私が過ごしたマンハッタンには、大型婦人服専門店で新人デザイナー発掘と育成に定評あったインキュベートストアHENRI BENDELをはじめ、元々はボリューム紳士服店だったBARNEY'S NEW YORK(ジョルジオアルマーニを最初に米国独占販売)、その宿敵で小型ショップをアッパーウエスト地区に数軒開いていたCHARIVARI、個性の強い女性ブランドばかり扱っていたDIANE BやIF、アクの強いメンズブランドを集積していたCAMOUFLAGEなど、ウインドーショッピングだけでも十分楽しめるお店がたくさんありました。
刺激をもらえるセレクトショップが世界各都市で姿を消している中、次世代デザイナーのインキュベーションを担い、トンがったデザイナー商品を意欲的に導入しているショップの最右翼はDOVER STREET MARKET(以下DSM)ではないでしょうか。あくまで個人的見解ですが、いま服屋さんで最も面白い店はコムデギャルソンが運営するこの大型店。銀座店は売り場面積もたっぷり、とにかくお店に足を踏み入れると欲しいものがいっぱいあって目移りします。
かつてBARNEY'S NEW YORKが7番街西17丁目で1店舗のみ営業していた1980年代前半、店内に足を踏み入れると欲しいものが各フロアにいっぱいでワクワク、自分で支出をセーブしないとすぐクレジットカード難民になりそうでした。