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2008.01.13
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カテゴリ: 「公教育」考
 和田中の「夜スペシャル」に関する意見、態度はズルイようですが、「是々非々」「様子を観ていきたい」というものです。
 まぁ、自分が関与する余地はない、よその基礎自治体の学校のお話なので、のんきに高見の見物、という気持ちがないと言えば嘘になります。でも、「夜スペシャル」を受ける子どもたちと同じ学年の子を持つ母として、今の公立中学校のカリキュラムをどうみるか、高校入試にどう取り組むのかという点では、ある意味当事者ですからね。それなりに真剣に考えてみて、それでもやっぱり今のところの結論は「是々非々」としか、いいようがありません。


 和田中の藤原校長の取り組みはいろいろな意味でおもしろいと思ってきました。今回の「大手進学塾との連携」も、「公共」という場面において、行政(ここでは、教育行政当局だけでなく「学校」も含めて、税金で運営されている公共サービス提供者)と地域・家庭と私企業との役割分担を見直すという意味で、大変興味深い「実験」だと思います。

 なんのための「実験」か、というと、公立中学校を活性化させるため、ということになるでしょう。つまり、単純に「夜スペシャル」受講者が高校受験で難関校に合格した数を「実験」の評価指標にすることはできないと、私は考えています。実際のところ藤原校長先生が何を意図しておられるのかはわかりませんが、
「夜スペシャル」を実施することで、和田中という組織がどう変わるか、というところが、私には一番興味深いからです。

 和田中はこれまで、保護者や地域と一緒に様々な取り組みを行ってきました。
 今回の「夜スペシャル」も、ユーザーとしての生徒や保護者、スタッフとしての教職員、サポーターとしての地域関係者のいずれもが、より活発動ける条件を作りだし、自主的に動くようになって、結果として和田中全体の学習活動やスクールライフが充実して、「夜スペシャル」参加者以外にも利益がでてくれば、この「実験」は成功ということになるでしょうし、逆に「夜スペシャル」参加者がいくら難関進学校に合格しても、生徒や保護者、地域関係者の中に「不公平感」が広がっていったり、先生方が通常の授業を行う時に「夜スペシャル」参加者の対応に困って持て余すようなら、失敗ということになるでしょう。
 その評価は中にいる当事者にしかできないことだろうと思います。

 学校と、連携先の進学塾、保護者、生徒、それぞれの思惑は完全に合致しているとはいえないのが当たり前です。特に、塾の立場としては、受験指導という本来業務を利益度外視で提供するわけですから、別の視点からの何らかの利益(なにも不正な利益というわけではありませんよ。例えば社会的な評価とか指導要領に基づく学校の授業の実際を、生徒を通してではなく、学校の先生方と直接にやりとりできることなどを想定していますが)が充分に得られなければ続けていくことは難しいはずです。また、生徒・保護者も成績や経済力の差によって受け止め方は異なるでしょう。



 このテーマ、ちょっとおもしろくなったのでしばらく不定期で意見を書き続けていこうと思います。



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Last updated  2008.01.15 18:51:08
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記事、楽しみにさせていただきます  
kurazoh さん
和田中の取り組みについて記事にしている一教師として、コメントをさせていただきます。
この問題については、都教委がストップをかけたが容認の態度を見せたこととや、朝日新聞が天声人語で学校を応援したことで意外に思っていらっしゃる人が多いようです。
現場の教師は、文字通り「他人事」というタイプと、「公教育のプライド?」にかけて反対というタイプに分けられるのではないでしょうか。
私は行政・現場・保護者の立場で記事を書いていますが、まだ子どもが小学生なので、保護者の立場のご意見・お考えを知りたいと思っております。
今後もたびたび訪問させていただきます。 (2008.01.14 19:38:32)

Re:記事、楽しみにさせていただきます(01/13)  
kurazohさん
>和田中の取り組みについて記事にしている一教師として、コメントをさせていただきます。
>この問題については、都教委がストップをかけたが容認の態度を見せたこととや、朝日新聞が天声人語で学校を応援したことで意外に思っていらっしゃる人が多いようです。
>現場の教師は、文字通り「他人事」というタイプと、「公教育のプライド?」にかけて反対というタイプに分けられるのではないでしょうか。
>私は行政・現場・保護者の立場で記事を書いていますが、まだ子どもが小学生なので、保護者の立場のご意見・お考えを知りたいと思っております。
>今後もたびたび訪問させていただきます。
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 トラックバックとコメントありがとうございました。私は和田中の今回の取り組みも一概に否定できないと考えている保護者です。ただし、うちの娘の通う中学校で同様の取り組みをしたとしても、多分参加はしないでしょう。難関高校受験の予定がないからです。でも、大学受験に有利な高校への進学を求める保護者は多いですから、まったく学校が関与しないということでは、公立中学校は私立や都立の中高一貫校に活発な生徒をとられてしまうばかり、ということになりかねません。
 保護者ぐるみで、わが中学をよりよいものにしていくために何ができるのか、考えていきたいと思っています。 (2008.01.16 01:28:06)

私も和田中の今後について興味があります。  
sharo_shin さん
私もこの話題を記事にしてブログに私見を述べさせていただいています。私自身塾をやっているのですが、『よたよたあひる』さんは、お子さんをお持ちのお母さんのようですので、親から見た意見として参考になりました。これからも母親目線の内容を期待しております。 (2008.01.25 15:54:19)

Re:私も和田中の今後について興味があります。(01/13)  
sharo_shinさん
>私もこの話題を記事にしてブログに私見を述べさせていただいています。私自身塾をやっているのですが、『よたよたあひる』さんは、お子さんをお持ちのお母さんのようですので、親から見た意見として参考になりました。これからも母親目線の内容を期待しております。
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 ご訪問、コメント、そしてトラックバックありがとうございました。
 私は、東京都下多摩地域の公立中学校に通う娘がいます。親馬鹿ですが、アタマはそう悪くありません。読解力はかなりのもので、情報収集力も記憶力もあります。でも、学校の成績はあんまりよくありません。好き嫌いが激しすぎるのと、試験勉強に向いていないんです。一番好きで力をいれているのは美術です。一方で、対人関係はかなり不器用な方です。特に女の子との関係にはいつも苦労しています。そういう子ですから、多分、何かの専門性を身につけていく、美術に関係するような「手に職」系の進路を考えていくのがいいんじゃないかと思っているわけです。
 そうすると、必ずしも進学重点校を志望する必要はありません。だけど、基礎学力はきちんと身につけていってほしい。ノートの取り方やまとめ方、人に自分の考えをきちんと伝える力、資料を読み込んで自分で考える力はつけていってほしいわけです。
 学校の授業にはそういうことを望んでいます。 (2008.01.26 23:49:00)

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