2018.08.14
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カテゴリ: 習い事
​​​​今日は珍しく、庭の花の写真から。



夏水仙は、一番暑い時期に毎年咲きます。暑い中でも、なんとなく涼し気に見えるから不思議です。


八重のムクゲは、母が根こそぎ伐ってしまったけれど、一重のムクゲは生き残っていますよ。


で、夏といえば、この花。


葉鶏頭も、母のお気に入り。



美しい物を見たあとで何ですが、今朝はScotchケンさんのブログの記事を見てから、なんかずっと悪い言葉のような物を次々と調べていました。

夏目漱石の『坊ちゃん』の中に出てくる言葉が紹介されていました。

マドンナの婚約者だった「うらなり」さんが赤シャツの陰謀で延岡に転任になった時の送別会での言葉です。

山嵐がうらなりさんが陰謀で転任させられることに対する怒りの気持ちを、皮肉を混ぜた言葉で演説したあと、「おれ」のところにやってきて、「さっきの演説はよかったろう?」というものだから、「おれ」が、一か所だけ不満を言います。


「うん」(山嵐)
「ハイカラ野郎だけでは不足だよ。」(おれ)

「じゃ何と言うんだ」(山嵐)
「ハイカラ野郎の、ペテン師の、イカサマ師の、 猫被 ねこっかぶ りの、 香具師 やし の、モモンガーの、岡っ引きの、わんわん鳴けば犬も同然な奴とでも云うがいい」(おれ)

つまり、赤シャツに対する悪口なんですね。わざと転任させたくせに、表面ではうらなり君の転任を残念がってみせている うそつきに対する怒りの言葉 です。




ここで、最初に調べたのは、「香具師(やし)」です。
香具師と書いてなんで「やし」って読むんだろう?  そもそも、なんで「やし」って呼ぶんだろう??? という疑問から入りました。

毎度おなじみのWikipediaから取り掛かりましたよ。

すると、「香具師」はもともと「こうぐし」と呼んでいたそうな。江戸時代には歯の民間治療をしていた辻医者や軽業・曲芸・曲独楽などをして客寄せをして、薬や香具を作ったり売ったりしていた露天の商売人のことをさしていたそうです。
明治以降は、露天で興行・物売り・場所の割り振りなどをする人をさして「的屋(てきや)」とか「三寸(さんずん)」とも呼ばれたらしい。
すると、『坊ちゃん』の中で使われた悪口の意味は、テキヤのことですね。当時はヤクザが取り仕切るヤクザの仕事だったから、それが悪口なんでしょう。


そして、 「やし」と呼ばれることになった語源 ですが、
〇「薬師(やし)」と呼ばれた江戸時代の薬売りと香具師が合わさって「やし」と呼ばれるようになった。
〇薬の行商を始めた人が「弥四郎」さんだったので、「弥四(やし)」
〇身をやつした武士が生活のために薬を売っていたことから「野武士」の「武」が省略されて「野士(やし)」


と、いろんな説が紹介されていました。
面白いですねー。

で、ここから、「山師」というと、詐欺師とかペテン師の意味になるよねー、と連想が続いていきます。

なんで「山師」が詐欺師なの??

本来鉱物資源とか水資源のある山を探し出す人のことだったけど、確率が低いけれど、当たれば大きい。そんな話を持ち掛けて、資金を出させて金品をだまし取る人の意味になってきた。だから詐欺師と同じ意味になるって。


ふむふむ。

なら、 なんでペテン師っていうんだろう?? ペテンって何?

またまたWikipediaを見ると「 ペテンとは繃子(ペンツ)であり中国語の方言・俗語で、詐欺を意味し詐欺師と同義語 」と書いてありました。


ペテンって、中国語だったのですねー、びっくりしました。

「イカサマ」の語源もいろいろあるみたいで、
〇「如何様」…いかようにも見えるという意味
〇「イカ」は餌がいらず、いろんな方法で釣ることができることから
〇「イカスミ」から。イカ墨で書いた証文は、時間とともにだんだんと消えてしまうことから

さて、どうなんでしょうね。とにかく、仕掛けや小細工をしてごまかす人が「イカサマ師」


それから、悪口に「岡っ引き」が入っているのも面白い。なんでかな? と思ったら、「岡っ引き」というのは「にせ警官」「ポリ公もどきの嫌なやつ」というような意味の悪口だったのですね。
正式には「目明し」とか「御用の者」「御用聞き」「手先」などと呼ばれたそうです。

「岡」という文字には「正規でない」という意味があり、たとえば「岡場所」というと、非合法の売春宿のことでした。だから、「岡っ引き」というと、「非合法に逮捕する奴」という意味になるので、面と向かって呼ぶことはなかったらしいですね。

実際には「〇〇の親分」とかね。

あと、「ももんがぁ」が悪口に入っているのも、江戸時代にももんがぁの真似をして人を驚かせる遊びがあったからなのかも・・・

「坊ちゃん」の中の言葉からどんどん深みにはまっていきます。


そのほかにも、
「インチキ」・・・「イン」は「イカサマ」のイカが変化して、「チキ」は「高慢ちき」とか「とんちき」のチキ。

「ガセ」(偽物)・・・「お騒がせ」の「がせ」から。

「でたらめ」・・・賭博の隠語で「目」はサイコロの目のこと。「出たらその目」の意味から



終わりがありません。





さて、午後になったら、字の稽古をしましたよ。



まずは、ペン字と小筆の漢字まじりの練習です。
これは参考作品ですが、この通りでなくて良いところが面白いでしょ? 行替えとか、俳句の書き方なんかは参考にします。

そして、その後は連綿の練習をしました。



連綿とは「文字を続けて書くこと」です。

長い文の中に、何か所も続いたところがあり、その中から選んであります。
せっかくなので、元の歌も調べたら、面白いのがありました。左下の和歌です。
「よりまづこえじ」と続けて書いてあるのですが、元の歌を全部書くと、

死出(しで)の山 ふもとを見てぞ 帰りにし
     つらき人 より まづ越えじ


歌を詠んだ人は兵衛さん。藤原高経の娘で、藤原忠房の奥さんです。

この歌を詠んだ背景が面白い。兵衛さんがある時、重い病にかかりました。通い婚ですから、夫とは一緒に住んでいるわけではありません。でも病気であることはわかっているはずなのに、病気がひどい時には見舞いにも来ず、ようやく直ってから、お見舞いにきたそうな。その時に詠んだのがこの歌。

意味は、
「私、今、(ここを超えたら死の世界に行ってしまうという)死出の山のふもとを見て帰ってきたところよ。冷たいあなたより先に越える(死んでしまう)なんて絶対にいやだから。(先に死んでたまるものですか!!)」

皮肉たっぷりの歌なんです。
夫の忠房さんは、管弦の名手で、作曲なんかもしていたらしい。あまりに夢中になって、病気の奥さんのことを後回しにしてしまったのでしょうね。

この歌の返歌を知りたいと思ったのですが、古今集には載せられていないようです。

​​きっと言い訳を並べて、奥さんへの気持ちをのべてご機嫌をとるような歌なんでしょうけどね。





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Last updated  2018.08.14 00:54:00
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