ところが、この原題「In The Heat Of The Night」のほうが、インパクトがあり早川のペーパーバックでは邦題「熱気の中で」のほうがよっぽどよい。レイチャールズが歌うIn The Heat Of The Night!というフレーズが何十年経っても耳に残っている。どんな夜かを原作者も映画も表現したかったのに。アメリカ南部で、湿気の多い不快指数が高い夜には、人間は凶暴性を帯びてくることがテーマである。 どこが大走査線なのか全然わからない。続編叱り。更に見ていないがもう一本夜の大走査線の映画が作られている。 品が良い東部出身のインテリな黒人バージルチップスは第二作目で、家庭内問題を描写するところがあり、多分ここだけは原作者の監修でこだわったところなのかもしれない。 この中でシドニーポワチエ扮するバージル・チップスは子供にリベラルな教育を施そうとする。(自分で自発的に考えさせる。) 例えば小学生の息子がタバコを吸っているのを発見するが、きつく叱らず、子供に葉巻を吸わせバーボンを飲ませ、気持悪るくなるまで続けさせ体に害があることを認識させる。 それでも子供は意に介さず、いろんな悪戯をする。反抗する。リベラルなタフさ教えようという父親の目論見は見事に裏切られる。母親はもともと父親の教育方針を理解していない。 おそらく1990年ぐらいから米国の家庭内教育は、もっと保守的になっているはずである。この映画の製作時期が1970年であるので、時代の流れを感じる。