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2009.08.27
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カテゴリ: 昆虫(蝶)


 此処暫く5mm以下の小昆虫が続いていたが、今日は久しぶりに大きな虫を紹介する。サトキマダラヒカゲ( Neope goschkevitschii )、開張5~6cm、やや大型のジャノメチョウの仲間である。この専ら単子葉植物を食草とし、多くは日陰を好むグループは、以前はジャノメチョウ科として独立の科になっていたが、今ではタテハチョウ科ジャノメチョウ亜科とするのが一般的らしい。



サトキマダラヒカゲ1


サトキマダラヒカゲ.拡大すると鱗粉が見える

(写真クリックで拡大表示)

(2009/08/26)

 この蝶、私が高校生の頃までは只の「キマダラヒカゲ」と呼ばれていた。それが1970年頃にサトキマダラヒカゲとヤマキマダラヒカゲと言う2種に分けられた。サトとヤマの紋様の違いは非常にビミョーで、両者を並べて比較しても良く分からない程の差異である。此処で一方だけの写真を出して、その違いについて書いても殆ど意味が無いと思われるので、その違いについては省略する。



サトキマダラヒカゲ2


サトキマダラヒカゲの鱗粉.被写界深度が浅いので

凹凸のある翅の一部にしか焦点が合っていない

(写真クリックで拡大表示)

(2009/08/26)

 紋様は酷似していても、この両者、名前から察せられる様に、棲息する場所が異なる。我が家は世田谷区の標高40m位の所にあるので、文句なしにサトキマダラヒカゲと相成る。しかし、サトは低地、ヤマは山地・・・なのだが、一般的にはそう単純には行かない。ヤマは本州中部では標高240~2000mに分布するが、サトの方も標高1500mを越える亜高山帯にまで棲息するのである。山地で採集したキマダラヒカゲは、そのビミョーな斑紋の違いを見極めて、ヤマかサトかを決めなければならない。


サトキマダラヒカゲ3


サトキマダラヒカゲの横顔.口の下に普段は使わない前脚が見える

(写真クリックで拡大表示)

(2009/08/26)

 しかし、2種に分けられたのは、その殆ど見分けが付かない程の微妙な斑紋の差異だけを根拠としたのではない。幼虫の形態や成虫の行動にも差があり、それらの違いを丹念に調べ上げた結果、2種あるとの結論になったのだそうである。

 これを調べたのは高橋真弓氏と言う当時高校の教諭で、その後日本鱗翅学会(アマチュア中心の学会)の会長なども務めた方である(一見御婦人の様な名前だが男の人)。


サトキマダラヒカゲ4


サトキマダラヒカゲの顔.触角が赤いのが印象的

複眼にはかなり長い毛が生えている

(写真クリックで拡大表示)

(2009/08/26)

 何時もの様に、顔写真を撮ってみた。データをコムピュータに移し、拡大した像を見て驚いたことは、この蝶の複眼に沢山の毛が生えていたことである。しかも、その毛がかなり長い。双翅目(蠅、虻、蚊)には複眼に毛の生えた種類がかなりあるが、鱗翅目(蝶、蛾)ではこれが始めてである。或いは、今まで撮った蝶の中にも良く見れば毛が生えている種類が居たかも知れない。これからは眼の毛にも気をつけてみよう。


サトキマダラヒカゲ5


上の写真の部分拡大.毛で覆われた複眼の中に個眼が見える

(写真クリックで拡大表示)

(2009/08/26)

 このサトキマダラヒカゲ、昔は我が家の常連で、秋になると柿の落ちた実などにキタテハと一緒に集っていた。しかし、最近はその数がグッと少なくなった。年に2回位しか姿を見せない。尤も、一緒に居たキタテハの方はもっと少なくなって、全く姿を見ない年の方が多い・・・。余り昔のことを想い出すと、何か寂しくなって来る。思い出話は止めにしよう。







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最終更新日  2009.08.27 14:38:30
コメント(14) | コメントを書く


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Re:サトキマダラヒカゲ(08/27)  
kotiaiti  さん
目の周りの毛には笑えます。

(2009.08.27 20:06:48)

凄いっ!  
snowrun29  さん
蝶の複眼に「毛」が!!
これはびっくりですね。
流石はアーチャーンさんです(感謝)

3年前の秋、立山の標高2000mほどの湿地を廻ってる時
妙に私になつく蝶が居てそれが「ヤマキマダラヒカゲ」でした。

それは私の汗の「塩分」をちゅーちゅーしに来ただけですが
片手で撮った写真でも可愛い蝶でしたv
その時に「サト」か「ヤマ」か似てて解らないけど
標高2000ですから「ヤマ」で間違いない!とv

<幼虫の形態や成虫の行動
う~ん、どう違うのか、ですね。
しかしこんな可愛い蝶が常連さん!
いいですね~☆

食草は「メダケ」などとなってます。
近くに竹とか笹となどがあるんですね。
(2009.08.27 23:36:01)

Re[1]:サトキマダラヒカゲ(08/27)  
kotiaitiさん
>目の周りの毛には笑えます。
-----
 一寸意外な顔でした。
(2009.08.28 07:20:50)

Re:凄いっ!(08/27)  
snowrun29さん
>蝶の複眼に「毛」が!!
>これはびっくりですね。
>流石はアーチャーンさんです(感謝)
-----
 やはり顔写真を撮ると色々面白いことがある様です。

>3年前の秋、立山の標高2000mほどの湿地を廻ってる時
>妙に私になつく蝶が居てそれが「ヤマキマダラヒカゲ」でした。
>それは私の汗の「塩分」をちゅーちゅーしに来ただけですが
>片手で撮った写真でも可愛い蝶でしたv
>その時に「サト」か「ヤマ」か似てて解らないけど
>標高2000ですから「ヤマ」で間違いない!とv
-----
 汗に集るのはヤマの習性の様です。

><幼虫の形態や成虫の行動
>う~ん、どう違うのか、ですね。
-----
 色々あるので、此処では省略、図書館で「日本産蝶類標準図鑑」(学研)を見て下さい。

>しかしこんな可愛い蝶が常連さん!
>いいですね~☆
-----
 昔のことです。

>食草は「メダケ」などとなってます。
>近くに竹とか笹となどがあるんですね。
-----
 サトは多くのタケ・ササ類を食草にします。ヤマは自然状態ではササ類の様です。
(2009.08.28 07:28:53)

Re:サトキマダラヒカゲ(08/27)  
marinesnow2525  さん
眼に毛!ですね^^
こんなに長く覆われているとは、驚きです。
そんなにちゃんと見たことがありませんでした。

そういえば、こちらでもほとんど見なくなっている気がします。

(2009.08.28 10:23:43)

Re:サトキマダラヒカゲ(08/27)  
ukon6624  さん
自然の紋様は素晴らしいですね
よくこんな意匠が作れるものと感心します

サトキマダラヒカゲが常連ですか
幼虫の写真は撮られたことはありますか?

我が家の常連キアゲハはなかなか蛹化を観察できません。。 (2009.08.28 12:12:03)

Re[1]:サトキマダラヒカゲ(08/27)  
marinesnow2525さん
>眼に毛!ですね^^
>こんなに長く覆われているとは、驚きです。
>そんなにちゃんと見たことがありませんでした。
-----
 私も一寸驚きました。

>そういえば、こちらでもほとんど見なくなっている気がします。
-----
 林のある方に行けばまだ結構居るのではないかと思いますが・・・。
(2009.08.28 17:53:38)

Re[1]:サトキマダラヒカゲ(08/27)  
ukon6624さん
>自然の紋様は素晴らしいですね
>よくこんな意匠が作れるものと感心します
-----
 自然の造形は絶妙ですな。

>サトキマダラヒカゲが常連ですか
>幼虫の写真は撮られたことはありますか?
-----
 昔は常連でしたが今は稀です。
 幼虫は見たことがありません。

>我が家の常連キアゲハはなかなか蛹化を観察できません。。
-----
 蛹化は一瞬に近い位速いですから、観察する機会は中々ありません。
(2009.08.28 17:56:21)

サトマキマダラヒカゲ  
るる555  さん
サトマキマダラヒカゲ 複眼の毛にも翅の模様にも驚きました。それ以上に 触角の形が 不思議な感じがしました。どこが不思議なのか考えるに
触角の先 拡大された時の節のような横線と
不思議・ファンタスティック~♪
(2009.08.28 19:32:21)

Re:サトマキマダラヒカゲ(08/27)  
るる555さん
>サトマキマダラヒカゲ 複眼の毛にも翅の模様にも驚きました。それ以上に 触角の形が 不思議な感じがしました。
-----
 自然の創造物は、拡大すると色々な世界が開けてきます。

>どこが不思議なのか考えるに
>触角の先 拡大された時の節のような横線と
>不思議・ファンタスティック~♪
-----
 まァ、普通の構造なのですが・・・。ハチやハエと較べると、節数が多いのは確かです。
(2009.08.28 21:13:30)

Re:サトキマダラヒカゲ(08/27)  
夢のはし  さん
ヤマかサトかを判断するのは、難しいのですね^^;
あたしの住んでいる場所も、区内では最もサトとされる場所ですが、
大雨が降ると、川向が水没しても、全然平気なので、
案外ヤマなのだな、と実感せずにいられない、びみょ~な場所です^^v

眼が、深い色をした、こういうちょうちょが大好きなのですが、
今年は、殆どお見かけしません。
ベニシジミを、二回ぐらい見ただけで、
眼の薄い色の子ばかり、やってきます^^;

ちょうちょは、正面よりも、
横顔の方が、綺麗ですね☆^^☆ (2009.08.29 22:01:18)

Re[1]:サトキマダラヒカゲ(08/27)  
夢のはしさん
>ヤマかサトかを判断するのは、難しいのですね^^;
>あたしの住んでいる場所も、区内では最もサトとされる場所ですが、
>大雨が降ると、川向が水没しても、全然平気なので、
>案外ヤマなのだな、と実感せずにいられない、びみょ~な場所です^^v
-----
 図鑑では岩手県は全域混生地帯となっています。後翅裏面基部の模様が典型的であれば、区別できます。

>眼が、深い色をした、こういうちょうちょが大好きなのですが、
>今年は、殆どお見かけしません。
>ベニシジミを、二回ぐらい見ただけで、
>眼の薄い色の子ばかり、やってきます^^;
-----
 お目々パッチリがお好きな様ですな。

>ちょうちょは、正面よりも、
>横顔の方が、綺麗ですね☆^^☆
-----
 セセリなどは正面から撮るとおどけた顔になります。
(2009.08.30 08:16:42)

タテハチョウ化  
テフテフ さん
アーチャーンさんお久しぶりです

鋭い視点での観察いつも関心しております
タテハチョウ科ジャノメチョウ亜科
最初の写真で明らかですがこのサトもタテハ科の特徴4本足ですね

昆虫の特徴である6本脚がなぜかタテハ科は4本足に・・・
進化の過程でなぜ後脚が退化したのかとても不思議ですね
(2009.09.13 02:13:58)

Re:タテハチョウ化(08/27)  
テフテフさん
>アーチャーンさんお久しぶりです
-----
 いらっしゃいませ!!

>鋭い視点での観察いつも関心しております
>タテハチョウ科ジャノメチョウ亜科
>最初の写真で明らかですがこのサトもタテハ科の特徴4本足ですね
-----
 顔の下に短い前肢が写っています。

>昆虫の特徴である6本脚がなぜかタテハ科は4本足に・・・
>進化の過程でなぜ後脚が退化したのかとても不思議ですね
-----
 退化したのは前脚ですが・・・。
(2009.09.13 10:25:06)

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