Taste shop of Showa "cool man boogie-woogie"

October 9, 2010
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次々に運ばれる豪華なスペイン料理にシャンパン、

宴が幕を開けた。


男は鷹の様に精悍でワイルドな風貌だったが、

人と接する時の物腰の柔らかさが対照的であった。



どこのテーブルに招かれても、笑顔で応対し、

握手や記念撮影を求められても気さくに応じていた。



そんな時間が流れる中、ふと男が人波からはずれ、

店の隅で一息ついている所に出くわした。



思い切って声をかけてみた。





突然に身内の名前が出たので少しびっくりした様子だ。



「・・・○を知ってるんですか?」



「以前に、私が勤めていた会社でアルバイトをされてました。」

「そうなんですか。それはお世話になりました。」

「いえ、部署が違ったので直接私が

お世話した訳ではないのです。」




そんな短い会話をかわした後、また別のテーブルに招かれると、

男は軽い身のこなしで椅子から立ち上がった。


「では失礼。」踵を返し、大股で歩き去った。



そして宴も終わりに近づき、私はゲストを見送るために店を出て、

扉の前で待機していた。




男が件の女性を伴い現れた。



「今日はどうもありがとうございました。」



「お世話になりました・・・。」


そして男は女性の耳元に口元を近づけて、



「あのねぇ、○がこの方のお世話になったんだ・・・。」





軽い足取りでフェラーリの助手席側のドアを開け、

女性を乗せたのち、自分も運転席に乗り込みエンジンをかけた。


短いクランキングの後、あの猛々しい咆哮があがった。


その獰猛なエンジン音は、まさにその男にふさわしい。



だが直感で思った。



このクルマはきっと連れの女性がオーナーなのだと。

男とこのクルマは少しミスマッチな気がしたのだ。

そう、男には獰猛でマッチョで、繊細さも併せ持つ、

たとえばコブラのようなクルマがきっと似合うだろう。


そんなことを考えている間に、

真っ赤な伊達クルマはゆっくりと走り出し、

夜の青山に消えていった。


見送る私は、この夜の出来事を強烈に心に刻み込んだ。






あの伝説のバイクチーム、

ここから僅か1キロ程先のカフェが当時の溜り場だった。





その”ボス”と呼ばれた男・・・。(終)





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最終更新日  October 15, 2010 11:46:36 PM
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