2003年02月14日
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 昨日の続きになります。


 同行したTかたくん曰く

 -「ディープ・インパクト」の大津波のSFXシーンより、「夜叉ヶ池」の大洪水シーンの方がかっこう良い-

 私は凄く理解できました。

 別に昨今のCGでみせるSFXが悪いとは言いません。かなり唸らせてもらってます。
 「ジュラシック・パーク」のラプトルが厨房の中で飛び跳ねる描写やティラノサウルスがもの凄いスピードで車を追っかけて走るシーンの衝撃は未だに覚えています。
 「ターミネーター2」のT-1000の変身シーンも、「マトリクス」ののけぞりシーンもCGあっての効果だというのは十分認識しております。

 更に技術の革新も目覚しく、10年前は描写が難しいとされていた「水」や「雨」も既に克服。映画自体はむちゃくちゃつまらなかった「パーフェクト・ストーム」も波のシーンは確かに迫力がありました。



 でもです。何でも出来ると言ってもそこは所詮「映像」を創る為のツールの一つでしかありません。

 「映画」の場合、映像と音が一つになって完成します。
 映像も、写真と異なり連続しています。
 完璧なCGで作った映像も、前後のつながりや効果音や音楽や台詞が上手くかみ合わないと「映画」としては失敗になります。

 上記「パーフェクト・ストーム」は、私は失敗と感じました。これはCGの方にはあんまり非は無く、ストーリーに問題があると思います。

 しかし「スターウオーズ EPⅠ」及び「EPⅡ」に関しては、ストーリーの悪さ(あえて悪いと言います)も勿論のこと、CGのみせ方にも問題があると思います。

 確かに個々のシーンは凄いです。一画面の持つ情報量っていうので判断するのならこれに勝る映画は無いと思います。

 それでもCGでただたんにベターと貼り付けて、「凄いでしょう、凄い世界でしょう!!」とみせられても「そうですね」としか答えようがないと思います。

 例えば首都惑星コルサントのシーンがそれです。ものすごく沢山の人が暮らしているのだろうなというのは画面から伝わるのですが、生活感が感じられません。
 空中を飛ぶ車や街に置かれている様々なガジェットと同じで、通行人や生活している人たちは、ただの風景の一部としてしか描かれていないように思います。

 贔屓目だと言われても反論はしませんが「EPⅣ」のモスアイズリー酒場でのシーンの方がチープでしたが個々の登場人物に存在感がありました。


 PS版「ファイナル・ファンタジー」のデモシーンよりも盛り上がりにかける「ノッペリ」さだと思います。

 確かにクローン兵士はあの世界の中でもゲームのコマでしか無いですが、もちっとかっこ良くみせてくれても罰は当たらないと思うのですがね。


 嗚呼、気が付くと「夜叉ヶ池」の事ではなく「SW」への呪詛になっています。

 これではいけません。話を元に戻します。




 勿論、CG等遠い未来の技術だった時代に創られたこの映画では、本物の水を使っています。

 「火と水の特撮は難しい」と日本の特撮の神様は生涯言っていたと物の本に書いてありました。
 理由は、共にスケールが変えられないからだそうです。

 納得です。
 洪水の迫力をだそうと思ったら、必然ミニチュアも大きくなります。
 必然的に「水」の量も増えます。

 ミニチュアの木々や藁葺き屋根の民家に水がもの凄い勢いで襲いかかるシーンは間違いなく「トン」の単位で使っていると思います。

 これを今のCG映像を見慣れた世代は「ちゃっちい」と言うのかもしれません。

 確かにCGにくらべればあらが目立ちます。

 いや、むしろあらだらけと言っても過言ではないです。

 でも「見せ方」は間違いなく今でも通用すると思います。


 実景の中を逃げ惑う人々。その遥かかなたの山間から迫り来る山津波。背景の
山並はミニチュアとの合成。
 ミニチュアの木々を飲み込む山津波。
 実景の中を逃げ惑う人々。その背景には本物の民家とその奥にミニチュアの民家を合成。
 そのミニチュアの民家を一気に押し流すパワフルな大容量の水。

 山津波が迫っていることに気づかない村人の描写。彼らは家の中でくつろいでいる。
 壁の向こうから轟音が聞こえ、部屋から逃げ出す住人。
 人が画面から消えた後、壁を押し破って大量の水が画面に向かって押し寄せる。

 実景の中を逃げ惑う人々に迫る山津波。
 人々は次々に波に飲み込まれていく。(合成でですが)

 波に飲み込まれる人々のロングショット。アップショット。
 そして再びミニチュアの民家を押し流す大水。

 ・・・・ついてきてますか? すでにまとめきれなくなっている自分がいますが。

 「夜叉ヶ池」では、こうしたショットを上手く積み重ねることで臨場感あふれる映像に仕上がっています。

 CG使って同じような構図で撮ったものと、是非比べて観てみたいです。

 私は古いタイプの人間ですから、もしかしたらCGで作った方を否定してしまうかもしれないですね・・・


 映画のラストシーンで、ただ一人生き残った主人公・山崎努氏は-村の外から来た部外者として映画の中では語られ、高台にいたことも幸いして命拾いをします-変わり果てた村の姿を目の辺りにします。

 今まで映っていた山々や山間の村は完全に消え失せています。
 山崎氏は滝の上部のほとりに立ちつくしているのです。
 滝と言ってもナイアガラの滝のように、前方180度が全て滝壷に落ちるような、綺麗な滝です。

 ここは特撮ではなく、実景です。
 今までとは明らかに別の場所で撮影しています。

 呆然と立ち尽くす山崎氏を、カメラは次第にロングにし、そこへエンドロールが綺麗な景色に被ります。

 画面は最後まで景色の上にエンドロールを下から上にスクロールさせています。

 協力・協賛のクレジットが流れました。
 その一つに-

 「ブラジル XXX国立公園」

 最後のシーンはわざわざ、山崎努をブラジルまで連れて行って撮ったんだ。

 と、一気に現実に戻してくれました。

 これも、あるいみ「特撮」だったのではないかと・・・。






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最終更新日  2003年02月14日 23時18分49秒
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