温故知新

2004.05.06
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聴力検査の方法をご存知だろうか?


私と娘は何度も何種類もこれら検査を受けた。
これからも検査を受けていく。
それは、毎回毎回合格発表の日であるかのようにドキドキで、何も出来ない私は、ただただ、前より少しでも良くなっていますように…と願う、切ない時間でしかない。(前日、耳掃除をしたりはしているが(泣))

でも、今日の検査の日は少しだけ違った。
今まで経験した検査に涙をした日は多かったけれど、うれし涙がにじんだのは今日が初めてだった。


最初に聴力検査を受けたのは、生後3日目ほど。
私が出産した産院はとてもハイカラ(古)で、LDRや3D超音波などがあり、おまけで、聴力スクリーニングもついてきた。



同時期に生まれた子供の名前が書かれているホワイトボードには、娘の名前の横にだけ『要再検査』の文字が書かれており、私はその文字がなくなるのを期待して、ウロウロ、毎日、見にいっていた。

聞こえるか聞こえないか、のテストから、どれだけの大きさ(デシベル)が聞こえているか、に移行したのが、3ヶ月の時だった。
ABR(聴性脳幹反応反応検査)という脳波の反応からダイレクトで判断するもので、人工的に眠らされ、頭にいっぱいペタペタ線を貼りつけられて行う。

これが結構時間がかかり、子供が起きちゃったりして、経験ある方はお分かりだろうが、もう半日一日がかりで、くったくたになる。
それなのに、人工的に眠らされた子供は元気いっぱいで、夜、二次被害も出るのだ。

この頃には私は、もう聞こえていなさそうだ、という確信があった。だから、この検査を勧められたときは、そんな良いものがあるのなら、と二つ返事で答えた。

結果は悲しいものだったけど、どこかに安心感みたいのも感じた。
気のせいだ気のせいだ、と周囲から言われ、義母には、「そんな脳波なんてあぶないもん調べたら、あの子、もっと、おかしなるで!」と、今、思うとかなりな暴言を吐かれ、更に難聴が加わった障害児の育児の大変さよりも、そちらの方に疲れていたのだ。

正式に難聴児となった娘は、療育所に通うことになった。
そこで、大きさ(デシベル)と高低(ヘルツ)の両方も判定が出来る検査を受けることになる。

全国的に、1才程度の検査方法は、こんなやり方なのだろうか??


そのスピーカーから大小高低様々な音を言語療法士さんが鳴らして、音が鳴っている方向を向くと、その赤色灯が回ってご褒美、というシステムなのだ。言語療法士さんは、その反応を見て、聞こえる聞こえない、を判断する…という…なんともアナログな方法なのである。
最初、知ったときは、こんな方法でもはかれるのね、ぐらいに思っていたが、ずっと、これではかり、これを目安に補聴器の目盛りも決めたのだから、これが正規のやり方なのだろう。

1歳の子供なんて、すぐに飽きるし、左右交互に見て遊んだりするし、悪知恵もはたらくし、もっと良い方法は…と思っていた。

そして、それはあるのだ。子供が座ってちょうど良い高さに大きなスイッチがあり、その向こうに真っ暗なガラス張りの空間がある。言語療法士は横で音を出す装置を操る。
音が鳴ったらそのスイッチを押す。すると、目の前が点灯されていっぱいの玩具が現れ、押し続けている間クルクルグルグル動き出すのだ。


去年から娘は少しづつその仕組みを勉強してはいた。
しかし、全くダメ。
いくら説明してもスイッチを押し続け、まず、待つということが出来ない。
ガラスの向こうが見たい、と、ただごねる。
毎回毎回、全く進歩していないように見えた。

でも、今日。
いつものように何気なく座った彼女は、別人のように成長していた。
音を待ち、聞こえたら一丁前に「はっ」とした顔をし、慌てたようにスイッチを押す。あんまり楽しくて、思わず、指をさすためにスイッチから指が離れてしまったりして、また、慌てて押したりする。

ほんの2週間前。同じ検査した時は、いつもと同じという感じでまったく出来そうな素振りもなかったのに。
どんなことでも、出来そうな素振りがあっても、そこから出来るまで飽きるほど時間がかかっていたのに。

恥ずかしながら、ちょっと涙が出てしまった。
今までの長い道程の、これからはその何倍も何倍も長い道程があって、楽しくないことがいっぱい待っていると思うけど、今日だけは、心から喜べる日になった。






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Last updated  2004.05.06 20:20:37
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