていることは間違いないと思います。
また、畑の個性が重要視されているGGよりも10ユーロも安く購入できるというのは、消費者にとってはうれしいけれどGGの価値を考えるととこれも問題だと思います(GGは最低価格が設定させれていて今は20ユーロ以上というのが標準になっています)。
特に所有する畑が多いところでは苦労しているのではないかと思います。GGが値段相応のワインであれば問題ないのかもしれませんが、GG以外のワイン、同じ畑のシュペートレーゼトロッケンやGGに認定されていない畑のワインと比較して、納得できる質でないとGGの存在が難しくなると思うのです。
おそらく、GGというブランドで安心して選ばずに、同じ醸造所の中でもっと低価格で質の高いものを探して購入する人も多いのではないかと推測します。
また、醸造所の考え方でも、気軽な値段で良質なワインを飲んでほしいと思ってGGではない高品質でリーズナブルなワインをリリースしているところとGGをトップに置いて商品構成をしているところなどさまざまだと感じます。
そういう今のドイツの辛口ワインの問題を考えさせられました。その時、というよりは日本に帰ってから考えたのですが。
辛口ワインの表記については以前にまとめて書いていますので興味のある方はこちらもごらんください。 http://plaza.rakuten.co.jp/trancy/diary/20110302/
アウスレーゼも飲ませてもらったのですが、あまりパッとしないのでワインを買って帰ろうと思ったらリストにはない同じ09のウンゲホイヤーのゴールドカプセルのアウスレーゼも飲ませてくれました。これはすばらしかったです。
その時でもおいしかったのですが、数年寝かせてから飲みたいと思います。
本当は余裕があったら数本買って半年ごとに飲んでいきたいくらい好きだったのですが・。18ユーロ(ハーフサイズ)と日本で同クラスを買うことを考えればかなりリーズナブルですし。
と6種類しか試飲していないのに(別にGGの試飲会では4種類)色々と書いてしまいました。
女性が中心の醸造所ということもあってやさしい味わいを感じて僕はけっこう好きなのでまた機会があったら訪れてみたいと思いました。トロッケンが中心ですが畑(土壌)による違いを確かめながら飲んでみたいと思いました。
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