あゝ平凡なる我が人生に幸あれ
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仕事で車を走らせていた東京の街はまだ目覚めていないようで、人影の少ないお台場から有明へこの地区は、しばらくこない間に、徐々にではあるが開拓が進められていて街の風景が変貌を遂げつつあった一昔前は、銀座から有明に行くには、晴海通りを豊洲経由で、ちょっと遠回りするかたちだったのだが、いつの間にか新しい道路が開通したようで、銀座から一直線の道で有明に行けるようになった時間も短縮できて非常に便利である未開拓な部分が多いだけに、交通の需要が少ないのか、真新しく感じる道路を銀座に向かって走るゆりかもめ(臨海副都心を走る新交通システム)の有明テニスの森駅にさしかかったときだった駅の両脇は広大な空き地となっていて、周囲はフェンスが張られ、その敷地内には大きな立て看板だけがあった高層マンションでも建つのだろうか?大きな立て看板に眼をやると、こう書かれていた“2016年・東京オリンピック 選手村予定地”東京オリンピックぅ!?そういえば、自分の記憶が正しければ、だいぶ前にオリンピックの候補地として東京と福岡?(うろ覚え)が争っていた…なんて報道を見たような気がするが、東京に決まっていたんだねぇスポーツには関心がないので、まったく事の顛末を知りませんでしたところで選手村って、スポーツ選手が宿泊するところだよね?その予定地とされている広大な敷地には草が伸び放題になっている海を挟んで見えるのは、レインボーブリッジに高層ビル、そして東京タワーなんだかこうして殺風景で、夢の欠片すら見えないようなその現場に立っていると、まったく将来の画の想像がつかないそれもその筈だよねだって、東京オリンピックが開催されるのは9年も先の話なんだから今日や明日のことだって、何が起こるか想像もできないのに、9年先のことなんていったら尚更な話に決まっている東京オリンピックかぁさぞかし盛り上がるのだろうか?その時自分はどうしているんだろう?そんな事を思いながら、夢の地をあとにして、ふたたび車を走らせた…
2007年10月19日
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