Bylane

2006/05/24
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それは誕生で始まり、成人、結婚、そして死去という人生においての通過点みたいなものである。
さて、これは小学生の頃担任の先生に聞いた話なのだが、その通過儀礼には男女差があるらしい。考えてみれば男性は妊娠もしないし出産もしないのだ。女性でも妊娠出産しないひともいるだろうから個人差もあると言える。また、先生はこうも言った。男の通過儀礼の多くは成人するまで、つまりガキの頃にあるらしい。だからガキの頃はいろんな事しとけ。ダチと馬鹿やったり、多少法律に触れることも、あとになるといい思い出になるのさ、と。
今考えると、まだ人生のイロハも知らないガキに語ることではなかったと思うが、当時はなんとなく納得したのを覚えている。
その後、その先生はガキの頃の通過儀礼の例を黒板に書いて、それについての実体験などを赤裸々に告白していた。よく内容は理解できなかったが、そのことを話す先生の顔はとても輝いて見えた。だから僕も子供心に思ったのさ。大人になって、こんな楽しそうに話せることになるのなら、やってみてもそんはないな、と。
かくして僕は、先生があげた通過儀礼の先例の内、まず秘密基地作りからやってみたのさ。


先生の話に触発された僕と当時のクラスメイトたちは、住宅街から少し離れた、近所の小学生の遊び場と化している森に秘密基地を作る事に決めた。メンバーは、最初は、僕、僕と当時仲がよかった友達4人(昔のことなのではっきりとは覚えていない。仮にA君、B君、C君、D君とする)だけだった。しかし、僕らの話を聞きつけ、仲間に入りたいといった奴がいた。ぼくらは驚いた。何せそいつは同じクラスの女子で、クラス一かわいいと目される、当時僕らと同じく小学生だった、君だったからだ。
今となっては驚くことだが、まぁそこは色恋沙汰なんて知りもしない、男女の違いなど蚊帳の外の小学生である。リーダーA君の同意で、君は僕らの秘密基地作りの仲間となった。君にバレた時点でもはや秘密基地からただの基地へと成り下がってしまったまだ完成もしてない僕らの基地は、君を仲間に入れることで未完成の秘密基地へと無事回帰を果たした。そしてその日から、僕らの秘密基地作りが始まった。
暑い暑い、夏休みの真っ只中、今思うとゴメンだが、僕ら6人はせっせと秘密基地作りへと勤しんでいた。秘密基地に必要なのはなんと言ってもまず材料、ではなく、いや材料も大切なのだが、一番最初に気をつけるべきことは、基地を立てる場所探しである。

ま、小学生の貧困な発想力程度じゃそんな簡単にみんなが驚く場所など見つかるわけもなく、結局木の上というポピュラーながら難易度が高い場所に決定した。まず僕らは、森の木の中でひときわ大きく、森の大体中心部に位置する木をターゲットにし、手始めにその木に『近藤さん』という名称を付け、材料収集という次の段階に入った。





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Last updated  2006/05/25 12:09:55 AM コメント(2) | コメントを書く


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