バークレー生のひとりごと

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東大生とバークレー生が書いた進路のすすめ

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2005.07.18
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さて、これまで3回にわたって、

今日も、その議論の続きをやっていきたいと思っています。



■オトナとして生きるということ


高校生のみなさんは、オトナとして生きることの厳しさの実感がないと思います。
だから、前回のブログでお話したように、
オトナになる覚悟をしなければならない厳しさと言われても、
なかなかピンとこないかもしれません。
僕も、高校生の時はそうでしたから、その気持ちはよく理解できます。

そこで、まずは、オトナとして生きる厳しさを、もう少し具体的に考えてみましょう。
第14回 参照)


みなさんは、日常生活の中で、
飢え死にすることは絶対にありえません。
空腹を満たす食料と、のどの渇きを癒す飲料が、たっぷりと家の中にあるからです。
また、昔の人から考えれば、
とても贅沢な暮らしが可能となりました。
季節を問わず、エアコンで快適な時間を過ごせますし、
小遣いをためて、洋服や好きなアーティストのCDを買ったりもするでしょう。

みなさんは、そんな生活を”当たり前の事”だと思っているはずですし、
そんな生活を送ることが、どれだけ大変なことであるのかということを、
あまり理解していないと思います。


そんな”当たり前の生活”を、”当たり前のもの”にするために、
誰から助けてもらうことなく、
自分でお金を稼がなければならないということなのです。
逆に言えば、そのお金がなければ、
みなさんが当たり前と思っている生活は、すべて成り立たなくなるということです。


お金がなければ何も買うことは出来ません。
電気代が払えなければ電気は止められてしまいますから、
暑かろうが寒かろうが、エアコンを使うことも出来ません。
シャンプーがなくなっても、お金がなければ、新しいシャンプーを買うことは出来ませんし、
家賃やローンが払えなければ、帰る家すらなくなってしまいます。
ましてや、自分の好きなものを買う余裕なんて、どこにもありません。

だから、すべてのオトナは、
自分のやりたいことかどうかに関係なく、何らかの「職業」に就いて、
何気なく生きている”当たり前の毎日”を、”当たり前のもの”にするために、
お金を稼ぐ必要があるのです。

そして、今のみなさんの”当たり前の毎日”が成り立っているのは、
言うまでもなく、みなさんのご両親が、
それぞれの「職業」で働くことから得た給料のおかげなのです。
みなさんのご両親の場合は、
自分ひとりが生きるためだけではなく、
みなさんも含めた家族全員が生きる分のお金を稼いでくれているわけですから、
コドモを育てるオトナとして生きることが、どれだけ大変かを理解できるはずです。


大学に進まず「夢」に挑戦しようとするみなさん。

高校を卒業すると同時に、両親のもとを離れ、
両親から一切の援助を受けずに生活する状況を思い浮かべてみて下さい。
あなたは、そんな状況で、
ひとりで生き抜くことが出来ると思いますか。

そのような厳しい状況でも、
経済的に自立して、たった一人で生きていく強さを持つということ。

それが、オトナとして生きるということです。



■「夢」が「職業」であり続ける難しさ


世の中には、本当にたくさんの「職業」があります。
サラリーマン、警察官、学校の先生、パイロット、作家、医者、プロ野球選手・・・・・。

そして、さきほどもお話したように、
遅かれ早かれ、すべての人は、いつかは学生を卒業してオトナになり、
生きていくためのお金を自分で稼がなければならなくなります。
ですから、すべての人は、
この山ほどある「職業」の中からひとつの「職業」を選び、
その「職業」から、生きていくためのお金を得ることになります。

しかしながら、みなさんのように、自分がなりたい「夢」と「出会って」いたとしても、
そのすべての人が、自分の「夢」を「職業」として、
それから生きるためのお金を稼げるというわけではありません。

なぜなら、自分の「夢」を「職業」として生きる糧を得るためには、
2つの大きな壁をクリアする必要があるからです。

まず1つ目の壁は、
その「職業」になるための”権利”を獲得しなければならないということです。

自分が働きたい会社で働くためには、その会社に採用してもらうことで、
その会社で働く”権利”を得る必要がありますし、
医者になるためには、医学部に合格し、国家試験を通ることで、
医者になる”権利”を得なければなりません。
つまり、どのような職業であったとしても、
その働く”権利”を得ることが出来なければ、それは実現しないのです。
(唯一、権利なしに就ける「職業」として、起業家がありますが)

次なる2つ目の壁は、
その「職業」で働く権利を奪われないように、
日々の仕事の中で、
その「職業」に要求される”結果(実績)”を残さなければならないということです。

会社の利益に貢献できない人間は、
リストラという形で、会社で働く権利を奪われてしまいますし、
患者さんを丁寧に診察する責務を怠り、
医療ミスを多発した医者は、医師免許を剥奪されてしまいます。
つまり、その「職業」が要求する最低限のレベルの仕事が出来なかったら、
その「職業」でお金を稼ぐ権利を奪われてしまい、
あなたが持っていた権利は、
あなた以上の結果を残す他の人に移ってしまうのです。

簡単にまとめると、
1つ目の壁は、希望の「職業」に就くことの難しさ、
2つ目の壁は、その「職業」に就き続けることの難しさを表してるのです。


そして、世の中に存在する様々な「職業」について、
この2つの難しさを比較した時、
みなさんがなりたいと思っているような「夢」を「職業」として、
生きるためのお金を稼ぐことが、
他の多くの「職業」に比べて、どれだけ難しいものであるかはすぐに分かるはずです。

例えば、プロ野球選手には、1年間に、たった100人程度しかなれませんし、
たとえプロになれたとしても、
プロの世界で結果を出し続けない限り、
プロ野球選手を「職業」として生きていくことは出来ません。
実際、華々しくプロの世界に入っていく新人たちの裏側では、
その新人と同数のプロ野球選手が、それぞれの球団から解雇され、
他の「職業」を探すことになっています。

そして、これと同じような厳しい現実は、
歌手、ダンサー、サッカー選手、俳優、写真家、映画監督など、
みなさんが目指しているほとんどの職業で言えるはずです。

ものすごい競争を勝ち抜いて、
自分の「夢」を「職業」とすることが出来ても、
今度は、その「夢」を「職業」とする人たちの中でさらに結果を残し、
より厳しい競争に勝ち残って、
自分の「夢」を「職業」として継続し続けなければならないのです。

みなさんの人生が、他の人の人生よりも、厳しいものである最大の理由。

それは、他の多くの職業に比べて、
みなさんが挑戦しようとしている「夢」を、
「職業」とするために乗り越えるべき2つの壁が、
あまりにも高く険しいものであるということなのです。



■本当の挑戦者


今日は、これまで大きく2つのことについて考えました。

オトナとして生きることの難しさ。
「夢」を「職業」として生きることの難しさ。

そして、年齢を重ねるごとに、
人間は、この2つの難しさを身をもって体験していきます。
オトナとして生きるために、より現実的になっていくのです。

”やっぱり、歌手になる夢はあきらめて、大学へ通うことにしよう”
”そろそろ夢を追いかけるのは終わりにして、まともな仕事に就こう”
”彼女と結婚したいし、そのためにも、安定した仕事を探さないとな”

一握りに成功者を除いて、ほとんどの「夢」の挑戦者は、
オトナとして生きるために、
「夢」を追いかけることに区切りをつけ、別の「職業」を探すことになります。

そして、こうした厳しい現実を目の当たりにしてきた、
学校の先生をはじめとする多くのオトナたちは、
みなさんにこう言うことでしょう。

”そんな夢は絶対に実現しないから、もっと他の現実的な夢を探しなさい”
”大学に行けば色々な経験をして、他の夢が見つかるはずだから”

ほんの一握りの人しか成功しない現実がある以上、
そんな現実的な意見を言うオトナが多いのは当たり前ですし、
ある意味、それがもっともな意見なのかもしれません。

しかし、忘れてはならないのは、
ほんの一握りの人間であろうが、
成功する確率が、たった0.001%の可能性であろうが、
実際、世の中には、自分の「夢」を「職業」として生きている人が存在するのです。

日本人は、どうしても、人と違う生き方をすることを拒みますが、
人と違う生き方をしないと得ることが出来ないものが、世の中にはあるのです。
失敗を恐れていては、たどり着けないものが世の中にはあるのです。

大きなリスクを背負ってまでも、
他の多くの物を犠牲にしてまでも、
自分の一生を賭けて、自分の「夢」に挑戦しようとする人生。
そんな人生に挑戦しない限り、
みなさんの持っている「夢」は、実現できるものではないのです。


みなさんが持っている大きな「夢」に、
なんとなるといういい加減な気持ちで挑戦することに、僕は反対です。
そんな気持ちで挑戦したとしても、絶対に成功する事はないと思いますし、
それならば、学校の先生や親の言うとおりに、
大学へ進学することを、僕もお勧めします。

大切な事は、
オトナとして生きることの厳しい現実を、しっかりと見つめること。
生きるためのお金を稼ぐことは、そんなに生易しいことではないからです。
そして、次に、
自分の「夢」を「職業」として生きていくことの難しさを、
冷静な目で見つめること。
あなたが挑戦しようとしている「夢」を「職業」として生きていけるオトナは、
ほんの一握りしか世の中にはいないからです。

そして、今日お話したこれらの大切なことを心に刻むと同時に、
せっかくの機会ですから、
大学に進学することなく、自分の「夢」に挑戦するという人生の大変さを
様々な角度から考えてきたこれまでの3回にわたるブログを、
もう一度読み返してみてください。

オトナとして「夢」に挑戦することに、トコトン悩んでみて下さい。

”大学に行った方がいいんだろうか”
”自分は、やっぱりダメなんじゃないだろうか”
”長く厳しい挑戦に耐えることができるだろうか”
”自分に本当にそんな力があるのだろうか”

悩んで悩んで、その結果、大学へ進学することを決める人もいるはずです。
そういう人は、今の夢を持ちながら、
大学で色々な事を経験して、新たな夢の模索を続けて欲しいです。
何も、今すぐに、夢に挑戦することだけが正しい選択ではありません。

そして、一方で、悩みに悩んだ結果、
やっぱり自分は、今持っている「夢」に挑戦するんだと覚悟を決めた人もいるはずです。
悩んだ末にたどり着いた覚悟というか、
今、みなさんが心の中に持っているであろう自分に対する信念みたいなものは、
僕は、絶対にホンモノだと思っています。

そして、そのような確固たる決意を持つことが出来たあなたのような人こそが、
夢の挑戦者にふさわしい人なのだと思います。

どうか自信を持って、その「夢」に挑戦してください。
決してあきらめることなく、世界で一番だと自負できるほどの努力を重ねて、
そして、ぜひその「夢」を実現して下さい。



今日も長い文章、お疲れ様でした。





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Last updated  2005.07.18 23:37:05
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