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って、2,3日前にCNNのニュースでやってた。で、それを見て、数年前に海外滞在中に見た、彼が監督した『パッション』を思い出した――全編、アラム語を使うなど、クリスチャンとしての彼の思い入れがよく分かる作品だった。
で、俺が云いたいのは、ヨハネ・パウロ2世が推薦する映画の第2位がパゾリーニの『奇跡の丘』であり、これは『パッション』とある意味で対照的な作品ではないか、ということ。
『パッション』ではイエスの受難をこれでもかとリアルに再現することに主眼が置かれてるような気がするけど、『奇跡の丘』では一切が、まるで寓話の中の出来事のように淡々と、まったく聖書のリテラルに忠実に描かれている、そんな気がするから。
そんでもってパゾリーニ、この先生はウルトラ左翼で信仰心を否定するご仁、そんな彼が『奇跡の丘』を撮り、ヨハネ・パウロ2世がそれをえらく評価してるところが興味深い。
俺の友人は『奇跡の丘』について、こう云ったものだ――パゾリーニは神の存在を信じることができない、それでいながらアリストテレスが云う「不動の動者」(それを彼は「神」と呼んだ)を求めてるんじゃないか? この心底「求める」っていうのが、究極的には「信仰」の淵源だろう、パゾリーニがそれを自覚してるかしてないかはともかくも。
メル・ギブソンへ――犬を飼いなさいな。そして奥さんを殴りたくなったら、犬の頭を撫でながら彼(女)の清らかな、あんたを見つめる眼を見なさいな。怒りのパッションが静まるのでは?