戯言屋 六華亭

戯言屋 六華亭

God Bless Me ――― with you ――― 




1.それは奇妙なことに ずいぶんとありふれた質感で
  僕を包み込む。
  怖いような それでいて懐かしい匂いのする感覚なのだ。
  もう一瞬も僕から離れることのない感覚なのだ。
  胸を熱くするような【違和感】
  君は、それがどんなものかわかってくれるだろうか?



2.迎合できない何かがある。
  それは僕と周囲の人間を隔絶する見えない壁。
  多分、誰のせいでもなく、僕自身が積み上げ築いてしまった壁。
  いつだって僕が不思議に思うのは
  「他人の考え方」や「感じ方」ではなく
  どうして僕自身が、そう感じたり考えたりするのかと言うことなのだから・・・。



3. ドアの向こうには別の世界がある。

  ドアを思い切り開いて飛び出していく、A。
  静かに、しかし激しい思いで歩き出す、B。
  開け放ったドアから恐る恐る足を踏み出す、C。
  なかなか決心がつかずに、開いたドアの前でウロウロしている、D。
  ドアを開けるには開けたが、すぐに閉じられるようにノブから手を離さない、E。
  ほんの少しの隙間から外を覗いている、F。
  自分ではドアを開けずに、誰かがノックをしてくれるのを待っている、G。
  繰り返されるノックに耳を塞ぎ、ドアの前で座り込んでいる、H。

  そして僕にはドアの場所さえわからない。



4.君の声が僕を安心させてくれるから・・・。
  他愛ない会話さえ失いたくない。



5.『想い』はちゃんと『自己』を持っていて
  時々僕を無視していく。

  「僕は君が大好きだよ」

  電話を切った後でいつも小声で呟いていることに
  君は気が付いてくれているよね?



6.『いくつになって夢を持っている男の人って素敵だと思うわ。
   だけど本当にそう言う人って、きっと少ないんじゃないかしら?
   誤解しているのよね。
   本当に「夢を追っている」んじゃなくて
   「夢を追っている自分」を夢見ているんだわ。
   夢って努力の結晶でしょ?
   だから美しいのよ。
   いつかあなたが100%あなた自身になる時、
   それがひとつめの「夢の結晶」ね』



7.ねえ、考えたことはあるかい?
  孤独の中にも喜びはあるし、安息の中にも恐怖はあるんだよ。
  それはきっと暗闇と同じようなもので、
  人間がそれぞれの体の中に持っている空間なんだ。
  怖くなんか無いさ。
  だってね、太古の地球を包んでいた宇宙の闇は
  限りなく黒に近い、紫と藍と紺が入り混じった
  温かく肌触りの良いビロードだったんだよ。
  そんな暗闇を怖がる必要なんてない。
  僕らは胎児のように体を丸めて、漂っていればいいんだ。



8.僕は臆病なので夢を見ない。
  飲みに行くのも、友達と話すのも好きだし
  コンサートや映画を観に行くのももちろん嫌いじゃない。
  だけど周囲の人がそう言うことを好んでいるみたいにはなれない。
  一人で部屋の中で本を読んだり、音楽を聴いたり、ビデオを見てることの方が楽しいんだ。

  君はどうしてそんな僕を嘲笑わないの?



9.今夜、僕が目にする星は実際にはその時、
  もう跡形もなく消えているのかもしれない。
  何年も何十年も何百年も昔のささやきが、やっとここに届く。
  人間の想いもリアルタイムでは相手に通じない。
  当の本人にとっては「過去」になってしまった感情だけが
  やっとの思いで誰かに届く。

  過去進行形の現在。
  現在進行形の思い出。



10. 感情を甘やかしてくれる友達。



11. 僕は君が大好きだよ。
  でも僕はそんな自分が嫌いなんだ。
  僕の中で増殖していく“ボク”に
  ガマンがならないんだ。



12. 君にとって僕が何であるかよりも
  僕にとって君が何であるかの方が
  はるかに重要なことで、
  君の何かを知ることよりも
  僕の何かを知ってもらう方が
  はるかにムズカシイこと。



13. 行き場のない心を
  無条件で抱き止めようなんてしないでほしい。
  憎みあうのは嫌だけど
  馴れ合うことの方が怖いから。
  ズルイ人間にさせないでください。
  愚かな僕を救おうと、その温かい手を差し伸べるつもりなら
  どうぞその手にナイフも握っていてください。



14. 君に抱きしめられると泣きたいくらいに
  自分のことが好きになれるんだよ。




      God Bless Me ―――with you――― 



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