XFROMJAPAN+VIOLET UK

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YOSHIKI-VIOLET UK~INTERVIEW4

2005年秋には待望の新プロジェクトも始動!
YOSHIKI ニューアルバム&ロスでの生活を語る(ワイズ・スポーツ)


1993年にリリースした「ETERNAL MELODY」から12年ぶりに、全曲新録音によるオリジナル・クラシック・ソロ・アルバム」「ETERNAL MELODY 2」がリリースされた。
X JAPANの代表曲のひとつであるバラード「Forever Love」、現在開催中の<愛・地球博>の公式イメージソング「World Expo“I’ll be your love”」、globeの「Seize the Light」、そして’99年11月の<天皇陛下御即位10周年記念式典>で披露されたピアノ協奏曲「“Anniversary”Piano Concerto in C minor」などを収録。
さらには9月22日に始動することが決まった新プロジェクトVIOLET UKの作品「Unnamed Song」「Red Christmas」も収められており、アーティスト=YOSHIKIの過去・現在・未来をつなぐ作品となった。
今回、愛・地球博の開会式に出席するために日本に帰ってきたYOSHIKIに最新アルバム「ETERNAL MELODY 2」について、そして新プロジェクトVIOLET UKについてインタビューを行った。
インタビューが行われたのは都内某ホテルの眺めのいい部屋。外国人スタッフと流ちょうな英語でコミュニケーションを取るなど、リラックスした雰囲気が感じられた。取材中も終始穏やかな笑顔を浮かべ、いろんな質問に対して気さくに答えてくれた姿が印象的だった。


ロサンゼルスでの生活について

■■視野も広がった音楽漬けの日々■■

1993年からロサンゼルスで生活をされていますが、ロサンゼルスは音楽制作には快適な環境なんですか?

 向こうでやることといったら楽曲制作しかないですからね。朝起きたら、すぐにスタジオに行くなり、曲を書くなり、作業を始めたら寝るまでやってます。僕がやってる音楽っていうのはヨーロッパ向きなんですよ。アメリカでいえばニューヨーク向きなので、なんでロスにいるのか分かんないんですよね(笑)。スタジオがあるからロスにいるんですけど、できることなら違う場所に行きたいとは思ってて。でも、ロスやニューヨーク、ロンドンといった都市にはいろんな人種が住んでるので、それだけいろんな音楽も集まっていますから、広い視野を持てるようにはなりましたね。

■■快適な音楽環境。ただし日本食は不足ぎみ■■

 スタジオの機材は世界の最先端のさらに最先端をいってるので、充実していますよ。特に新しいプロジェクトのVIOLET UKは最先端の音作りをしてるので、そういった機材が必要なんです。機材に凝るようになったのはX JAPANの後半ぐらいからかな。ものにもよりますけど、使う時は機材費に年間で一億ぐらいかかる時もあるんですよ。新しい機材が次々と発売されますから、どこかで止まるわけにもいかないし、こればっかりは仕方ないなって思うんですけど、半年ぐらいで新しいのが出ますから頭にきちゃいますね(笑)。デジタル関係の機材は普通に追っていったらよくないですね、頭を使って購入しないと。僕はデジタルとアナログをうまく使い分けるようにしてて、30年ぐらい前のコンデンサーマイクとかヴィンテージ機材も使ってるんですよ。ヴィンテージの機材には、その機材にしか出せない音がありますからね。

ロサンゼルスの生活で不便さを感じることは?

 ロスに住み始めたころに比べるとインターネットが発達したこともありますから、作業することについても不便さを感じることはないですね。不便さを感じるとしたら食事かな? 日本食が好きなんですよ。何を譲っても日本食だけは譲れない、っていうぐらいなので(笑)。だから、いつも日本に帰ってくる時は日本食を楽しみにしてるんです。ロスでも日本食は食べられるんですけど、日本の方がおいしいですからね。特にフグが好きなんですけど、残念なことにロスでフグは食べられないですから。


最新クラシック・アルバム「ETERNAL MELODY2」について

■■アルバムは過去と未来をつなぐ中間地点■■

クラシック作品「ETERNAL MELODY 2」をリリースした理由は?

 もともとはリリースが目的じゃなかったんですよ。やってるうちに楽曲がたまっちゃったから、だったら出そうかなって。今回の<愛・地球博>(愛知)の開会式での指揮など、ここのところクラシックの仕事が多いんですけど、それはいい意味での悪循環になってて(笑)。引き受けたからにはもちろん必ずいいものをやるから、次から次へと依頼が来るんだとは思うんですよ。もともと僕はクラシックの人なので、そういった依頼も今回のアルバムも自然の流れなんだと考えてますね。曲作りはかなり前から始めたことになるんですけど、リリースすることを考えて真剣に作り始めたのは2年ぐらい前ですね。タイトルを「ETERNAL MELODY2」にしたのは、こんなこと言っちゃダメなんだけど、名前を考えるのが面倒くさかったからなんです(笑)

X JAPANの楽曲から新しい曲まで収録されていて、過去と未来をつなぐ1枚となったと言えるんじゃないですか?

 そうですね。これからVIOLET UKという新しいプロジェクトをスタートさせるんですけど、過去と未来をつなぐ中間地点というか、嵐の前の静けさというか。そんな感じはありますね。

VIOLET UKに向けての10数年

■■hideの死で精神的に暗闇をさまよった■■

9月22日にVIOLET UKが始動しますが、これまでの10数年、音楽に取り組む気持ちというのはずっと変わらなかったんですか?

10年もレコーディングや制作を続けるっていうのは精神的にもあり得ないじゃないですか。途中、音楽的にも精神的にも暗闇をさまよった時期もありましたけど、今思えば10年ぐらいの準備期間は必要だったのかも。

精神面において暗闇にさまよった時期というのは、hideが死んだ時ですね。もうやめちゃおうかって思ったぐらいでしたから。でも、音楽を作ることによって慰められました。あとはファンの皆さんからの手紙ですね。「復活を待ってます」って、結構素朴な言葉なんですけどジーンと来ちゃうんですよね。そういう意味では、音楽への思いは強くなってるのかもしれないです。

■■どこか純粋に音楽を楽しむ自分でいたい■■

ただ、変な意味でプロになりたくないっていうか、どこかで純粋に音楽を楽しむ自分でいたいっていうのは意識するようになりました。最近は、クラシックの指揮をするお話があったので、チャイコフスキーやラフマニノフなど、クラシックを聴きまくってましたけど、それ以外にもMUSEやMARS VOLTA、SLIPKNOT、NAS、MASSIVE ATTACKなどジャンルは関係なく聴いてます。指揮したり、楽器を弾いたりすることも楽しめてます。やればやるだけハマりますね、いまだに。やっぱり音楽が好きなんでしょうね。僕は制作に時間が掛かったりしますけど、どこまで仕事でやってるのか分かんなかったりするんですよ。どこかで(音楽が)仕事だということを否定している自分がいるような感じなんですよね。

新プロジェクトVIOLET UKについて

■■「破壊」という新しいムーブメントを起こしたい■■

満を持して新プロジェクトVIOLET UK始動となりますが、プロジェクト名“VIOLET UK”の意味は?

VIOLETは新しい人種を意味してる言葉なんです。YELLOWが黄色人種だったり、BLACKやWHITEがあったりしますよね。じゃあ、新しい人種はVIOLETだろうってことで。UKはアンダーグラウンド・キングダムの略です。だから、VIOLET UKっていう名前は“新しいムーブメントを起こそう”みたいな意味ですね。このプロジェクトを計画し始めて10年以上たつんですけど、最初はVIOLETだったんですよ。XからX JAPANに改名した時に、VIOLETからVIOLET UKに勝手に変えました(笑)

VIOLET UKの始動日が9月22日に決まった今の心境は?

「やっと」っていう感じはありますね。もう10年以上やってきましたからね、これ以上やっていたら自分でもおかしくなっちゃうんじゃないかって思いますから(笑)。これまでは最先端の音に追いつこうと思ってやってきたんですけど、今回(最先端の音を)追い抜いちゃいましたね。VIOLET UKは、バンドという枠を取り外してしまっているので「何でもアリ」なんです。逆に、何でもアリなだけに収拾がつかなくなってしまうというデメリットはあります。とにかく、VIOLET UKの音を言葉で説明することは難しいんですけど、音楽業界に「音においての革命」を起こしたいんですよ。言うなれば「破壊」かな。今ある、何となく固まってしまった音楽というものを破壊していこうかと。ジャンルの壁を壊すっていう感じで。

■■この10年間はVIOLET UKへの準備期間だった■■

9月22日に始動することを発表したので、ロケットの発射でカウントダウンが始まった気分です。この10年間はVIOLET UKに向けての準備期間でした。自分としては「X JAPANも含めて」と思いたいぐらいですね。VIOLET UKに関しては、音をすごく追求してきたんですよ。レコーディング自体、24ビット96K、または192kっていう、今できる最大限の音のクオリティーでレコーディングしてきていますから、できることならばSUPER AUDIO CDとかDVDオーディオとかで聴いてほしい。どんどん音楽のフォーマットも変わってきてるんで、時間の枠も壊しちゃって「5時間1曲」とか、そういう曲もおもしろいかなって。音だけじゃなくて、そういう部分も含めて破壊だと思ってますから。


この10年間、YOSHIKIはさまざまな音楽へのアプローチを試みてきた。それらすべてがVIOLET UKという新プロジェクトに集約されることとなる。10年を掛けた壮大なプロジェクトは、きっと彼の言葉通り、革命を起こしてくれるはず。VIOLET UKの始動まで、あとわずか。

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