乱見乱読快刀乱麻

Mar 26, 2009
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カテゴリ: 読書
1984年/ジョージ・オーウェル/1948年


1984年
1984年



これは、スターリンの社会主義を痛烈に批判したものである。
ストーリーなんてあるような無いような、
その世界、ある社会システムを描くことに重点が置かれている。
それは、皮がいかに美しいかではなく、
その味がいかに美味しいかではなく、
「これは、鹿と馬から作った新しい生き物です」というようなものである。

ストーリーは、シンプル。

同じ党員のジューリアと関係を持ち、
同志と思っていたオブライエンに裏切られる話。

ただ、描く社会が、「鹿馬」なので、後は「鹿馬」の説明である。

ウィンストンは、記録局で活字の書き換えを行う部署で働いている。
最近、日記をつけるために、ノートブックを買うというタブーを犯した。
いたるところにテレスクリーンがあって24時間監視されている。
思考や言語は、シンプルであることが奨励される。
新語法では、「good」に対して、「bad」ではなく、
「ungood」で間に合うとされている。
歴史は書き換えられ、思想も書き換えるよう求められる。(二重思考)
良くない考えを持つと思想犯罪を問われ、

世界は、3つに分かれていて、
その非線引地域で仮想戦争を行っている。

下記は、物語内に出てくる太文字の単語である。
単語を並べるだけでも世界観が良く分かると思う。

勝利マンションズ/憎悪週間(ヘイト・ウィーク)/「偉大な兄弟(ビック・ブラザー)があなたを見守っている」/思想警察/真理省/愛情省/新語法(ニュースピーク)/戦争は平和である/自由は屈従である/無知は力である/勝利ジン/勝利シガレット/二重思考(ダブルシンク)/記録局/二分間憎悪/創作局/党内局/人民の敵/青年反セックス連盟/兄弟同盟(ブラザーフッド)/例の本/思想犯罪(ソートクライム)/蒸発/ポルノ課/勝利コーヒー/表情罪(フェイスクライム)/上層、中間、下層/プロレ/犯罪中止(クライムストップ)/黒白(ブラックホワイト)/正考者(グッドシンカー)



それを引用する時代背景のなかでしか、存在しない本だと思う。
かれこれ、15年前、大学でテクストとして、授業で用いていたが
これを今でもテクストとするのかどうか。

バニラスカイみたいな夢か現実かわからなくなってくるという話や
筒井康隆のパプリカなど、「今」的であろう。

監視社会にご興味ある方は、一読どうぞ。





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最終更新日  Mar 31, 2009 12:06:49 AM
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